第6回 入賞事例

    これらの教育実践事例資料は、教育関係者が著作権教育を目的として、非営利で利用する場合に限り、自由にご利用いただけます。

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    英語で情報化社会の光と影

    担当教諭 米田 謙三

    受賞のことば

    羽衣学園高等学校・写真

    今回、このような賞をいただき、本当にありがとうございます。一番の目的は、まず学年全体で実施するため共通の番組用のワークシートを作成し、違う教員でも同じ内容で授業を実施することができるようにすることでした。また、一番の成果は、学んだことをプレゼンテーションソフトで個人またはグループで発表させあい学びを深めさせ、英語の時間と連携して英語に直して、海外へ発信し、意見交換を実施することができたことでした。著作権に関する知識・技能を習得することで、その後のさまざまな授業の中でも著作権を意識しながら資料を作成したり、活用できるようになりました。著作権教育は、情報モラル教育で終わるのではなく、コミュニケーション能力をはじめ今社会が求めるいろいろな能力を養う教材になると強く感じました。今後も継続的・計画的に著作権教育を進めていきたいと思います。 (教諭 米田 謙三)

    教育活動の概要 題名 英語で情報化社会の光と影
    対象学年 高校2年生
    授業科目 情報Aと英語II ※単元名下記参照
    授業時間数 10時間
    実施期間 平成21年9月~12月

    情報A
    「情報機器の発達と生活の変化」
    ア 情報機器の発達の歴史を理解する
    イ 情報化の進展が生活に及ぼす影響
    ウ 情報社会への参加と情報技術の活用

    英語II
    「幅広い話題について、聞いたことや読んだことを理解し、情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える能力を更に伸ばすとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる」

    レポート・教材
    ねらい 校内の情報科教員の連携を図り、高2全クラスで学校放送番組(NHK教育「10min.ボックス情報」)をもとに指導を行う。生徒には、今後新しいメディアとどのような関係性を持ちうることができるのか、また著作権やマナーやモラルについて考えさせる。保護者にも一部の番組を見ていただき上記内容を共有していただく。生徒には番組から学んだことをプレゼンテーションソフトで個人またはグループで作成させる。次に海外の学校(文部科学省ユネスコスクールと連携し海外(シンガポール、アメリカ等)の学校と交流を実施している)に作成したプレゼンテーションを英語に翻訳し発信する。そして意見交換をし、社会生活の中でのネットワーク利用の利便性、新しい技術、活用の際の危険性(著作権含む)について学習する。
    内容 学年全体で実施するため共通の番組用のワークシートを作成し、違う教員でも同じ内容で授業を実施することができるようにする。また番組はWeb配信のものを活用するため準備の手間がかからないで同じものを同じ時間で全生徒に見せることができる。保護者にも見せることにより家庭での意識付けにもつながる。またWeb配信のため、途中で止めて解説したり、家で繰り返し見ることも可能となる。番組から学んだことをプレゼンテーションソフトで個人またはグループで発表させあい学びを深めさせる。また英語の時間と連携して英語に直して海外へ発信し、意見交換を実施した。プレゼンテーションを作成するときに特に著作権に関しての理解を実践させる。
    成果と課題 学んだことを実践する交流・プロジェクト学習を実践することによりネットワークリテラシーを育み、生徒たちが主体的に学ぶ意欲や問題発見・解決能力を具体的な海外との交流学習などを通じて身に付けることができた。大学の学生や外部の講師に授業や講演をしていただくことにより、情報活用の実践力を育むことができた。(著作権などは普段指導する先生より外部からの方にお話しいただく方が、説得力がある。)また実際に成果物を作成することでは情報活用の実践力を身に付けることが、様々な交流活動ではコミュニケーション・プレゼンテーション能力の向上(海外との交流では英語)が成果としてあげられた。特にプレゼンテーション作成にあたり著作権や肖像権に気をつけるようになった。さらに普段の情報の授業でポスター作成をするときや、ニュース番組などでも多くの生徒からキーワードとして著作権という言葉が出てくるようになった。教員のみならず生徒たちも、価値観に支えられ相手のある達成感、大学生との協同学習の取り組みから、停滞しがちだった学習活動をより活発にすることが可能になった。海外の学校と著作権など同じテーマで授業を実施することができた点で、これからの教科と総合が融合したカリキュラム開発の視点の一助にしていきたい。そのためにもさらに教材(モラルも含む)を増やし、また実施校も(国内でも国外でも)増やしていきたいと考えている。
    児童・生徒の感想
    • 海外の生徒と一緒に学習できて大変有意義だった。
    • ケータイ・インターネットを利用するときには著作権について気を付け、上手に使うようにと思った。
    • 海賊版は絶対買わないぞ。不法ダウンロードは絶対しない。
    • JASRACなどのマークを確認する。
    • 「自分一人くらいは大丈夫」などと考えずに、世の中全体のことを考え、社会のルールをきちんと守って楽しむことが大切。
    • 海外に向けてプレゼンテーションを作成するときに、また海外のプレゼンテーションを聞くときに、著作権に関して注意するようになった。
    • 一人一人が注意しながら楽しむことで、よりたくさんの作品が生まれ、またそれを楽しむことができるようになり、豊かで文化的な社会を守っていくことができることを学んだ。
    • 著作権とかこのような権利の話は、「国がこうするべき」とかという考え方になっていました。学習を始めてから他人事ではなく、自分の身の回りの行動が社会に世界につながっていることを感じました。広い視野を持って自分も当事者の一人として考えて(自分にできることをしっかりと考えて)この著作権に関して少し大げさかもしれませんがワールドワイドに行動していこうと強く思うようになりました。
    選考委員コメント

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