第8回 入賞事例

    これらの教育実践事例資料は、教育関係者が著作権教育を目的として、非営利で利用する場合に限り、自由にご利用いただけます。

    優良賞  埼玉県 川口市立県陽高等学校 定時制の課程一覧にもどる

    「引用」 著作権を理解し主体的な学習を実践する

    商業科教諭 阿部 浩

    埼玉県 川口市立県陽高等学校

    このたびは優良賞をいただくことができ大変光栄に思います。ありがとうございます。

    本校は多様な生育歴・学習歴を有する生徒が混在しており、生徒自らが主体的に取り組む授業づくりは本校教員の重要課題です。

    今回は商業科目「経済活動と法」において財産権の学習で著作権を取り扱いました。

    私は日頃から生徒への指導に「特別支援教育の視点」を積極的に取り入れています。

    授業はスモールステップにより生徒の学習内容の理解度を高めることに主眼を置いています。また、繰り返し学習による知識の定着化も同時に進めています。判例や条文は商業六法による調べ学習を取り入れ、付箋を用いることで能動的な学習づくりを進めています。

    今後は生徒達が授業で学んだ著作権等の財産権を日常生活で生かせるように、私自身の指導力向上に取り組んで参ります。

    教育活動の概要 題名 「引用」 著作権を理解し主体的な学習を実践する
    対象学年 商業科4年生
    授業科目 経済活動と法
    授業時間数 4時間
    実施期間 平成24年6月20日(水)21(木)・27(水)・28(木)
    レポート・教材
    ねらい

    本校生の携帯電話や通信機能付きゲーム機の生徒の所持率は極めて高く、情報モラルやトラブル回避の指導を継続的に実施している。動画配信サイトや百科事典機能をもつサイトなど気軽に情報を入手できる環境がある。そこでは違法な動画や情報も公開されており、作者の権利や財産が著しく損なわれていることを気づかずに利用されている現状がある。また、本来、辞書で意味調べをおこなうべき事柄や読めない漢字などもインターネットの普及により簡単に情報を入手できる。

    今回の授業を通じて、著作権を理解し、実際の生活や学習の場面において正しい知識に基づき、著作物を活用し、その権利を保護する行動ができることをねらいとする。

    内容

    <導入> 著作権に関するアンケート

    <展開>
    (1)アンケートに基づき、授業のねらいを説明する。
    (2)「高校生のための著作権教材」から、Web事例21 レポートを作る「引用」に関する指導を用いて、引用の正しい方法や基礎的知識を理解させる。
    (3)「引用」に関する著作権のルールを守るためのミーティングを行う。

    <まとめ> プリントによるまとめ学習

    成果と課題

    アンケートでは、多くの生徒が著作権について、わずかな知識しか持っていないことがわかった。

    Web教材を使用したことで、生徒の興味・関心を高めることができた。

    ミーティングでは意見交換よりも、各自が持っている知識が正しいか間違っているかの確認に時間が費やされ、遵法意識を深める話し合いに物足りなさを残した。

    生徒の感想
    • 商業六法で著作権に関する判例を調べてプリントにまとめるときが一番大変だった。
    • 教科書はヒントや解説でわかりやすい文章になっているけれど、商業六法に載っている文章はわかりにくいし、普段使わない漢字や読めない漢字がいっぱいあって困った。
    • 著作権のまとめ学習では、プリントにまとめることが多すぎて辛かったです。
    • 著作権については大まかというか、ざっくりと知っている程度だったので、今回の授業でしっかりと確認することができた。
    • コピー商品は値段が安くなっているのでお金のことを考えたら、海賊版を選びたくなる。でも、商品を作っている人の立場で考えたら、コピー商品を許してはいけないと思った。
    • 授業で話題になった商品の「適正な値段」はこれからの生活に必要なことだと思った。安いことは助かるけれど安すぎる場合は注意して品定めをしないといけないと思った。
    • 「賢い消費者」になりたいと思った。
    選考委員コメント

    ページの上部へ戻る