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    第2編 著作権の行使に関連する権利に関する規定


    第1章 レコードおよび類似の媒体の製作者の権利

    第72条

    1 この法律の第1編により著作者に与えられる権利を侵害することなく、レコード製作者または音声を複製する類似の媒体の製作者は、以下の各条に規定する期間およびその条件にしたがい、製作したレコードまたは媒体を複製方法を問わず複製し、頒布する排他的権利を有する。頒布権は、製作者により、またはその許諾を得て、レコードがEU加盟国において最初に販売されないかぎり、EU域内では消尽しない。

    2 レコード製作者は、製作したレコードの貸与または貸出についての排他的権利および貸与や貸出の許諾についての排他的権利も有する。この権利は、レコードのいかなる形式の販売または頒布によって消尽しない。

    第73条

    1 レコード製作者または音声を複製する類似の媒体の製作者は、その頒布権、貸与権、貸出権にかかわりなく、映画、公のダンス、公共施設および媒体が公に利用される場所における、衛星による公衆への伝達を含む、ラジオまたはテレビジョン放送のためのレコードまたはその他の媒体の、営利を目的とした利用の代償として、報酬を請求する権利を有する。この権利は、報酬を実演家間で分配する製作者によって行使される。

    2 この報酬の額および分配の額は、その条件とともに、施行令の規定にしたがって定められるものとする。

    3 国の行政機関による教育または宣伝目的のための使用、またはその目的のために国に認められている機関による使用については、報酬は支払われないものとする。

    第73条の2

    1 実演家およびレコード製作者は、第73条に規定されている利用が営利を目的としない場合を含み、公正な報酬を請求する権利を有する。

    2 当事者間にその他の取り決めがないかぎり、報酬は、施行令にしたがい、算定され、徴収され、分配される。

    第74条

    1 レコードまたは音声を複製する類似の媒体の、前条に規定されているような利用が、製作者の経済的利益に重大な損害を与えるような条件のもとで行なわれる場合、製作者は、いかなる利用にも反対する権利を有する。

    2 関係当事者の申請にもとづき、「大統領府」は、司法当局の決定があるまでは、製作者の反対にかかわらず、技術的調査および必要がある場合に利用の正当性における欠陥を排除するために必要な措置の命令の後、レコードまたは音声を複製する類似の媒体の使用を許可することができる。

    第75条

    1 本章に掲げる権利の存続期間は、固定の時から50年とする。

    2 レコードまたは音声を複製する類似の媒体がその期間内に発行され、または公衆に伝達される場合、これらの権利の存続期間は、最初の発行の日から、またはより早い場合には、レコードまたは類似の媒体の公衆への最初の伝達から50年とする。

    第76条

     レコードまたは音声を複製する類似の媒体の複製物は、第62条に掲げる事項が、可能である場合に、そのレコードまたは媒体に消すことのできない方法で表示されていないかぎり、販売し、頒布してはならない。

    第77条

    1 本章に規定されている権利は、施行令の規定にしたがい、レコードまたは媒体の複製物の1つが大統領府に寄託された場合に行使することができる。

    2 ただし、製作者に帰属する権利行使の条件として、第1項に規定する寄託の手続は、の記号が、最初の発行の年の表示とともに、レコードまたは類似の媒体のすべての複製物に消すことのできない方法で表示されている場合に履行されたものとみなされる。

    第78条

    1 音声または生の声を録音することによって、レコード原盤または音声を複製する類似の媒体を作成する者は、製作者とみなされる。

    2 最初のライブ録音が行なわれた場所が、製作の場所とみなされる。


    第1章の2 映画および視聴覚著作物の製作者の権利

    第78条の2 

    1 映画の著作物または視聴覚著作物あるいは映像の製作者は、次に掲げる行為を行なう排他的権利を有する。
    (a) 直接または間接に原著作物およびその複製物の複製を許諾すること
    (b) 販売を含む、あらゆる意味における原著作物およびその複製物の頒布を許諾すること。頒布権は、製作者により、またはその許諾を得て、EU加盟国において最初に販売されないかぎり、EU域内では消尽しない。
    (c) 原著作物およびその複製物の貸与および貸出を許諾すること。いかなる形式の販売または頒布によっても、貸与権および貸出権は消尽しない。

    2 前項に規定される権利は固定の時から50年の経過により消滅する。映画の著作物または視聴覚著作物もしくは映像がその期間内に発行され、または公衆へ伝達される場合は、最初の発行の時から、あるいは、より早い場合には、映画の著作物または視聴覚著作物もしくは映像の公衆への最初の発行の時から50年で消滅する。


    第2章 ラジオおよびテレビジョン放送事業者の権利

    第79条

    1 この法律により著作者、レコード製作者、類似の機器の製作者、映画の著作物および視聴覚著作物または映像の製作者、並びに実演家に与えられる権利を侵害することなく、ラジオまたはテレビジョン放送を行なう者は、次に掲げる行為を行なう排他的権利を有する。
    (a) 有線または無線による放送の録音を許諾すること。この権利は、他の放送機関の放送をケーブルにより再放送するケーブル業者には与えられない。
    (b) 直接または間接に放送の録音物の複製を許諾すること
    (c) 有線または無線による放送の再送信を許諾すること、および入場料の支払いを必要とする場所で行なわれる場合の公衆への伝達を許諾すること
    (d) 放送の録音物の頒布を許諾すること。この権利は、権利者により、またはその許諾を得て、EU加盟国において最初に販売されないかぎり、EU域内では消尽しない。

    2 前項における権利者は、二次的な放送または再放送の録音物あるいは二次的な録音物の放送の録音を利用する排他的権利も有する。

    3 「放送」という用語は、ラジオおよびテレビジョンによる放送を意味する。

    4 「有線または無線による」という用語は、ケーブルおよび衛星による放送を含む。

    5 第1項に規定されている権利の存続期間は、放送の最初の伝送から50年とする。


    第3章 実演家の権利

    第80条

    1 知的著作物を上演、歌唱、朗読またはあらゆる方法で実演する俳優、歌手、ミュージシャン、ダンサー等は、それが保護される著作物であれ、または公有に帰しているものであれ、実演家とみなされる。

    2 実演家は、生の実演について、報酬とはかかわりなく、次に掲げる排他的権利を有する。
    (a) 実演の録音録画を許諾すること
    (b) 直接または間接に実演の録音録画物の複製を許諾すること
    (c) 衛星放送を含むあらゆる形式または方法において、生の実演を放送し、公衆に伝達すること。ただし、公衆への伝達は、ラジオやテレビジョンによる放送が予定されている場合、または放送のための録音録画物がすでに存在する場合はこのかぎりではない。録音物がレコードまたは類似の媒体に録音され、営利を目的として利用される場合、実演家は、第73条の2に規定されている報酬請求権を有する。
    (d) 実演の録音録画物の頒布を許諾すること。この権利は、実演の録音録画物が、権利者またはその許諾を得て、EU加盟国内で最初に販売されないかぎり、EU域内において消尽しない。
    (e) 芸術的実演の録音録画物およびその複製物の貸与または貸出を許諾すること。レコード製作者、映画の著作物または視聴覚著作物の製作者、並びに映像の製作者に貸与権を譲渡したときでも、実演家は、製作者による第三者との合意のある貸与の場合には、正当な報酬請求権を有する。これに反するいかなる契約条項も無効である。実演家の利益団体と権限のある企業連合の団体との間に合意がない場合、報酬請求権は、1945年7月20日の法律第440号の第4条に規定されている手続にしたがって定められる。

    第81条

    1 実演家は、その名誉または声望を害するおそれがある実演の伝送、送信または複製に反対する権利を有する。

    2 第74条第2項の規定が準用される。

    3 放送に関するかぎり、本条の適用から生ずる争いは、第54条第1項の規定にもとづいて調整される。

    第82条

     前各条の規定の適用については、次に掲げる者は、実演家の定義に含まれるものとする。
    (1) 演劇、文学または音楽の著作物もしくは音楽作品の実演において、補助的であっても、重要な芸術的役割を演ずる者。
    (2) オーケストラまたはコーラスの指揮者。
    (3) オーケストラまたはコーラス。そのオーケストラまたはコーラスそれ自体が芸術的価値を有し、単なる伴奏でないことを条件とする。

    第83条

     演劇、文学または音楽の著作物もしくは音楽作品において主要な役割を演ずる実演家は、その実演が伝送または送信される場合に氏名を表示させ、およびレコード、映画フィルムその他の類似の媒体に消すことのできない方法で氏名を表示させる権利を有する。

    第84条

    1 当事者間に取り決めがない場合、実演家は、固定権、複製権、放送権(衛星による公衆への伝達を含む)および頒布権、さらに貸与を許諾する権利を映画の著作物または視聴覚著作物もしくは映像の製作者との契約により、譲渡したものと推定する。

    2 映画の著作物または類似の著作物において重要な役割を演ずる実演家は、補助的な俳優であっても、電波、ケーブルまたは衛星による公衆への伝達の形式をとる著作物のあらゆる利用ごとに、放送機関によって支払われる正当な報酬を請求する権利を有する。

    3 前項および第80条第2項(e)の規定のそれとは異なる映画の著作物または類似の著作物の利用ごとに、前項に規定されている実演家は、各利用行為について利用権を行使する者によって支払われる正当な報酬を請求する権利を有する。

    4 第2項および第3項に規定されている報酬請求権は、放棄することができず、実演家の利益団体と権限のある企業連合の団体との間に合意がない場合は、1945年7月20日の法律第440号の第4条に規定されている手続にしたがって定められる。

    第85条

     本章に規定されている権利の存続期間は、実演の時から50年とする。実演の固定物がその期間内に発行され、または公衆へ伝達される場合、権利の存続期間は最初の発行から、より早い場合には、固定物の最初の公衆への伝達から50年とする。 口演または実演の複製に関する報酬請求権は、その口演または実演の日から20年間存続する。

    第85条の2

     本章および前章に規定されている権利に加えて、著作隣接権者は、第110条の2に規定されているケーブル再送信を許諾する権利を有する。


    第3章の2 著作者の経済的利用権消滅後に発行され、または公衆に伝達される著作物に関する権利


    第85条の3 

    1 著作者人格権を侵害することなく、著作権の保護の消滅後、以前に出版されたことがない著作物を初めて合法的に発行し、または公衆に伝達する者は、規定が準用される範囲において、この法律の第1編第3章第1節の規定によって与えられている利用権を有する。

    2 前項に規定されている排他的利用権の存続期間は、合法的な最初の発行または合法的な最初の公衆への伝達から25年である。


    第3章の3 公有著作物の文化的および学術的な出版に関する権利

    第85条の4 

    1 著作者人格権を侵害することなく、公有にある著作物の文化的および学術的出版物を何らかの方法または手段で発行する者は、批評的または分析的評価から生ずる著作物の排他的利用権を有する。

    2 発行者と、前項に規定されている経済的利用権の権利者を拘束する契約関係を害することなく、文化的および学術的出版物について責任を負う者は、名称を付する権利を有する。

    3 第1項に規定されている排他的権利の存続期間は、形式や手段を問わず、適法な最初の発行から20年とする。

    第85条の5

     第1章、第1章の2、第2章、第3章、第3章の2および第2編の本章に規定されている権利の存続期間は、すべての場合において、法律に規定されている事柄が発生した年の1月1日から起算する。


    第4章 舞台装置のデザインに関する権利

    第86条

    1 第1編の規定に定める著作権によって保護される知的著作物とならない演劇的場面のスケッチの著作者は、そのスケッチが作成された劇場以外の劇場でさらに使用される場合には、報酬請求権を有する。

    2 この権利は、スケッチが使用された最初の実演から5年間存続する。


    第5章 写真に関する権利

    第87条

    1 写真または類似の方法によって得られる人物の画像または自然もしくは社会生活の光景、現象または事柄の画像は、造形美術の著作物の複製物および映画フィルムのスチールを含めて、本章の目的に照らし、写真とみなされる。

    2 本章の規定は、文書、資料、業務書類、物品、技術図面および類似の製作物の写真には適用されない。

    第88条

    1 写真の複製、伝送および販売に関する排他的権利は、肖像に関するかぎり、本編第6章第2節の規定にしたがい、写真に複製された造形美術の著作物の著作権を侵害することなく、撮影者に帰属する。

    2 ただし、著作物が雇用契約または労務契約の履行の過程で製作された場合には、排他的権利は、契約の内容および目的の範囲内で、雇用主に帰属する。

    3 反対の約定がないかぎり、前項は、自己の所有する物の写真を依頼する者に適用される。複製物を商業的に使用する者は、撮影者に公正な報酬を支払わなければならない。

    4 大統領府は、施行令に定める規定にしたがい、写真の利用者が支払うべき報酬の適当な料率を定めることができる。

    第89条

     反対の約定がないかぎり、写真のネガまたは類似の複製手段の譲渡は、それらの権利が譲渡人の財産権であることを条件として、前条に規定されている権利の譲渡を含むものとする。

    第90条

    1 写真の複製物には、次に掲げる事項を表示しなければならない。
    (1) 撮影者の氏名、または第88条第1項に規定されている場合においては、撮影者が所属する会社の名称もしくは写真を依頼した者の氏名
    (2) 写真の製作の年
    (3) 撮影された美術の著作物の著作者の氏名

    2 複製物にこれらの事項が表示されていない場合は、撮影者が複製した者の悪意を立証しないかぎり、その複製物は不法なものとはみなされず、第91条および第98条に規定されている報酬の支払い義務も生じない。

    第91条

    1 学校で利用を予定された詩文集、および一般に学術上または教育上の著作物における写真の複製は、施行令に規定する方法で定められる公正な報酬の支払いを条件として、適法とされる。

    2 写真の撮影者の氏名および製作年がオリジナルの写真に表示されている場合は、複製物にそれらを表示しなければならない。

    3 新聞その他の定期刊行物において発行される写真の複製は、それが公衆の関心の対象である人物または時事の事件もしくは事柄に関するものである場合、公正な報酬の支払いを条件として、適法とされる。

    4 第88条第4項の規定が適用される。

    第92条

     写真に関する排他的権利は、写真の作成から20年間存続する。


    第6章 手紙および肖像に関する権利

    第1節 手紙に関する権利

    第93条

    1 手紙、書簡、書簡集、家族や個人のメモおよび類似の性質を有するその他の文書で、内密性を有し、または個人の私生活に関するものは、著作者の同意、および手紙または書簡においては、名宛人の同意がないかぎり、発行し、複製し、またはいかなる方法でも公衆に知らせてはならない。

    2 著作者または名宛人の死後は、その配偶者および子の同意、または配偶者および子がないときは両親の同意を必要とする。配偶者、子および両親がないときは、兄弟姉妹の同意、または兄弟姉妹がないときは、4親等内の直系尊属および卑属の同意を必要とする。

    3 前項に掲げる者が2人以上おり、それらの者の間に争いが生じたときは、司法当局は、検察官の意見を聞いた後に、紛争を裁決する。

    4 故人の意思は、文書で表明されているときは、あらゆる場合に尊重されなければならない。

    第94条

     前条に掲げる同意は、その文書の内容を知ることが、民事または刑事訴訟のため、もしくは関係者または関係家族の名誉や声望の擁護に関して必要とされるときは、必要としない。

    第95条

     前2条の規定は、著作権によって保護される著作物である書簡にも適用され、書簡が公有に帰した後においても適用される。それらの規定は、公文書や公の書簡および国に利害関係のある文書や書簡には適用されない。


    第2節 肖像に関する権利

    第96条

    1 次条の規定にしたがい、人の肖像は、その同意なくして展示し、複製し、または商業的に頒布することはできない。

    2 肖像本人の死後は、第93条第2項、第3項および第4項の規定が適用される。

    第97条

    1 肖像本人が有名であり、または公職にあることにより、司法または警察の必要により、もしくは学術的、教育的または文化的理由により、肖像の複製が正当とされる場合、または、複製が、公共性を有し、公に行なわれた事実、事件および儀式に関連する場合には、肖像本人の同意は必要としない。

    2 ただし、肖像の展示または商業的頒布が肖像本人の名誉、声望または尊厳を害するような場合には、肖像を展示し、または商業的に頒布することができない。

    第98条

    1 反対の約定がないかぎり、依頼による肖像写真は、肖像本人またはその相続人もしくは権利承継人が、撮影者の同意なしに発行し、複製し、または複製することができる。ただし、複製物を商業的に使用する者は、撮影者に公正な報酬を支払わなければならない。

    2 撮影者の氏名がオリジナル写真に付されているときは、その氏名を表示しなければならない。

    3 第88条第4項の規定が準用される。


    第7章 工学上のプロジェクトに関する権利

    第99条

    1 技術的問題の独創的解決を形成する工学上の設計図およびその他類似の著作物の著作者は、そのプロジェクトの設計図および図面の排他的複製権に加えて、営利を目的として、および著作者の同意なしに技術的プロジェクトを実現するすべての者から公正な報酬を受ける権利を有する。

    2 報酬請求権を行使するためには、著作者は、その設計図または図面に権利留保の表示を付し、施行令の規定にしたがい、設計図または図面を大統領府に寄託しなければならない。

    3 本条に定める報酬請求権は、第2項に規定する寄託の日から20年間存続する。


    第8章 著作物の題号、見出しおよび装幀並びに記事およびニュースの保護
    - 不正競争行為の禁止


    第100条

    1 著作物を識別する独自性のある著作物の題号は、著作者の同意なしに、他の著作物とともに複製することはできない。

    2 この禁止は、混同の可能性を排除するほどに種類や性格を異にする著作物には及ばないものとする。

    3 見出しの下に掲載される標準的かつ個性的な特集記事を独自に識別するための、定期刊行物に用いられる見出しの複製も、同様の条件にしたがって禁止される。

    4 新聞、雑誌その他の定期刊行物の題号は、その発行の停止から2年経過するまで、同種または同性格の他の著作物に複製することはできない。

    第101条

    1 情報およびニュースの複製は、ジャーナリズムにおける公正な慣行に反する行為によって行なわれないこと、および出所が明示されることを条件として、適法とされる。

    2 次に掲げる行為は、不適法なものとみなされる。
    (a) 速報の配信から16時間が経過する前に、および新聞社または通信社が許諾を与えた新聞その他の定期刊行物において発行する前に、新聞社または通信社が配信する速報の、許諾のない複製または放送。この目的のため、および新聞社または通信社が不適法に使用する者に対する訴権を得るため、速報は、その配信の日時の情報を正確に表示しなければならない。
    (b) 新聞その他の定期刊行物または放送機関が、営利を目的として、発行または放送する情報やニュースの組織的な複製

    第102条

     見出し、題字、装飾、印刷記号または印刷文字の配列その他知的著作物の装丁の特徴的な形式や色彩の、同種の他の著作物への複製または模倣は、著作物間または著作者間に混同を生じさせるおそれがある場合には、不正競争行為として禁止される。


    第2編の2 データベース製作者の権利および利用者の権利義務に関する規定


    第1章 データベース製作者の権利

    第102条の2

    1 本編の目的について、
    (a) 「データベース製作者」とは、データベースを入手し、財源、時間、労力を用いてコンテンツの実証または呈示をすることについて、質的に、または量的に実質的な投資を行った者をいう。
    (b) 「抽出」とは、手段や形式を問わず、データベースのコンテンツの全部または実質的な部分を永久的または一時的に、他のメディアに移転することを意味する。第69条第1項における機関によって行なわれるデータベースの貸出は、抽出行為とはならない。
    (c) 「再利用」とは、複製物の頒布、貸与、伝送、その他あらゆる手段、形式により、データベースのコンテンツの全部または実質的な部分を公衆の利用のために提供することを意味する。第69条第1項における機関によるデータベースの貸出は、再利用の行為とはならない。

    2 権利者による、またはその同意を得た、域内でのデータベースの複製物の最初の販売により、域内でその複製物の再販売を管理する権利は消尽する。

    3 著作権またはその他の権利によるデータベースの保護の適性にかかわりなく、かつ、そのコンテンツまたはコンテンツの部分を害することなく、データベース製作者は、本章の存続期間および条件のもとで、データベースの全部または実質的部分の抽出または再利用の行為を禁止する権利を有する。

    4 前項に規定されている権利は、製作者または権利者が加盟国の国民であるか、または域内に常駐する住居をもつ者のデータベースに適用される。

    5 第3項の規定は、加盟国の法律にしたがって設立され、およびEU内に登録された事務所、事業本部または本拠地をもつ会社や企業に適用される。ただし、その企業や会社がEU域内に登録された事務所のみをもつ場合、その適用は、加盟国の進行中の経済ベースに連動させなければならない。

    6 製作者の排他的権利は、データベースの製作の完成の日から効力をもつ。この権利は、完成の日の翌年の1月1日から15年で満了する。

    7 前項に規定されている期間の満了前に、何らかの方法で公衆の利用のために提供されているデータベースにおいては、この権利の保護期間は、データベースが最初に公衆の利用のために提供された日の翌年の1月1日から15年間で満了する。

    8 第1項(a)における相当な投資を含む、データベースのコンテンツの実質的な変更または調整により、第6項および第7項に規定されている存続期間と同等の、新たな保護期間が生じる。その保護期間は、変更されたデータベースの完成の日、または変更されたデータベースが公衆の利用のために提供され、変更されたデータベースとして明示された日から起算する。

    9 データベースの実質的ではない部分の、反復的および体系的な抽出または再利用は、データベースの通常の利用と矛盾し、データベース製作者の適法な利益を不合理に害する行為を含む場合には許されない。

    10 第3項に規定されている権利は、法律に規定されている形式において取得し、または譲渡することができる。


    第2章 利用者の権利義務

    第102条の3

    1 公衆の利用のために提供されているデータベースの適法な利用者は、データベースに含まれる著作物または素材に関する著作権または著作隣接権の権利者に損害を与えるものではない。

    2 公衆の利用のために提供されているデータベースの適法な利用者は、方法を問わず、データベースの通常の利用と矛盾し、またはデータベース製作者の適法な利益を不合理に害する行為を行なうことにはならない。

    3 公衆の利用のために提供されているデータベースの製作者は、理由を問わず、データベースの適法な利用者が、いかなる目的であれ、質的にも量的にも、コンテンツの部分を抽出し、または再利用することを妨げることはできない。

    4 第1項、第2項および第3項に反する契約規定は無効である。




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