第10回 入賞事例

    これらの教育実践事例資料は、教育関係者が著作権教育を目的として、非営利で利用する場合に限り、自由にご利用いただけます。

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    正しく理解し、実生活に生かす著作権教育

    教諭 吉海 雄平
    長谷 典昭

    今回、本校での著作権学習が優秀賞をいただきまして、たいへん光栄に存じます。

    現代社会は情報化が進み、児童がスマートフォンなどを通じてインターネット上の動画や音楽に簡単に触れることができる一方で、著作権についての知識が不足しているという実態に危機感を感じ、本実践に取り組むことにしました。

    本実践では児童の発達段階を考慮し、5・6年生を対象に系統的に著作権教育を行うことで、著作権についての正しい知識を持たせ、それを実生活に生かすことを目指しています。

    身近な著作物を取り上げて課題意識を持たせ、意欲的に調査活動に取り組ませることで、著作権を大切にしようとする心情を育てることができたと感じています。

    今後も著作権に関する制度の理解を深め、児童の実生活に生きる著作権教育を進めていきたいと思います。今回は本当にありがとうございました。

    教育活動の概要 題名 正しく理解し、実生活に生かす著作権教育
    対象学年 小学5・6年生
    授業科目 総合的な学習の時間、国語科
    授業時間数 各3時間
    実施期間 平成26年10月~11月
    レポート・教材
    背景・ねらい 携帯電話や動画投稿サイトで何気なく動画を見た話を児童がしているとよく教室で聞いた。
    著作権をないがしろにした動画があふれる中、児童に著作権に関して正しく理解させ、守る意識を身に付けさせたいと考えた。
    内容・流れ 児童に課題意識を持たせるため、第1時では5・6年共通して身近な事例をもとにした課題の設定を行う。その後、第2時では著作権についての正しい知識を得るために、公益社団法人著作権情報センターのWebページを活用して著作権に関する調べ学習を行う。第3時では調べて学んだことを実生活に生かすために、5年生は図表を正しく引用して文章を作成し、6年生は著作権の正しい利用法をまとめた「虎の巻」を作成することで、より児童の実態に即した著作権教育となるようにする。
    成果と課題 成果としては、児童の著作権について理解を深めることができたことや、単に法令遵守の面だけでなく、情意面からも著作権を守ろうという気持ちの変容が見られたこと、作品の価値を守るなど知的財産を尊重する意識の高まりが見られたことが挙げられる。
    課題点としては小学校段階6年間を通じての系統を考える必要性や、外部講師等との連携による相手意識の向上、継続的な指導が挙げられる。
    児童の感想
    • 今まであやふやだったけど、しっかり学習したことで著作権とはどんなものか正しく知ることができました。クラスのみんなで作った虎の巻はみんなで守ります。
    • これもだめなのかという驚きがありました。私はこれから著作権を守っていくために、まずは、著作権のことをもっともっと知って、そしてそれを伝えていきたいと思います。
    • これからも人の作品を勝手に使ったり、もし使う時は作品を作った人に必ず許可をもらったりしたいです。動画サイトで著作権違反の動画を観ると犯罪になることが分かったので、そこも気を付けたいです。
    • 著作権なんて軽く見ていたけれど、学習してそんな軽いものじゃないなと思いました。これから作品を作る時もインターネットを使う時も著作権に気を付けたいです。
    • 著作権をしっかり守りたい。これから著作権を守るために、違法なサイトを見たり、適当にダウンロードしたりしないように気を付けたいです。
    選考委員コメント

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