(ウ) | (イ)の判決は特定の事実関係に基づくものであり、この問題についての判決はいまだ数少ないことから、米国法の下におけるプログラムの調査・解析に関する一般的な考え方を現時点で導き出すことは困難であるが、少なくとも特定の場合にはプログラムの調査・解析が公正使用に該当し得ると考えられる。(注) |
(注)本協力者会議のヒアリングにおける米国特許商標庁のChristopher A. Meyer氏の見解によれば、次のとおりである。
米国の著作権法は、プログラムのリバース・エンジニアリングを一般的には禁止している。プログラムのリバース・エンジニアリングが「公正使用」であるという場合にのみ、それが合法とみなされる。直接的に競合する製品の製造を目的としたプログラムのリバース・エンジニアリングは、どのような場合にも決して「公正使用」には当たらない。
公正に見て最大限に言えることは、プログラムとハードウェアの、ときにはプログラム間の互換性(compatibility)がリバース・エンジニアリングによってのみ確保されるという極めて稀に見られる場合に限って、また、市場において著作権者の製品を代替(substitute for)しない互換製品(a compatible product)を製造するために、逆コンパイルがなされる場合、それは「公正使用」とみなされ得るということである。 |
ウ.スイス |
1992年10月に全面改正された著作権法には、プログラムを使用する権利を有する者は、プログラムのコードを解析することによって、独立して開発されるプログラムとのインタフェースに必要な情報を獲得することができるとの規定がある(スイス著作権法第21条第1項)。 |
エ.オーストラリア |
オーストラリアにおいては、1988年から著作権法検討委員会においてプログラムの著作権保護について検討を開始し、1993年6月に報告案を公表した。
それによれば、現在プログラムにも適用されている公正使用(フェア・ディーリング)の権利制限に加え、ECディレクティブとほぼ同じ条件を充たす場合及びエラーを修正するために必要な場合には逆コンパイルは許容されるべきであると勧告している。
なお、同委員会は、報告案に対する各方面の意見を踏まえなお検討中であり、まだ最終報告には至っていない。 |
(2)国際的な場における検討 |
ア.ガット・ウルグアイ・ラウンド |
ガット・ウルグアイ・ラウンドにおけるTRIP協定においては、プログラムがベルヌ条約上の言語の著作物(リテラリー・ワーク)として保護されることが規定されているが(同協定第10条第1項)、既存プログラムの調査・解析についての規定はない。 |
イ.WIPO |
WIPOにおいては1991年からベルヌ条約議定書作成のための専門家委員会が開かれており、プログラムの保護も検討項目の一つとなっている。同委員会におけるWIPO事務局作成の文書においては、独立して創作する他のプログラムと原プログラムとのインタオペラビリティを達成するために必要な情報を得るためなどの一定の条件で逆コンパイルを認めるとの提案がある。しかし、この点については、各国で意見が異なっているところであり、結論はまとまっていない。 |
ア | 著作権法は表現を保護しアイデアは保護しないという原則とアイデアを抽出するための調査・解析との関係 |
この点について1)の意見では、「公表された著作物の表現を介してアイデアを知りかつ利用することは禁止されていないことから、アイデアを知覚するための手段である調査・解析の過程においてたとえ複製又は翻案があったとしても、これを著作権侵害とするとプログラムの背後にあるアイデアへのアクセスを禁じてしまうこととなるので適当でない。」とする。2)及び3)の意見においても、「アイデアへのアクセスは一定の範囲で認められるべきである。」とされる。
これに対し4)の立場からは、「著作権者は著作物の表現のいかなる複製又は翻案についても排他的権利を専有することが原則であり、プログラムの調査・解析に伴う複製又は翻案について特別に取り扱う必要はない。」、「著作権法は特許法と違ってアイデアの開示を保護の条件としておらず、むしろ著作者は著作物を公表するかしないか、どのような形態で公表するかを決定することができる公表権を有しているから、著作物の利用者に、著作物に含まれるアイデアを知るためにアクセスする権利を与える必要はない。」とする。
しかし、この4)の意見に対しては4)以外の立場から、「プログラムの調査・解析は、それがオブジェクト・プログラム形式ですでに公表されているから調査・解析が可能なのであり、調査・解析を認めることは著作者に著作物の公表を強制することではない。」( 3)の意見)、「アイデアが営業秘密又は特許の要件に該当すれば、これらによって保護され得るものであり、アイデアの保護はこれらに委ねるべきである。」( 1)の意見)などの反論がある。
いずれにせよ、著作権は表現を保護し、アイデアは保護しないという原則については異論はなく、問題は、アイデア抽出のための調査・解析に伴う著作物の表現の複製又は翻案を認める合理的な実際上の必要性があるかどうか及びこれを認めることの著作権者に与える影響をどう評価するかであると考えられる。
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イ | アイデア抽出のための調査・解析に伴う複製又は翻案を認める合理的な実際上の必要性があるかどうか |
この点について4)以外の意見では、考え方に幅はあるが少なくとも一定の範囲で調査・解析に伴う複製又は翻案を許容すべき合理的な実際上の必要性があるとしている。具体的には3)の立場から、インタオペラビリティの確保、エラー修正又は著作権侵害の発見などの目的による調査・解析の実際上の必要性が指摘されている。
これに対し4)の立場からは、「インタオペラビリティの達成のために必要な情報は、マニュアル等の資料を読んだり、稼働中のプログラムを観察するなどプログラムの複製又は翻案を伴わない方法によって取得することができる。さらに、そのような情報は、権利者から任意のライセンスにより開示を受けることにより、プログラムの開発者から十分に入手可能であり、それは市場機構の機能によって効率的に保障される。これは、インタオペラビリティを提供しオープン・システム化に対するユーザーの要求に応えるソフトウェア開発者の今日の行動により、実証されている。公正な競争は、競争法によって確保されるべきであり、著作権者が反競争的な目的でインタオペラビリティの達成のために必要な情報の提供を拒絶するような場合には、競争法が救済手段を提供すべきである。」と主張される。
しかし4)以外の立場からは、「インタオペラビリティを達成するために必要なインタフェース情報を得るためにはしばしば逆コンパイルが唯一の実際的手段である。権利者による任意の情報開示は、自らの製品に接続し、より付加機能を有する製品の開発の場合には期待できるが、自らの製品と競合する可能性のある新製品の開発については期待できず、市場機構の機能によっては問題を解決することはできないので、権利者の排他的権利に対する、公正な競争の確保という観点からの制限を、著作権法それ自身が持たなければならない。」( 3)の意見)などの反論がある。
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ウ | 調査・解析に伴う複製又は翻案を許容することの著作権者に与える影響をどう評価するか |
4)の意見によれば、「調査・解析(特に逆コンパイル)に伴う複製又は翻案を許すと、既存プログラムの連続的な変更により外形的表現を偽装した実質的な海賊版プログラムの作成に利用されることとなる。」とされるが、これに対し4)以外の意見からは、「逆コンパイルによっては原ソース・コードの最も価値ある部分(プログラマの詳細なコメント及び命令列の元の順序)は明らかにされず、また、逆コンパイルは極めて困難な作業であるので、一般に海賊行為のために利用されるとは考えられない。」( 3)の意見)、「仮に既存プログラムの調査・解析の結果に基づいて海賊製品が作成又は頒布されたとしても、それは調査・解析行為とは別個の問題であり、当該製品自体を調査することにより著作権を侵害しているかどうかを判断し、対応すべきである。」( 1)の意見)、「海賊版プログラムの開発のための調査・解析に伴う複製又は翻案は許されないことを明確に規定すればよい。」( 2)の意見)などとされる。
また4)の意見によれば、「調査・解析の過程における複製物又は翻案物が頒布されないとしても、当該調査・解析は、革新的なプログラムの創作に必要な開発の費用及び時間の大部分を回避し、対象プログラムの著作権者に対する商業的優位を得るために用いられるものであるから、このような複製又は翻案の許容は、著作物の通常の利用を妨げ、かつ、著作者の正当な利益を不当に害することとなる。」とされるが、4)以外の意見によれば、「調査・解析の過程において複製物又は翻案物が作成されても、それがプログラムの内容、構造等を知るためにだけ用いられ、複製物又は翻案物の頒布につながらない限りは、著作権者に損害を与えるものではない。」( 1)の意見)、「競合プログラム等の開発を目的とする調査・解析でなければ対象プログラムに対し市場における不利な影響を与えるものではない。さらに、調査・解析を行う者に対して著作権者への通知義務を課すこととすれば、著作権者が当該行為者の活動を注視することなどにより適法目的以外の調査・解析は抑止される。」( 2)の意見)などとされる。
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エ | 仮に調査・解析に伴う複製又は翻案について特別の取扱いを認めるとしても、それを特定の目的の調査・解析に限定するかどうか |
1)の立場からは、「調査・解析の目的を特定すると、調査・解析の結果得られた、著作権によって保護されない情報の利用を規制することにつながり、著作権法の本来の目的にかんがみ、適当でない。また、実際上も調査・解析の目的をあらかじめ特定することは困難である。インタオペラビリティの概念については確立された定義がなく、今後の産業や技術の進展によって変化する可能性もあるので、法律上の要件とするには熟していない。調査・解析の正当な目的と考えられるものには、インタオペラビリティの達成、エラー修正、著作権侵害の発見のみならず、コンピュータ・ウィルスの発見・除去や、純粋な学術研究上の目的など様々なものがあり、網羅的に規定することは困難である。」とされる。
これに対し、2)の立場からは、「先行的な技術開発のインセンティブを守るという要請にかんがみると、競合プログラムの開発を目的とする調査・解析を認めることは、このインセンティブを減殺することになり適当でなく、一方、それ以外の場合については権利を制限しても技術開発のインセンティブに影響はない。何が「競合プログラム」に当たるかについては、最終的には司法判断に委ねてよい。また、目的という主観的要件によって適法か違法かを左右するという問題点については、適法な目的で調査・解析を行う者に対し、調査・解析の目的、範囲等を調査・解析対象プログラムの著作権者へ事前に通知する義務を課することで解決できる。」とする。また、2)の立場の一部からは、「調査・解析対象プログラムと表現が実質的に類似するプログラム(海賊版プログラム)の開発を目的とする場合を除き、他の目的での調査・解析については権利を制限してよい。」とされる。
さらに、3)の立場からは、「権利の制限は必要最小限の範囲にとどめるべきであるから、特定の正当な目的の調査・解析に限ってそれに伴う複製又は翻案を許容すべきであり、困難であるとしても「相互運用性」又は「相互持続性」等について可能な範囲で一定の定義を行った上で限定的に許容することをさらに検討すべきである。」とされる。 |
(4)許容される行為の主体 |
許容される行為の主体については次の考え方がある。 |
ア | プログラムの複製物を使用する正当な権原を有する者とする |
(理由)プログラムは権利者が使用を許諾する方法により流通する場合が多いので、所有者に限らず、貸与を受けたものを含め、プログラムの複製物を使用する権原を有するものに調査・解析を認めることが適当である。
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イ | 主体を限定しない(ただし、違法行為によってプログラムを入手した者、違法複製物であることを知ってそれを入手した者は除く) |
(理由)調査・解析を認めるべきか否かは、使用権原の有無と論理的に結びつくものではなく、悪質な場合を除外すれば足りる。 |
(5)調査・解析の過程で作成された複製物又は翻案物の廃棄 |
調査・解析の過程で作成された複製物又は翻案物の廃棄については、次の考え方がある。 |
ア | 調査・解析の目的が達成された後は、複製物又は翻案物を廃棄しなければならないとすべきである |
(理由)複製物又は翻案物の作成は、調査・解析の過程において必要な限度で許容されるものであることにかんがみると、その目的達成後は保存を認める必要はない。
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イ | プログラムの複製物を使用する権原を失った後は、複製物又は翻案物を廃棄しなければならないとすべきである |
(理由)調査・解析の目的達成時期を客観的に確定することは困難であり、調査・解析を許容される主体としての資格の喪失という客観的事実にかからしめることが適当である。
|
ウ | 廃棄義務を定める必要はない |
(理由)調査・解析に用いられた複製物又は翻案物は、実務上、その後の資料として保存する必要性がある(特定の場合においてのみ調査・解析に伴う複製又は翻案を認める立場からは、むしろ後日その正当性を立証するための証拠資料として積極的に保存する必要があるとの指摘もあった)。複製物又は翻案物の公表、頒布等が禁止されれば権利者に損害を与えることもないと考えられる。 |
(6)調査・解析の過程で作成された複製物又は翻案物の公表、頒布等の禁止 |
調査・解析の過程で作成された複製物又は翻案物の公表、頒布等が禁止されるべきことについては異論はない。 |
(7)入手した情報の扱い |
入手した情報の扱いについては次の考え方がある。 |
ア | 調査・解析の結果入手した情報については、許容される目的以外の目的のために利用したり、他に提供したりしてはならないとすべきである |
イ | 調査・解析の結果入手した情報は、著作権によって保護されないアイデアであり、その利用は制限されるべきではない |
(8)セーフガード規定 |
セーフガード規定については次の考え方がある。 |
ア | 「ただし、当該行為の態様等に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。」旨の規定を設けるべきである |
(理由)規定の濫用のおそれがあるので、ベルヌ条約第9条第2項ただし書の趣旨を確認的に規定するのが適当である。
|
イ | 特段のセーフガード規定は必要ない |
(理由)調査・解析のための必要な限度の複製物又は翻案物の作成は、その公表、頒布等を制限すれば著作権者に経済的な損失をもたらすものではない。 |
(9)契約との関係 |
契約との関係については次の考え方がある。なお、(1)及び(2)において調査・解析に伴う複製又は翻案をどのような目的・範囲で認めるかによって、この点についての結論は変わってくるとの指摘があった。 |
ア | 本規定で許される行為を禁止する契約も一般的には有効であるが、この契約に反する行為は著作権侵害ではなく契約違反を問われるにとどまることを、明示又は解釈において明確化するのが適切である |
(理由)一般に著作権法上の権利制限規定によって許される行為であっても、当事者間の合意の上で禁止することに問題はなく、調査・解析についての契約上の扱いは経済原則に委ねればよい。規定に反する契約が無効であるとするには、相当な公益上の合理的理由が必要であるが、この場合にはそこまでの理由は認められない。なお、契約に反する行為は著作権侵害ではないとすれば、刑事罰の適用において法的安定性を欠くという問題も生じない。
|
イ | 本規定に反する契約は無効であることを、明示するか又は解釈において明確化すべきである |
(理由)調査・解析に関する権利制限規定は著作物の公正な利用という観点から設けられるものであり、それに反する契約は無効とすべきである。規定に反する契約が有効であるとした場合は、結局、契約に縛られることとなるので、規定の意味がなくなってしまう。
|
ウ | 規定に反する契約の効力を一義的に判断するのではなく、プログラムの種類、性格等を踏まえてその効力を検討すべきである |
(理由)例えば、パッケージ・プログラムの場合には調査・解析を全面的に禁止する合理的理由は考えにくいが、銀行の送金システムのように非常に安全性が要求されるようなものの場合には合理性があると考えられ、このような事情を考慮して判断すべきである。 |
(10)通知義務 |
調査・解析を行った者に著作権者に対する通知義務を課す規定を設けることを検討すべきであるとの意見があった。 |
(理由)特定の目的のための調査・解析に限って権利を制限することとした場合、目的という主観的要件によって判断することとなるため、行為者の主張によっては権利制限の範囲が不当に拡大されるおそれがある。そこで、違法な目的のための調査・解析に対する抑止効果を生ぜしめるため、調査・解析を行う者に、対象プログラムの特定及びその範囲並びに調査・解析の目的及びその期間等を権利者へ通知する義務を課すべきである。通知を受けた権利者が行為者の調査・解析行為を注視することも抑止効果があると考えられる。
通知義務は調査・解析を行う者にとってはさほどの支障になるものではなく、むしろ、他人のプログラムを複製しようとする者にこのような義務を課すことはかえって公平であると考えられる。 |
2.現行法の解釈により調査・解析に伴う複製又は翻案を 一定の範囲で許容することの可能性 |
(1) | 現行著作権法の解釈としては、著作権法第30条以下の権利制限規定は限定列挙であり、プログラムの調査・解析に関する規定がない以上、それに伴う複製又は翻案は認められないとの考え方がある。一方、現行法の解釈により、調査・解析に伴う複製又は翻案は一定の範囲で許容されるとの意見があり、その根拠は次のように様々な考え方に分かれている。 |
1) | 著作権法第47条の2第1項は、プログラムの複製物の所有者が、自らのコンピュータにおいて利用するために行う複製又は翻案を認めている。したがって、接続の確保、エラーの除去等のプログラムの保守、改良及び移植を行う前提として複製又は翻案を伴う調査・解析を行うことは、許容されていると解することができる。 | 2) | 著作権法第1条の著作権法の目的における「文化的所産の公正な利用」の観点から、公正な目的のための既存プログラムの調査・解析に伴う複製又は翻案を著作権侵害として主張することは民法第1条の権利濫用に該当し、信義誠実の原則に反することになると解される。 | 3) | 現行法における複製権又は翻案権は、複製物又は翻案物をその固有の目的により利用することを前提として権利が付与されていると考えられるところ、調査・解析の過程において中間的に複製物又は翻案物が生じてもそれは複製物又は翻案物の固有の目的による利用に供されるものではないので、法的な意味での複製又は翻案とは評価されないと解される。 |
|
(2) | (1)の1)~3)については、それぞれ次のような問題点が指摘された。 |
1)について 著作権法第47条の2が適用され得る場合は限られており、インタオペラビリティの達成のためなどの調査・解析には適用され得ないので、問題の解決にならない。 |
2)について 著作権法においては、著作者等の権利の適切な保護を図るという基本的な目的にかんがみ、「文化的所産の公正な利用」の観点からの権利制限規定を同法第30条以下に限定的に列挙し、解釈上も拡張解釈を控えることが原則であるから、この問題についても明文の規定を設けるべきである。また、許容される根拠や範囲について、解釈により明確な基準を設けることは困難であるので、解釈論に委ねると、権利者と利用者の双方にとって法的に不安定な状況の下に置かれることになる。 |
3)について 現行法の文理解釈からはいかなる「有形的」な「再製」も複製に該当するものであり、安易に権利の制限につながるような解釈をするべきでない。いずれにせよ、いかなる場合に複製又は翻案に当たるのかという基準が不明確である。 |
(3) | (2)の指摘に対し、「調査・解析に伴う複製又は翻案を許容すべきかどうかを判断するに当たっては、個々の具体的なケースに即して調査・解析の目的及び範囲など様々な要素を考慮し、権利者と利用者との利益のバランスを図る必要があり、既存の法令の解釈によって柔軟に判断することが適当である。」との意見もあった。 |
(4)結論 |
本協力者会議においては、この問題について何らかの制度上の対応が必要であるとの認識ではおおむね一致したが、具体的な対応の在り方については、プログラムのみでなくデータベースの著作物やマルチメディア・ソフトなどのデジタル化された著作物に共通する問題に特に留意して、総合的に検討する必要があり、著作権審議会において関係者からの意見を聴取しつつ別途早急にこの問題を検討することが適当であると考える。 |
2 権利制限規定の性格 |
(1)問題の所在 |
著作権法第47条の2をはじめとする著作権法上の各種の権利制限規定について、当該規定によって許容されている行為を契約により禁止することができるかどうかという問題がある。
特に、パッケージ・プログラムの場合、いわゆるシュリンク・ラップ・アグリーメントの形式で提供されているケースが多いが、その中には著作権法上の権利制限規定によって許容されている行為を禁止するような条項が盛り込まれている場合があり、その場合の権利制限規定との関係が問題になるとの指摘がある。 |
(2)国際的動向 |
プログラムの使用に必要な複製及びバックアップ・コピーの作成に関する権利制限と契約との関係についての各国等の著作権法上の規定は以下のとおりである。 |
ア.EU(欧州連合) |
(ア)ECディレクティブ エラー修正を含め、プログラムを使用するために必要な場合はプログラムを複製又は翻案することができるとされているが、これは契約に特段の定めがない場合に限られている(第5条第1項)。一方、バックアップ・コピーの作成は、プログラムの使用に必要な場合に限り、契約によって妨げられないとされている(第5条第2項)。 |
(イ)イギリス 適法な使用のために必要である場合、プログラムの複製又は翻案は許容されているが、契約によって禁止されていない場合に限られている(イギリス著作権法第50条C第1項)。一方、適法な使用者が適法な使用目的のために必要なバックアップ・コピーを作成することは許容されており、このような行為を禁止又は制限するような合意における約定又は条件は、その限りにおいて無効であるとされている(同法第50条A、第296条A第1項(a))。 |
(ウ)ドイツ バックアップ・コピーの作成は、それが将来の利用に必要であるときは、契約によって禁ずることができないとされている(ドイツ著作権法第69条d第2項)。 |
(エ)フランス 現行知的所有権法改正案においては、プログラムを利用するために必要な場合は複製権又は翻案権は制限されることとされているが、著作者は当該行為に係る特約を定める権利を契約により留保できるとされている。バックアップ・コピーの作成の許容については、これに抵触する契約上の定めは無効とするとされている。 |
イ.スイス |
バックアップ・コピーを作成する権利は、契約によって放棄できないとされている(スイス著作権法第24条第2項)。 |
ウ.オーストラリア |
オーストラリア著作権法は、プログラムが紛失、破壊又は使用できないように故障した場合に使用するためのバックアップ・コピーの作成を認めている(同法第43条A第1項)が、同条項は原コピー(複製物が作成される元のコピー)の所有者が原コピーを取得したとき以前に原コピーの所有者に与えられる、プログラムの著作権者による又はその者のための明示的指示に反する場合には適用されないとされている(同条第2項(b))。 |
(3)権利制限規定の性格についての考え方 |
この問題については、次のような意見があった。 |
ア | 著作権法の権利制限規定によって許されている行為を禁止する契約は有効である。もっとも、この契約に反する行為は著作権侵害となるわけではなく、契約違反となるにとどまると解する。[また、契約に関する一般法理により、その内容が公序良俗に反する場合は無効となることもあり得る。] |
(理由)著作権法上の権利制限規定によって許される行為であっても、当事者が合意したのであれば契約により禁止することに問題はない。規定に反する契約が無効であるとするには、相当な公益上の合理的理由が必要であるが、著作権法上の権利制限にそこまでの合理的理由は認められない。なお、契約に反する行為は著作権侵害ではないとすれば、刑事罰の適用において法的安定性を欠くという問題も生じない。
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イ | 著作権法の権利制限規定によって許されている行為を禁止する契約はその限りにおいて無効である。 |
(理由)権利制限規定は著作物の公正な利用という観点から設けられるものであり、それに反する契約は無効とすべきである。規定に反する契約が有効であるとした場合は、結局、契約に縛られることとなるので、規定の意味がなくなってしまう。
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ウ | 著作権法の権利制限規定によって許されている行為を禁止する契約の効力については、規定の設けられている趣旨、著作物の性格、利用の態様等に応じて判断されるべきである。 |
(理由)権利制限規定は、各規定ごとにその趣旨が異なるものであり、また、同じ規定であっても適用される著作物の性格によって許容される範囲が異なるものである。したがって、規定に反する契約の効力については、このような様々な要素を考慮して具体的なケースに応じて判断すべきである。 |
なお、パッケージ・プログラムのシュリンク・ラップ・アグリーメントについては、そもそもこれにより使用者と権利者との間の契約が法律上有効に成立しているかどうかについて極めて疑問があるとの意見が多かった。また、仮にシュリンク・ラップ・アグリーメントが契約として有効に成立しているとした場合でも、プログラムに係る著作権法上の権利ではないその使用に関する契約上の権利と著作権法上の権利とを明確に区別していない等、その内容についての問題点が指摘された。 |
(4)結論 |
本協力者会議においては、この問題はプログラムに固有の問題ではなく著作物一般に関する問題であり、各権利制限規定の趣旨、目的及び契約の実態等について詳細な検討を行う必要があり、当面は今後の判例等の蓄積を待つことが適当と考える。
なお、シュリンク・ラップ・アグリーメントについては、実務関係者において、契約法上の見地から現在の内容を調査し、適切な契約の在り方を検討することを期待する。 |
第3章 コピー・プロテクション解除装置の規制
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1 問題の所在 |
(1)コピー・プロテクション解除装置等の実態 |
パソコン用プログラムの製作者は、ゲーム・ソフトの多くとビジネス・ソフトの一部について、複製ができないようプロテクトするためのコードをその中に組み込んでいる。また、ゲーム専用コンピュータのプログラムは、特殊なカートリッジで提供されているため、ハード及びソフトの両面から複製ができないようになっている。
一方、このようなプロテクションを解除するための装置が市販されている。パソコン用プログラムのプロテクション解除装置は、コピーのためのメインプログラムと、各市販プログラムに組み込まれているプロテクションを外すためのパラメータとを含むフロッピー・ディスクの形で供給されている。また、ゲーム専用コンピュータのプログラムについては、フロッピー・ディスクにコピーしさらにそのコピーからコンピュータを起動させることができるよう、ゲーム専用コンピュータに接続する装置とその装置を機能させるためのプログラムとから成る形で供給されている。
さらに、コピー・プロテクションを解除するための情報が、出版物に掲載されるなどにより公表されることもある。
このようなコピー・プロテクションの解除装置又は解除のための情報を用いて個々の利用者による広範な複製が行われることにより、著作権者の利益が害されているとの問題が指摘されている。 |
(2)現行法の規定による対応の可能性 |
コピー・プロテクション解除装置の使用者が、この装置を私的使用のための複製(著作権法第30条第1項)、コンピュータで利用するために必要な複製(同法第47条の2第1項)等の著作権法により許容された目的に供する限り、個々の使用者の行為は著作権侵害とならない。同法第112条第2項により、権利者は、著作権等を侵害する者又は侵害するおそれのある者に対する差止請求を行うに際し、「もつぱら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄」等を請求することができるが、解除装置の使用目的をあらかじめ特定することはできず、かつ、個々の使用者の行為を把握することも事実上できないので、結局、使用者の行為をとらえてこの問題に対処することは不可能である。
一方、コピー・プロテクション解除装置の製造、販売等を行う者について何らかの対応が可能かどうかを検討すると、解除装置がもっぱら侵害の行為に供されるとあらかじめみなすことは困難なので、同法第112条第2項の適用では対応できないと考えられる。 |
2 国際的動向 |
(1)諸外国の例 |
ア.EU(欧州連合) |
(ア)ECディレクティブ ECディレクティブにおいては、プログラムの保護のために適用されている技術的装置の無許諾での除去又は回避を促進することのみを目的としている手段を流通させ又は商業用目的で所持する行為については、加盟国は国内法に従い救済措置を定めるとしている(第7条第1項(c))。 |
(イ)イギリス 複製防止の電子的形式によって著作物の複製物が頒布される場合、複製物を頒布する者は、その複製防止の形式を回避することを特に予定された装置又は手段を作成、輸入、販売又は貸与等を行う者に対し、著作権者が著作権侵害について有する権利と同一の権利を有するとされている。複製防止の形式を回避することを可能とし又は援助することを意図される情報を公表する者に対しても同様である(イギリス著作権法第296条第2項)。さらに、プログラムについては、当該装置又は手段を業務上所持する者に対しても同様の権利を有するとされている(同法第296条第2A項)。 |
(ウ)ドイツ もっぱらプログラム保護のための技術的仕組みを不法に排除し、又は迂回することを容易にすることに供される手段について、権利者はその廃棄等を求めることができることとされている(ドイツ著作権法第69条f第2項)。 |
(エ)フランス 知的所有権法改正案においては、ソフトウェアを保護する技術的装置を解除し、又は無効化することができる方法に関する広告又は説明書には、当該方法の違法な利用が権利侵害として罰せられる旨記載しなければならないとの規定がある。 |
イ.アメリカ合衆国 |
アメリカ合衆国著作権法にプログラムのコピー・プロテクション解除装置に関する規定はないが、デジタル録音機器に装着されるシリアル・コピー・マネジメント・システム(音楽の著作物又はレコードのデジタル形式の複製を制限するシステム)について、そのプログラム又は回路を回避することを主たる目的とする装置の輸入、製造又は頒布及びそのようなサービスの実施を禁止している(アメリカ合衆国著作権法第1002条(c))。 また、コピー・プロテクション解除装置の販売は寄与侵害(contributory infringement)に当たるとの考え方がある。
すなわち、プログラムの複製装置の製造・販売について、侵害行為を認識しており他人の侵害行為を誘発し実質的にその行為に寄与した者は寄与侵害者としての責任を負うものであり、ROMに固定されたプログラムの複製装置については実質的に侵害に当たらない使い方がないことから、当該装置の販売を禁止すべきとした判決がある。(アタリ対JS&Aグループ事件(1983年12月6日 イリノイ州地裁判決))。一方、プログラムの保護機能を破るソフトの販売が寄与侵害に当たるとの原告の主張に対し、当該ソフトの購入者が著作権法上許容されるバックアップ・コピーを作成することができることから、実質的に非侵害的使用を提供しており寄与侵害の責任はないとした判決もある(ヴォールト対キューエイド事件(1988年6月20日 第5巡回区控訴裁判所判決))。
なお、プログラムのコピー・プロテクションに関する事件ではないが、ソニー対ユニバーサル事件(1984年1月17日 最高裁判所判決)においては、寄与侵害の概念はある個人に他人の行為について責任を負わせることを正当にするという代位責任の問題であるとしつつ、代位責任は単に自分の販売した装置を買った顧客が著作物の無許諾複製をするかもしれないという推定される故意のみに基づいて負わせることはできないとしている。また、VTRは実質的に非侵害的な使用をすることも可能であり、結論として、VTRの販売は寄与侵害に当たらないとしている。 |
ウ.オーストラリア |
著作権法検討委員会は、1993年の報告案において、ロック装置(プログラムのコピーを妨げるためにパスワードをつけるなど)の無許諾の回避は、著作権者やそのライセンシーの告訴によって起訴され得るべきであるとしている。また、著作権者等は、プログラムを無許諾の複製から保護するためのロック又は他の装置の、無許諾での回避を容易にすることを目的とする装置の商業用の製造、輸入、頒布又は商業用目的の所持行為を防止する権利を有するべきであるとしている。 |
(2)WIPO |
WIPOのベルヌ条約議定書専門家委員会における事務局文書の権利の執行に関する部分において、著作物の複製物の作成を防止する装置を無効化させるために設計された装置等の販売、貸与、輸入等については、刑事制裁を講じ、また、著作権者に損害賠償請求権を与えることを国内法で規定すべきとの提案がなされている。権利の執行については、同専門家委員会の第3回会合において、TRIP協定の権利の執行の部分を準用すべきであるとの意見が多数であったが、結論はまだ出ていない。なお、TRIP協定には複製防止装置を無効化する装置に関する規定はない。 |
3 コピー・プロテクション解除装置の規制についての考え方 |
ア | この問題については、原則的には何らかの規制が検討されるべきであるという意見が有力であった。一方、コピー・プロテクション解除装置の販売等のように間接的に権利者の利益に影響する行為に対しては、許容される複製等まで妨げるなど過剰な規制とならないよう慎重な配慮が必要である、著作権法による規制が適当かどうかについては疑問がある、などの意見もあった。 |
イ | 具体的な法改正の提案として、コピー・プロテクションの解除装置の製造、販売等(コピー・プロテクションを解除することを可能とする情報を公表することを含む)を著作権侵害とみなすとの規定を設けるべきであるという意見があった。 その理由としては次のようなものが挙げられている。 |
| (a) | 第2章の1にあるように、著作権法第30条第1項の私的複製に関する権利制限規定自体についてそのプログラムへの適用には問題があり、プログラムについての適用を解除するか、解除装置を用いた複製には適用されないとすることが適当である。 | (b) | 著作権法第47条の2第1項の規定については、現実にコピー・プロテクションのかけられているプログラムはその利用に際して複製又は翻案の必要性がないと製作者が判断しているものであり、同条の適用の可能性は乏しいと考えられる。 | (c) | 著作権者の利益を間接的ではあっても著しく侵害する行為を著作権法で規制することには合理的理由があり、現に著作権法第119条第2号は、公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を営利目的で使用させる行為に対する刑事罰を規定している。 |
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ウ | 一方、イ.の具体的な法改正の提案については、バックアップ・コピーなどの許容されるべき複製等まで妨げるおそれがあり、規制対象となる装置の範囲が広がり過ぎるのではないかとの疑問が出された。 |
エ | さらに、この問題はプログラムのみでなく、ビデオのコピー・ガードやデジタル録音のコピー制限の問題と共通する問題であり、プログラムのみについて特別規定を設けることは適当ではないのではないかとの意見が多かった。 |
(資料)各国著作権法における関係規定等
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コンピュータ・プログラムの法的保護に関する1991年5月14日の理事会指令(ECディレクティブ) |
第5条 (制限される行為の例外) |
1 | 契約に特段の定めがないときは、エラー修正を含め、適法な所有者がその所定の目的に沿って、コンピュータ・プログラムを使用するために必要な場合には、前条(a)及び(b)に掲げる行為(注:プログラムの複製及び翻案、改変等)は権利者による許諾を必要としない。 |
2 | コンピュータ・プログラムを使用する権利を有している者によるバックアップ・コピーの作成は、その使用に必要な限り、契約によって妨げられない。 |
3 | コンピュータ・プログラムの複製物を使用する権利を有している者は、権利者の許諾を得ることなく、プログラムの要素の基礎になるアイデア及び原則を決定するため、プログラムの機能を観察、研究又は検査する権限が与えられる。ただし、当該プログラムのロード、ディスプレイ、ラン、トランスミット、ストアのいずれかを実行中に当該行為を行う場合に限る。 |
第6条(逆コンパイル) |
1 | 次の条件が満たされる場合で、第4条(a)及び(b)にいうコードの複製及びその形式の翻訳が、独立して創作されるコンピュータ・プログラムと他のプログラムとの相互運用性(interoperability)を達成するために必要な情報を得るために必要不可欠なときは、権利者の許諾は必要とされない。 |
| (a) | これらの行為が、利用許諾を得た者(licensee)、プログラムの複製物を使用する権利を有する者又はそれらの者に代わって権限を与えられた者によって行使されること; | (b) | 相互運用性を達成するのに必要な情報が(a)に掲げる者にあらかじめ利用可能でないこと;及び | (c) | これらの行為が、相互運用性を達成するのに必要なオリジナル・プログラムの一部の範囲に限られること。 |
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2 | 前項の規定は、その適用によって得られる情報を次のように利用することを許容するものではない。 |
| (a) | 独立して創作されるコンピュータ・プログラムの相互運用性を達成するため以外の目的のために使用すること; | (b) | 独立して創作されるプログラムの相互運用性に必要なときを除き、他の者に提供すること; | (c) | 実質的に表現が類似しているコンピュータ・プログラムの開発製作及び販売又は著作権を侵害するその他の行為のために使用すること。 |
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3 | 「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」の規定に沿い、本条の規定は、権利者の正当な利益を不当に害し、又はコンピュータ・プログラムの通常の利用を妨げるような方法の適用を許すものと解釈してはならない。 |
第7条(特別の保護手段) |
1 | 加盟国は、第4条、第5条及び第6条の規定を害することなく、その国内法に従って、次の(a)、(b)及び(c)に掲げるいずれかの行為を侵す者に対抗する適切な救済措置を定めるものとする。 |
| (a) | (略) | (b) | (略) | (c) | コンピュータ・プログラムの保護のために適用されている技術的装置の無許諾での除去又は回避を促進することのみを目的としている手段を流通させ又は商業用目的で所持する行為 |
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2 | (略) |
3 | 加盟国は、(c)に掲げるあらゆる手段の差押えについて定めるものとする。 |
第9条(他の法令規定の引き続いての適用) |
1 | このディレクティブの規定は、特許権、商標、不正競争、トレード・シークレット、半導体製品の保護又は契約法に関する規定などの他の法令の規定を害しない。第6条の規定又は第5条第2項及び第3項に定める例外に反するいかなる契約の定めも無効とする。 |
2 | (略) |
第10条(最終条項) |
1 | 加盟国は、1993年1月1日までにこのディレクティブに従うために必要な法律、規則及び行政規定の効力を発生させるものとする。加盟国が、これらの措置をとる場合には、当該措置には、このディレクティブに関する言及を含み、又は公式発表の際には言及を伴うものとする。このようなディレクティブに関する言及の方法は加盟国が定めるものとする。 |
2 | (略) |
コンピュータ・プログラム:適法な使用者 |
第50条A(バックアップ・コピー) |
(1) | コンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、適法な使用目的のために必要なバックアップ・コピーを作成することは著作権侵害ではない。 |
(2) | (略) |
(3) | 本条によってある行為が許容されている場合には、その行為を禁止又は制限するような合意における約定又は条件が存在するか否かは問題とならない(そのような約定は、第296条Aによって無効である)。 |
第50条B(逆コンパイル) |
(1) | 低水準の言語で表現されたコンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が行う次の行為は著作権侵害ではない。 |
| (a) | より高水準の言語で表現されたバージョンに変換すること、又は | (b) | (2)を充たすことを条件として、そのようにプログラムを変換する過程に付随して当該プログラムを複製すること(すなわち、逆コンパイルすること) |
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(2) | 条件は次のとおりである。 |
| (a) | 逆コンパイルされるプログラム又は他のプログラムとともに稼働され得る独立したプログラムを創作するために必要な情報を獲得するため、当該プログラムを逆コンパイルすることが必要であること(許容される目的);及び | (b) | そのように獲得された情報が許容される目的以外の目的に使用されないこと。 |
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(3) | 特に、次の場合には、(2)の条件は充たされない。 |
| (a) | 適法な使用者にとって、許容される目的を達成するために必要な情報があらかじめ利用可能である場合; | (b) | 適法な使用者が、逆コンパイルを許容される目的を達成するために必要な行為に限定しない場合; | (c) | 適法な使用者が、許容される目的を達成するためには提供する必要のない者に、逆コンパイルによって獲得された情報を提供する場合;又は | (d) | 適法な使用者が、逆コンパイルされたプログラムとその表現において実質的に類似したプログラムを作成するため又はその他著作権により制限されている行為を行うために情報を用いる場合。 |
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(4) | 本条によってある行為が許容されている場合には、その行為を禁止又は制限するような合意における約定又は条件が存在するか否かは問題とならない(そのような約定は、第296条Aによって無効である)。 |
フランス知的所有権法(1992年7月) |
第122条の5 著作物が公表されたときは、著作者は、次に掲げる行為を禁止することができない。 |
一 | (略) |
二 | 複写する者の私的使用に厳密に当てられ、かつ、集団的使用を目的としない複写又は複製。ただし、原著作物が創作された目的と同一目的の利用に当てられる美術の著作物の複写を除く。 |
三 | (略) |
四 | (略) |
第122条の6 第122条の5第二号にかかわらず、ソフトウェアの著作物について、使用者によるバックアップ・コピーの作成以外のすべての複製又は著作者若しくはその権利承継人が明示的に許諾していないソフトウェアのすべての使用は、違法である。 |
スイス著作権法(1992年10月改正、1993年7月施行) |
第19条(私的使用) |
1 | 発行された著作物は私的な目的のために使われることができる。(後略) |
2 | (略) |
3 | (略) |
4 | この条はコンピュータ・プログラムには適用されない。 |
第21条(コンピュータ・プログラムの解析) |
1 | コンピュータ・プログラムを使用する権利を有する者は、自ら又は他の者を通じて、プログラムのコードを解析することによって、独立して開発されるプログラムとのインタフェースに必要な情報を獲得することができる。 |
2 | プログラムのコードを解析することによって獲得されたインタフェース情報は、プログラムの通常の利用又は権利者の利益を不当に侵害しない限り、相互に作用(interactive)するコンピュータ・プログラムの開発、保守及び使用のためにのみ使われることができる。 |
第24条(保存及びバックアップコピー) |
1 | (略) |
2 | コンピュータ・プログラムを使用する資格を有する者は、そのバックアップコピーを作成することができる。この権利は契約によって放棄することはできない。 |
アメリカ合衆国著作権法 |
第107条(排他的権利の制限─公正使用) |
第106条(注:著作権者の排他的権利に関する規定)及び第106条A(注:視聴覚著作物の著作者の氏名表示に係る権利及び改変防止の権利等に関する規定)の規定にかかわらず、批評、解説、ニュース報道、授業(教室における使用のための多数の複製を含む。)、研究、調査等を目的とする著作権のある著作物の公正使用(複製物又はレコードへの複製当該規定に明記する手段による使用を含む。)は、著作権侵害とならない。特定の場合に著作物の使用が公正使用となるかどうかを判定する場合には、次の要素を考慮すべきものとする。 |
(1) | 使用の目的及び性格(使用が商業性を有するかどうか又は非営利の教育を目的とするかどうかの別を含む。) |
(2) | 著作権のある著作物の性質 |
(3) | 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量及び実質性 |
(4) | 著作権のある著作物の潜在的市場又は価格に対する使用の影響 |
公正使用の判断が上記のすべての要素に基づいてなされている場合、著作物が公表されていないという事実それ自体は公正使用であるとの判断を妨げない。 |
第117条(排他的権利の制限─コンピュータ・プログラム) |
第106条の規定にかかわらず、コンピュータ・プログラムの複製物の所有者がそのコンピュータ・プログラムの他の複製物若しくは翻案物を一部作成し、又はそのような作成を許諾することは、侵害とならない。ただし、次のことを条件とする。 |
(1) | そのような新しい複製物又は翻案物が、機械に関連するコンピュータ・プログラムの利用における不可欠の手順として創作され、かつ、他のいかなる方法によっても使用されないこと、又は |
(2) | そのような新しい複製物又は翻案物が、もっぱら記録保存を目的とするものであり、かつ、コンピュータ・プログラムの継続的占有が適法でなくなった場合にすべての記録保存としての複製物が破棄されること。 |
この条の規定に従って作成された正確な複製物は、プログラムのすべての権利の貸与、販売その他の移転の一部としてのみ、そのような複製物が作成された元の複製物と一緒に貸与し、販売し、その他移転することができる。そのように作成された翻案物は、著作権者の許諾を得た場合に限り、移転することができる。 |
プログラムの調査・解析に関するアメリカ合衆国の判決(プログラムの調査・解析関係部分の判示概要) |
1.アタリ対ニンテンドー事件(1992年9月10日 連邦巡回裁判区控訴裁判所) (リバース・エンジニアリングについて) |
(1) | 憲法は著作権保護の目的を、著作者に対する報酬ではなく「科学の進歩」の促進であるとしている。著作権法は、一方で著作者が著作物をコントロールし利用する利益と、他方で社会が情報やアイデアの自由な流通から得る競合的な利益との間にバランスを取るものである。著作権法は表現に排他的権利を与える一方、他者がある作品のアイデアや情報に自由に依拠することを奨励する。
著作権法上、著作物からアイデア、プロセス、操作方法を得ることは自由である。プロセス又は操作方法を保護するためには、創作者は特許法に目を向ける必要がある。アイデア、プロセス、操作方法を知覚不能な形式にしこれらを理解しようとする者に対して著作権侵害を主張することによる特許的な保護を、著作者は受けることができない。著作権法は、ある著作物の複製物の合法的所有者がその著作物のアイデア、プロセス、操作方法を理解するために必要な努力をすることを許すものである。 |
(2) | この許可は、著作物の排他性に対するフェア・ユースの例外に入ると思われる。米国著作権法(以下「法」と略。)第107条は、批評、注釈、研究等のために複製物を作成するような使用を含め、著作物を公正に使用することは侵害にならないとしている。 |
(3) | リバース・エンジニアリングについて、ある複製が同条に規定するフェア・ユースに当たるかどうかを決定する場合、著作物の性質を吟味する必要があり、アイデアやプロセスを理解するために中間的複製行為が要求される場合にはその行為をフェア・ユースとする。したがって、コンピュータ・プログラム中の保護されないアイデアを認識するためにオブジェクト・コードをリバース・エンジニアリングすることはフェア・ユースである。 |
(4) | 著作物のアイデアを理解するためのフェア・ユースは、しかしながら、保護される表現を複製することにより利益を得るための過度の努力を正当化するものではない。法第107条(1)及び(4)は、中間的複製におけるフェア・ユースは保護される表現の商業的利用まで拡張されないことを明らかにしている。プログラムのフェア・ユースの複製は、著作物の保護されない要素を理解するのに必要な限度を越えてはならない。 |
(5) | 公正使用が適用されるためには、著作物の許諾された複製物の所有者である必要がある。原告(アタリ)は、複製物を正当な許可を受けて所有したのではないため、原告の複製行為はフェア・ユースにはあたらない。
プログラムのだまし取られた複製物によって汚れていず、またそのプログラムを理解するために必要なリバース・エンジニアリングは公正使用である。
人間はリバース・エンジニアリングなくしてチップのオブジェクト・コードを理解することはおろか、観察することすらできない。リバース・エンジニアリングの過程は、著作権局からだまし取られたプログラムの複製物によって汚れていない限り、フェア・ユースである。 |
2.セガ対アコレイド事件 (1992年10月20日 第9巡回裁判区控訴裁判所)
(被告による原告プログラムのオブジェクト・コードの逆アセンブル行為が著作権侵害に当たるかどうか) |
(1) | 中間的複製行為について |
オブジェクト・コードの中間的複製行為は、最終的な成果物が著作権を侵害するかどうかにかかわらず、著作権を侵害する可能性がある。 |
(2) | アイデア/表現の区別について |
オブジェクト・コードの逆アセンブルは、著作権保護の及ばないアイデアや機能的概念にアクセスするために必要であるから著作権法に違反しないと被告(アコレイド)は主張するが、プログラムの著作権はオブジェクト・コードにも及ぶので、ケースバイケースでフェアユースに当たるかどうかを判断すべきである。 |
(3) | 米国著作権法第117条について |
オブジェクト・コードの逆アセンブルは米国著作権法(以下「法」と略。)第117条の許容範囲を越えている。 |
(4) | フェア・ユースについて |
本件においては逆アセンブルはプログラムの著作権で保護されない側面に対するアクセス獲得のための唯一の方法であり、かつ、被告はかかるアクセスを獲得するために正当な利益を有する(原告(セガ)ゲーム機と互換性のあるカートリッジの作り方を決定するため)が故に、プログラムの著作権で保護されない側面を研究又は調査するための正当な理由がある場合はかかる研究又は調査を目的とする逆アセンブルは法第107条のフェア・ユースを構成する。具体的には、同条の四つの要件に照らし判断する。 |
ア.使用の目的及び性格 |
複製行為が商業目的であることは被告に不利であるが、特定の商業目的使用の性質により不公正の推定は覆しうる。問題となっている使用は中間的なものに過ぎず、したがって商業的な「利得(exploitation)」は間接的又は派生的なものであった。被告の最終目的は互換ゲームの販売であったが、原告のコードの複製の直接の目的は互換性の機能要件を研究することであった。さらに、被告には他にこの要件を研究する手段はなかった。これらの事実に基づき裁判所は、被告は、正当かつ本質的に非利得的な目的で原告のコードを複製したものであり、その使用の商業的な側面は最小限の重要性しか持たないと結論する。
また、裁判所は特定の使用から生じる公共の利益を考慮することができる。被告による互換性の機能要件の研究は原告ゲーム機で使用されるために提供される独自設計のビデオ・ゲームのプログラム数の増加をもたらした。著作権法は、創作的作品の普及とかかる作品に含まれる保護されないアイデアをもとにした創作的表現におけるこのような増加を推進しようとしているのである。 したがって、使用の目的及び性格における不公正の推定は覆される。 |
イ.著作物の潜在的市場または価格に対する使用の影響 |
被告はゲーム機互換のビデオ・ゲーム市場で正当な競争者になることを意図しただけである。
また、ゲーム・ユーザーは一般に二つ以上のゲームを購入することから、原告はわずかに経済的損失を被るかもしれないが重大な影響を被るとはいえない。他社に競争を不可能にさせることで市場を独占することは、創作的表現を促進する制定法の目的に反し、フェア・ユース原則に抵抗する強い衡平法上の基盤とはなり得ない。したがって、この要素も被告に有利に働く。 |
ウ.著作物の性質 |
著作権法による保護は、著作物の基礎にあるアイデアや作品の機能的又は事実的側面には及ばない(法102条(b))ことから、著作物はその性質により保護の程度が異なることとなる。
プログラムは、著作権保護の範囲を決定する「アイデア/表現二分法」に独特の問題を提起する。プログラムの複合的な性格のため、保護される表現と保護されないアイデアを明確化する確定した基準はない。第2巡回区が最近採用した、プログラムをそのサブルーチンやサブ・サブルーチンの構成要素に分解し、それぞれのアイデアやコアとなる機能的要素を特定するテストによれば、プログラムの多くの側面は著作権により保護されなくなる。裁判所は、プログラムの実用的な性格に照らし、このアプローチを支持する。
本件においては、互換性の機能要件を理解するためには、原告のビデオ・ゲームのカートリッジの逆アセンブルが必要であったことが立証されている。ゲーム機のインタフェース手順は、オブジェクト・コードの形でのみ公衆に頒布されており、ビデオゲーム・プログラムの操作中は、見ることができない。オブジェクト・コードは逆アセンブルしなければ肉眼では見ることができず、逆アセンブルには、必然的に複製行為を伴う。
著作権のあるオブジェクト・コードの逆アセンブル自体が不公正使用であるならば、著作権者は自己の著作物の機能的側面に対して事実上の独占を得ることになる。著作物の基礎にあるアイデア又は機能的原理に対する合法的独占を享有するためには、特許法が課する厳格な基準を満たさなくてはならない。
原告のビデオ・ゲームのプログラムは複製なしに調査しえない、保護されない側面を含むが故に、裁判所は、伝統的な著作物よりも低い程度の保護しか与えない。 以上より、この要素も被告に有利に働く。 |
エ.著作物全体との関連における使用された部分の量及び実質 |
被告がプログラムの全部を逆アセンブルしたことは被告に不利であるが、著作物全体が複製された事実はフェア・ユースの認定を排除しない。 |
以上のことから、上記ア.イ.ウ.のフェア・ユース要素が被告に有利に傾き、エ.の要素のみが原告に有利に傾くがそれもごくわずかであるという結論を生じる。
著作物の使用がフェアであるか否かの決定に際し、「著作権法の究極の目的は一般公衆の利益のための芸術的創作性を刺激することである」という公共政策に留意する必要がある。
原告は、開発に投入した時間、努力及び資金がフェア・ユースの認定に不利に作用すると主張する。しかし裁判所は、著作権保護に対する「額に汗」の理論を明確に退けている。裁判所は、逆アセンブルがアイデア及び機能的概念にアクセスする唯一の方法であるとき、また、そのようなアクセスを求める正当な理由があるときは、逆アセンブルは、その作品のフェア・ユースであると結論する。 |
(a) | 逆コンパイルが、合法的に取得されたプログラムの複製物の所有者若しくは複製物を使用する権利を有する別の者によって行われること、又はそれらの者のために逆コンパイルする許諾を受けた者によって行われること;及び |
(b) | インタオペラビリティを達成するための情報があらかじめ利用可能でないこと;及び |
(c) | その行為がインタオペラビリティを達成するために必要なプログラムの部分に限られること。 |
以下の制限が適用されるべきである。 |
(i) | 逆コンパイルはインタオペラビリティを達成するためにのみ用いられるべきである;及び |
(ii) | 獲得された情報は、独立に開発されたコンピュータ・プログラムのインタオペラビリティのために必要である場合にのみ他者に与えられるべきである。 |
本委員会はまた、コンピュータ・プログラムの逆コンパイルは、プログラムの動作におけるエラーを修正するために必要である場合、以下の条件の下で許容されるべきであると勧告する。 |
(a) | 逆コンパイルが、合法的に取得されたプログラム複製物の所有者若しくは複製物を使用する権利を有する別の者によって行われること、又はそれらの者のために逆コンパイルする許諾を受けた者によって行われること; |
(b) | エラーのないコンピュータ・プログラムのバージョンがあらかじめ利用可能でないこと; |
(c) | その行為が、エラーを修正するために必要なプログラムの部分に限られること;及び |
(d) | プログラムの正常に機能するバージョンが合理的期間内に通常の商業価格で利用可能でないこと。 |
以下の制限が適用されるべきである。 |
(i) | 逆コンパイルはエラーを修正するためにのみ用いられるべきである;及び |
(ii) | 獲得された情報はエラーを修正する目的でのみ他者に与えられるべきである。 |
WIPOベルヌ条約議定書専門家委員会事務局メモ(1993年6月) |
第II部(BCP/CE/III/2-II) |
I.M38 考えられる議定書は以下のようなものであることが提案される。 |
(a) | その著作権者の許諾なしには、以下の(b)及び(c)に従いつつ、私的使用目的でのコンピュータ・プログラムの複製は認められないこと; |
(b) | コンピュータ・プログラムの著作権者の許諾なしに、コンピュータ・プログラムの複製物の適法な所有者がこのようなプログラムの複製物又は翻案物を一個作成することを認めることは、その複製物又は翻案物が以下のようなものである限り、国内法に委ねられる問題であること。 |
| (i) | プログラムがある機械のために適法に獲得されたものである場合に、当該プログラムをその機械に接続して使うために必要不可欠なものであり、その機械の使用のための、かつ、その使用の範囲内のものであること; | (ii) | 記録保存のための、及び、必要である場合(プログラムのオリジナル・コピーが紛失し、壊れ、又は使用不可能となった場合)に、適法に得られた複製物を元に戻すためのものであること;ただし、このような複製物又は翻案物は上記に述べた以外の目的で使用することはできず、また、当該コンピュータ・プログラムの複製物や翻案物の継続的な所有が適法に終了した場合に廃棄されなければならないこと; |
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(c) | また、コンピュータ・プログラムの著作権者の許諾なしに、コンピュータ・プログラムの複製物の適法な所有者がそのプログラムをそのコーディング及び構造が調査できるような形に逆コンパイルすることを認めることも、以下に従う限り、国内法に委ねられる問題であること; |
| (i) | 独立して創作する他のプログラムと当該原プログラムとの相互運用性を達成するために必要な情報が、他の情報源から容易に得ることができず、相互運用性を達成するために必要な関連する独自プログラムの部分だけに関するものである場合に限って、このような逆コンパイルが認められるべきこと; | (ii) | このような逆コンパイルを通じて得られた情報が独立して創作されるコンピュータ・プログラムの相互運用性を達成するためだけに利用しうるものであり、その表現においてこの独自プログラムと実質的に類似するようなプログラムを作成するために、又は、その他のいかなる著作権を侵害する行為のためにも使用できないこと。 |
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(参考)
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コンピュータ・プログラムに係る著作権問題に関する調査研究協力者会議について
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1 調査研究協力者名簿
| 阿部 浩二 | 岡山商科大学教授・岡山大学名誉教授 | | 石田 晴久 | 東京大学教授 | | 加戸 守行 | 日本芸術文化振興会理事長 | 座 長 | 北川善太郎 | 京都大学教授 | 小島 康壽 | 通商産業省機械情報産業局情報処理振興課長 | 齊藤 博 | 筑波大学教授 | 中山 信弘 | 東京大学教授 | 原田 英介 | 株式会社日本総合研究所代表取締役副社長 | 半田 正夫 | 青山学院大学教授 | 藤井 展之 | 株式会社ダイナウェア代表取締役社長 | | 弁護士 | 三木 茂 | 弁護士 | 水野 幸男 | 日本電気株式会社副社長 | 三次 衛 | 富士通株式会社顧問 | 紋谷 暢男 | 成蹊大学教授 | 横山 俊朗 | 株式会社ティーアンドイーソフト代表取締役社長 |
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2 検討の経過 |
第1回会議 平成5年7月22日 今後の審議の進め方について |
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第2回会議 平成5年9月1日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題について (ヒアリング及び討議) |
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第3回会議 平成5年9月27日 1)コンピュータ・プログラムに係る著作権問題について(ヒアリング) 2)既存プログラムの調査・解析について |
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第4回会議 平成5年11月5日 1)既存プログラムの調査・解析について 2)プログラムに係る著作権の権利制限及びコピー・プロテクション解除装置について |
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第5回会議 平成5年11月29日 プログラムに係る著作権の権利制限及びコピー・プロテクション解除装置について |
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第6回会議 平成5年12月13日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題について (米国関係者からのヒアリング) |
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第7回会議 平成6年1月10日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題について (これまでの意見の整理等) |
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第8回会議 平成6年2月22日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題について (これまでの意見の整理等) |
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第9回会議 平成6年3月15日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題について (報告書構成案について) |
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第10回会議 平成6年4月18日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題に関する調査研究協力者会議報告書(案)について |
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第11回会議 平成6年5月16日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題に関する調査研究協力者会議報告書(案)について |
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第12回会議 平成6年5月30日 コンピュータ・プログラムに係る著作権問題に関する調査研究協力者会議報告書(案)について |