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最近では翻訳ソフトの性能が向上し、便利なツールとして広く利用されるようになってきているようです。そしてこれをパソコンにインストールしてインターネットで得た海外の情報を翻訳するケースが次第に増えてきました。
著作物を翻訳する際には著作権者の翻訳権(著作権法第27条)が働きますので、これの許諾を得て翻訳するのであれば何ら問題はありませんが、権利者に無断で翻訳すると翻訳権の侵害として民事上、刑事上の責任を追及されることになるのは、他の著作権侵害の場合と何ら変わりはありません。
翻訳ソフトを使用して著作物を翻訳する者がこのような責任を追及されるのは当然として、問題なのはその者に翻訳ソフトを販売した者が犯罪行為あるいは不法行為を幇助したとして責任を追及されることはないかという点です。
結論を先にいえば、原則として責任を追及されることはないということができましょう。というのは、翻訳ソフトの使用者は必ずしも著作権を侵害するとは限らないからです。たとえば、保護期間の切れた著作物を翻訳する場合とか、著作物性を有しない文書を翻訳する場合などはもちろん、著作権のある著作物を翻訳する場合であっても、権利者の許諾を受けている場合とか、私的使用のために翻訳する場合には著作権侵害とはなりません(著作権法第43条1号)。
したがって、翻訳ソフトの使用者がこのような使い方をする限り、当然のことながら翻訳ソフトの販売者の責任が問題となることはありません。また翻訳ソフトの使用者が翻訳権の侵害にあたる行為を行ったとしても、翻訳ソフトの販売者がその事実をまったく知らない場合あるいはそのような使われ方をすることを予想していなかった場合には、同様に責任を負わされることはありません。このことは金物屋から買った包丁を使って殺人を行った場合に金物屋が殺人行為の幇助者として責任が負わされることのないのと同様です。もっとも、販売者がソフトの使用者の権利侵害の意図を知りつつ、あえて販売した場合や、積極的に権利侵害となる翻訳を勧めたという場合であれば、責任が負わされることになるのは否定できないでしょう。 |