第10回 入賞事例

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    みんなの作品を大切に
    ~守りたくなる気持ちを生み出す著作権教育~

    教諭 山口 眞希

    2回目の最優秀賞をいただき大変恐縮であると同時に、評価していただいたことを心よりうれしく思っております。今年度は教科学習との関連を重視し、だれでも実践できるようなシンプルな単元構成を意識しました。そして、学びを再認識できるように言語活動も取り入れました。

    私が著作権教育を行う上で大切にしていることは、法意識とともに、創作物の裏にいる多くの人への相手意識を高めながらねらいに迫ることです。これからも「守らなければならない著作権から“守りたくなる”著作権教育」をめざし、実践していきたいと思います。本当にありがとうございました。

    教育活動の概要 題名 みんなの作品を大切に
    ~守りたくなる気持ちを生み出す著作権教育~
    対象学年 小学6年生
    授業科目 総合的な学習の時間
    授業時間数 3時間
    実施期間 平成26年11月
    レポート・教材
    ねらい インターネットを通じて簡単に他人の創作物を取得できる現状から、創作物には著作権があることを理解し、制作者の思いを考えることで情報利用に関して実生活での判断力を養うことをねらいとした。
    内容・流れ 授業を展開するにあたり、法で禁止されているから守らなければいけないという動機とともに、著作権を守ることで「制作者の思いを守れる」という前向きな動機から著作権を見つめてほしいと考えた。まず国語で行った平和について意見文を書いてプレゼンする学習と関連させ、「5分でできる著作権教育」を活用して他人の文章や写真をインターネットから無断で使用することの是非を考え、著作権について学習した。次に、なぜ著作権を守るのか考えさせるため、児童に身近なアーティストが震災復興を願って作った楽曲を取り上げ、曲に対する作曲者の想いを素材として授業を展開した。最後に著作権についての学習をまとめ、多くの人に知ってもらうため、はがき新聞を作成した。
    成果と課題 (成果)
    ふり返りの記述、授業中の児童の反応から、創作物の裏にいる多くの人への相手意識を高めながら著作権についての理解を深めることができたと言える。教科学習と関連させたり、児童に身近な事例や素材を提示したりしたことで、自分の問題として著作権を捉えることができたと考える。また、はがき新聞にまとめる際、著作権学習サイトを活用したことで、著作権への知識を定着できた。
    (課題)
    どんな時に著作権法に抵触するか、知識を活用できる場面を授業の中に取り入れていくことも、実践力を養うという点では必要であった。
    今回ははがき新聞でまとめる時に、「著作権クイズ」を必ず入れることとしたが、それだけでは不十分だ。様々な教科、または生活の場面で著作権を意識できるような教師の「語り」や日々の声かけを大切にしたい。
    児童の感想
    • 著作権は作品を作った人が持っている権利だとわかった。著作権があるものが身近にたくさんあってびっくりした。せっかく自分が一生懸命作った作品をまねされたら、まねされた人は傷つくと思うから著作権を守りたい。
    • 著作権法があるおかげで、人々は安心すると思う。今はインターネットでいろいろな人の作品が見られるので、ぼくも著作権や引用のルールを頭に入れて活用したい。
    • 今まで何も考えないでインターネットから適当にダウンロードしていた。インターネットで見逃したテレビを見ることがあって、もしかしたらそれは違法にアップされたものかもしれない。よく見ると、まわりには著作権に関連したものがたくさんあると思った。
    • 作者はその音楽で人々に笑顔になってほしいという強い気持ちがあった。作者の気持ちを著作権法は大切にしている。いつまでも音楽を楽しむために著作権があると思った。
    • 著作権法を守らないことは、法律違反になるだけでなく作者の心も傷つけ、思いを踏みにじることだと思った。今度からは著作権にひっかかるかな?と思ったらちゃんと調べたい。そうすることで作者の願いをムダにしなくてすむからです。
    • 著作権法は難しいものだけど、一人一人が理解し守ることで、みんなが守られます。だからこれからも守っていきたいです。CD一つにみんなの願いがこもっているのがすごい。
    選考委員コメント

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