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    第4章 製版権

    第79条 (製版者の権利)
     言語の著作物または美術の著作物であって、著作物の財産的権利がないもの若しくは消滅しているものについて、製版者がその言語の著作物を整理し、および印刷し、または、美術の著作物の原作品に基づき、写真複写、印刷、または類似の方法を用いて、複製物を作成し、および最初に発行し、かつ、法律に従って登録した場合には、その製版者は、その版面に関して、写真複写、印刷または類似の方法を用いて複製する権利を専有する。
     製版者の権利は、その版面が完成した時から10年間存続する。
     前項に定める保護期間は、その期間最終の年の末日に満了する。
     製版権の譲渡または信託は、登録をしない限り、他の第三者には対抗することができない。
     製版権の登録、譲渡の登録、信託の登録およびその他遵守しなければならない事項に関する規則は、主務官庁がこれを定める。

    第80条 (準用規定)
     著作物の財産的権利の消滅に関する第42条および第42条の規定、および、著作物の財産的権利の制限に関する第44条から第48条まで、第49条、第51条、第52条、第54条、第64条および第65条の規定は、製版権について準用される。



    第4章の2 電子的権利管理情報および不正使用と複製の防止措置

    第80条の2 (電子的権利管理情報)
     著作権者が施した電子的権利管理情報を削除し、或いは改変してはならない。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りではない。
    (1)  利用時の技術的制限に関連し、電子的権利管理情報を削除し、或いは改変しなければ、著作物を適法に利用するができない場合、
    (2)  固定または送信の系統を転換する時に、その転換の技術上必要とされる削除或いは改変である場合。
     著作物の電子的権利管理情報が不法に削除され、または改変されている事実を知っている場合には、その著作物の原作品または複製物を頒布し、頒布のために輸入し、若しくは所持してはならない、また、公の放送、公の上演、若しくは公の送信も行ってはならない。

    第80条の3 (不正使用と複製の防止措置)
     適法の許諾を得ることなく、他人による著作物への無許諾のアクセスを禁止し、または制限するために著作権者が採用する不正使用と複製の防止措置を、解除、破壊またはその他の方法を用いて、回避してはならない。
     適法の許諾を得ることなく、解除または破壊のための、または不正使用と複製の防止措置を回避する設備、装置、部品、技術又は情報を、製造し、輸入し、公衆の使用に供し、または業として公衆に提供してはならない。
     前二項の規定は、次の各号に掲げる場合には、適用されない。
    (1)  国家の安全保障を維持するために、
    (2)  中央または地方の政府機関による場合、
    (3)  機密資料の保存機関、教育機関または公衆に開放する図書館が、資料を取得するか否かを評価するために、
    (4)  未成年者を保護するために、
    (5)  個人情報を保護するために、
    (6)  コンピュータまたはネットワークの安全テストを行う場合、
    (7)  暗号化の研究を行う場合、
    (8)  リバース・エンジニアリングを行う場合、
    (9)  主務官庁が定めるその他の場合。
     前項各号の内容は、主務官庁がこれを定め、かつ、定期的に見直しをする。



    第5章 著作権仲介団体および著作権審議調停委員会

    第81条 (著作権仲介団体の組織および法的根拠)
     著作権の主務官庁の許認可を受けて、著作物の財産的権利の所有者は、その権利を行使し、使用の報酬を徴収し、または分配する目的とする著作権仲介団体を設立することができる。
     排他的許諾を受けた者も、著作権仲介団体に参加することができる。
     第1項にいう団体の設立の許認可、組織、職権、監督および指導については、別の法律によって定められる。

    第82条 (著作権審議調停委員会の所管事項)
     著作権の主務官庁は、次の各号に掲げる事項を処理するために、著作権審議調停委員会を設置しなければならない。
    (1)  第47条第4項にいう報酬の料率を審議すること、
    (2)  著作権仲介団体と利用者との間の報酬に関する紛争を調停すること、
    (3)  著作権または製版権に関する紛争を調停すること、
    (4)  その他著作権の審議および調停に関して諮問すること。
     前項第3号にいう「紛争の調停」が刑事に関する場合には、その調停は、告訴によって提起される案件に限る。

    第82条の2 (著作権の主務官庁による調停)
     著作権の主務官庁は、調停成立後の七日間以内に、その調停文書を管轄の裁判所に送付し、査定を受けなければならない。
     裁判所は、前項の調停文書を速やかに査定しなければならない、および、法令に違反しまたは公序良俗に反し若しくは強制執行のできないものを除き、裁判官の署名および裁判所の捺印を受けたものを、保存用に一部を保持するほか、当事者への送達を行う著作権の主務官庁に返送しなければならない。
     裁判所が査定しない事件については、その理由を著作権の主務官庁に通知しなければならない。

    第82条の3 (裁判所の査定を受けた調停)
     調停の当事者は、その調停が裁判所の査定を受けた後に、その事件に関して訴訟、告訴または私的訴追を提起してはならない。
     前項にいう「裁判所の査定を受けた」民事調停は、確定した民事の判決と同等の効力を有する。「裁判所の査定を受けた」刑事調停の対象が金銭給付またはその他の代替物若しくは一定量の有価証券である場合には、その調停文書は、執行力を有する。

    第82条の4 (調停の成立に伴う訴訟の取り下げと見なされるもの)
     裁判所で係争中の民事事件について、その判決が確定される前に調停が成立し、かつ、裁判所の査定を受けた場合には、その訴訟は、調停の成立に伴って取り下げられたものと見なされる。
     捜査中または第一審の裁判所において口頭弁論が終了する前の刑事事件について、調停が成立し、裁判所の査定を受けて、かつ、当事者の同意を得て取り下げとなった場合には、その告訴または私的訴追は、調停の成立に伴って取り下げられたものと見なされる。

    第82条の5 (調停無効の宣言および調停撤回を求める訴訟)
     民事の調停が裁判所の査定を受けた後に、無効若しくは撤回しなければならないものについては、当事者は、その査定を行った裁判所に対して、調停無効の宣言若しくは調停の撤回を求める訴訟を提起しなければならない。
     前項の訴訟について、当事者は、裁判所の査定した調停文書の送達後30日以内にこれを提起しなければならない。

    83条 (著作権審議調停委員会の組織規程および紛争調停に関する規則)
     前条にいう「著作権審議調停委員会」の組織規程および紛争調停に関する規則は、主務官庁が起草し、行政院による審査と認可を受けた後に、これを公布する。



    第6章 権利侵害の救済

    第84条 (侵害の排除および防止を請求する権利)
     著作権者または製版権の所有者は、その権利が侵害される場合には、侵害の排除を請求し、および侵害のおそれがある場合には、侵害の防止を請求することができる。

    第85条 (著作者人格権の侵害に関する請求権)
     著作者人格権を侵害する者は、その損害について賠償する責任を負う。財産的損害ではないにもかかわらず、被害者は、相当の金額の賠償を請求することができる。
     前項にいう「侵害」について、被害者は、著作者の氏名または名称の表示、内容の訂正またはその他名誉の回復のための適当な措置を請求することもできる。

    第86条 (著作者死後の請求権を有する者)
     著作者の死後において、その遺言に別段の指定がある場合を除き、次の各号に掲げる者は、その順序に従って、第18条を違反しまたは違反するおそれのある者に対して、第84条および前条第2項の規定に従って救済を請求することができる。
    (1)  配偶者
    (2)  子
    (3)  父母
    (4)  孫
    (5)  兄弟姉妹
    (6)  祖父母

    第87条 (著作権または製版権のみなし侵害)
     この法律に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる行為は、著作権または製版権を侵害する行為とみなす。
    (1)  著作者の名誉を害する方法によりその著作物を利用すること、または、
    (2)  著作権または製版権の侵害物であることを知りながら、その侵害物を頒布し、頒布の意図をもって公に陳列し、または所持すること、
    (3)  著作物の財産的権利または製版権の所有者の許諾を得ることなく作成された著作物または版面の複製物を輸入すること、
    (4)  著作物の財産的権利の所有者の同意を得ることなく著作物の原作品またはその複製物を輸入すること、
    (5)  コンピュータ・プログラムの著作物の財産的権利を侵害する行為によって作成された複製物を業務において使用すること、
    (6)  著作物の財産的権利の侵害物であることを知りながら、譲渡または貸与以外の方法によりそれを頒布すること、若しくは、著作物の財産的権利の侵害物であることを知りながら、頒布の意図をもってそれを公に陳列し、または所持すること。

    第87条の2 (平行輸入)
     前条第4号の規定は、以下の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。
    (1)  中央または地方の政府機関による利用のために輸入すること。ただし、学校またはその他の教育施設による利用のために輸入し、または資料保存以外の目的のために視聴覚著作物の原作品またはその複製物を輸入することは、この限りではない、
    (2)  非営利の学術、教育若しくは宗教施設による資料保存を目的として供するために、視聴覚著作物の原作品またはその複製物を輸入し、若しくはその図書館における貸出または資料保存を目的として、視聴覚著作物以外のその他の著作物の原作品またはその一定数量の複製物を輸入し、かつ、第48条の規程に従って利用すること、
    (3)  頒布を目的としない輸入する者の私的利用のために、または入国する者の手荷物の一部として、著作物の原作品またはその一定数量の複製物を輸入すること、
    (4)  輸入される製品、機器または機材設備のいずれかに組み込まれている著作物の原作品またはその複製物であって、それらの製品、機器または機材設備の適法の輸入に伴って輸入された場合には、その製品、機器または機材設備の使用または操作の間にその著作物の原作品またはその複製物を複製してはならない、
    (5)  製品、機器または機材設備に付属する説明書または操作のマニュアルであって、製品、機器または機材設備の適法の輸入に伴って輸入された場合。ただし、その説明書または操作のマニュアルが輸入の主目的である場合は、この限りではない。
     前項第2号および第3号にいう「一定数量」については、主務官庁によって別途定められる。

    88条 (著作物の財産的権利または製版権の侵害に関する損害賠償の責任)
     他人の著作物の財産的権利または製版権を故意または過失によって不法に侵害する者は、その損害賠償の責任を負う。複数の者が共同で不法に侵害する場合には、連帯して損害賠償の責任を負う。
     前項にいう「損害賠償」について、被害者は、次の各号の規程のいずれかを選択して、それに従って請求することができる。
    (1)  民法第216条の規定に従って請求すること。ただし、被害者がその損害を証明することができない場合には、被害者は、その権利行使から通常得られると期待される利益の額と侵害を受けた後の同一の権利行使から得られると期待される利益の額との差額を、損害の額とすることができる。
    (2)  侵害者が侵害行為によって得られた利益の額を請求すること。ただし、侵害者がその侵害行為の費用または必要な経費を証明することができない場合には、侵害者が侵害行為から得た収入の総額を、その得た利益とする。
     前項の規程に従って、被害者が実際の損害額を証明することが困難な場合には、被害者は、侵害の事案の重大性に応じて新台湾ドル1万元以上100万元以下の賠償額の決定を、裁判所に申し立てることができる。侵害行 為が故意であって、かつ、事案が重大である場合には、賠償額を新台湾ドル500万元まで増額することができる。

    第88条の2 (破棄に関する請求権)
     第84条または前条第1項に従って請求する場合には、侵害行為によって作成された物品または侵害のために供される主要な物品の破棄またはその他必要な処置を請求することができる。

    第89条 (判決文の掲載費用の負担)
     被害者は、判決の全部または一部を新聞または雑誌に掲載する費用を侵害者が負担することを請求することができる。

    第89条の2 (請求権の時効)
     第85条および第88条に規定する損害賠償を請求する権利は、請求権を有する者が損害および債務者を知ったときから2年以内に行使しない場合には消滅する。また、権利侵害の行為が生じたときから10年以内に行使しない場合にも、消滅する。

    第90条 (共同著作物の侵害に関する救済)
     共同著作物の各著作権者は、その著作権を侵害した者に対して、この章の規定に従って個別に救済を求めることができるほか、侵害された権利の持分に応じて損害賠償を請求することもできる。
     前項の規定は、その他の関係において成立した著作物の財産的権利の共有または製版権の共有について、準用される。

    第90条の2 (留置)
     著作権者または製版権を有する者は、その著作権または製版権を侵害する物品の輸入または輸出に関して、その物品の留置を前もって関税当局に申請することができる。
     前項の申請は、書面で提出し、侵害の事実を記述すると共に、関税当局が査定する輸入貨物の陸揚げ価格または輸出貨物の本船渡し価格に相当する額の保証金を納めなければならない。この保証金は、留置を受けた者がその留置によって受けた損害への賠償を担保するものとする。
     関税当局は、留置の申請を受理した場合には、直ちに申請人に通知しなければならない。前項の規定に従って留置を実施する場合には、申請人および留置を受ける者に対して、書面で通知しなければならない。
     申請人または留置を受ける者は、留置された物品の点検を関税当局に申請することができる。
     留置された物品は、著作権または製版権を侵害しているものと認めた裁判所の確定した民事判決を申請人が得た場合には、関税当局によって没収される。留置を受けた者は、没収された物品のコンテナの延滞費用、倉庫保管費用、積卸し費用等の関連費用並びに破棄処理に要する費用を負担しなければならない。
     前項の破棄処理に要する費用について、関税当局が通知する期限までに納付されなかった場合には、強制執行のために裁判所に付託される。
     関税当局が留置を取りやめ、輸出・輸入貨物の通関に関する規則に従って処理する場合を除き、次の各号のいずれかに該当する場合には、申請人は、留置を受けた者がその留置によって受けた損害を賠償しなければならない。
    (1)  裁判所の確定した判決によって留置された物品が著作権または製版権の侵害物ではないと認められた場合、
    (2)  申請人に留置の受理を通知した日から12日以内に、留置された物品に関する訴訟が提起されたことの通知を、関税当局が受けていない場合、
    (3)  申請人が留置の取りやめを申請する場合。
     前項第2号が規定する期間は、関税当局が必要と認める場合には、更に12日間を延長することができる。
     次の各号のいずれかに該当する場合には、関税当局は、申請人の申請に従って保証金を返還しなければならない。
    (1)  申請人が勝訴の判決の確定を受けた場合または留置を受けた者との間の和解が成立したことによって保証金の提供を継続する必要がなくなった場合、
    (2)  留置を取りやめた後に、申請人が留置を受けた者に対し、その権利行使を催促した日から20日間以上が経過しても、その権利が行使されなかったことを、申請人が証明する場合、
    (3)  留置を受けた者が返還に同意した場合。
    10  本条第2項にいう保証金に関して、留置を受けた者は、質権者と同等の権利を有する。
    11  関税当局は、その業務遂行において、輸出または輸入の貨物の外観から明らかに著作権侵害の疑いがあることを発見した場合には、一営業日以内に、権利者および輸出または輸入を行う者に通知すると同時に権利者情報の提供を求めなければならない。権利者は、通知を受け取った後に、航空貨物の輸出に関しては4時間以内に、航空貨物の輸入および海運貨物の輸出または輸入に関しては一営業日以内に、関税当局における確認作業に協力しなければならない。権利者が不明若しくは通知できない場合、または権利者が通知の期間内に関税当局における確認作業に協力しなかった場合、または疑いの対象物が侵害物ではないと権利者が確認した場合には、その他通関に関する規則の規定に違反しない限り、関税当局は、直ちにその貨物の通過を認めなければならない。
    12  権利侵害の疑いがあると認められた貨物については、関税当局は、暫く通過を認めない措置を取らなければならない。
    13  関税当局が暫く通過を認めない措置を取った後に、権利者が三営業日以内に本条第1項から第10項の規定に従って関税当局に留置を申請しなかった場合、または権利保護に関する民事若しくは刑事の訴訟手続きをしなかった場合には、その他通関に関する規則の規定に違反しない限り、関税当局は、直ちにその貨物の通過を認めなければならない。

    第90条の3 (施行規則の制定)
     前条の施行に関する規則は、主務官庁が財政部と協議し、これを定める。



    第7章 罰則

    第91条 (複製権の侵害に関する罰則)
     複製の方法を用いて他人の著作物の財産的権利を無断で侵害する者は、3年以下の懲役または拘禁に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル75万元以下の罰金を科される。
     販売または貸与の意図をもって、複製の方法を用いて他人の著作物の財産的権利を無断で侵害する者は、6ヶ月以上5年以下の懲役に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル20万元以上200万元以下の罰金を科される。
     光ディスクに複製する方法を用いて前項にいう罪を犯す者は、6ヶ月以上5年以下の懲役に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル50万元以上500万元以下の罰金を科される。
     著作物が単なる個人による参照または合理的使用に供される場合には、著作権の侵害を構成しない。

    第91条の2 (譲渡による著作物の原作品またはその複製物の頒布)
     譲渡により著作物の原作品またはその複製物を頒布する方法を用いて他人の著作物の財産的権利を無断で侵害する者は、3年以下の懲役または拘禁に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル50万元以下の罰金を科される。
     著作物の財産的権利を侵害した複製物であることを知りながら、その複製物を頒布し、または頒布の意図をもって公に陳列し、または所持する者は、3年以下の懲役に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル7万元以上75万元以下の罰金を科される。
     前項にいう罪を犯す者は、その複製物が光ディスクである場合には、6ヶ月以上3年以下の懲役に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル20万元以上200万元以下の罰金を科される。ただし、第87条第4号の規定に違反して輸入された光ディスクは、この限りではない。
     本条第1項または第2項にいう罪を犯す者がその物品の供給源を自供し、これによって摘発となった場合には、その者の刑を軽減することができる。

    第92条 (公の口述権の侵害に関する罰則)
     公の口述、公の放送、公の上映、公の上演、公の送信、公の展示、翻案、編集、または貸与の方法を用いて他人の著作物の財産的権利を無断で侵害する者は、3年以下の懲役または拘禁に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル75万元以下の罰金を科される。

    93条 (著作者人格権の侵害、強制許諾の違反、著作権のみなし侵害に関する罰則)
     次の各号のいずれかに該当する場合には、2年以下の懲役または拘禁に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル50万元以下の罰金を科される。
    (1)  第15条から第17条までが規定する著作者人格権を侵害する者、
    (2)  第70条の規定を違反する者、
    (3)  第87条第1号、第3号、第5号または第6号に規定する方法のいずれかを用いて他人の著作権を侵害する者。ただし、第91条の2第2項および第3項に規定する者は、含まれない。

    第94条 (罪を職業として犯す者)
     第91条第1項、第2項、第91条の2、第92条または第93条にいう罪を職業として犯す者は、1年以上7年以下の懲役に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル30万元以上300万元以下の罰金を科される。
     第91条第3項にいう「罪を職業として犯す者」は、1年以上7年以下の懲役に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル80万元以上800万元以下の罰金を科される。

    第95条 (著作者人格権および製版権等の侵害に関する罰則)
     第112条の規定を違反する者は、1年以下の懲役または拘禁に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル2万元以上25万元以下の罰金を科される。

    96条 (改変またはバックアップのために複製したプログラムを破棄しないことおよび出所の明示をしないことに関する罰則)
     第59条第2項または第64条の規定を違反する者は、新台湾ドル5万元以下の罰金を科される。

    第96条の2 (罰則(7)-電子的権利管理情報の削除または改変)
     次の各号のいずれかに該当する場合には、1年以下の懲役または拘禁に処せられ、また、これに加えて新台湾ドル2万元以上25万元以下の罰金を科される。
    (1)  第80条の2の規定を違反する者、
    (2)  第80条の3第2項の規定を違反する者。

    第97条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)

    第98条 (没収)
     第91条から第96条の2までの規定にいう罪を犯す場合には、その犯罪の使用に供される物または犯罪により得た物は、没収されなければならない。ただし、第91条第3項および第91条の2第3項にいう罪を犯す場合には、没収されなければならない物は、犯罪者が所有する物に限らない。

    第98条の2 (司法警察機関による没収)
     第91条第3項または第91条の2第3項にいう罪を犯した者の逃亡により、その行為者を特定できない場合には、その犯罪の使用に供される物または犯罪により得た物を、司法警察機関が没収することができる。
     前項にいう「没収された物」は、国庫に帰する金品を除き、破棄されなければならない。その破棄または没収の金品に関する処理の手続きについては、社会秩序を維持する法律の関連の規定を準用する。

    第99条 (判決文の新聞登載)
     第91条から第95条までの規定にいう罪を犯す場合には、被告は、被害者またはその他告訴権を有する者の請求に基づき、判決文の全部または一部を新聞に登載しなければならない、また、その費用を負担する。

    第100条 (告訴による訴追)
     本章にいう「罪」は、告訴によりのみ訴追される。ただし、第91条第3項、第91条の2第3項および第94条にいう罪を犯す場合には、この限りではない。

    第101条 (両罰規定)
     法人の代表者、法人若しくは自然人の代理人、被雇用者またはその他の従業員が、その業務の遂行において第91条から第96条の2までの規定にいう罪を犯す場合には、当該各条文の規定に従ってその行為者を処罰するほか、その法人または自然人も、当該各条文に従って罰金を科せられる。
     前項にいう「行為者」、「法人」または「自然人」のいずれかに対して告訴が提起され、または告訴が撤回される場合には、その効力は、他の当事者にも及ぶ。

    第102条 (許認可を受けていない外国法人の訴訟能力)
     許認可を受けていない外国法人は、第91条から第96条の2までの規定にいう罪に関して、告訴または私的訴追を提起することができる。

    第103条 (司法警察による差し押さえおよび付託)
     司法警察官または司法警察は、他人の著作権または製版権の侵害に関する告訴または告発を受けた場合には、法律に従って侵害物を差し押さえ、その案件を検察機関に付託することができる。

    第104条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)



    第8章 付則

    第105条 (登録または謄本の申請に関する所定の費用)
     この法律に従って強制許諾、製版権の登録、製版権譲渡の登録、製版権信託の登録、調停、製版権登録簿の閲覧またはその謄本の発給を申請する場合には、所定の費用を支払わなければならない。
     前項にいう「費用」の徴収基準は、主務官庁がこれを定める。

    第106条 (経過措置)
     本章に別段の定めがある場合を除き、この法律は、1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日前に完成した著作物であって、1998年(中華民国87年)1月21日の改正法の施行日前に効力を有するこの法律の第106条から第109条までのいずれかの規定に合致するものについて、適用される。
     この法律は、1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日後に完成した著作物について、適用される。

    第106条の2 (保護の遡及(1))
     本章に別段の定めがある場合を除き、この法律は、1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日前に完成した著作物であって、1998年(中華民国87年)1月21日の改正法の施行日前に効力を有するこの法律の第106条から第109条までのいずれかの規定に合致するものについて、適用される。
     この法律は、1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日後に完成した著作物について、適用される。

    第106条の3 (保護の遡及(2))
     本章に別段の定めがある場合を除き、世界貿易機関協定が中華民国の領域内において効力を生じる日の前に、前条の規定により保護される著作物の利用を開始し、またはその利用のために重大な投資を行った者は、前記同協定の効力発生の日から2年以内に、その著作物を引き続き利用することができ、この法律の第6章および第7章の規定は適用されない。
     2003年(中華民国92年)6月6日の改正法が施行された日より、前項の規定に従って著作物を利用する者は、貸与または貸出しの場合を除き、その利用した著作物の財産的権利の所有者に対して、通常その著作物について自由に交渉した金額に等しい合理的な使用報酬を支払わなければならない。
     許諾を得ることなく、利用者が作成した前条の規定により保護される著作物の複製物は、この法律が改正し、公布されてから1年後には、販売してはならない。ただし、貸与または貸出しをすることができる。
     前項の規定は、前条の規定により保護される著作物を利用して別途創作された著作物の複製物については、適用されない。ただし、第44条から第65条までの規定に合致するものを除き、その利用した著作物の財産的権利の所有者に対して、通常その著作物について自由に交渉した金額に等しい合理的な使用報酬を支払わなければならない。

    第106条の4 (保護の遡及(3))
     世界貿易機関協定が中華民国の領域内において効力を生じる日の前に、第106条の2にいう著作物の二次的著作物を作成し、かつ、その二次的著作物がこの法律の各改正法に基づき保護されている場合には、前記同協定の効力発生の日以降においても、その著作物を引き続き利用することができ、この法律の第6章および第7章の規定は適用されない。
     2003年(中華民国92年)6月6日の改正法が施行された日より、前項の規定に従って著作物を利用する者は、その著作物の財産的権利の所有者に対して、通常その著作物について自由に交渉した金額に等しい合理的な使用報酬を支払わなければならない。
     前二項の規定は、二次的著作物の保護に影響を及ぼさない。

    第107条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)

    第108条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)

    第109条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)

    第110条 (著作者推定に関する規定の適用除外)
     第13条の規定は、1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日前に登録された著作物については、適用されない。

    第111条 (職務著作物に関する規定の適用除外)
     次の各号のいずれかに該当する場合には、第11条および第12条の規定は、適用されない。
    (1)  1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日前に、効力を有するこの法律の第10条および第11条の規定に従って、著作権を取得した場合、
    (2)  1998年(中華民国87年)1月21日の改正法の施行日前に、効力を有するこの法律の第11条および第12条の規定に従って、著作権を取得した場合。

    第112条 (外国人の著作物の翻訳と複製に関する制限)
     1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日前に、翻訳が同改正法の施行日前のこの法律によって保護される外国人の著作物に関しては、その著作権者の同意を得ない限り、1992年(中華民国81年)6月10日の改正法の施行日後に、第44条から第65条までの規定に合致する場合を除き、複製してはならない。
     前項にいう「翻訳」の複製物は、改正法が1992年(中華民国81年)6月10日に施行してから2年の期間が満了する後は、販売してはならない。

    第113条 (製版権の遡及)
     この法律の規定は、2003年(中華民国92年)6月6日の改正法の施行日前に取得した製版権であって、この法律の定めに従って権利が存続しているものについて、適用される。

    第114条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)

    第115条 (第4条にいう協定とみなされる著作権の保護に関する協定)
     わが国および外国の団体または機関によって相互に締結された著作権の保護に関する協定について、行政院の承認を受けたものは、第4条にいう協定とみなされる。

    第115条の2 (登録簿の閲覧)
     製版権の登録簿、登録の記録または版面の見本は、公衆による閲覧と抄録に提供することができる。
     1998年(中華民国87年)1月21日の改正法の施行日前になされた著作権の登録記録、登録簿または著作物の見本は、公衆による閲覧と抄録に提供することができる。

    第115条の3 (特別法廷または専任判事、主務官庁への判決文の送付)
     裁判所は、著作権に関する訴訟案件を処理するために、特別の法廷を設置し、または特別の判事を任命することができる。
     裁判所は、著作権に関する訴訟案件の判決文正本の写し一部を主務官庁に送付しなければならない。

    第116条 (1998年(中華民国87年)1月21日の法改正により削除)

    第117条 (施行日)
     この法律は、公布の日から効力を生じる。ただし、1998年(中華民国87年)1月21日の改正法の第106条の2から第106条の4までの規定は、世界貿易機関協定が中華民国の領域内において効力を生じる日から、施行される。




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