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    第2章 著作権

    第1節 著作権者およびその権利

    第9条
     著作権者には、次の各号に掲げる者を含む。

    (1) 著作者
    (2) この法律に基づき、著作権を享有するその他の国民、法人またはその他の機関

    第10条
    1 著作権は、次の各号に掲げる人格権および財産権を含む。

    (1) 「公表権」、即ち、著作物を公衆に提示するか否かを決定する権利
    (2) 「氏名表示権」、即ち、著作者であることを表明し、著作物にその氏名を表示する権利
    (3) 「変更権」、即ち、著作物を変更し、または変更を他人に許諾する権利
    (4) 「同一性保持権」、即ち、歪曲または改竄から著作物を保護する権利
    (5) 「複製権」、即ち、印刷、複写、拓本印刷、録音、録画、ダビング、撮影などの方法を用いて、著作物を一部または複数製作する権利
    (6) 「発行権」、即ち、販売または贈与の方法を用いて、著作物またはその複製物を公衆に提供する権利
    (7) 「貸与権」、即ち、映画の著作物、映画制作に類似する方法により創作された著作物またはコンピュータ・ソフトウェアの一時的使用を有償で他人に許諾する権利。コンピュータ・ソフトウェアが貸与の主たる対象ではない場合には、この限りではない
    (8) 「展示権」、即ち、美術の著作物、写真の著作物またはそれらの複製物を公に展示する権利
    (9) 「実演権」、即ち、著作物を公に実演し、または各種の方法を用いて、著作物の実演を公に伝達する権利
    (10) 「上映権」、即ち、映写機または幻灯機などの技術設備を用いて、美術の著作物、写真の著作物、映画の著作物、または映画制作に類似する方法により創作された著作物などを公に再現する権利
    (11) 「放送権」、即ち、著作物を無線方式により公に放送しまたは送信し、または放送された著作物を有線送信し若しくは転送の方式により公衆に送信し、並びに拡声器または記号、音声および画像を伝達するその他の類似の手段を用いて放送された著作物を公衆に送信する権利
    (12) 「情報ネットワーク送信権」、即ち、公衆が個別に選択した時間および場所においてこれにアクセスできるように、有線または無線の方式により公衆に著作物を提供する権利
    (13) 「映画化権」、即ち、映画制作または映画制作に類似する方法を用いて、著作物を媒体に固定する権利
    (14) 「翻案権」、即ち、著作物を脚色し、独創性のある新しい著作物を創作する権利
    (15) 「翻訳権」、即ち、著作物をある言語からその他の言語に転換する権利
    (16) 「編集権」、即ち、著作物または著作物の一部分を選択し、または配列し、それらを新しい著作物としてまとめる権利
    (17) 著作権者が享有すべきその他の権利

    2 著作権者は、前項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利の行使を他人に許諾し、契約またはこの法律の関連規則に基づき、報酬を得ることができる。

    3 著作権者は、本条第1項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利の全てまたは一部を譲渡することができ、契約またはこの法律の関連規則に基づき、報酬を得ることができる。


    第2節 著作権の帰属

    第11条
    1 この法律に別段の定めがある場合を除き、著作権は著作者に帰属する。

    2 著作物を創作した国民を著作者とする。

    3 法人またはその他の機関が主宰し、法人またはその他の機関の意思を代表して創作され、かつ、法人またはその他の機関が責任を負う著作物については、法人またはその他の機関が著作者とみなされる。

    4 反対の証拠がない限り、著作物に氏名を表示した国民、法人またはその他の機関が著作者とみなされる。

    第12条
     既存の著作物の翻案、翻訳、注釈または整理により創作された著作物について、その著作権は翻案、翻訳、注釈または整理を行った者が享有する。ただし、著作権を行使するにあたって、原著作物の著作権を侵害してはならない。

    第13条
    1 二人以上の者により共同創作される著作物について、著作権は、共同著作者が共有する。創作に参加していない者は、共同著作者となることはできない。

    2 分離して使用することができる共同著作物については、各共同著作者は、その個別に創作した部分について個別に著作権を享有することができる。ただし、その著作権を行使するにあたって、共同著作物全体の著作権を侵害してはならない。

    第14条
     複数の著作物、著作物の一部または著作物ではないデータその他の素材を編集し、その内容の選択または配列が独創性を有する著作物は、編集著作物とし、その著作権は、編集者が享有する。ただし、その著作権を行使するにあたって、原著作物の著作権を侵害してはならない。

    第15条
    1 映画の著作物または映画制作に類似する方法により創作された著作物の著作権は、製作者が享有する。ただし、脚本家、監督、撮影監督、作詞家および作曲家などの著作者は、氏名表示権を享有し、製作者と締結した契約に基づき、報酬を得る権利を有する。

    2 映画の著作物または映画制作に類似する方法により創作された著作物に含まれる脚本若しくは音楽など個別に使用できる著作物の著作者は、その著作権を個別に行使する権利を有する。

    第16条
    1 国民が法人またはその他の機関の業務遂行において創作した著作物は、職務著作物とし、本条第2項に定める場合を除き、著作権は、著作者が享有する。ただし、法人またはその他の機関は、その業務範囲内において、それを優先的に使用する権利を有する。著作物が完成された後2年以内は、著作者は、法人またはその他の機関の同意を得ることなく、その法人またはその他の機関が使用するのと同一の方法によるその著作物の使用を第三者に対して許諾してはならない。

    2 次の各号に掲げる事由のいずれかに該当する職務著作物については、著作者は、氏名表示権を享有し、法人またはその他の機関は、著作権のその他の権利を享有する。法人またはその他の機関は、著作者に報償を与えることができる。

    (1) 主に法人またはその他の機関の物質的および技術的資源を利用し、かつ、法人またはその他の機関の責任の下に創作された工学設計図、製品設計図、地図またはコンピュータ・ソフトウェアなどの職務著作物
    (2) 法律、行政規則の規定または契約の約束に基づき、法人またはその他の機関が著作権を享有する職務著作物

    第17条
     委嘱を受けて創作された著作物の著作権の帰属は、委嘱者と委嘱を受けた者が、契約においてそれを定める。契約において明確に約束していない場合または契約を締結していない場合には、著作権は、委嘱を受けた者に帰属する。

    第18条
     美術などの著作物の原作品の所有権の移転は、その著作物の著作権の移転とはみなされない。ただし、美術の著作物の原作品を展示する権利は、その原作品の所有者が享有する。

    第19条
    1 著作権が国民に帰属する場合には、国民の死後、この法律の第10条第1項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利は、この法律に定める保護期間内において、相続法の規定に従って移転される。

    2 著作権が法人またはその他の機関に帰属する場合には、法人またはその他の機関が地位の変更若しくは解散の後には、この法律の第10条第1項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利は、この法律に定める保護期間内において、その権利義務を継承する法人またはその他の機関が享有する。その権利義務を継承する法人またはその他の機関がない場合には、国が享有する。


    第3節 権利の保護期間

    第20条
     著作者の氏名表示権、変更権、同一性保持権の保護期間は、無期限とする。

    第21条
    1 国民の著作物に関して、その公表権およびこの法律の第10条第1項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利の保護期間は、著作者の生涯およびその死後50年とし、著作者死後50年目の12月31日に満了する。共同著作物の場合には、最後に死亡した著作者の死後50年目の12月31日に満了する。

    2 法人またはその他の機関の著作物、法人またはその他の機関が著作権(氏名表示権を除く)を享有する職務著作物に関して、公表権およびこの法律の第10条第1項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利の保護期間は50年とし、著作物が最初に公表された後の50年目の12月31日に満了する。ただし、著作物が創作され、かつ、完了された後の50年以内に公表されなかった場合には、この期間が満了した後にこの法律による保護を受けることができない。

    3 映画の著作物または映画制作に類似する方法により創作された著作物並びに写真の著作物に関して、公表権およびこの法律第10条第1項第(5)号から第(17)号までの条文に定める権利の保護期間は50年とし、著作物が最初に公表された後50年目の12月31日に満了する。ただし、著作物が創作され、かつ、完了された後の50年以内に公表されなかった場合には、この期間が満了した後にこの法律による保護を受けることができない。


    第4節 権利の制限

    第22条
    1 次の各号に掲げる場合には、著作権者の許諾を得ることなく、また、その著作権者に報酬を支払うことなく、著作物を使用することができる。ただし、著作者の氏名および著作物の題号を明示しなければならない、かつ、著作権者がこの法律に基づき、享有するその他の権利を侵害してはならない。

    (1) 個人の学習、研究または鑑賞のために他人の既に公表された著作物を使用すること
    (2) 著作物の紹介若しくは論評または問題説明のために、自己の著作物において他人の既に公表された著作物を適切に引用すること
    (3) 時事報道を行うために、既に公表された著作物を、新聞、定期刊行物、ラジオ放送局またはテレビ放送局などの媒体において再現し、または引用することが避けられない場合
    (4) 他の新聞、定期刊行物、ラジオ放送局またはテレビ放送局などの媒体が既に公表した政治、経済および宗教に係る時事的文章を、新聞、定期刊行物、ラジオ放送局またはテレビ放送局などの媒体が掲載し、または放送すること。ただし、著作者が掲載または放送を認めない旨を表明している場合は、この限りでない。
    (5) 公衆の集会において行われた演説を新聞、定期刊行物、ラジオ放送局またはテレビ放送局などの媒体が掲載し、または放送すること。ただし、著作者が掲載または放送を認めない旨を表明している場合は、この限りでない。
    (6) 学校の教室における教学または学術研究のために、既に公表された著作物を翻訳し、または少量複製し、教学または学術研究を行う者の使用に供すること。ただし、それらを出版、発行してはならない。
    (7) 国家機関が公務を遂行するために合理的な範囲内において既に公表された著作物を使用すること
    (8) 図書館、記録と資料の保存所、記念館、博物館または美術館などが展示または版面の保存を行うために、その所蔵する著作物を複製すること
    (9) 既に公表された著作物を無料で実演すること。その実演については、公衆から費用を徴収することなく、また実演家にも報酬が支払われないこと
    (10) 屋外の公共の場に設置され、または展示されている美術の著作物を模写し、絵に描き、写真撮影し、または録画すること
    (11) 中国の国民、法人またはその他の機関の既に公表された漢民族の言語で創作された著作物を少数民族の言語に翻訳し、国内において出版し、または発行すること
    (12) 既に公表された著作物を点字にして出版すること

    2 前項の制限規定は、出版者、実演家、録音物録画物の製作者、ラジオ放送局およびテレビ放送局の権利についても、適用される。

    第23条
    1 9年制義務教育および国の教育計画を実施するために、教科書を編集出版する場合には、著作者が事前に使用を認めない旨を表明している場合を除き、著作権者の許諾を得ることなく、既に公表された著作物の一部若しくは短い文芸の著作物、音楽の著作物または個別の美術の著作物または写真の著作物を教科書に編集することができる。ただし、規則に従って報酬を支払い、著作者の氏名および著作物の題号を明示しなければならない、かつ、この法律に基づき著作権者が享有するその他の権利を侵害してはならないものとする。

    2 前項の制限規定は、出版者、実演家、録音物録画物の製作者、ラジオ放送局およびテレビ放送局の権利についても、適用される。




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