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    第4章-著作権表示、納付および登録


    第401条 著作権表示:可視的コピー

    (a) 総則-本編に基づき保護される著作物が著作権者の権限により合衆国その他の場所で発行される場合には、直接または機械もしくは装置を用いて著作物を視覚的に覚知できる公に頒布されたコピーに、本条に規定する著作権表示を付加することができる。

    (b) 表示の形式-コピーに表示がなされる場合、以下の三つの要素を含まなければならない。

      (1) C記号(丸の中にCの文字)、または「Copyright」の語、または「Copr.」の略語。

      (2) 著作物が最初に発行された年。既発行の素材を含む編集著作物または二次的著作物の場合、当該編集著作物または二次的著作物が最初に発行された年で足りる。絵画、図形または彫刻の著作物(付属する文章を伴う場合を含む)がグリーティング・カード、はがき、文房具、宝飾品、人形、玩具その他の実用品に複製される場合、発行年を省略することができる。また、

      (3) 著作物に対する著作権者の名称、または名称を認識できる略称、または当該著作権者を示す広く知られた他の表示。

    (c) 表示の位置-表示は、著作権の主張につき合理的な告知を与える方法および位置に配置しなければならない。著作権局長は、例として、様々な著作物における上記要件を満たす表示の添付および配置の特定の方法を規則により定めなければならないが、これらの特定は限定的なものと解釈されてはならない。

    (d) 表示の証拠能力-本条に定める形式および位置の著作権表示が、著作権侵害訴訟の被告が入手することのできた既発行のコピーになされている場合には、被告の善意の侵害に基づく抗弁は、第504条(c)(2)最終段に定める場合を除き、現実損害賠償額または法定損害賠償額を減殺するために一切考慮されない。


    第402条 著作権表示:録音物のレコード

    (a) 総則-本編に基づき保護される録音物が著作権者の権限により合衆国その他の場所で発行される場合には、録音物の公に頒布されたレコードに、本条に規定する著作権表示を付加することができる。

    (b) 表示の形式-レコードに表示がなされる場合、以下の三つの要素を含まなければならない。

      (1) P記号(丸の中にPの文字)。また、

      (2) 録音物が最初に発行された年。また、

      (3) 録音物の著作権者の名称、または名称を認識できる略称、または当該著作権者を示す広く知られた他の表示。録音物の制作者の名称がレコードのレーベルまたはケースに記されており、かつ、表示と共に他のいかなる名称も記されていない場合、当該制作者の名称は表示の一部とみなされる。

    (c) 表示の位置-表示は、レコードの表面またはレコードのレーベルもしくはケース上に、著作権の主張につき合理的な告知を与える方法および位置に配置しなければならない。

    (d) 表示の証拠能力-本条に定める形式および位置の著作権表示が、著作権侵害訴訟の被告が入手することのできた既発行のレコードになされている場合には、被告の善意の侵害に基づく抗弁は、第504条(c)(2)最終段に定める場合を除き、現実損害賠償額または法定損害賠償額を減殺するために一切考慮されない。


    第403条 著作権表示:合衆国政府の著作物を含む出版物

    主として一つまたは複数の合衆国政府の著作物からなるコピーまたはレコードによって発行された著作物の場合には、第 401条(d)および第402条(d)は適用されない。ただし、著作権侵害訴訟の被告が入手することのできた既発行のコピーまたはレコードに、当該コピーまたはレコードのうち本編に基づき保護される著作物を含む部分を特定する表示がなされている場合を除く。


    第404条 著作権表示:集合著作物への寄与物

    (a) 集合著作物への寄与物は、第401条ないし第403条に規定する著作権表示を含むことができる。しかし、集合著作物に含まれる個々の寄与物(集合著作物の著作権者以外の者のために挿入された広告を除く)につき第401条(d)または第402 条(d)の規定の適用を受けるにあたっては、寄与物に対する著作権の帰属にかかわらず、また、かかる寄与物が以前に発行されているか否かを問わず、集合著作物全体に対する単一の表示で足りる。

    (b) 著作権者の権限に基づき1988年ベルヌ条約施行法の発効日より前に公に頒布されたコピーまたはレコードに関しては、集合著作物全体に対する単一の表示にその名称を記載された者が独自の表示のない寄与物の著作権者でない場合には、第 406条(a)に服する。


    第405条 著作権表示:特定のコピーおよびレコードにおける表示の欠落

    (a) 著作権に対する表示欠落の効果-1988年ベルヌ条約施行法の発効日より前に著作権者の権限により公に頒布されたコピーまたはレコードについては、著作権者の権限により公に頒布されたコピーまたはレコードから第401条ないし第403条に定める著作権表示が欠落していても、以下のいずれかの場合には著作物に対する著作権を無効にしない。

      (1) 公に頒布されたコピーまたはレコードのうち表示が欠落したものが比較的少数にとどまる場合。

      (2) 著作物のための登録が表示なき発行の前にまたはその後5年以内になされ、かつ、欠落が判明した後合衆国内で公衆に頒布されたすべてのコピーまたはレコードに表示を付加するよう相当な努力がなされた場合。

      (3) コピーまたはレコードの公の頒布に関する著作権者の許諾の条件として表示を付すことを定めた書面による明示的な要件があるにもかかわらず、これに違反して表示が欠落した場合。

    (b) 善意の侵害者に対する表示欠落の効果-著作権表示が欠落し、かつ、1988年ベルヌ条約施行法の発効日より前に著作権者の権限により公に頒布された適法なコピーまたはレコードに依拠して、善意で著作権を侵害する者は、表示の欠落によって錯誤を生じたことを証明する場合には、第408条に基づき著作物の登録が行われたことの現実の通知を受領する前に行った侵害行為につき第504条に基づく現実損害賠償または法定損害賠償の責任を負わない。かかる場合の侵害訴訟においては、裁判所は、侵害により侵害者が受けた利益の賠償を認定しまたは否定することができ、また、侵害にあたる活動の継続を差し止めまたは侵害にあたる活動の継続を許可する条件として著作権者に対して裁判所が定める金額および条件の下に相当な使用料を支払うことを義務づけることができる。

    (c) 表示の除去-本編に基づく保護は、公に頒布されたコピーまたはレコードから著作権者の権限に基づくことなく表示が除去され、破壊されまたは破損されたことによって影響されない。


    第406条 著作権表示:特定のコピーおよびレコードにおける名称または日付の錯誤

    (a) 名称の錯誤-1988年ベルヌ条約施行法の発効日*12より前に著作権者の権限により公に頒布されたコピーまたはレコードについては、著作権者の権限により公に頒布されたコピーまたはレコードの著作権表示に名称が記載された者が著作権者でない場合であっても、著作権の効力および帰属に影響を及ぼさない。しかし、かかる場合には、著作権を侵害する行為を善意で開始した者は、当該表示によって錯誤を生じたことおよび当該表示に名称が記載された者からの移転または使用許諾に基づき善意で当該行為を開始したことを証明すれば、かかる侵害につき完全な抗弁を有するが、当該行為が開始される前に以下のいずれかがなされた場合にはこの限りでない。

      (1) 当該著作物のための登録が著作権者の名でなされた場合。

      (2) 当該表示に名称を記載された者が作成した、著作権の帰属を示す文書が登録された場合。

      著作権表示に名称が記載された者は、その者が偽って著作権に基づき行った移転または使用許諾によるすべての収入につき、著作権者に報告する義務を負う。


    *12 1989年3月1日


    (b) 日付の錯誤-1988年ベルヌ条約施行法の発効日より前に著作権者の権限により公に頒布されたコピーまたはレコードの表示に含まれる年が、最初に発行された年より早い場合、第302条に基づき最初の発行の年から起算する期間は、表示の年から起算する。上記日付が最初に発行された年より1年を超えて遅い場合、著作物は、表示なく発行されたものとみなされ、第405条の規定に服する。

    (c) 名称または日付の欠落-1988年ベルヌ条約施行法の発効日より前に著作権者の権限により公に頒布されたコピーまたはレコードが、表示の一部と合理的に判断できる名称または日付を含まない場合、当該著作物は、表示なく発行されたものとみなされ、1988年ベルヌ条約施行法の発効日において効力を有する第405条の規定に服する。


    第407条 連邦議会図書館に対するコピーまたはレコードの納付

    (a) 第(c)項に規定する場合を除き、また、第(e)項の規定を条件として、合衆国内で発行された著作物の著作権者または排他的発行権者は、発行日後3ヶ月以内に、以下のいずれかを納付しなければならない。

      (1) 最良版の完全なコピー2部。

      (2) 著作物が録音物の場合、最良版の完全なレコード2部およびレコードと共に発行された印刷物その他可視的資料。

      本項の納付の要件および第(e)項の取得規定は、著作権による保護の条件とならない。

    (b) 納付すべきコピーまたはレコードは、連邦議会図書館が使用または処分するために著作権局に納付しなければならない。著作権局長は、納付者の求めがあり第708条に定める手数料の支払があれば、納付物の受領書を発行しなければならない。

    (c) 著作権局長は、規則により、いずれかの種類の物品について本条の納付の要件を免除し、またはいずれかの種類につきコピーまたはレコード1部のみの納付を要求することができる。個人の著作者が絵画、図形または彫刻の著作物の著作権者であり、かつ、(i)当該著作物のコピーが5部未満しか発行されておらず、または(ii)当該著作物が通し番号を付したコピーを含む限定版として発行され、当該著作物の最良版のコピー2部の強制納付はその金銭的価値から負担となり、不当となりまたは非合理的となる場合には、上記規則は、本条の納付の要件の完全な免除を定め、または納付者に事実上もしくは経済上負担を及ぼすことなく著作物の十分な資料用の記録を提供すべき代替形式を定めなければならない。

    (d) 第(a)項に定める著作物の発行後はいつでも、著作権局長は、第(a)項に基づき納付を行うことが義務づけられた者に対して、納付を行うよう書面により請求することができる。請求が受領された後3ヶ月以内に納付が行われなければ、請求を受けた者は、以下の責任を負う。

      (1) 各著作物につき250ドル以下の罰金を支払い、また、

      (2) 請求されたコピーまたはレコードの小売価格の総額、または、小売価格が定められていない場合には連邦議会図書館がこれを取得するに相当な費用を、連邦議会図書館に設ける特定の基金に支払い、また、

      (3) 請求を受けた者が故意にまたは反復して請求に従うことを怠りまたは拒否した場合、第(1)節および第(2)節に基づき課せられる罰金または負担金に加え、2,500ドルの罰金を支払うこと。

    (e) 合衆国内で固定され公衆に送信されたが発行されていない送信番組については、著作権局長は、連邦議会図書館長その他利害を有する団体および公務員との協議を経て、連邦議会図書館の収蔵物のためにかかる番組のコピーまたはレコードを納付し、その他により取得することを規律する規則を定めなければならない。

      (1) 連邦議会図書館長は、上記規則に定める基準および条件に基づき、送信番組を公衆への送信から直接固定し、かかる固定物から資料目的でコピーまたはレコードを1部複製することができるものとする。

      (2) 上記規則はまた、著作権局長が合衆国内での送信の権利者に対し、特定の送信番組のコピーまたはレコードの納付を書面により請求するための基準および手続を定めるものとする。かかる納付は、合衆国内での送信の権利者の選択により、贈与、複製を目的とする貸与または当該コピーもしくはレコードを複製し提供する費用を超えない対価での売却によって行うことができる。本節に基づき定められる規則は、請求に従うための3ヶ月を超えない相当な期間を定め、かつ、状況が合理的に正当化するところにより、かかる期間の延長および請求の範囲または請求に応じる方法の調整を認めるものとする。合衆国内での送信の権利者が上記規則に定める条件に従うことを故意に怠りまたは拒否する場合には、問題となるコピーまたはレコードを複製し提供する費用を超えない金額を連邦議会図書館に設ける特定の基金に支払う責任を負う。

      (3) 本項のいかなる規定も、納付のために第(2)節に規定する特定の書面による請求の受領前に行われた送信について未発行の送信番組のコピーまたはレコードを作成しまたは保管することを義務づけるものと解釈されてはならない。

      (4) 本項第(1)節または第(2)節に定める規則に従って行われたいかなる活動も、本項に基づくコピーまたはレコードの取得を補助することのみを意図して行われた場合には、いかなる責任をも生じさせない。


    第408条 著作権登録総則

    (a) 登録の許容-著作物の著作権者または排他的権利者は、1978年1月1日より前に著作権が確保された発行著作物または未発行著作物に対する著作権については最初の保護期間の存続中いつでも、また、上記日以後に著作権が確保された著作権についてはその存続期間中いつでも、本条に定める納付物ならびに第409条および第708条に定める申請書および手数料を提出することにより、著作権主張の登録を受けることができる。かかる登録は、著作権による保護の条件とならない。

    (b) 著作権登録のための納付-第(c)項に定める場合を除き、登録のために納付すべき物品は以下を含む。

      (1) 未発行著作物の場合、完全なコピーまたはレコード1部。

      (2) 発行著作物の場合、最良版の完全なコピーまたはレコード2部。

      (3) 合衆国外で最初に発行された著作物の場合、当該発行された完全なコピーまたはレコード1部。

      (4) 集合著作物への寄与物の場合、当該集合著作物の最良版の完全なコピーまたはレコード1部。

      第407条に基づき連邦議会図書館に納付されたコピーまたはレコードは、所定の申請書および手数料ならびに著作権局長が規則にて要求しうる識別資料の追加を伴う場合には、本条の納付の規定を満たすために使用することができる。著作権局長はまた、第407条(e)に基づき連邦議会図書館のために納付以外の方法で取得したコピーまたはレコードを本条の納付の規定を満たすために使用できる要件を設ける規則を定めなければならない。

    (c) 管理上の分類および任意の納付

      (1) 著作権局長は、納付および登録のために著作物を分類する管理上の分類、ならびに特定の分類それぞれについて納付 されるべきコピーまたはレコードの性質を、規則にて定める権限を有する。上記規則は、特定の分類につき、コピーもしくはレコードに代わる識別資料の納付、通常コピーもしくはレコード2部の納付が要求される場合に1部のみの納付、または関連する著作物群の単一の登録を、要求しまたは認めることができる。著作物の管理上の分類は、本編に定める著作権または排他的権利の対象物につき何らの意味をも有しない。

      (2) 第(1)節に規定する一般的な権限に影響することなく、著作権局長は、以下の条件を満たす場合には、同一の個人の著作者による著作物群で、すべて定期刊行物(新聞を含む)への寄与物として12ヶ月間に最初に発行されたものにつき、単一の納付、申請および登録料に基づき、単一の登録を特に認める規則を定めなければならない。

        (A) 各寄与物が最初に発行された定期刊行物の全体のコピー1部または新聞の号全体を納付すること、ならびに

        (B) 申請書に各著作物(当該著作物を含む定期刊行物および最初の発行日を含む)を別個に特定すること。

      (3) 同一の個人の著作者による著作物群で、すべて定期刊行物(新聞を含む)への寄与物として最初に発行されたものについては、以下の条件を満たす場合には、第304条(a)に基づく別個の更新登録に代わり、単一の申請書および料金の提出による単一の更新登録を行うことができる。

        (A) 更新請求権者および第304条(a)における請求の根拠が、各著作物について同一であること、

        (B) 著作物がすべて、別個の著作権表示および登録によってまたは定期刊行物の号全体の著作権表示によって、最初の発行の際に著作権を確保されたこと、

        (C) 更新申請書および料金が、すべての著作物が最初に発行された暦年の12月31日から28年後より前かつ27年後より後に納付されたこと、ならびに

        (D) 更新申請書に各著作物(当該著作物を含む定期刊行物および最初の発行日を含む)を別個に特定すること。

    (d) 訂正および補完-著作権局長はまた、著作権登録の錯誤を訂正しまたは登録に示された情報を強調するための補完的登録の申請書の提出に関する手続の形式を、規則にて定めることができる。かかる申請は、第708条に定める料金を伴うものとし、訂正または補完されるべき登録を明確に特定しなければならない。補完的登録に含まれる情報は、先の登録に含まれる情報を補足するものであり、これに代わるものではない。

    (e) 既に登録された著作物の発行版-未発行の形態で既に登録された著作物の最初に発行された版については、発行された著作物が未発行版とほぼ同一であっても、登録を行うことができる。

    (f) 商業的頒布を目的として作成中の著作物の予備登録-

     

    (1)
    規則の制定-本項の制定日*13から180日以内に、著作権局長は、商業的頒布を目的として作成中であって未発行の著作物の予備登録の手続を定める規則を発布しなければならない。

      (2) 著作物の種類-第(1)節に基づいて制定された規則は、商業流通が許諾される前に侵害された経歴があると著作権局長が判定した種類の著作物について、予備登録を許すものでなければならない。

      (3) 登録申請-本項に基づいて予備登録された著作物が最初に発行されたときから3ヶ月以内に、申請者は、以下のものを著作権局に提出しなければならない。

        (A) 著作物の登録申請書

        (B) 納付物、および

        (C) 所定の手数料

      (4) 時機に遅れた申請の効力-本項に基づいて予備登録された著作物に対する本章に基づく侵害訴訟は、当該侵害が著作物の最初の発行から2ヶ月以内に起きた場合には、第(3)節に記載するものが以下のいずれか早いときまでにしかるべき形式にて著作権局に提出されなければ、却下される。

        (A) 著作物の最初の発行から3ヶ月以内、または

        (B) 著作権者が侵害を知ったときから1ヵ月以内。


    *13 2005年4月27日


    第409条 著作権登録の申請

    著作権登録の申請は、著作権局長が定める様式でなされるものとし、以下を含まなければならない。

      (1) 著作権主張者の名称および住所。

      (2) 無名著作物または変名著作物以外の著作物の場合、著作者の名称および国籍または住所、ならびに著作者の一または複数が死亡している場合にはその死亡日。

      (3) 著作物が無名著作物または変名著作物の場合、著作者の国籍または住所。

      (4) 職務著作物の場合、その旨の記述。

      (5) 著作権主張者が著作者でない場合、主張者が著作権を取得した経緯についての簡潔な記述。

      (6) 著作物の題名および著作物を特定することのできる以前のまたは他の題名。

      (7) 著作物の創作が完了した年。

      (8) 著作物が発行された場合、最初に発行された日および国。

      (9) 編集著作物または二次的著作物の場合、当該著作物が依拠しまたは包含する既存の著作物の特定および登録を受ける著作権の主張に含まれる追加的素材についての簡潔な一般的記述。また、

      (10) その他、著作権局長が、著作物の作成もしくは特定または著作権の存在、帰属もしくは存続に関わると判断する情報。 第304条(a)(3)(A)に定める更新延長期間につき申請書が提出され、原期間の登録がなされていない場合、著作権局長は、原期間の著作権の存在、帰属または存続に関する情報を求めることができる。

    第410条 著作権主張の登録および証明書の交付

    (a) 著作権局長は、審査の後、納付された物品が著作権の対象となるものであり、その他本編の法的および形式的要件を満たすと本編の規定に基づき判断する場合には、著作権主張を登録し、著作権局の印章を付した登録証明書を申請者に交付しなければならない。証明書は、登録番号および登録発効日と共に、申請書に記載された情報を含むものとする。

    (b) 著作権局長は、納付された物品が著作権の対象となるものでなく、またはその他の理由により主張が無効であると本編の規定に基づき判断する場合には、登録を拒絶するとともに、拒絶の理由を書面にて申請者に通知しなければならない。

    (c) いかなる司法手続においても、著作物の最初の発行から5年以内になされた登録の証明書は、著作権の効力および証明書に記載された事実の一応の証拠となる。その後になされた登録の証明書に与えられる証拠能力については裁判所の裁量による。

    (d) 著作権登録の発効日は、著作権局長または管轄裁判所が登録につき受理できると判断する申請書、納付物および料金が、著作権局にすべて受領された日とする。


    第411条 登録および民事の侵害訴訟

    (a) 第106A条(a)に基づく著作者の権利の侵害につき提起された訴訟を除き、かつ、本条第(b)項の規定を条件として、本編に基づく著作権主張の予備登録または登録がなされるまでは、いかなる合衆国著作物についての著作権侵害の民事訴訟も提起されてはならない。しかし、いかなる場合においても、登録に必要な納付物、申請書および料金を適切な形式で著作権局に提出し、かつ、登録が拒絶されたときには、申請者は、侵害の通知を訴状の写しとともに著作権局長に送達することにより、著作権侵害の民事訴訟を提起することができる。著作権局長は、その選択により、かかる送達から60日以内に出頭することにより、著作権の登録の可否の争点につき訴訟当事者となることができるが、著作権局長が当事者にならないことにより裁判所が当該論点につき管轄を失うことはない。

    (b) (1)登録証明書は、情報の誤りの有無に関わらず、本条および第412条の要件を満たすが、以下の場合はその限りではない。

        (A) 不正確であることを知りながら著作権登録の申請書に不正確な情報を含めており、かつ

        (B) 情報が不正確であることを著作権局長が知っていれば登録を拒否したであろう場合。

      (2) 第(1)節に定める不正確な情報があると主張された場合、情報が不正確であることを著作権局長が知っていれば登録を拒否したであったか否について、裁判所は、著作権局長に報告を求めなければならない。

      (3) 本条および第412条に基づく侵害訴訟の提起または救済を除き、本項のいかなる規定も、登録証明書に含まれる情報に関連する者の権利、義務または要件に影響しない。

    (c) 音声、映像またはその双方を含む著作物で、その送信と同時に最初に固定されたものの場合、著作権者は、固定が行われる前後に、著作権局長が規則にて定める要件に従いかつ以下のすべての要件を満たすときは、第501条に基づく侵害訴訟を提起し、また、第502条ないし第505条および第510条に規定する救済を完全に受けることができる。

      (1) 固定の48時間以上前に、著作物ならびに最初の送信の特定の時間および出所を特定し、かつ、かかる著作物に対する著作権を確保する意図を宣言する通知を侵害者に対して送達すること。

      (2) 第(a)項により必要となる場合には、最初の送信から3ヶ月以内に著作物のための登録を行うこと。


    第412条 侵害に対する一定の救済の前提条件としての登録

    第106A条(a)に基づく著作者の権利に対する侵害につき提起された訴訟、侵害の開始前に第408条(f)に基づき予備登録されていた著作物の著作権であって、著作物の最初の発行から3ヶ月以内または著作権者が侵害を知ってから1ヶ月以内のどちらか早い方に登録発効日を有している著作権の侵害に対する訴訟、または第411条(c)に基づき提起された訴訟を除く本編に基づくすべての訴訟においては、以下のいずれかの場合、第504条および第505条に定める法定損害賠償金または弁護士報酬は認められない。

      (1) 未発行著作物に対する著作権の侵害で、登録の発効日前に開始されたもの。

      (2) 著作物の最初の発行の後であってかつ登録の発効日の前に開始された著作権の侵害。ただし、登録が著作物の最初の発行後3ヶ月以内になされた場合を除く。




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