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人気タレントの写真を使ってポスターを作りたいのですが、だれに話をすればよいのでしょうか。
また、幕末の頃の歴史上の人物の肖像写真を使う場合はどうでしょうか。
人物の写真を使用する際には、2種類の権利に注意する必要があります。写真の著作権と人物の肖像権です。現在活躍している人気タレントの肖像写真を使ってポスターを作るなど、商業的に利用する場合には、この両方の権利がそれぞれかかってくると考えたほうがよいでしょう。

写真の著作権は、その写真をとったカメラマン(雑誌社などに所属するカメラマンの場合はその雑誌社など)が写真の著作者で、著作権を有します。また、人物の肖像権は、その人物に属します(その人物が芸能プロダクションなどに所属している場合にはその芸能プロダクションなどが管理している場合が多い)。したがって、著作権者と肖像権者それぞれに対して、使用についての許諾を得ることが必要です。

なお、写真の著作権は原則として著者の死後50年までという保護期間となっていますが、旧著作権法では原則発行後10年という短い保護期間であったこともあり、幕末の頃の写真であれば、既に著作権は切れていると考えてよいでしょう。また、肖像権については明確な保護期間はありませんが、幕末の頃の人物であれば、これもないと考えて差し支えないと思います。


写真の著作権と保護期間

1.
写真は、著作権法上、著作物の例示にも挙げられている著作物です。写真の中にも、絵画の複製写真など創作性がないとして著作物ではないとされるケースもありますが、一般的には写真は著作物で著作権があると考えるべきものです。プロのカメラマンが撮影したものでも、また、素人がスナップ・カメラで撮影したものでも著作権はあると考えられています。

2.写真の保護期間は、現行の著作権法(昭和46年(1971年)施行)では、原則公表後50年が経過するまでとされ、さらに平成8年(1996年)の改正により著作物一般と同様に著作者の死後50年が経過するまでとされました。しかし、旧著作権法では保護期間は発行後10年とされていました。現行法の準備の過程で暫定的に保護期間が13年まで延長されましたが、それでも昭和31年(1956年)以前に発行されたものは既に著作権が消滅しています。したがって、幕末の頃の写真は既に切れているわけです。


人物の肖像権

1.
人物の肖像権を権利として明確に定めた法律の規定は日本の法律には存在しません。民法の不法行為に関する709条などを根拠として判例上認められるようになってきたものです。肖像権には、二面性があるといわれています。1つは、プライバシーの保護の側面です。これは昭和44年の最高裁判決で、学生デモの警察による撮影について、何人もその承諾なしにみだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有するとする判断が下され、法理として確立されました(京都府学連事件)。人格的利益の保護という観点からのアプローチです。

2.これに対して、タレントやスポーツ選手等の肖像については経済的な側面からアプローチする流れがあります。この場合にはパブリシティの権利ということもあります。
タレントやスポーツ選手は、一般人とは違い、むしろ自分の肖像を広く公衆に訴えることを望むものであり、プライバシーの保護の要請は薄くなりますが、一方、ポスターや広告等に利用された肖像は大きな顧客吸引力を発揮します。このような肖像の経済的価値に着目して、その無断利用については民法に基づいた差止請求や損害賠償請求が認められるようになってきました。この流れに立つ肖像権が認められた最初の事例は、昭和51年の東京地裁のマーク・レスター事件判決ですが、その後も多くの判例(最近では平成3年の東京高裁のおニャン子クラブ事件判決など)でこの法理は認められています。ただし、その人物の死後においても認められるのかどうか、権利の譲渡はできるのかどうかなど、なお未解決の法的論点も残っています。

3.旧著作権法では、肖像写真の著作権はカメラマンではなく、肖像の本人に属するという規定(旧法25条)がありました。これはある意味では肖像権に近い効果を持っていましたが、現在は廃止されています。