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3時間で取り組む情報モラル学習の単元開発
-4年生を対象とした著作権学習の実践報告-
教諭 杉谷 義和
この度の受賞で、本実践を広く知って頂く機会を得たことを大変うれしく思います。
教育課程の中で情報モラルの指導にかけられる時間は限られています。そこで、3時間(期間3週間)で実践できる題材の開発をしました。事前事後の調査による効果も認められています。本実践で活用した自作資料は、中学校や大学でも活用して頂いています。主人公のとった行為は「ずるい行為か」「ずるくないか」の問いで、学年を問わず、意見が分かれるようです。そこから、話し合いが活発になり、著作権に対する考え方に磨きがかかるようです。本実践や自作資料が、より多くの学校現場での情報モラル学習の一助となればうれしいです。
最後に、校長の森本直子先生、教頭の岡本登志恵先生、研究主任の濱橋太先生には、本実践に打ち込む環境を与えてくださり深く感謝致します。今後の教員生活に十二分に活用し、さらなる探求へと繋いでいく所存です。
教育活動の概要 | 題名 | 3時間で取り組む情報モラル学習の単元開発 -4年生を対象とした著作権学習の実践報告- |
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対象学年 | 小学4年生 | |
授業科目 | 学級活動、道徳 | |
授業時間数 | 3時間 | |
実施期間 | 3週間 | |
レポート・教材 | ||
ねらい | 今日の社会において、パソコンや携帯電話・スマートフォン(以下スマホ)等の情報機器は不可欠なものとなり、世代を問わず関わりを持つようになってきている。しかし、その一方で、有害な情報、コンピュータやネットワークの不正利用、プライバシーや著作権の問題等、情報化の影の部分が深刻な社会問題となっており、トラブルの低年齢化が危惧されている。児童は、学年が上がるにつれて、次第にコンピュータや携帯電話、スマホ等を日常的に用いる環境に入っており、情報環境づくりへの対応が進展している学校において、情報化の影の部分に対応していく情報モラル学習の実践が大きく期待されている。そこで本実践では、このような動向を背景とし、現任校の小学4年生を対象に、著作権を事例とした情報モラル学習を実践的に検討し、教育現場の教師に対して、情報モラルの授業改善の一助となることを目指す。 | |
内容 | 第1時では、インターネットの情報を活用する側の配慮を欠いた行為から生じた著作権問題を取り扱った自作資料「インターネットを使った調べ学習」で学習を試みた。第2時では、著作権の目的や種類や法律などの理解を図ることとインターネットのデジタルコンテンツを活用して児童一人ひとりが自分のペースに合わせて著作権についての理解を深めることをねらいとした学習を試みた。第3時では、広く著作権を考えるため、図書に関しての著作権を題材とした既存資料「のりづけされた詩」を用いて著作権に対する思考力・判断力をより高めていくことをねらいとした実践を試みた。 | |
成果と課題 | 本実践前後での、児童の著作権意識の状況(「著作権の意識化」「著作権の尊重」「違法な複製」「許諾の必要性」計4項目)を分析した。その結果、「著作権の意識化」と「許諾の必要性」の2項目において有意な伸びが認められた。特に「著作権の意識化」においては、高い伸びが認められた。(t(25)=12.34 P<0.01)このことから、著作権を事例とした情報モラル学習の本実践において、児童の著作権に対する意識が促進されていたことが示唆された。 | |
児童の感想 |
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選考委員コメント |