第VAA編 放送復号化装置
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第1節 総則
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第135AL条 定義
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本編において、
訴訟 とは、 当事者間の民事的手続を意味し、 反訴を含む。
放送復号化装置 とは、 放送に知覚可能な形式でアクセスすることを制限する技術的手段またはプロセスを回避しまたは回避を容易にすることによって、 放送者の許可なく暗号化された放送にアクセスできるよう設計されまたは採用された装置 (コンピュータ・プログラムを含む) を意味する。
放送者 とは、 暗号化放送を行う者を意味する。
暗号化放送 とは、 以下を意味する。
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(a) |
放送者の事前の許可を得た者に対してのみ、 かつ、 当該者が加入料を支払う (定期的であるか否かを問わない) ことを条件としてのみ利用可能とされる放送、 または
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(b) |
1992年放送事業法 における商業放送事業者もしくは国営放送事業者によって提供される放送 (ラジオ放送もしくは第(a)号の適用ある放送を除く) であって、 知覚可能な形式でのアクセスが技術的手段またはプロセス (コンピュータ・プログラムを含む) により制限されたもの。
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第135AM条 反訴
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本編を反訴に適用するにあたっては、 被告は反訴原告を指すものとする。
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第2節 放送復号化装置に関する訴訟
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第135AN条 放送復号化装置の製造および取引に関する訴訟
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(1) |
第(2)項に従い、 本条は、 以下の場合に適用する。
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(a) |
放送者が暗号化放送を行い、 かつ
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(b) |
ある者が、 当該放送者の許可なく以下のいずれかの行為を行い、
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(i) |
放送復号化装置を作成すること、
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(ii) |
放送復号化装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または広告、 宣伝その他営業を行うこと、
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(iii) |
放送復号化装置を営業目的または放送者を害するその他の目的で頒布すること、
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(iv) |
放送復号化装置を業として公に展示すること、
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(v) |
放送復号化装置を、 以下の目的でオーストラリアに輸入すること、
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(A) |
放送復号化装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または広告、 宣伝もしくはその他の営業を行うこと
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(B) |
放送復号化装置を営業目的または放送者を害するその他の目的のために頒布すること
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(C) |
放送復号化装置を業として公に展示すること
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(vi) |
放送復号化装置を、 放送者を害する程度にオンラインで提供すること
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(c) |
かかる行為を行った者が、 当該装置が放送者の許可なく暗号化放送にアクセスすることを可能にするために使用されることを知りまたは合理的に知りえた場合。
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(2) |
本条は、 以下の者によりまたはこれに代わり法執行または国防のために適法に行われる行為に関しては適用しない。
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(a) |
連邦または州もしくは特別地域、 または
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(b) |
連邦または州もしくは特別地域の機関。
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(3) |
第(8)項に従い、 本条の適用ある場合には、 放送者は当該者に対して訴訟を提起することができる。
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(4) |
本条に基づく訴訟において裁判所が認めることのできる救済には、 差止命令 (裁判所が適切と考える条件があれば、 これに従う) および損害賠償または利得返還を含む。
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(5) |
本条に基づく訴訟において、 裁判所は、
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(a) |
第(1)項(b)に定める被告の行為の凶悪性、
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(b) |
被告が当該放送復号化装置の製造または取引の結果得たと証明される利益、 および
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(c) |
その他の関連する事情
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を考慮して適切と考える場合には、 損害額を算定するにあたって、 当該状況において適切と考える追加の損害賠償を命じることができる。
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(6) |
本条に基づく訴訟において、 裁判所は、 全ての関連する事情を考慮のうえ適切と考える場合には、 命令をもって、 関連する放送復号化装置を廃棄しまたは命令に定めるその他の方法にて処分することを命じることができる。
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(7) |
本条に基づく訴訟においては、 被告が別段の証明を行わない限りは、 放送復号化装置が第(1)項(c)にいう目的に使用されることを被告が知りまたは合理的に知りえたとみなさなければならない。
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(8) |
第(1)項(b)に定める行為に関する本条に基づく訴訟は、 当該者が当該行為を行った時から6年が経過した後は提起することができない。
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第135ANA条 放送復号化サービスの商業的目的のための使用に関する訴訟
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(1) |
第(2)項に従い、 本条は、 以下の場合に適用する。
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(a) |
放送者が暗号化放送を行い、
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(b) |
ある者が、 放送者の許可なく暗号化放送にアクセスするために放送復号化装置を使用し、 または使用を許可し、
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(c) |
当該者が、 当該装置を自己が行いまたは自己にかかわる業もしくは営業のためにまたはこれに関連して、 使用しまたは使用を許可し、 かつ
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(d) |
当該装置を使用しまたは使用を許可することによって当該放送にアクセスすることを放送者が許可していないことを、 当該者が知りまたは合理的に知りえた場合。
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(2) |
本条は、 以下の者によりまたはこれに代わり法執行または国防のために適法に行われる行為に関しては適用しない。
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(a) |
連邦または州もしくは特別地域、 または
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(b) |
連邦または州もしくは特別地域の機関。
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(3) |
第(7)項に従い、 本条の適用ある場合には、 放送者は当該者に対して訴訟を提起することができる。
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(4) |
本条に基づく訴訟において裁判所が認めることのできる救済には、 差止命令 (裁判所が適切と考える条件があれば、 これに従う) および損害賠償または利得返還を含む。
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(5) |
本条に基づく訴訟において、 裁判所は、
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(a) |
第(1)項(b)に定める被告の行為の凶悪性、
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(b) |
放送復号化サービスの使用の結果、 被告自身または被告が行いもしくは関与する業もしくは営業において得たと証明される利益、 および
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(c) |
その他の関連する事情
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を考慮して適切と考える場合には、 損害額を算定するにあたって、 当該状況において適切と考える追加の損害賠償を命じることができる。
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(6) |
本条に基づく訴訟において、 裁判所は、 全ての関連する事情を考慮のうえ適切と考える場合には、 命令をもって、 関連する放送復号化装置を廃棄しまたは命令に定めるその他の方法にて処分することを命じることができる。
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(7) |
第(1)項(b)に定める行為に関する本条に基づく訴訟は、 当該者が当該行為を行った時から 6 年が経過した後は提起することができない。
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第3節 裁判権および控訴
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第135AP条 裁判権の行使
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本編に基づく訴訟に対する州または特別地域の最高裁判所の裁判権は、 当該裁判所の裁判官1名により行使される。
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第135AQ条 控訴
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(1) |
第(2)項に従い、 本編に基づく州または特別地域の裁判所 (構成を問わない) の決定は、 最終的かつ拘束力あるものとする。
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(2) |
本編に基づく州または特別地域の裁判所の決定については、以下の裁判所に控訴することができる。
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(a) |
オーストラリア連邦裁判所、 または
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(b) |
高等裁判所の特別許可を得た場合には、 高等裁判所。
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第135AR条 オーストラリア連邦裁判所の裁判管轄
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本編に基づく訴訟に関しては、 オーストラリア連邦裁判所が裁判管轄を有する。
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第135ARA条 連邦下級判事裁判所の裁判管轄
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本編に基づく民事訴訟に関しては、 連邦下級判事裁判所が裁判管轄を有する。
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第4節 犯罪
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第135AS条 犯罪
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(1) |
何人も、
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(a) |
放送復号化装置を作成すること、
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(b) |
放送復号化装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または広告、 宣伝もしくはその他の営業を行うこと、
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(c) |
放送復号化装置を業または放送者を害するその他の行為を行うことを意図して頒布すること、
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(d) |
放送復号化装置を業として公に展示すること、
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(e) |
放送復号化装置を、 以下の目的でオーストラリアに輸入すること、 または
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(i) |
放送復号化装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または広告、 宣伝もしくはその他の営業を行うこと
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(ii) |
放送復号化装置を業または放送者を害するその他の行為を行うために頒布すること
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(iii) |
放送復号化装置を業として公に展示すること
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(f) |
放送復号化装置を、 著作権者を害する程度にオンラインで提供することを、
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当該装置が放送者の許可なく暗号化放送にアクセスすることを可能にするために使用されることについて故意または未必の故意を有する場合には、 行ってはならない。
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(2) |
第(1)項は、 以下のいずれかの者によりまたはこれに代わり法執行または国防の目的のために適法に行われる行為に関しては適用しない。
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(a) |
連邦または州もしくは特別地域、 または
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(b) |
連邦または州もしくは特別地域の機関。
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(3) |
第(2)項に関して被告が負う立証責任は、 当該事由が存在する合理的可能性を示唆する証拠を提出しまたは指摘する責任のみとする。
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(4) |
第(1)項に違反した者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 550罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。
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第135AT条 訴追
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(1) |
第135AS条に反する犯罪の訴追は、 オーストラリア連邦裁判所または管轄あるその他の裁判所に対して行うことができる。
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(2) |
オーストラリア連邦裁判所は、 第135AS条に反する犯罪の訴追を審理し決定する裁判管轄を有する。
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第135AU条 装置の破棄等
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第135AS条の違反の罪に問われた者について審理する裁判所は、 当該者が有罪とされるか否かを問わず、 当該者が占有する物品であって裁判所が放送復号化装置であるとするものを、 破棄しまたは裁判所が適切と考えるその他の方法にて処分することができる。
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