第二部 知的所有権の取得可能性、範囲及び使用に関する基準
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第一節 著作権及び関連する権利 |
第九条 ベルヌ条約との関係 |
| 1 加盟国は、千九百七十一年のベルヌ条約の第一条から第二十一条まで及び附属書の規定を遵守する。ただし、加盟国は、同条約第六条の二の規定に基づいて与えられる権利又はこれから派生する権利については、この協定に基づく権利又は義務を有しない。 |
| 2 著作権の保護は、表現されたものに及ぶものとし、思想、手続、運用方法又は数学的概念自体には及んではならない。 |
第十条 コンピュータ・プログラム及びデータの編集物 |
| 1 コンピュータ・プログラム(ソース・コードのものであるかオブジェクト・コードのものであるかを問わない。)は、千九百七十一年のベルヌ条約に定める文学的著作物として保護される。 |
| 2 素材の選択又は配列によって知的創作物を形成するデータその他の素材の編集物(機械で読取可能なものであるか他の形式のものであるかを問わない。)は、知的創作物として保護される。その保護は、当該データその他の素材自体には及んではならず、また、当該データその他の素材自体について存在する著作権を害するものであってはならない。 |
第十一条 貸与権 |
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少なくともコンピュータ・プログラム及び映画の著作物については、加盟国は、著作者及びその承継人に対し、これらの著作物の原作品又は複製物を公衆に商業的に貸与することを許諾し又は禁止する権利を与える。映画の著作物については、加盟国は、その貸与が自国において著作者及びその承継人に与えられる排他的複製権を著しく侵害するような当該著作物の広範な複製をもたらすものでない場合には、この権利を与える義務を免除される。コンピュータ・プログラムについては、この権利を与える義務は、当該コンピュータ・プログラム自体が貸与の本質的な対象でない場合には、適用されない。 |
第十二条 保護期間 |
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著作物(写真の著作物及び応用美術の著作物を除く。)の保護期間は、自然人の生存期間に基づき計算されない場合には、権利者の許諾を得た公表の年の終わりから少なくとも五十年とする。著作物の製作から五十年以内に権利者の許諾を得た公表が行われない場合には、保護期間は、その製作の年の終わりから少なくとも五十年とする。 |
第十三条 制限及び例外 |
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加盟国は、排他的権利の制限又は例外を著作物の通常の利用を妨げず、かつ、権利者の正当な利益を不当に害しない特別な場合に限定する。 |
第十四条 実演家、レコード(録音物)製作者及び放送機関の保護 |
| 1 レコードへの実演の固定に関し、実演家は、固定されていない実演の固定及びその固定物の複製が当該実演家の許諾を得ないで行われる場合には、これらの行為を防止することができるものとする。実演家は、また、現に行っている実演について、無線による放送及び公衆への伝達が当該実演家の許諾を得ないで行われる場合には、これらの行為を防止することができるものとする。 |
| 2 レコード製作者は、そのレコードを直接又は間接に複製することを許諾し又は禁止する権利を享有する。 |
| 3 放送機関は、放送の固定、放送の固定物の複製及び放送の無線による再放送並びにテレビジョン放送の公衆への伝達が当該放送機関の許諾を得ないで行われる場合には、これらの行為を禁止する権利を有する。加盟国は、この権利を放送機関に与えない場合には、千九百七十一年のベルヌ条約の規定に従い、放送の対象物の著作権者が前段の行為を防止することができるようにする。 |
| 4 第十一条の規定(コンピュータ・プログラムに係るものに限る。)は、レコード製作者及び加盟国の国内法令で定めるレコードに関する他の権利者について準用する。加盟国は、千九百九十四年四月十五日においてレコードの貸与に関し権利者に対する衡平な報酬の制度を有している場合には、レコードの商業的貸与が権利者の排他的複製権の著しい侵害を生じさせていないことを条件として、当該制度を維持することができる。 |
| 5 実演家及びレコード製作者に対するこの協定に基づく保護期間は、固定又は実演が行われた年の終わりから少なくとも五十年とする。3の規定に基づいて与えられる保護期間は、放送が行われた年の終わりから少なくとも二十年とする。 |
| 6 1から3までの規定に基づいて与えられる権利に関し、加盟国は、ローマ条約が認める範囲内で、条件、制限、例外及び留保を定めることができる。ただし、千九百七十一年のベルヌ条約第十八条の規定は、レコードに関する実演家及びレコード製作者の権利について準用する。 |
第二節 第十五条〜第二十一条、第三節 第二十二条〜第二十四条(略) |
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第四節 意匠 |
第二十五条 保護の要件 |
| 1 加盟国は、独自に創作された新規性又は独創性のある意匠の保護について定める。加盟国は、意匠が既知の意匠又は既知の意匠の主要な要素の組合せと著しく異なるものでない場合には、当該意匠を新規性又は独創性のある意匠でないものとすることを定めることができる。加盟国は、主として技術的又は機能的考慮により特定される意匠については、このような保護が及んではならないことを定めることができる。 |
| 2 加盟国は、繊維の意匠の保護を確保するための要件、特に、費用、審査又は公告に関する要件が保護を求め又は取得する機会を不当に害しないことを確保する。加盟国は、意匠法又は著作権法によりそのような義務を履行することができる。 |
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第二十六条、第五節 第二十七条〜第三十四条、第六節 第三十五条〜第三十八条、第七節 第三十九条 (略) |
第八節 契約による実施許諾等における反競争的行為の規制 |
第四十条 |
| 1 加盟国は、知的所有権に関する実施許諾等における行為又は条件であって競争制限的なものが貿易に悪影響を及ぼし又は技術の移転及び普及を妨げる可能性のあることを合意する。 |
| 2 この協定のいかなる規定も、加盟国が、実施許諾等における行為又は条件であって、特定の場合において、関連する市場における競争に悪影響を及ぼすような知的所有権の濫用となることのあるものを自国の国内法令において特定することを妨げるものではない。このため、加盟国は、自国の関連法令を考慮して、このような行為又は条件(例えば、排他的なグラント・バック条件、有効性の不争条件及び強制的な一括実施許諾等を含むことができる。)を防止し又は規制するため、この協定の他の規定に適合する適当な措置をとることができる。 |
| 3 加盟国は、当該加盟国の国民又は居住者である知的所有権の保有者がこの節の規定の対象とする事項に関する他の加盟国の法令に違反する行為を行っていると信ずる理由を有している当該他の加盟国が、当該法令の遵守を確保することを望む場合には、要請に応じ、当該他の加盟国と協議を行う。この場合において、いずれの加盟国も、自国の法令に基づく措置をとり及び完全に自由に最終決定を行うことを妨げられない。要請を受けた加盟国は、要請を行った加盟国との協議に対し、十分かつ好意的な考慮を払い、適当な機会を与える。当該要請を受けた加盟国は、国内法令に従うこと及び当該要請を行った加盟国による秘密の保護についての相互に満足すべき合意がされることを条件として、当該事案に関連する公に入手可能な秘密でない情報その他当該要請を受けた加盟国により入手可能な情報を提供することにより協力する。 |
| 4 加盟国は、自国の国民又は居住者がこの節の規定の対象とする事項に関する他の加盟国の法令に違反すると申し立てられて手続に服している場合には、要請に基づき、3に定める条件と同一の条件に基づいて当該他の加盟国と協議を行う機会を与えられる。 |
第三部 知的所有権の行使
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第一節 一般的義務 |
第四十一条 |
| 1 加盟国は、この部に規定する行使手続によりこの協定が対象とする知的所有権の侵害行為に対し効果的な措置(侵害を防止するための迅速な救済措置及び追加の侵害を抑止するための救済措置を含む。)がとられることを可能にするため、当該行使手続を国内法において確保する。このような行使手続は、正当な貿易の新たな障害となることを回避し、かつ、濫用に対する保障措置を提供するような態様で適用する。 |
| 2 知的所有権の行使に関する手続は、公正かつ公平なものとする。この手続は、不必要に複雑な又は費用を要するものであってはならず、また、不合理な期限を付され又は不当な遅延を伴うものであってはならない。 |
| 3 本案についての決定は、できる限り、書面によって行い、かつ、理由を示す。この決定は、少なくとも手続の当事者に対しては不当に遅延することなく提供される。本案についての決定は、当事者が意見を述べる機会を与えられた証拠にのみ基づく。 |
| 4 手続の当事者は、最終的な行政上の決定について及び、事件の重要性に係る加盟国の国内法上の管轄に関する規定に従い、本案についての最初の司法上の決定の少なくとも法律面について、司法当局による審査の機会を有する。ただし、刑事事件の無罪判決に関し審査の機会を与える義務を負わない。 |
| 5 この部の規定は、一般的な法の執行のための司法制度とは別の知的所有権に関する執行のための司法制度を設ける義務を生じさせるものではなく、また、一般的に法を執行する加盟国の権能に影響を及ぼすものでもない。この部のいかなる規定も、知的所有権に関する執行と一般的な法の執行との間の資源の配分に関して何ら義務を生じさせるものではない。 |
第二節 民事上及び行政上の手続及び救済措置 |
第四十二条 公正かつ公平な手続 |
加盟国は、この協定が対象とする知的所有権の行使に関し、民事上の司法手続を権利者(注)に提供する。被申立人は、十分に詳細な内容(主張の根拠を含む。)を含む書面による通知を適時に受ける権利を有する。当事者は、独立の弁護人を代理人とすることが認められるものとし、また、手続においては、義務的な出頭に関して過度に重い要件を課してはならない。手続の当事者は、その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠を提出することについての正当な権利を有する。手続においては、現行の憲法上の要請に反しない限り、秘密の情報を特定し、かつ、保護するための手段を提供する。
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(注) この部の規定の適用上、「権利者」には、権利を主張する法的地位を有する連合及び団体を含む。 |
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第四十三条 証拠 |
| 1 一方の当事者がその主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠を提出し、かつ、他方の当事者の有する当該主張の裏付けに関連する証拠を特定した場合には、司法当局は、適当な事案において秘密の情報の保護を確保することを条件として、他方の当事者にその特定された証拠の提示を命ずる権限を有する。 |
| 2 手続の一方の当事者が必要な情報の利用の機会を故意にかつ十分な理由なしに拒絶し若しくは合理的な期間内に必要な情報を提供せず又は行使に関連する手続を著しく妨げる場合には、加盟国は、双方の当事者が主張又は証拠に関し意見を述べる機会を与えられることを条件として、提供された情報(情報の利用の機会の拒絶によって悪影響を受けた他方の当事者が提示した申立て又は主張を含む。)に基づいて、暫定的及び最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)を行う権限を司法当局に与えることができる。 |
第四十四条 差止命令 |
| 1 司法当局は、当事者に対し、知的所有権を侵害しないこと、特に知的所有権を侵害する輸入物品の管轄内の流通経路への流入を通関後直ちに防止することを命ずる権限を有する。加盟国は、保護の対象であって、その取引が知的所有権の侵害を伴うことを関係者が知るか又は知ることができる合理的な理由を有することとなる前に当該関係者により取得され又は注文されたものに関しては、当該権限を与える義務を負わない。 |
| 2 政府又は政府の許諾を受けた第三者が権利者の許諾を得ないで行う使用については、当該使用を明示的に定める第二部の規定に従うことを条件として、加盟国は、この部の他の規定にかかわらず、当該使用に対する救済措置を、第三十一条(h)の規定による報酬の支払に限定することができる。当該使用であってそのような救済措置の限定の対象とならないものについては、この部に定める救済措置が適用され、又は、当該救済措置が国内法令に抵触する場合には、宣言的判決及び適当な補償が行われるものとする。 |
第四十五条 損害賠償 |
| 1 司法当局は、侵害活動を行っていることを知っていたか又は知ることができる合理的な理由を有していた侵害者に対し、知的所有権の侵害によって権利者が被った損害を補償するために適当な賠償を当該権利者に支払うよう命ずる権限を有する。 |
| 2 司法当局は、また、侵害者に対し、費用(適当な弁護人の費用を含むことができる。)を権利者に支払うよう命ずる権限を有する。適当な場合において、加盟国は、侵害者が侵害活動を行っていることを知らなかったか又は知ることができる合理的な理由を有していなかったときでも、利益の回復又は法廷の損害賠償の支払いを命ずる権限を司法当局に与えることができる。 |
第四十六条 他の救済措置 |
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侵害を効果的に抑止するため、司法当局は、侵害していると認めた物品を、権利者に損害を与えないような態様でいかなる補償もなく流通経路から排除し又は、現行の憲法上の要請に反しない限り、廃棄することを命ずる権限を有する。司法当局は、また、侵害物品の生産のために主として使用される材料及び道具を、追加の侵害の危険を最小とするような態様でいかなる補償もなく流通経路から排除することを命ずる権限を有する。このような申立を検討する場合には、侵害の重大さと命ぜられる救済措置との間の均衡の必要性及び第三者の利益を考慮する。不正商標商品については、例外的な場合を除くほか、違法に付された商標の単なる除去により流通経路への商品の流入を認めることはできない。 |
第四十七条 情報に関する権利 |
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加盟国は、司法当局が、侵害の重大さとの均衡を失しない限度で、侵害者に対し、侵害物品又は侵害サービスの生産又は流通に関与した第三者を特定する事項及び侵害物品又は侵害サービスの流通経路を権利者に通報するよう命ずる権限を有することを定めることができる。 |
第四十八条 被申立人に対する賠償 |
| 1 司法当局は、当事者に対し、その申立てにより措置がとられ、かつ、当該当事者が行使手続を濫用した場合には、その濫用により不法に要求又は制約を受けた当事者が被った損害に対する適当な賠償を支払うよう命ずる権限を有する。司法当局は、また、申立人に対し、費用(適当な弁護人の費用を含むことができる。)を被申立人に支払うよう命ずる権限を有する。 |
| 2 知的所有権の保護又は行使に係る法の運用に関し、加盟国は、当該法の運用の過程において措置が誠実にとられ又はとることが意図された場合に限り、公の機関及び公務員の双方の適当な救済措置に対する責任を免除する。 |
第四十九条 行政上の手続 |
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民事上の救済措置が本案についての行政上の手続の結果として命ぜられる場合には、その手続は、この節に定める原則と実質的に同等の原則に従う。 |
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第三節 暫定措置 |
第五十条 |
| 1 司法当局は、次のことを目的として迅速かつ効果的な暫定措置をとることを命ずる権限を有する。 |
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(a) |
知的所有権の侵害の発生を防止すること。特に、物品が管轄内の流通経路へ流入することを防止すること(輸入物品が管轄内の流通経路へ流入することを通関後直ちに防止することを含む。)。 |
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(b) |
申し立てられた侵害に関連する証拠を保全すること。 |
| 2 司法当局は、適当な場合には、特に、遅延により権利者に回復できない損害が生ずるおそれがある場合又は証拠が破棄される明らかな危険がある場合には、他方の当時者に意見を述べる機会を与えることなく、暫定措置をとる権限を有する。 |
| 3 司法当局は、申立人が権利者であり、かつ、その権利が侵害されていること又は侵害の生ずる差し迫ったおそれがあることを十分な確実性をもって自ら確認するため、申立人に対し合理的に入手可能な証拠を提出するよう要求し、並びに被申立人を保護し及び濫用を防止するため、申立人に対し十分な担保又は同等の保証を提供することを命ずる権限を有する。 |
| 4 暫定措置が他方の当事者が意見を述べる機会を与えられることなくとられた場合には、影響を受ける当事者は、最も遅い場合においても、当該暫定措置の実施後遅滞なく通知を受ける。暫定措置の通知後合理的な期間内に、当該暫定措置を変更するか若しくは取り消すか又は確認するかの決定について、被申立人の申立てに基づき意見を述べる機会を与えられる審査を行う。 |
| 5 暫定措置を実施する機関は、申立人に対し、関連物品の特定に必要な情報を提供するよう要求することができる。 |
| 6 1及び2の規定に基づいてとられる暫定措置は、本案についての決定に至る手続が、合理的な期間(国内法令によって許容されるときは、暫定措置を命じた司法当局によって決定されるもの。その決定がないときは、二十執務日又は三十一日のうちいずれか長い期間を超えないもの)内に開始されない場合には、被申立人の申立てに基づいて取り消され又は効力を失う。ただし、4の規定の適用を妨げるものではない。 |
| 7 暫定措置が取り消された場合、暫定措置が申立人の作為若しくは不作為によって失効した場合又は知的所有権の侵害若しくはそのおそれがなかったことが後に判明した場合には、司法当局は被申立人の申立てに基づき、申立人に対し、当該暫定措置によって生じた損害に対する適当な賠償を支払うよう命ずる権限を有する。 |
| 8 暫定措置が行政上の手続の結果として命ぜられる場合には、その手続は、この節に定める原則と実質的に同等の原則に従う。 |
第五部 紛争の防止及び解決
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第六十三条 透明性の確保 |
| 1 この協定が対象とする事項(知的所有権の取得可能性、範囲、取得、行使及び濫用の防止)に関し加盟国が実施する法令、最終的な司法上の決定及び一般に適用される行政上の決定は、各国政府及び権利者が知ることができるような方法により当該加盟国の国語で公表し又は、公表が実際的でない場合には、公に利用可能なものとする。各加盟国の政府又は政府機関の間において有効なこの協定が対象とする事項に関する合意も公表する。 |
| 2 加盟国は、この協定の実施について貿易関連知的所有権理事会が検討することに資するために1に規定する法令を同理事会に通報する。同理事会は、その義務の履行について加盟国の負担を最小とするよう努めるものとし、また、当該法令についての共通の登録制度の設立に関するWIPOとの協議が成功する場合には、当該法令を同理事会に直接通報する義務を免除することを決定することができる。この関連において、同理事会は、千九百六十七年のパリ条約第六条の三に基づくこの協定上の義務に従って行われる通知について、必要となる措置を検討する。 |
| 3 各加盟国は、他の加盟国からの書面による要請に応じて、1に規定する種類の情報を提供することができるように準備する。加盟国は、知的所有権の分野に関する特定の司法上若しくは行政上の決定又は二国間協定がこの協定に基づく自国の権利に影響を及ぼすと信ずるに足りる理由を有する場合には、当該特定の司法上若しくは行政上の決定若しくは二国間協定を利用すること又はこれらの十分詳細な情報を得ることを書面により要請することができる。 |
| 4 1から3までの規定は、加盟国に対し、法令の実施を妨げる等公共の利益に反し又は公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報の開示を要求するものではない。 |
第六十四条 紛争解決 |
| 1 この協定に別段の定めがある場合を除くほか、紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、この協定に係る協議及び紛争解決について準用する。 |
| 2 千九百九十四年のガット第二十三条1の(b)及び(c)の規定は、世界貿易機関協定の効力発生の日から五年間、この協定に係る紛争解決については、準用しない。 |
| 3 2に規定する期間の間、貿易関連知的所有権理事会は、千九百九十四年のガット第二十三条1の(b)及び(c)に規定する種類の苦情であってこの協定に従って申し立てられるものの範囲及び態様を検討し、並びに承認のため閣僚会議に勧告を提出する。この勧告の承認又は2に規定する期間の延長は、閣僚会議がコンセンサス方式によってのみ決定する。承認された勧告は、その後の正式な受諾手続なしにすべての加盟国について効力を生ずる。 |
第六部 経過措置
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第六十五条 経過措置 |
| 1 2から4までの規定に従うことを条件として、加盟国は、世界貿易機関協定の効力発生の日の後一年の期間が満了する前にこの協定を適用する義務を負わない。 |
| 2 開発途上加盟国は、1に定めるところによりこの協定を適用する日から更に四年の期間、この協定(第三条から第五条までの規定を除く。)の適用を延期することができる。 |
| 3 中央計画経済から市場自由企業経済への移行過程にある加盟国であって、知的所有権制度の構造的な改革を行い、かつ、知的所有権法令の準備及び実施において特別な問題に直面しているものも、2に規定する延期の期間を享受することができる。 |
| 4 開発途上加盟国は、2に規定するこの協定の当該開発途上加盟国への一般的な適用の日において、この協定により物質特許の保護をその領域内で物質特許によって保護していない技術分野に拡大する義務を負う場合には、第二部第五節の物質特許に関する規定の当該技術分野への適用を更に五年の期間延期することができる。 |
| 5 1から4までに規定する経過期間を援用する加盟国は、当該経過期間の間の国内法令及び慣行の変更がこの協定との適合性の程度を少なくすることとはならないことを確保する。 |
第六十六条 後発開発途上加盟国 |
| 1 後発開発途上加盟国は、その特別のニーズ及び要求、経済上、財政上及び行政上の制約並びに存立可能な技術的基礎を創設するための柔軟性に関する必要にかんがみ、前条1に定めるところによりこの協定を適用する日から十年の期間、この協定(第三条から第五条までの規定を除く。)を適用することを要求されない。貿易関連知的所有権理事会は、後発開発途上加盟国の正当な理由のある要請に基づいて、この期間を延長することを認める。 |
| 2 先進加盟国は、後発開発途上加盟国が健全かつ存立可能な技術的基礎を創設することができるように技術の移転を促進し及び奨励するため、先進加盟国の領域内の企業及び機関に奨励措置を提供する。 |
第六十七条 技術協力 |
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この協定の実施を促進するため、先進加盟国は、開発途上加盟国及び後発開発途上加盟国のために、要請に応じ、かつ、相互に合意した条件により、技術協力及び資金協力を提供する。その協力には、知的所有権の保護及び行使並びにその濫用の防止に関する法令の準備についての支援並びにこれらの事項に関する国内の事務所及び機関の設立又は強化についての支援(人材の養成を含む。)を含む。 |
| 1 この協定は、加盟国がこの協定を適用する日の前に行われた行為に関し、当該加盟国について義務を生じさせるものではない。 |
| 2 この協定に別段の定めがある場合を除くほか、この協定は、加盟国のこの協定を適用する日における既存の保護の対象であって、当該加盟国において同日に保護されており又はこの協定に基づく保護の基準を満たし若しくは後に満たすようになるものに関し、当該加盟国について義務を生じさせる。この2から4までの規定について、既存の著作物についての著作権に関する義務は、千九百七十一年のベルヌ条約第十八条の規定に基づいてのみ決定されるものとし、また、既存のレコードに関するレコード製作者及び実演家の権利に関する義務は、第十四条6の規定に従って準用される同条約第十八条の規定に基づいてのみ決定される。 |
| 3 加盟国がこの協定を適用する日に公共のものとなっている保護の対象については、保護を復活する義務を負わない。 |
| 4 保護の対象を含む特定の物に関する行為がこの協定に合致する加盟国の国内法令に基づき初めて侵害行為となる場合であって、当該行為が世界貿易機関協定を当該加盟国が受諾する日の前に開始されたとき又は当該行為について当該日の前に相当な投資が行われたときは、加盟国は、この協定を適用する日の後継続して行われる当該行為に関し権利者が利用し得る救済措置の制限を定めることができる。ただし、その場合には、加盟国は、少なくとも、衡平な報酬の支払を定める。 |
| 5 加盟国は、この協定を適用する日の前に購入された著作物の原作品又は複製物については、第十一条及び第十四条4の規定を適用する義務を負わない。 |
| 6 加盟国は、この協定が知られる日の前に使用の許諾が政府によって与えられた場合には、権利者の許諾を得ない使用について、第三十一条の規定又は特許権が技術分野について差別することなく享受されるとの第二十七条1の要件を適用することを要求されない。 |
| 7 加盟国において登録が保護の条件となっている知的所有権の場合には、当該加盟国がこの協定を適用する日に係属中の保護の出願については、この協定に規定する一層広範な保護を請求するために補正をすることを認める。当該補正には、新たな事項を含まない。 |
| 8 加盟国が世界貿易機関協定の効力発生の日に第二十七条の規定に基づく義務に応じた医薬品及び農業用の化学品の特許の保護を認めていない場合には、当該加盟国は、 |