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県立高校の校歌の作詞、作曲を著名な音楽家に委嘱して制作しました。楽しい曲で評判ですが、この曲の替え歌が市中に出回っています。なんとか差止めたいのですが。 |
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校歌の作詞、作曲の著作者はそれを制作した音楽家です。著名な音楽家ですと、たいていは日本音楽著作権協会(JASRAC)と著作権の信託契約をしており、「その有するすべての著作権並びに将来取得する全ての著作権」をJASRACに信託譲渡しています。しかし、校歌や社歌のように特別の依頼により作成する著作物については、あらかじめJASRACの承諾を得ることによって、依頼者に著作権を譲渡したり、当該依頼者にその依頼目的として掲げられた一定の範囲内での使用を認めることができることになっています。
本件の場合も、このような手続きにより委嘱制作された校歌の作詞・作曲の著作権について依頼者である県に譲渡されたのであれば、県が著作権者となります。なお、著作権を譲渡しても著作者人格権は第三者に譲渡できませんから作詞・作曲した音楽家に残ります。
ところで、替え歌は、元歌を改変したものですから、著作者の同意なく替え歌を作成することは著作者人格権のうちの1つである同一性保持権の侵害になります。また、替え歌にした曲の利用方法によっては、著作者の名誉又は声望を害するとして、著作者人格権を侵害する行為とみなされる可能性があります。
また、替え歌は元歌の翻案になる場合が多いことから、元歌の著作権者から翻案の許諾を得る必要もあります。
そこで、音楽家から校歌の著作権の譲渡を受けている県は、替え歌を出版したり録音して頒布する者に対しては、著作権者として複製権あるいは翻案権侵害を理由として差止めを請求することができます。もちろん、元歌を制作した音楽家も著作者人格権の侵害を理由として差止めを請求することができます。
ただ、替え歌が自然発生的に口から口へ伝わっただけであれば、差止め請求する相手方を特定することは非常に難しいことから、実際上差止めをすることは困難でしょう。 |
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