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    第1章-著作権の対象および範囲


    第114条  録音物に対する排他的権利の範囲

    (a) 録音物の著作権者の排他的権利は、第106条(1)、(2)、(3)および(6)に定める権利に限定され、第106条(4)に 基づく実演の権利を含まない。

    (b) 録音物の著作権者の第106条(1)に基づく排他的権利は、録音物に固定されている実際の音を直接または間接に再録するレコードまたはコピーの形式に録音物を増製する権利に限定される。録音物の著作権者の第106条(2)に基づく排他的権利は、録音物に固定されている実際の音を再整理し、再調整しまたは順序もしくは音質を変更した二次的著作物を作成する権利に限定される。録音物の著作権者の第106条(1)および(2)に基づく排他的権利は、著作権のある録音物の音を模倣しまたはそれに類似する音を含んでいたとしても、全体が他の音を独自に固定したものである他の録音物を作成しまたは増製することには及ばない。録音物の著作権者の第106条(1)、(2)および(3)に基づく排他的権利は、公共放送事業者(第118条(f)に定義する)がまたはこれを通じて頒布しまたは送信する、テレビまたはラジオの教育番組(第47編第 397条に定義する)に収録された録音物には適用されない。ただし、公共放送事業者がまたはこれを通じて、かかる番組のコピーまたはレコードを一般公衆に商業的に頒布してはならない。

    (c) 本条は、第106条(4)に定める著作物を、レコードを用いて公に実演する排他的権利を制限しまたは減損するものではない。

    (d) 排他的権利の制限-第106条(6)の規定にかかわらず-

      (1) 免除の対象となる送信および再送信-デジタル音声送信を用いた録音物の公の実演(インタラクティブ・サービスの一部であるものを除く)は、以下のいずれかの一部である場合、第106条(6)を侵害しない。

        (A) 非加入契約放送送信。

        (B) 非加入契約放送送信の再送信。ただし、ラジオ局放送送信の再送信である場合は、以下のいずれかの要件を満たすものでなければならない。

          (i) ラジオ局放送送信が、ラジオ放送送信機の地点から半径150マイル以上にわたって意図的または反復的に再送信されないこと。ただし、

            (I) 連邦通信委員会の免許を受けたラジオ局の非加入契約放送送信が、連邦通信委員会の免許を受けた地上放送局、地上中継局または地上レピーターによって非加入契約ベースで再送信される場合は、本規定における150マイルの制限を受けない。また、

            (II) 上記第(I)文に規定する非加入契約放送再送信を加入契約ベースで再送信する場合には、放送再送信機の送信設備を起点として半径150マイルを測定する。

          (ii) 再送信がラジオ局放送送信の再送信であり-

            (I) 再送信事業者が無線で受信し、

            (II) 再送信事業者が別個独立の信号を発信するために電子的に調整を加えず、かつ、

            (III) 再送信事業者が業務を行うローカルコミュニティのみに再送信すること。

          (iii) 1995年1月1日現在、衛星通信事業者がラジオ局放送送信をケーブル・システム(第111条第(f)項に定義する)に再送信し、当該ケーブル・システムが別個独立の信号としてこれを再再送信しており、かつ、衛星通信事業者がラジオ局の放送送信をアナログ形式で受信していること。ただし、再送信された放送送信は、複数のラジオ局の番組を含むものでもよい。

          (iv) ラジオ局の放送送信が、1995年1月1日以後に1934年通信法第396条(k)(合衆国法典第47編第396条(k))に基づいて資金を受けた非商業的教育放送局が行ったもので、非商業的教育・文化ラジオ番組のみを含み、かつ、再送信(同時送信であるか否かを問わない)が非加入契約地上放送再送信であること。

        (C) 以下のいずれかに該当する送信。

          (i) 免除の対象となる送信事業者が受信した後に再送信する信号等、免除の対象となる送信に付随する事前または同時の送信。ただし、かかる付随的送信は、公衆による受信を直接の目的とする加入契約送信を含まない。

          (ii) 事業施設内部での送信で、その構内または直接隣接する地域に限られたもの。

          (iii) 送信の一部として録音物を公に実演することを許諾された送信事業者が行う送信を、再送信事業者(1934年通信法第602条(12)(合衆国法典第47編第522条(12))に定義する多チャンネルビデオ番組配信事業者を含む)が再送信するものであって、許諾を受けた送信と同時であり、かつ、送信事業者の許諾を受けたもの。

          (iv) 通常の業務の過程で使用される事業施設向けの送信。ただし、事業受信者は、その構内または直接隣接する地域の外部に再送信してはならず、また、送信は、録音物実演放送枠を超えてはならない。本段は、第(ii)段による免除の範囲を制限するものではない。

      (2) 特定の送信に対する法定使用許諾-第(1)節に基づく免除の対象とならない加入契約デジタル音声送信、適格の非加入契約送信、または既存の衛星デジタル音声ラジオ・サービスによる第(1)節に基づく免除の対象とならない送信を使用して、録音物を公に実演することは、以下のすべての条件を満たす場合には、第(f)項に従って法定使用許諾の対象となる。

        (A) (i) 送信がインタラクティブ・サービスの一部でなく、

          (ii) 事業施設への送信の場合を除き、送信事業者が、送信を受ける装置によって番組チャンネルを自動的かつ意図的に変更せず、かつ

          (iii) 第1002条(e)に定める場合を除き、技術的に可能である限り、録音物の送信が、録音物の著作権者がまたはその許諾を得て録音物にエンコードした録音物の題名、録音物に実演を行った主演実演家および関連する情報(元になる音楽著作物およびその作者の情報を含む)を特定する情報を伴うこと。

        (B) 既存の加入契約サービスが1998年7月31日に使用していたものと同じ送信媒体を使って行う第(1)節に基づく免除の対象とならない既存の加入契約送信の場合、または、既存の衛星デジタル音声ラジオ・サービスが行う第(1)節に基づく免除の対象とならない送信の場合には-

          (i) 送信が録音物実演放送枠を超えず、かつ

          (ii) 送信事業者が、送信される特定の録音物または当該録音物を含むレコードの題名を、番組予定表または事前の発表によって公表させないこと。

        (C) 適格の非加入契約送信、または第(1)節に基づく免除の対象とならない加入契約送信であって新規の加入契約サービスもしくは1998年7月31日に使用していたものと同じ送信媒体を使わない既存の加入契約サービスとして行われる送信の場合、以下のすべての要件を満たすこと。

          (i) 送信が録音物実演放送枠を超えないこと。ただし、放送送信の再送信の場合、再送信を行う送信事業者が、当該放送送信を行う放送局による番組編成を管理する権利または能力を持たないときには、本要件を適用しないが、以下のいずれかに該当する場合を除く。

            (I) 当該放送局が以下のいずれかの形式で放送送信を行うこと。

    (aa)録音物実演放送枠を規則的に超えてデジタル方式で行う。

    (bb)放送の大部分を、週毎に録音物実演放送枠を超えてアナログ方式で行う。

            (II) 録音物の著作権者またはその代理人が、著作権者の保有する録音物の放送送信が本段に定める録音物実演放送枠を超えることを、送信事業者に書面で通知したこと。

          (ii) 送信事業者が、番組予定表または事前の発表によって、送信される特定の録音物の題名、当該録音物を含むレコードまたは主演実演家の名前(例示目的の公表を除く)を、公表させまたは公表を教唆しもしくは幇助しないこと。ただし、本規定は、不特定の将来の時間帯に特定の実演家が出演する旨の事前の発表を行う送信事業者の資格を剥奪するものではない。また、送信事業者が放送送信の再送信を行い、当該送信事業者が放送送信の番組編成を管理する権利または能力を持たない場合において、放送局が番組予定表を発行しまたはこれを教唆しもしくは幇助したことについて送信事業者が現実の認識を持たずかつ著作権者またはその代理人から通知を受けていないとき、あるいは放送局が1998年9月30日以前にクラシック音楽番組について発行した番組予定表であってかつこれと同じ方法にて放送局が発行する番組予定表であるときには、本段の要件は、放送局が行う事前の公表または放送局による番組表の公表もしくはその教唆・幇助には適用しない。

          (iii) 送信が-

            (I) 5時間未満の保存番組の一部でないこと、

            (II) 2週間を超える期間利用可能にされる5時間以上の保存番組の一部でないこと、

            (III) 3時間未満の継続番組の一部でないこと、または

            (IV) 以下のいずれかにて送信される、録音物の実演が予め定められた順序で行われる特定可能な番組(保存番組または継続番組を除く)の一部でないこと。

    (aa) 1時間未満の番組の場合、予め公表された2週間に3回を超えて送信されること。

    (bb) 1時間以上の番組の場合、予め公表された2週間に4回を超えて送信されること。

    ただし、放送送信の番組編成を管理する権利または能力を持たない送信事業者が放送送信を再送信する場合には、当該送信事業者が録音物の著作権者またはその代理人から書面で放送局がかかる要件に規則的に違反して送信を行っているとの通知を受けているときを除き、本規定の要件を適用しない。

          (iv) 送信事業者が、送信事業者または送信事業者の広告する製品もしくはサービスに対して著作権者または主演実演家が提携、関係または所属するかのように、あるいは、送信事業者の行為(当該録音物の実演を除く)に対して著作権者または主演実演家が企画、支援または承認するかのように、混同、誤認または欺罔させるおそれのある方法で、視覚的映像の送信を録音物の送信と同時に行うサービスの一部として、故意に録音物を実演しないこと。

          (v) 特定の録音物がその者に送信されるよう選択するために、受信者その他の者が送信事業者の送信を単独または他の送信事業者の送信と共に自動的にスキャンすることを防止することに、多大な費用または負担を課すことなく実施可能である限りにおいて、送信事業者が協力すること。ただし、本段の要件は、1998年7月31日以前に営業中であるかまたは連邦通信委員会の免許を受けた衛星デジタル音声サービスには適用されない。

          (vi) 送信事業者が送信の受信者にレコードを作成させまたはこれを教唆するようないかなる積極的な措置もとらないこと、および、送信の受信者が送信のレコードをデジタル形式にて直接作成することを送信事業者の用いる技術が制限できる場合には、かかる技術によって可能な範囲で、かかるレコードの作成を制限するように送信事業者が設定すること。

          (vii) 著作権者の許諾に基づいて録音物のレコードが公に頒布されまたは著作権者が送信事業者に録音物を送信する許諾を与え、かつ、送信事業者が著作権者の許諾の下に適法に作成されたレコードから送信を行うこと。ただし、放送送信の番組編成を管理する権利または能力を持たない送信事業者が放送送信を再送信する場合には、当該送信事業者が録音物の著作権者から書面で放送局がかかる要件に規則的に違反して放送送信を行っているとの通知を受けているときを除き、本段の要件を適用しない。

          (viii) 著作権のある著作物を特定しまたは保護するために録音物の著作権者が広く使用する技術的手段であり、かかる技術的手段の送信が送信事業者に多大な費用を課しまたはデジタル信号に聴覚的もしくは視覚的な劣化を生ずることがない場合には、送信事業者がかかる技術的手段の送信を受容しこれを妨げないこと。ただし、本段の要件は、 1998年7月31日以前に営業中であるかまたは連邦通信委員会の免許を受けた衛星デジタル音声サービスである場合には、当該技術的手段を録音物の著作権者が広く採用するに至る前に当該技術的手段と互換性のない機器または技術を設計し、開発しまたは調達の約束をした限りにおいて、適用しない。

          (ix) 送信事業者が提供するサービスを受信することが予定される装置または技術によって送信の受信者に表示されるような方法で、実演前ではなく実演中に、送信事業者が、録音物の題名、(もしあれば)録音物を収録するレコードの題名および主演実演家等によって録音物を文字データ中に特定すること。ただし、本段における義務は、デジタル・ミレニアム著作権法の制定日*5から1年間は発効せず、また、放送送信の番組編成を管理する権利もしくは能力を持たない送信事業者が放送送信を再送信する場合または送信事業者のサービスを受信することが予定される装置もしくは技術が上記文書データを表示する機能を有するが市場において一般的でない場合には、本段の義務は適用されない。


    *5 1998年10月28日


      (3) インタラクティブ・サービスによる送信についての使用許諾-

        (A) いかなるインタラクティブ・サービスも、デジタル音声送信による録音物の公の実演について、12ヶ月を超える期間について第106条(6)に基づく独占的使用許諾を受けることはできない。1,000以下の録音物に対する著作権を保有する許諾者は、インタラクティブ・サービスに対して24ヶ月を超える独占的使用許諾を付与してはならない。ただし、独占的使用許諾を受けた者は、すでに与えられた独占的使用許諾の失効から13ヶ月間は、当該録音物について新たな独占的使用許諾を受けることはできない。

        (B) 本節第(A)号に定める制限は、以下の場合には適用されない。

          (i) 第106条(6)に基づくデジタル音声送信による録音物の公の実演にかかる使用許諾が、少なくとも5つのインタラクティブ・サービスに付与されかつ有効である場合。ただし、かかる使用許諾の範囲は、許諾者が所有する録音物でインタラクティブ・サービスに対する使用許諾の対象となるものの最低10パーセントでなければならないが、いかなる場合にも50未満の録音物であってはならない。または、

          (ii) 独占的使用許諾が、録音物を45秒以内の時間公に実演することについて付与され、かつ、実演の唯一の目的が録音物の配信または実演の促進である場合。

        (C) 第106条(6)に基づく公に実演する権利について独占的または非独占的使用許諾が付与されたか否かにかかわらず、インタラクティブ・サービスは、録音物に含まれる著作権のある音楽著作物の公の実演について使用許諾を受けなければ、録音物を公に実演することはできない。ただし、著作権のある音楽著作物の公の実演についての使用許諾は、著作権者を代表する実演権団体または著作権者によって付与されるものとする。

        (D) デジタル音声送信の再送信による録音物の実演は、以下の要件を満たす場合には、第106条(6)の侵害とならない。

          (i) 送信の一部として公衆の特定の者に対し録音物を公に実演する使用許諾を受けたインタラクティブ・サービスが再送信を行い、かつ

          (ii) 再送信が、使用許諾を受けた送信と同時で、送信事業者が許諾したものであり、かつ、インタラクティブ・サービスが送信の受信者と意図する公衆の特定の者に限定されること。

        (E) 本節において-

          (i) 「許諾者」は、ライセンス事業者および所有権、経営権または支配権利を重大な範囲で共同にする他の事業者であって録音物に対する著作権を保有する者を含む。また、

          (ii) 「実演権団体」とは、アメリカ作詞家作曲家出版者協会(ASCAP)、ブロードキャスト・ミュージック社および SESAC社等の、著作権者に代わって非演劇的音楽著作物の公の実演を許諾する社団または会社をいう。

      (4) 権利に対するその他の制限の不存在-

        (A) 本条に明示的に規定する場合を除き、本条は、第106条(6)に基づきデジタル音声送信を用いて録音物を公に実演する排他的権利を制限しまたは減損しない。

        (B) 本条のいかなる規定も、以下の権利を無効にしまたは制限しない。

          (i) 第106条(4)に基づく、音楽著作物を公に実演する排他的権利(デジタル音声送信によるものを含む)。

          (ii) 第106条(1)、第106条(2)および第106条(3)に基づく、録音物またはこれに含まれる音楽著作物に対する排他的権利。または、

          (iii) 第106条の他の節に基づくその他の権利、または本編に基づいて認められる救済(1995年録音物に対するデジタル実演権法の制定日*6前後に存在した権利または救済を含む)。

        (C) 第106条(6)に基づく排他的権利に対する本条の制限は、第106条(6)に基づく排他的権利のみに適用され、第 106条に基づく他のいかなる排他的権利にも適用されない。本条のいかなる規定も、録音物の著作権者が第106条(1)、第106条(2)および第106条(3)に基づく権利を行使し、またはかかる権利に基づいて本編に基づく救済を求める能力を無効にし、制限し、減損し、またはこれに影響を及ぼさない。かかる権利および救済は、1995年録音物に対するデジタル実演権法の制定日前後に存在したもの等をいう。


    *6 1995年11月1日


    (e) 交渉の権限-

      (1) 反トラスト法の規定にかかわらず、録音物の著作権者および本条の適用がある録音物を実演する団体は、第(f)項に基づく法定使用許諾の交渉において、当該録音物の実演にかかる使用料および使用許諾の条件ならびに著作権者間の使用料の配分について交渉し合意することができ、また、支払について交渉し、合意し、支払を受けまたは行うための非排他的な共通の代理人を指名することができる。

      (2) インタラクティブ・サービスによる実演または録音物実演放送枠を超える実演についての使用許諾等、第106条(6)に基づいて付与される使用許諾(法定使用許諾を除く)について-

        (A) 本条の適用がある録音物の複数の著作権者は、使用許諾を付与し使用料を受領し送金するための共通の代理人を指名することができる。ただし、各著作権者は単独で(すなわち、録音物の他の著作権者との合意、共同または合議によらずに)使用料率および使用許諾の重要な条件を定めなければならない。

        (B) 本条の適用がある録音物を実演する複数の事業者は、使用許諾を受け使用料を集金し支払うための共通の代理人を指名することができる。ただし、録音物を実演する各事業者は、単独で(すなわち、録音物の他の実演者との合意、共同または合議によらずに)使用料率および使用許諾の重要な条件を定めなければならない。

    (f) 一定の免除の対象とならない送信に対する使用許諾-

      (1) (A) 第8章に基づく手続によって、804条(b)(3)の(A)もしくは(B)に従って手続が開始された年の翌年1月1日から5年間または当事者が合意するその他の期間について、第(d)項(2)に定める強制使用許諾の対象となる送信に対する相当な使用料率および条件を決定する。各手続の当事者は、自己の費用を負担する。

        (B) 著作権使用料審判官が決定した相当な使用料率および条件の定めは、第(2)節を条件として、第(A)号に定める5年間、またはその他当事者が合意する期間について、すべての録音物の著作権者および本節の影響を受ける録音物を実演する団体を拘束する。当該使用料率および条件は、その時点で運営するサービスの異なる種類ごとに区分するものとし、また、各サービスの種類ごとの最低料金、録音物使用の数量および性質その他の基準に基づく区分ならびに当該サービスの使用が消費者によるレコードの購入に代替または促進する程度を含まなければならない。著作権使用料審判官は、市場において自由な買主と自由な売主が交渉したであろう使用料率および条件を最も明確に表す使用料率および条件を設定しなければならない。当該使用料率および条件の決定において、著作権使用料審判官は、以下に従う。

          (i) 著作権使用料審判官は、以下を含む当事者が提示する経済上の、競争上のおよびプログラム上の情報に基づいて決定しなければならない。

            (I) 当該サービスの使用がレコードの販売に代替するかもしくはこれを促進するか、その他録音物から当該録音物の著作権者が受ける他の収入源を妨害するかもしくは拡大するか。

            (II) 相対的な創作的寄与、技術的寄与、資本投資、費用およびリスクなどに関して、公衆に利用可能とされる著作権のある著作物およびサービスにおいて著作権者と送信事業者の相対的役割。

          (ⅱ) 著作権使用料審判官は、比較可能な種類の音声配信サービスの使用料何時および条件ならびに任意的使用許諾における比較可能な状況を考慮することができる。

        (C) 第(A)号および第(B)号に基づく手続は、録音物の著作権者または配信事業者が提出する申立書によっても開始される。ただし、当該申立書には、録音物を実演する新種のサービスが営業中または営業準備中であることを記載し、かつ、当該新種のサービスの開始日に始まり、第(A)号または第(B)号および第8章に基づいて有資格の非加入サービスおよび新しい加入サービス、または場合によっては既存の加入サービスおよび既存の衛星デジタル音声ラジオサービスに対する最後に決定された使用料および条件が終了する日に終了する期間または当事者が別途合意する期間について、当該新しいサービスに関する相当な使用料および条件を決定することを目的とするものでなければならない。

      (2) 録音物の一人または複数の著作権者および録音物を実演する一つまたは複数の事業者が任意に交渉した使用許諾契約は、連邦議会図書館長の決定または著作権使用料審判官の決定に代わる効力を有する。

      (3) (A) 著作権使用料審判官はまた、著作権者が本条に基づく録音物の使用の適切な通知を受け取るべき要件、および録音物を実演する事業者がかかる使用の記録を保存し利用可能にすべき要件を定めなければならない。2004年著作権使用料及び分配改革法の発効日の前日に効力を有する通知および記録管理に関する規則は、著作権使用料審判官が新たな規則を制定するまで有効に存続する。本号に基づいて新たな規則が制定される場合には、著作権使用料審判官は、2004年著作権使用料及び分配改革法の発効日の前日に効力を有する規則の内容および効力を考慮に入れて、可能な限り、著作権使用料の徴収および分配の権限を与えられた指定代理人の業務に重大な支障を生じさせてはならない。

        (B) 本項に基づき法定使用許諾の適用を受ける送信によって録音物を公に実演しようとする者は、以下のいずれかの場合には、録音物に対する著作権者の排他的権利を侵害することなくこれを行うことができる。

          (i) 著作権使用料審判官が規則により定める通知の要件に従い、かつ、本項に従って使用料を支払う場合。

          (ii) 使用料が定められていないときは、本項に従って定められる使用料の支払いに同意する場合。

        (C) 未払の使用料は、使用料が定められた月の翌月20日以前に支払われなければならない。

      (4) (A) 第112条(e)およびその他本項の規定に関わらず、受領代理人は、2005年1月1日から11年の期間に関して、一以上の商業ウェブ放送局または非商業的ウェブ放送局との間に、第112条(e)および本条に基づいて、録音物の複製および実演について契約を締結することができ、当該契約は、第(B)号に従って連邦官報に公告されることによって、著作権使用料審判官の決定により、録音物の著作権者および本条に基づいて支払いを受ける権利を有するその他の者を拘束する。商業ウェブ放送局とのかかる契約は、収益もしくは支出またはその両方の一定割合を基準にした使用料の支払いに関する規定を含み、また最低料金を含むことができる。かかる契約は、著作権者が録音物の使用の適切な通知を受け取ることができるための要件および商業ウェブ放送局または非商業的ウェブ放送局が当該使用の記録を保存し利用に供するための要件、その他の条件を含むことができる。受領代理人は、かかる契約の交渉をする義務はない。受領代理人は、かかる契約の交渉に関して、録音物の著作権者または本条に基づいて支払を受ける権利を有するその他の者に対していかなる義務をも負わず、またかかる契約を締結したことについて録音物の著作権者または本条に基づいて支払を受ける権利を有するその他の者に対していかなる責任をも負わない。

        (B) 著作権局は、第(A)号に従って締結されたすべての契約を、連邦官報に公告しなければならない。かかる公告は、第(C)号の内容を記載した文章を含まなければならない。かかる契約は、連邦規則集には掲載されないものとする。公告以降、かかる契約の条件は、その契約の適格条件を満たすいかなる商業ウェブ放送局または非商業的ウェブ放送局に対しても、その選択により、利用させなければならない。

        (C) 第(A)号または第(A)号に従って締結された契約に定められた料率構成、使用料、条件もしくは通知および記録管理に関する要件を含む契約規定は、録音物の公の実演または一時的なレコードもしくはコピーへの複製に対して支払うべき使用料の設定または調整、それに関する条件の決定、または第(3)節もしくは第112条(e)(4)に基づいて著作権使用料審判官が設定する通知もしくは記録管理に関する要件に関わる行政上、司法上またはその他の政府の手続において、証拠として採用されることまたはその他考慮に入れられることがあってはならない。かかる契約に含まれる使用料、料率構成、定義、条件または通知および記録管理に関する要件は、市場において取引を希望する売主と買主が交渉したであろう事項または第801条(b)に規定する目的に適合する事項というよりはむしろ、ウェブ放送局、著作権者および実演者の固有のビジネス的、経済的および政治的状況に動機づけられて成立した妥協と考えられるべきである、というのが連邦議会の意図するところである。本号の適用は、第(A)号に従って締結した契約の当事者である受領代理人およびウェブ放送局が、本項に基づく手続きの中で契約書の提出を明示的に許可する範囲に及ばない。

        (D) コロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所は、著作権使用料審判官が第112条および第114条に従って録音物および一時的固定物のデジタル演奏に対する使用料率および条件について2007年5月1日に行った決定に関する審理において、2008年ウェブ放送局法または第(A)号に従って締結されたいかなる契約も考慮してはならない。

        (E) 本節において-

          (i) 「非商業的ウェブ放送局」とは、以下のウェブ放送局をいう。

            (I) 1986年内国歳入法典第501条(合衆国法典第26編第501条)に基づいて課税が免除されたウェブ放送局、

            (II) 内歳入庁に、内国歳入法典第501条に基づく課税の免除を善意誠実に申請し、かつ当該免除が与えられる商業的に合理的な見込みがあるウェブ放送局または

            (III) 州もしくは属領またはそれらの政府機関もしくは下部組織、または合衆国もしくはコロンビア特別区が公共目的のためにのみ運営するウェブ放送局。

          (ii) 「受領代理人」とは、2002年7月8日付けの連邦官報に公告された連邦規則集第37編第261.2条において与えられた意味を有する。また、

          (iii) 「ウェブ放送局」とは、第112条もしくは第114条またはその施行規則に基づいて強制使用許諾を取得した個人または事業者をいう。

        (F) 第(A)号に従って解決する権限は、2009年ウェブ放送局法の制定日後30日目の東部標準時間の11:59 p.m.に終了する。

    (g) 使用許諾の収入-

      (1) 本条第(f)項に基づく法定使用許諾に基づき使用許諾を受けた送信の場合を除き-

        (A) 送信のための使用許諾を受けた録音物に演奏を録音する主演実演家は、当該演奏者の契約に基づいて録音物の著作権者から支払を受けることができ、また

        (B) 送信のための使用許諾を受けた録音物に演奏を録音する非主演実演家は、当該演奏者の契約または他の合意に基づいて録音物の著作権者から支払を受けることができる。

      (2) 第(6)節に規定する場合を除いて、第(f)項に従って著作権使用料審判官が送信の使用許諾からの受領額収入を分配するよう指定された非営利集中管理団体は、当該受領額を以下のとおり分配する。

        (A) 受領額の50パーセントは、本編第106条(6)に基づきデジタル音声送信によって録音物を公に実演する排他的権利を有する著作権者に対して支払われる。

        (B) 収入の2.5パーセントは、録音物の著作権者およびアメリカ演奏家連盟(AF of M)(またはその後継事業者)が共同で任命する独立の管理者が管理する預託口座に入金し、録音物に演奏を録音した非主演演奏家(アメリカ演奏家連盟の構成員であるか否かを問わない)間で分配する。

        (C) 収入の2.5パーセントは、録音物の著作権者およびアメリカ・テレビ・ラジオ・アーティスト連盟(AFTRA)(またはその後継事業者)が共同で任命する独立の管理者が管理する預託口座に入金し、録音物に演奏を録音した非主演歌手 (アメリカ・テレビ・ラジオ・アーティスト連盟の構成員であるか否かを問わない)間で分配する。

        (D) 収入の45パーセントは、録音物の個数に応じて、録音物の収録アーティストまたは主演アーティスト(またはかかるアーティストの録音物での実演による権利を取得する者)に支払う。

      (3) 第(f)項に従って著作権使用料審判官によって送信の使用許諾からの受領額を分配するよう指定された非営利の集中管理団体は、他の指定代理人から使用料を受領することを選択しかつその選択を書面にて当該非営利の代理人に対して通知した著作権者および実演者を除き、当該受領額に対して権利を有する個人または事業者に対する分配に先立って、当該非営利の代理人に1995年11月1日以降に発生した下記に関する相当な費用を、受領額から差し引くことができる。

        (A) 使用料の徴収、分配および計算の管理に要する費用、

        (B) 使用料の徴収および計算に関連する紛争の解決に要する費用、および

        (C) 第112条および本条に基づく使用許諾の対象となっている一時的固定物の作成および実演に関して権利の許諾および権利の行使に要する費用であって、第112条および本条に基づく交渉または仲裁手続への参加によって生ずる費用を含む。ただし、第112条の一時的固定物の権利に関して発生するすべての費用は、第112条に従って受領された使用料からのみ差し引くことができる。

      (4) 第(3)節に関わらず、第(f)項に従って送信の使用許諾からの受領額を分配するよう指定された指定代理人は、使用料の受領額から第(3)節所定の費用を差し引くことができる旨を明記した契約関係を当該代理人と締結した著作権者および実演者に関しては、1995年11月1日以降代理人に発生する第(3)節所定の相当な費用を、当該受領額の分配に先立って、当該受領額から差し引くことができる。

      (5) 指示書

        (A) 総則-第(f)項に従って送信の使用許諾からの受領額収入を分配するよう著作権使用料審判官から指定された非営利の集中管理団体は、当該団体が適切と考える場合には、第(2)節(A)または(D)に基づいて特定された受領者が録音物の送信の許諾によって権利を取得する支払金の一部について、当該録音物を作成する創作過程に参画したプロデューサー、ミキサーまたはサウンドエンジニアに分配する旨の当該受領者からの指示を受け付けることを定めるポリシーを制定しかつ合理的に実施しなければならない。本条において、当該指示を「指示書」という。

        (B) 指示書の受付-第(A)号に記載する集中管理団体が同号に基づいて指示書を受け付ける範囲において、当該指示書に従って支払を受ける権利を有する者は、当該指示書が有効であり当該集中管理団体がそれを実施する期間中、当該支払を受領する権利の保有者としてすべてに関して取り扱われ、また、当該集中管理団体に当該指示書を提出する受領者は、当該支払に対していかなる権利を持たない者として扱われなければならない。

        (C) 集中管理団体の権限-本節は、集中管理団体が本節の定める場合を除いて支払指示を受付またはそれに従う権限を持たないものと解釈されてはならない。

      (6) 1995年11月1日までに固定された録音物

        (A) 指示書のない場合の支払-第(f)項に従って送信の使用許諾からの受領額収入を分配するよう著作権使用料審判官から指定された非営利の集中管理団体(本節において「集中管理団体」という)は、当該団体が適切と考える場合には、1995年11月1日までに固定された録音物の送信許諾から徴収された受領金の2%が控除されること(ただし、前記控除額は、 (2)(D)に基づいて録音物の録音主演アーティスト(またはかかるアーティストの録音物での実演による権利を取得する者)に支払われるべき金額から差し引かれること)、および、第(3)または(4)節に記載する費用を差し引いた後に以下の条件を満たす場合には本節(B)記載の者に分配されることを定めるポリシーを制定しかつ合理的に実施しなければならない。

          (i) 指示書を取得しようとしたことの証明-当該分配を受けようとする本節(B)記載の者が、偽証に対して制裁を受ける条件下で、以下のことを証明したこと。

            (I) 120日以上の期間、その者が、集中管理団体が録音主演アーティストに支払われるべき使用料部分をその者に支払うよう指示する指示書を依頼し取得しようとして当該録音物に対する受領者たるアーティストに連絡を取るよう合理的努力を行ったこと。

            (II) その者が上記(I)記載の努力を始め、集中管理団体に対するその者の証明の日に終わる期間中に、受領者たるアーティストが指示書発行の要請に対して書面で肯定も否定もしなかったこと。

          (ⅱ) 集中管理団体による実演家への連絡-第(i)段に記載する証明書の受領後で、第(B)号に記載する者に対する集中管理団体による最初の支払の120日以上の期間に、当該集中管理団体が、その判断において合理的な方法で、受領者たるアーティストに第(B)号に記載する者による証明書を通知すること。

          (ⅲ) 異議を受領しなかったこと-受領者たるアーティストが、最初の分配を実施する日の10営業日前に、書面にて当該分配への異議を当該集中管理団体に提出しなかったこと。

        (B) 支払を受ける資格-以下に該当する者は、第(A)号に基づく支払を受ける資格を有する。

          (i) 録音物のプロデューサー、ミキサーまたはサウンドエンジニアであること、

          (ⅱ) 録音物の作成もしくは適法な利用のためにレコード会社との間にまたは録音物の録音主演アーティスト(もしくは録音物についてアーティストが有する権利を譲渡する者)との間に契約を締結しており、その契約に基づいて支払を請求する者が当該録音物の利用に基づきかつ本来当該録音物の録音主演アーティスト(もしくは録音物について実演家が有する権利を譲渡する者)に支払われるべき使用料の支払に参加する権限を有すること、

          (ⅲ) 録音物の作成に創作的な寄与を行ったこと、ならびに

          (ⅳ) 集中管理団体に以下のものを提出すること。

            (I) その者が上記(i)ないし(iii)の要件を満たすことを偽証の制裁の元に陳述する証明書、および

            (II) 上記(ii)に記載する契約書の真正な写し。

        (C) 複数の証明-第(D)号を条件として、第(B)号に記載する2人以上の者が分配の10営業日前の日において録音物に関して第(A)号の分配の要件を満たす場合には、集中管理団体は、当該全員に平等に当該2%を分割しなければならない。

        (D) 支払に対する異議-集中管理団体は、第(A)号に従って行った分配に対する書面による異議を受領者たるアーティストから受領した日から10営業日以内に、当該分配に関するさらなる支払を中止しなければならない。集中管理団体が当該分配に対する書面による異議を受領者たるアーティストから受領したから10営業日以内に第(B)号に記載する者に対して第(A)号に従って分配を行った場合には、当該異議は、集中管理団体が本号に基づいて分配を中止する前に行った分配に対するその者の受領権限には効果を持たない。

        (E) 支払を受ける権利の保有-集中管理団体が第(B)号に記載する者に対して第(A)号に基づいて分配を行うことを決定した限りにおいて、その者は、当該分配の対象となる期間中、すべての目的のために当該支払を受ける権利の保有者として扱われ、当該支払を受けるべきであった「受領者たるアーティスト」は当該支払に対していかなる権利も持たないものと扱われる。

        (F) 受領者たる実演家の定義-本項において「受領者たるアーティスト」とは、録音物に関して第(2)節(D)に基づいて支払を受ける権利を有するものであって、第(B)号に記載する者以外の者をいう。録音物に関して複数の受領者たるアーティストがいる場合には、当該受領者の一人による異議は、第(2)節(D)に基づく支払に対して当該受領者の持分にのみ適用され、異議を申し立てない受領者たるアーティストの持分には第(A)に基づく支払を妨げない。

      (7) 州の財産法の適用排除-本項および著作権使用料審判官が採択した規則に従って著作権使用料審判官が指定した非営利集中管理団体がまたは第114条(g)(2)に従って独立の管理者が第112条および本条に基づいて受領した物の保有および分配は、適用ある州の没収もしくは放棄財産に関する法(コモンローを含む)またはこれに類する規定に優先しその適用を排除する。

    (h) 関連事業者に対する使用許諾-

      (1) 録音物の著作権者は、第106条(6)に基づくデジタル音声送信により録音物を公に実演する権利を関連事業者に許諾する場合には、同様のサービスを提供するすべての善意の事業者に対する条件に劣らない条件に従って、第106条(6)に基づき使用許諾の対象となる録音物を提供しなければならない。ただし、サービスの種類、使用許諾の対象となる特定の録音物、使用の頻度、会員数、または期間に重大な相違がある場合、著作権者は、異なる条件を定めることができる。

      (2) 本項第(1)節に定める制限は、録音物の著作権者が以下のいずれかに対して使用許諾を付与する場合には適用されない。

        (A) インタラクティブ・サービス、または

        (B) 録音物を45秒以内の時間公に実演する事業者で、実演の唯一の目的が録音物の配信もしくは実演の促進であるもの。

          【(i)廃止】

    (j) 定義-本条において、以下の語句はそれぞれ以下の意味を有する。

      (1) 「関連事業者」とは、第106条(6)に定めるデジタル音声送信事業を行う事業者(インタラクティブ・サービスを除く)で、許諾者が直接もしくは間接の組合を構成しまたは発行済株式(議決権の有無を問わない)総数の5パーセント以上を保有する者をいう。

      (2) 「保存番組」とは、送信の受信者の要望により反復して利用可能であることが予め定められた番組であって、かつ、最初から同じ順序で実演されるものをいう。ただし、録音物全体を収録せずまたは特定の録音物を表示しない場合に限り、保存番組には、収録された行事または放送送信のうち録音物を付随的に使用する以上に使用しないものを含まない。

      (3) 「放送」送信とは、連邦通信委員会の免許を受けた地上放送局が行う送信をいう。

      (4) 「継続番組」とは、同一の順序で続けて実演されることが予め定められた番組であって、送信の受信者の支配が及ばない番組の一点においてアクセスされうるものをいう。

      (5) 「デジタル音声送信」とは、第101条に定めるデジタル送信をいい、録音物の送信を含むが、視聴覚著作物の送信は含まない。

      (6) 「適格の非加入契約送信」とは、第(d)項(1)に基づく免除の対象とならない非インタラクティブの非加入契約デジタル音声送信(放送送信の再送信を含む)であって、録音物の実演をその全部または一部として収録した音声番組を提供するサービスの一部として行われるものであり、当該サービスの主たる目的が公衆に当該音声またはその他の娯楽番組を提供することであって、録音物、生コンサートまたはその他の音楽に関係する行事以外の特定の製品またはサービスを販売し、宣伝しまたは販売を促進することを主たる目的としないものをいう。

      (7) 「インタラクティブ・サービス」とは、公衆の構成員が受信者のために特に制作された番組を受信し、または受信者が選択しもしくは受信者のために選択された特定の録音物(番組の一部であるか否かを問わない)の送信を要望に応じて受信することができるようにするサービスをいう。要望に応じて、特定の録音物が広く公衆または加入契約サービスにおいては当該サービスのすべての加入者による受信向けに実演される場合、要望から1時間以内にまたは送信事業者もしくは要望した個人が指定する時に実演される録音物によって当該サービスの各チャンネルの番組が実質的に成り立っているのでないときには、インタラクティブ・サービスとならない。送信事業者がインタラクティブ・サービスおよび非インタラクティブ・サービスの双方を(同時または別の時間に)提供する場合、非インタラクティブ・サービスはインタラクティブ・サービスの一部として扱われない。

      (8) 「新規の加入契約サービス」とは、非インタラクティブの加入契約デジタル音声送信によって録音物を実演するサービスであって、かつ、既存の加入契約サービスまたは既存の衛星デジタル音声ラジオ・サービスでないものをいう。

      (9) 「非加入契約」送信とは、加入契約送信でない送信をいう。

      (10) 「既存の衛星デジタル音声ラジオ・サービス」とは、1998年7月31日以前に連邦通信委員会が交付した衛星デジタル音声ラジオ・サービス免許および原免許の範囲において更新された免許に従って提供される加入契約衛星デジタル音声ラジオ・サービスであって、加入契約サービスを促進するために非加入契約ベースで提供される加入契約サービスの典型たるサンプル・チャンネルを限られた数含むことができる。

      (11) 「既存の加入契約サービス」とは、1998年7月31日以前に存在しかつ有料で公衆に対して送信を行っていた、非インタラクティブの音声のみの加入契約デジタル音声送信によって録音物を実演するサービスであって、加入契約サービスを促進するために非加入契約ベースで提供される加入契約サービスの典型たるサンプル・チャンネルを限られた数含むことができる。

      (12) 「再送信」とは、原送信の再度の送信をいい、同じ送信の再度の送信を含む。本条に別段の定めある場合を除き、送信は、原送信と同時である場合に限り「再送信」にあたる。本節による定義は、第114条(d)(1)に定める免除の要件を満さなかった送信を免除するものではない。

      (13) 「録音物実演放送枠」とは、送信事業者が使用する特定のチャンネルでの3時間の送信であって、以下の範囲を超えないものをいう。

        (A) 合衆国内で公の実演または販売のために合法的に頒布される一つのレコードに録音された、3つの録音物。ただし、このうち2つを超えて続けて送信してはならない。

        (B) 4つの録音物であって-

          (i) 同じ主演実演家によるもの、または

          (ii) 合衆国内で合法的に公の実演もしくは販売のために一単位として頒布されるレコード集もしくはレコード全集に含まれるもの。

        ただし、このうち3つを超えて続けて送信してはならない。

    ただし、複数のレコードに含まれる録音物を第(A)号および第(B)号に定める数量制限を超えて送信する場合であっても、複数のレコードが上記の数量制限を意図的に回避するために編集されたものでないときは、録音物実演放送枠にあたる。

      (14) 「加入契約」送信とは、特定の受信者向けに制御され制限される送信で、当該送信または当該送信を含む一括送信を受信するために受信者がまたは受信者に代わって対価を支払いまたは他の方法で与えなければならないものをいう。

      (15) 「送信」とは、原送信または再送信をいう。

    第115条 非演劇的音楽著作物に対する排他的権利の範囲:レコードの製作および頒布にかかる強制使用許諾

    非演劇的音楽著作物の場合、第106条(1)および(3)に規定する当該著作物のレコードを作成し頒布する排他的権利は、本条に定める条件に基づいて強制使用許諾の対象となる。

    (a) 強制使用許諾の適用および範囲一般-

      (1) 強制使用許諾の適格要件-

        (A) 強制使用許諾の条件-何人も本条の規定に従って、非演劇的音楽著作物のレコードを作成し頒布(デジタルレコード配信の手段による場合を含む)するための強制使用許諾を受けることができる。何人も、音楽著作物のレコードを作成する主たる目的が公衆による私的使用のために公衆に頒布(デジタルレコード配信の手段による場合を含む)し、かつ以下の条件を満たすときに限って、強制使用許諾を受けることができる。

          (i) 当該音楽著作物のレコードが、かつて当該著作物の著作権者の許諾を得て合衆国内において公衆に頒布(デジタルレコード配信の手段による場合を含む)されたことがあること、または、

          (ii) 第(i)段の適用を受けないが、強制使用許諾に基づいて音楽著作物を収録する録音物をデジタルレコード配信物を作成し頒布することを求めるデジタル音楽プロバイダの場合には、

            (I) 当該録音物の最初の固定が当該音楽著作物の著作権者の許諾を受けてなされ、かつ、当該録音物の著作権者が合衆国内の公衆に当該著作物を収録するデジタルレコード配信物を作成し頒布するための当該音楽著作物の著作権者からの許諾を得ていること、および

            (II) 録音物の著作権者または録音物の著作権者から許諾を受けた頒布者がデジタル音楽プロバイダに対して合衆国内の公衆に当該録音物のデジタルレコード配信物を作成し頒布することを許諾していること。

        (B) 録音物の複製-何人も、以下の場合を除いて、他人が固定した録音物を複製するレコードの作成に著作物を使用(デジタルレコード配信の手段による場合を含む)することについて強制使用許諾を受けることはできない。

          (i) 当該録音物が適法に固定された場合であり、かつ

          (ii) レコードの作成が、録音物の著作権者によって、または1972年2月15日までに固定された録音物については、音楽著作物の著作権者から明示の許諾を得てもしくは当該著作物を録音物に使用することに対する有効な強制使用許諾に従って録音物を固定した者によって、許諾された場合。

      (2) 編曲-強制使用許諾は、その対象となる実演の様式または解釈の仕方に適合させるために必要な限度で著作物を編曲する特権を含む。ただし、著作権者の明示的な同意がなければ、かかる編曲は、著作物の基本的な旋律または根本的な性格を変更してはならず、また、本編に基づき二次的著作物として保護されない。

    (b) 強制使用許諾を受ける手続

      (1) デジタルレコード配信以外のレコード-デジタルレコード配信以外の方法で音楽著作物のレコードを作成し頒布するために(a)項に基づいて強制使用許諾を受けようとする者は、当該音楽著作物のレコードを作成し頒布する日またはその後30日以内にその著作権者にその意思の通知を送達しなければならない。著作権局の著作権登録その他の記録によって著作権者を特定できず送達する住所が記載されていない場合には、著作権局にその意思の通知を届け出れば足りる。当該通知は、形式、内容および方法において、著作権局長が規則に定める要件に適合しなければならない。

      (2) デジタルレコード配信-デジタルレコード配信の方法で音楽著作物のレコードを作成し頒布するために第(a)項に基づいて強制使用許諾を受けようとする者は、

        (A) 使用許諾利用可能日前においては、当該デジタルレコード配信の30日以上前にその著作権者にその意思の通知を送達しなければならず(著作権局の著作権登録その他の記録によって著作権者を特定できず送達する住所が記載されていない場合であっても著作権局長にその意思の通知を届け出ることはできない)、かつ当該通知が形式、内容および方法において、著作権局長が規則に定める要件に適合しなければならない。また、

        (B) 使用許諾利用可能日以降においては、当該デジタルレコード配信を行う前までに、第(3)節に規定する場合を除き、第(d)項(2)に規定する手続に従わなければならない。

      (3) レコード会社の個別ダウンロード使用許諾-第(2)節(B)にかかわらず、レコード会社は、使用許諾利用可能日以降において、第(2)節(A)に定める通知要件(使用許諾利用可能日前に通知を行わなければならないという要件を除く)に従って個別ダウンロード使用許諾を受けることができる。本節に基づいて付与される個別ダウンロード使用許諾を受けるレコード会社は、第(c)項(2)(I)に規定する計算書を提供し使用料を支払わなければならない。

      (4) 使用許諾取得の不備

        (A) デジタルレコード配信以外のレコード-デジタルレコード配信以外の方法で作成し頒布されたレコードの場合には、第(1)節に規定する意思の通知の送達または届出の欠如は、第(1)節に規定する強制使用許諾を受ける可能性を排除する。任意的使用許諾がない場合には、強制使用許諾の欠如は、レコードの作成および頒布を、第501条に基づいて侵害行為として訴訟されまた第502条ないし第506条に規定する救済を与えられる対象とする。

        (B) デジタルレコード配信-

          (i) 総則-デジタルレコード配信の方法で作成し頒布されたレコードの場合には、

            (I) 第(2)節(A)の不遵守は、当該各節に基づいて強制使用許諾を受ける可能性を排除する。

            (II) 第(2)節(B)または第(3)節に規定する意思の通知の送達の欠如は、使用許諾の通知が当該各節に基づいてメカニカルライセンス管理団体に提出されることが必要であった最後の暦日から3年間は、包括的使用許諾を受ける可能性を排除する。

          (ii) 欠如の効果-第(i)段の(I)または(II)に規定する場合において、任意的使用許諾がないときは、強制使用許諾の欠如は、レコードの作成および頒布を、第501条に基づいて侵害行為として訴訟されまた第502条ないし第506条に規定する救済を与えられる対象とする。

    (c) 強制使用許諾に適用される一般的条件-

      (1) 強制使用許諾に基づいて支払うべき使用料-

        (A) 本人確認要件-第(b)項(1)に基づいて取得された強制使用許諾に基づく使用料を受領する権限を取得するためには、著作権者は、著作権局の登録またはその他の記録によって本人確認がなされなければならない。著作権者は、本人確認後に作成し頒布されたレコードについて使用料に対する権利を取得するが、その前に作成し頒布されたレコードについては権利を回復することはできない。

        (B) デジタルレコード配信以外のレコードについての使用料-第(A)号に規定する場合を除き、デジタルレコード配信以外の方法によって第(a)項に基づく強制使用許諾に基づいて作成し頒布されたすべてのレコードについては、そのレコードに収録されたすべての著作物について、使用料は、第(D)号ないし第(F)号、第(2)節(A)および第8章に規定する使用料とする。本号においては、レコードは、強制使用許諾を行使する者が任意にかつ永久的にその占有を放棄した場合に、「頒布」されたものとみなされる。

        (C) デジタルレコード配信についての使用料-本項に基づく強制使用許諾に基づいて作成し頒布されたすべての音楽著作物のデジタルレコード配信については、使用料は、第(D)号ないし第(F)号、第(2)節(A)および第8章に規定する使用料とする。

        (D) 交渉権限-反トラスト法の規定にかかわらず、非演劇的音楽著作物の著作権者と第(a)項に基づいて強制使用許諾を受ける権利を与えられている者は、本項に基づく使用料の支払の条件および料率ならびに著作権者間で支払う手数料の比率的分担を交渉し合意することができ、当該使用料支払について交渉、合意、支払または受領を行うための共同代理人を非独占的条件にて選任することができる。使用料の支払の条件および料率を交渉する上記権限には、本号、第(E)号、第(F)号、第(2)節(A)および第8章に規定する使用料率がつぎに決定されるべき年度を交渉する権限を含むが、これに限られない。

        (E) 合理的な料率および条件の決定-第8章に基づく手続は、本項に規定する行為についての使用料支払の合理的な料率および条件を、当該料率および条件の発効日に始まり(ただし手続申立書を提出した年の翌年1月1日以降とする)かつその後の料率および条件の発効日に終了する期間内にまたは当事者が合意したその他の期間内に、決定しなければならない。非演劇的音楽著作物の著作権者と第(a)項に基づいて強制使用許諾を受ける権利を与えられている者は、著作権使用料審判官に対して、当該行為を対象とする使用許諾を提出しなければならない。各手続の当事者は各自の費用を負担する。

        (F) 合理的な料率表-著作権使用料審判官が決定する合理的な料率および条件の一覧表は、第(2)節(A)を条件として、すべての非演劇的音楽著作物の著作権者と第(a)項に基づいて強制使用許諾を受ける権利を与えられている者を、第(E)に規定する期間、第(D)号および第(E)号に従って決定されるその他の期間または当事者が合意したその他の期間の間、拘束する。著作権使用料審判官は、売る意欲がある売主と買う意欲がある買主との間に市場にて交渉されるであろう料率および条件を最も明瞭に示す料率および条件を設定しなければならない。デジタルレコード配信についての当該料率および条件を決定においては、著作権使用料審判官は、以下を含む当事者の経済的、競争的およびプログラミング情報に基づいて決定を行わなければならない。

          (i) 強制使用許諾の被許諾者のサービスの使用がレコードの販売に取って代わるかそれともこれを促進するか、またはその他の方法で、当該音楽著作物の著作権者が音楽著作物から得る他の収入源を妨げるかそれとも促進するか、ならびに、

          (ii) 相対的な創造的寄与、技術的寄与、資本投資、費用およびリスクに関して、著作物および公衆に利用可能とされるサービスに対する著作権者と強制使用許諾の被許諾者の相対的役割。

      (2) 追加的条件-

        (A) 任意的使用許諾および約定使用料率-

          (i) 総則-一人以上の非演劇的音楽著作物の著作権者と一人以上の第(a)項に基づいて強制使用許諾を受ける権利を与えられている者との間で任意に交渉された使用許諾契約は、著作権使用料審判官の決定に代って効力を有する。第(ii)段を条件として、第(1)節の(E)および(F)に従って決定される使用料率は、デジタルレコード配信については、非演劇的音楽著作物の著作者である収録アーティストが当該音楽著作物に対して第106条(1)および(3)に基づいて有する排他的権利に基づいて使用許諾を、当該音楽著作物を収録する録音物を表現の有形媒体に固定することを希望する者に対して、付与する契約、または当該アーティストが当該音楽著作物に対して第106条(1)および(3)に基づいて有する排他的権利の使用許諾をそのような者に付与することを他の者に委託する契約に規定する別段の使用料率に代って効力を有する。

          (ii) 適用範囲-第(i)段の第2文は、以下には適用されない。

            (I) 1995年6月12日以前に締結された契約であって、それ以降に第(1)節(E)および(F)に従って決定された使用料率を減額しまたは減額された料率の対象となる契約の範囲内に入る音楽著作物の数を増加する目的で改定されていないもの。ただし、1995年6月12日以前に締結された契約が契約の範囲内の音楽著作物の数を増加させるためにその後に改定された場合、契約が規定する別段の使用料率は、1995年6月12日時点における契約の範囲内の音楽著作物の数については第(1)節の(E)および(F)に従って決定される使用料率に代えて効力を有する。

            (II) 録音物が実質的に商業的リリース用に意図された形式にて表現の有形的媒体に固定された日以降に締結された契約。ただし、契約が締結されたときに、収録アーティストが第106条(1)および(3)に基づいて当該音楽著作物について使用許諾を付与する権利を保有している場合に限る。

        (B) 録音物情報-第1002条(e)に規定する場合を除いて、本節に基づいて使用許諾を受けるデジタルレコード配信は、録音物の著作権者がまたはその許諾を得て当該録音物に当該録音物を特定し、録音物で実演する主たる収録アーティストおよびその他の関連情報(実演された音楽著作物およびその作家に関する情報を含む)をコード化する場合には、当該情報を伴わなければならない。

        (C) 侵害に対する救済-

          (i) 総則-録音物のデジタルレコード配信は、以下の条件を満たす場合を除いて、第501条に基づいて侵害行為として訴訟されまた第502条ないし第506条に規定する救済を与えられる対象である。

            (I) 当該デジタルレコード配信が当該録音物の著作権者の許諾を受けていること、および

            (II) 当該デジタルレコード配信を行う事業者が第(a)項に基づく強制使用許諾を受けているか、またはデジタルレコード配信によって当該録音物に収録された各音楽著作物のレコードを作成し配信することについて当該音楽著作物の著作権者もしくは個別ダウンロード使用許諾に従ってレコード会社から許諾を受けていること。

          (ii) その他の救済-本号に基づく訴訟原因は、第(J)号および第106条(4)に基づいて非演劇的著作物の著作権者が利用できる訴訟原因および第106条(6)に基づいて録音物の著作権者が利用できる訴訟原因に追加されるものである。

        (D) 録音物保有者の責任-録音物に収録された非演劇的音楽著作物についての著作権の侵害に対する当該録音物の著作権者の責任は、適用のある法に従って決定される。ただし、録音物の著作権者は、非演劇的音楽著作物の頒布を許諾していない場合には、第三者によるデジタルレコード配信に対して責任を負わない。

        (E) 録音機器および媒体-第1008条の規定は、デジタルレコード配信の場合に、本節、第(J)号および第5章によって許された権利の行使および救済を妨げるものと解されてはならない。ただし、著作権侵害を主張する訴訟は、本法に基づいて、本条に規定する行為を理由に、デジタル音声録音機器、デジタル音声録音媒体、アナログ録音機器もしくはアナログ録音媒体の製造者、輸入者もしくは頒布者または消費者に対して、提起されてはならない。

        (F) 権利の保持-本条のいずれの規定も、以下の権利を無効または制限するものではない。

          (i) 第106条(4)および(6)に基づき録音物または録音物に収録された音楽著作物を公に実演(デジタル送信の方法による場合を含む)する排他的権利。

          (ii) 本条に定める条件に基づく強制使用許諾の場合を除き、第106条(1)および(3)に基づき録音物または録音物に収録された音楽著作物を複製(デジタル送信の方法による場合を含む)する排他的権利。

          (iii) 第106条の規定に基づくその他の権利または本法に基づき利用可能な救済(1995年録音物デジタル実演権法の成立日に、その前にまたはそのあとに存在する権利または救済)。

        (G) 免除の対象となる送信および再送信-デジタルレコード配信に関する本条の規定は、第114条(d)(1)に基づき免除の対象となる送信および再送信には適用されない。第114条(d)(1)において創設された適用免除は、当該送信および再送信に関して、第106条(1)ないし(5)に基づく著作権者の権利を拡張または減縮することはない。

        (H) レンタル、リースまたはレンディングによる頒布-第(b)項(1)に基づいて取得されたレコードを作成し頒布する強制使用許諾は、当該レコードの作成者が、デジタルレコード配信の方法またはレンタル、リースもしくはレンディング(または、レンタル、リースもしくはレンディングの性質を有する行為)による場合を除いて、当該レコードを頒布しまたはその頒布を許諾する権利を含む。録音物に収録された非演劇的音楽著作物に関して、その使用料は、第(a)項(1)(A)(ii)(II)に基づくレコードの頒布から強制使用許諾の被許諾者が取得する収入のうち第(a)項(1)(A)(ii)(II)および第8章に基づいて強制使用許諾の被許諾者が支払うべき割合部分に等しい、本段に基づく録音物の頒布から強制使用許諾の被許諾者が取得する収入の割合部分である。著作権局長は、本号の目的を実行するための規則を制定しなければならない。

        (I) 使用料の支払および計算書-第(d)項の(4)(A)(i)および(10)(B)に規定する場合を除き、使用料の支払は、各月の20日またはそれまでになされ、かつ前月の翌月に対するすべての使用料を含んでいなければならない。各月の支払は、宣誓され、かつ著作権局長が規則で定める要件を満たさなければならない。また、著作権局長は、公認会計士の証明を受けた詳細な累積年次計算書を第(a)項に基づく各強制使用許諾について提出しなければならないことを、規則に定めなければならない。月次と年次の計算書の両方を対象とする規則は、作成したレコードの数量および頒布したレコードの数量に関して、証明の形式、内容および態様を定めるものとする。

        (J) 強制使用許諾の違反および終了の通知-第(b)項の(1)、(2)(A)または(3)に基づいて取得された使用許諾の場合、著作権者が期限内に月次の支払ならびに月次および年次の計算書を受領しないときは、著作権者は、通知の送付から30日以内に違反が治癒されなかった場合には強制使用許諾が自動的に終了する旨を書面で通知することができる。かかる終了によって、使用料の支払のないすべてのレコードの作成もしくは頒布またはその両方は、第401条に基づき侵害行為として訴訟の対象となり、第502条ないし第506条が規定する救済に完全に服する。第(b)項(2)(B)に基づいて取得された使用許諾の場合、強制使用許諾に基づく使用許諾は、第(d)項(4)(E)に規定するところに従って終了する。

    (d) デジタル使用のための包括的使用許諾、メカニカルライセンス管理団体およびデジタルライセンシー調整団体-

      (1) デジタル使用のための包括的使用許諾-

        (A) 総則-第(a)項に基づいて強制使用許諾を受ける資格のあるデジタル音楽プロバイダは、第(a)項の条件を遵守することにより、メカニカルライセンス管理団体を介して著作権者から、音楽著作物のデジタルレコード配信物を作成し一つ以上の対象行為を介して頒布する包括的使用許諾を受けることができる。

        (B) 含まれる行為-包括的使用許諾は、

          (i) 第(C)号に規定する場合を除き、対象行為を行うために本条に基づいて強制使用許諾を受けることができるすべての音楽著作物(またはその持分)を対象とし、

          (ii) デジタル音楽プロバイダが本項に基づいて使用許諾される対象行為に従事するために合理的かつ必要な音楽著作物のサーバー上の複製、中間複製、記録用複製および付随的複製の作成および頒布を含み、かつ、

          (iii) 第(i)段および第(ii)段に記載するもの以外の権利または使用を対象にせずまたは含まない。

        (C) その他の使用許諾-一人以上の著作権者および一人以上のデジタル音楽プロバイダによってまたはその許諾を得て締結された対象行為に対する任意的使用許諾契約または個別ダウンロード使用許諾に従って録音物の著作権者からデジタル音楽プロバイダが取得した音楽著作物の永久的ダウンロードを作成し頒布する権限は、当該人的使用許諾または個別ダウンロード権限によって対象とされた音楽著作物(またはその持分)に関して、本項に基づく包括的使用許諾に代って効力を有するが、以下の条件が適用される。

          (i) 任意的使用許諾または個別ダウンロード使用許諾が適用される場合、包括的使用許諾に基づいて付与される使用許諾は、当該任意的使用許諾または個別ダウンロード使用許諾の適用のある音楽著作物(またはその持分)には適用されない。

          (ii) 個別ダウンロード使用許諾に従って取得された任意的使用許諾または権原に基づく対象行為に従事する事業者であって、重要な非包括的使用許諾の被許諾者であるものは、第(6)節(A)を遵守しなければならない。

          (iii) 任意的使用許諾の料率および条件は、適用ある第(c)項(2)(A)の第(i)段第2文および第(ii)段ならびに第(9)節(C)に従わなければならない。

        (D) 侵害行為からの保護-本項に基づいて有効な包括的使用許諾を受けかつその条件を遵守するデジタル音楽プロバイダは、第(4)節(E)を条件として、当該使用許諾によって許諾された対象行為を行うための音楽著作物(またはその持分)の使用に起因して、第106条(1)および(3)に規定する排他的権利の侵害訴訟を受けない。

        (E) その他の要件および条件の適用-本項に明示的に規定する場合を除いて、本条に基づく強制使用許諾に適用のある各要件、制限、条件、特権、権利および救済は、本項に基づく強制包括的使用許諾に適用される。

      (2) 包括利用許諾の利用-

        (A) 使用許諾取得の手続-デジタル音楽プロバイダは、行おうとする特定の対象行為を指定してメカニカルライセンス管理団体に使用許諾通知を提出することにより包括的使用許諾を受けることができる。ただし、

          (i) 使用許諾通知は、著作権局長が規則で定める要件を形式および内容において適合しなければならない。

          (ii) メカニカルライセンス管理団体が当該通知を受領してから30暦日以内に書面で拒絶しない限り、包括的使用許諾は、デジタル音楽プロバイダが使用許諾を送付した(物理的または電子的記録によって証明される)日に発効する。

          (iii) 使用許諾通知は、以下の場合にのみ、メカニカルライセンス管理団体が拒絶することができる。

            (I) デジタル音楽プロバイダもしくは使用許諾通知が、本条もしくは適用のある規則の要件を満たさず、拒絶通知に当該要件を合理的に特定して記載する場合、または、

            (II) メカニカルライセンス管理団体が第(4)節(E)に従って通知を受けた日の前3年以内に、デジタル音楽プロバイダがメカニカルライセンス管理団体によって包括的使用許諾を解除されたことがある場合。

          (iv) 使用許諾通知が第(iii)段(I)に基づいて拒絶された場合には、デジタル音楽プロバイダは、拒絶通知を受領した日から30日以内に瑕疵を治癒し、訂正した使用許諾通知をメカニカルライセンス管理団体に提出しなければならない。

          (v) 使用許諾通知がメカニカルライセンス管理団体によって不当に拒絶されたと考えるデジタル音楽プロバイダは、管轄のある連邦地方裁判所に拒絶通知の審査を求めることができる。当該地方裁判所は、メカニカルライセンス管理団体の持つ記録および両当事者が提示する追加的証拠に基づいて白紙状態から事案を判断する。

        (B) 包括的使用許諾の発効日-メカニカルライセンス管理団体は、包括的使用許諾を使用許諾利用可能日またはその後において利用可能としなければならない。いかなる包括的使用許諾も、使用許諾利用可能日前に有効となることはない。

      (3) メカニカルライセンス管理団体-

        (A) 総則-メカニカルライセンス管理団体は、以下の要件を満たす単一の事業者である。

          (i) 本項の責任を履行するために著作権者が設立する非営利団体であって他の団体によって所有されていないこと、

          (ii) 対象行為に対する著作物の使用について許諾者市場の大多数を過去3暦年において占める音楽著作物の著作権者から支持され、かつ実質的な支援を受けること、

          (iii) 当該団体が使用許諾利用可能日までに本項に基づくメカニカルライセンス管理団体としての必要な機能を果たすための管理および技術的な能力を備え、かつ第(D)号に従って理事会によって運営されていることを著作権局長に対して証明できること、ならびに、

          (iv) 第702条に基づく連邦議会図書館長の承認を得て、第(B)号に従って著作権局長の指定を受けていること。

        (B) メカニカルライセンス管理団体の指定-

          (i) 最初の指定-本法制定日後270日以内に、著作権局長は、以下のとおり、メカニカルライセンス管理団体を最初に指定しなければならない。

            (I) 本法制定日後90日以内に、著作権局長は、連邦官報に、メカニカルライセンス管理団体として業務を行うのに適切な団体を特定する上で有用な情報(その名称、ならびに第(D)号(i)に記載する理事会ならびに第(D)号(iii)、(iv)および(v)に従って設立された各委員会の各構成員の関係を含む)を求める公告を掲載しなければならない。

            (II) 第(I)に基づいて求められた情報の審査および指定後、著作権局長は、連邦官報に以下を記載した公告を掲載しなければならない。

    (aa)メカニカルライセンス管理団体の身元および連絡先情報、ならびに

    (bb)指定の理由。

          (ii) 指定の定期的審査-メカニカルライセンス管理団体の最初の指定後、著作権局長は、最初に指定後に始まるまる5暦年後以降、5年ごとに、連邦官報に、既存の指定が継続されるべきかどうかまたは第(A)号(i)ないし(iii)に記載する基準を満たす他の団体が指定されるべきかに関する情報を求める公告を掲載しなければならない。その公告後、著作権局長は、以下のことを行わなければならない。

            (I) 提供された情報を審査し必要な追加的手続を行った後に、連邦官報に、メカニカルライセンス管理団体の指定の継続または新規指定および指定の理由を公告すること(新規指定の場合には、著作権局長が公告した日から6ヶ月以上9ヶ月以内で著作権局長が決定する日に当該指定は発効する)、

            (II) 新しい団体がメカニカルライセンス管理団体として指定された場合には、既存のメカニカルライセンス管理団体から新団体への使用許諾、資金、記録、データおよび管理責任の移管を規律する規則を制定しなければならない。

          (iii) 近似的代替指定-著作権局長は、第(A)号(i)ないし(iii)に記載する資格を満たす団体を見いだすことができない場合には、メカニカルライセンス管理団体の責務を果たすために当該資格に最も近似して履行できる団体を指定しなければならない。

        (C) 権限および機能-

          (i) 総則-メカニカルライセンス管理団体は、本項に規定する、より具体的な要件を条件として、以下の機能を果たす権限を有する。

            (I) デジタル音楽プロバイダからの使用許諾通知および使用報告の受領を含めて、包括的使用許諾を付与し管理すること。

            (II) 対象行為についてデジタル音楽プロバイダから使用料を徴収し分配すること。

            (III) 特定の録音物に収録される音楽著作物(またはその持分)を特定し、当該音楽著作物(またはその持分)の著作権者を特定し所在を確認するよう努めること。

            (IV) 音楽著作物のデータベースおよび本条に基づく使用許諾行為の管理に関連する情報を保持すること。

            (V) 著作権者が音楽著作物(またはその持分)の著作権保有を主張する手続および著作権者の身元または所在が不明の著作物に対する使用料を判明している著作権者に公平に分配する手続を管理すること。

            (VI) デジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括的使用許諾の被許諾者からの管理手数料の徴収(非包括的使用許諾行為の通知の受領を含む)を管理すること。

            (VII) 関連する資源に投資し、外部の提供業者その他のサービスをメカニカルライセンス管理団体の活動を支援するように手配すること。

            (VIII) 本項に基づく権利および義務を執行する法的およびその他の措置をとること(使用許諾に基づいて金額について破産債権申出を提出しまたデジタルライセンシー調整団体と協力することを含む)。

            (IX) 著作権使用料審判官による本項に基づく管理手数料を定める手続を申し立て参加すること。

            (X) 著作権局による本項に基づく行為に関する手続を申し立て参加すること。

            (XI) 著作権使用料審判官による本条に基づく料率および条件を定める手続に使用するための書類を収集し提出すること。

            (XII) メカニカルライセンス管理団体の活動の記録を維持し、本項の規定する監査を行い対応すること。

            (XIII) 本節に基づくメカニカルライセンス管理団体の責務を果たすために必要または適切なその他の活動を行うこと。

          (ii) 使用許諾および管理行為に関する制限-使用許諾の管理に関して、第(i)段および第(iii)段ならびに第(E)号(v) に規定する場合を除いて、メカニカルライセンス管理団体は、以下の行為のみを行うことができる。

            (I) 第(d)項(1)に従って包括的使用許諾を付与すること、および

            (II) 対象行為について音楽著作物に対する複製権または頒布権の包括的使用許諾を管理すること(包括的使用許諾に従って使用料を徴収分配することを含む)。

          (iii) 付加的管理行為-また、第(11)節(C)を条件として、メカニカルライセンス管理団体は、対象行為について音楽著作物に対する複製権または頒布権のみに関して、著作権者が付与する任意的使用許諾または当該著作権者から取得された個別的ダウンロード使用許諾を管理(使用料の徴収および分配を含む)し、当該サービスについて合理的な手数料を徴収することができる。

          (iv) ロビイングについての制限-メカニカルライセンス管理団体は、政府に対するロビイング活動を行うことができないが、第(i)段の(IX)、(X)および(XI)に規定する行為を行うことができる。

        (D) 管理機構-

          (i) 理事会-メカニカルライセンス管理団体は、以下の要件を備える14名の議決権のある構成員と3名の議決権のない構成員からなる理事会を置かなければならない。

            (I) 10名の議決権のある構成員は、以下の音楽出版社の代表者とする。

    (aa)作曲家から対象行為に関して音楽著作物の排他的複製権および頒布権を委託され、かつ

    (bb)他の理事会構成員によって所有または支配されていないもの。

            (II) 4名の議決権のある構成員は、プロの作曲家であって、自己の創作した音楽著作物に関して対象行為について排他的な複製権および頒布権保有し行使する者とする。

            (III) 1名の議決権のない構成員は、音楽出版社の結成する非営利協会の代表者とする。ただし、構成員に任命される日の前3年間において、対象行為に音楽著作物の使用を許諾する許諾者市場において最も大きな市場占拠率を有する団体でなければならない。

            (IV) 1名の議決権のない構成員は、第(5)節(B)に従って指定を受けているデジタルライセンシー調整団体がある場合には、その代表者とする。そうでない場合には、当該1名の議決権のない構成員は、過去完全な3暦年間において、対象行為に音楽著作物の使用を許諾する許諾者市場において最も大きな市場占拠率を有する団体を代表するデジタルライセンシーの非営利同業者団体でなければならない。

            (V) 1名の議決権のない構成員は、合衆国の作詞作曲者を代弁することを主たる任務とする全国的に認知された非営利同業者団体でなければならない。

          (ii) 内部規則-

            (I) 制定-著作権局長が第(B)号(i)に基づいて最初にメカニカルライセンス管理団体に指名した日から1年以内に、当該メカニカルライセンス管理団体は、団体の管理機構に関する問題(以下の事項を含むがこれに限られない)を決定する内部規則を制定しなければならない。

    (aa)各理事会構成員の任期

    (bb)理事会構成員の遷移的任期

    (cc)任期途中で空席となった理事会構成員の補充手続                 

    (dd)理事会構成員の選任手続

    (ee)団体の日常業務の運営組織

            (II) 公衆利用-メカニカルライセンス管理団体は、(I)に基づいて制定された内部規則を公衆に利用可能にしなければならない。

          (iii) 理事会-理事会は半年に一度以上の頻度で開催し、メカニカルライセンス管理団体の予算を含め、メカニカルライセンス管理団体の運営に関する事項を協議しなければならない。

          (iv) 運営諮問委員会-メカニカルライセンス管理団体の理事会は、メカニカルライセンス管理団体の運営(情報技術およびデータ資源の配備に対する効率的な投資を含む)に関して理事会に提言を行う6名以上からなる運営諮問委員会を設置しなければならない。当該委員会は、委員会の構成員として以下の者を同数置かなければならない。

            (I) メカニカルライセンス管理団体の理事会が任命する音楽著作物の著作権者、および

            (II) デジタルライセンシー調整団体が任命するデジタル音楽プロバイダ

          (v) 権利者不明使用料監視委員会-メカニカルライセンス管理団体の理事会は、10名の構成員からなる権利者不明使用料監視委員会を設置し構成員を任命しなければならない。ただし、そのうちの5名は音楽著作物の著作権者、5名は対象行為に使用されている著作物のプロの作詞作曲家でなければならない。

          (vi) 紛争処理委員会-メカニカルライセンス管理団体の理事会は、以下の要件を満たす紛争処理委員会を設置し構成員を任命しなければならない。

            (I) 6名以上の構成員から成ること。

            (II) 音楽著作物の著作権者およびプロの作詞作曲家の代表者を同数含んでいること。

          (vii) メカニカルライセンス管理団体の年次報告書-

            (I) 総則-使用許諾利用可能日に始まる各年の6月30日までに、メカニカルライセンス管理団体は、以下の事項を記載する年次報告書を掲載し、3年以上オンラインで利用可能にしなければならない。

    (aa)団体の運営および使用許諾の実施

    (bb)使用料の徴収および分配の方法

    (cc)予算および支出の方法

    (dd)前の暦年における総費用

    (ee)見込まれる年間のメカニカルライセンス管理団体の予算              

    (ff)利用料の受領および支払の総額

    (gg)年間のメカニカルライセンス管理団体の予算の10%以上を構成する費用

    (hh)権利者不明音楽著作物(およびその持分)の著作権者を特定し所在を発見しようとする団体の努力
            (II) 提出-メカニカルライセンス管理団体が(I)に基づいて必要とされる各報告を掲載する日に、当該団体は、著作権局長に報告書の写し一部を提出しなければならない。

          (viii) 役員の独立-メカニカルライセンス管理団体の役員たる個人は、同時に当該団体の理事会構成員または第(i)段に記載する理事会構成員が代表する団体の従業員または代理人であってはならない。

          (ix) 監視および説明責任

            (I) 総則-メカニカルライセンス管理団体は、以下のことを行わなければならない。
    (aa)団体の方針および実務が透明で説明責任を果たすようにすること。

    (bb)出版者の問い合わせおよび不服申立を受ける連絡先を遅滞なく特定すること。

    (cc) 本条に基づいて徴収されたものでない資金と本条に基づいて徴収された資金との混入禁止方針を立てること。

            (II) 監査-

    (aa)総則-第(B)号(i)に基づいて著作権局長がメカニカルライセンス管理団体に最初に指定した後に始まる第4暦年の始めに、また、その後の各5年目ごとに、当該団体は、以下のことを行わなければならない。

    (AA)団体の帳簿、記録および運営を検査すること。                    

    (BB)次の(bb)に記載する事項に関して団体の理事会に向けて報告書を作成すること。

    (CC)適格監査人を採用した年の12月31日までに、(BB)に記載する報告書を団体理事会に提出すること。

    (bb)記載事項-前記(aa)に基づいて作成された各報告書は、メカニカルライセンス管理団体の手続の実行および効率性を以下の事項について記載しなければならない。
    (AA)権利者不明の使用料として保有されている金額を含めて、使用料資金の受領、取扱いおよび分配について、

    (BB)資金の詐取、濫用、無駄遣いおよび不合理な使用の防止について、また、

    (CC)財政上の、資産上およびその他の機密情報の秘密保持について。

    (cc)公衆利用-前記(aa)に基づいて作成された各報告書に関して、メカニカルライセンス管理団体は、以下のことを行わなければならない。

    (AA)著作権局長に当該報告書を提出すること、および                

    (BB)公衆に当該報告書を利用可能にすること。

        (E) 音楽著作物データベース-

          (i) データベースの作成および維持-メカニカルライセンス管理団体は、音楽著作物(およびその持分)、ならびに、分かる範囲で当該著作物(およびその持分)および当該音楽著作物を収録する録音物の著作権者の身元および所在に関する情報を記録するデータベースを作成し維持しなければならない。当該データベースを維持するために、メカニカルライセンス管理団体は、特に録音物に収録される音楽著作物を特定し、また当該著作物の著作権者の身元および所在を確認するよう努め、そのデータを適切に更新しなければならない。

          (ii) 権利者判明著作物-著作権者が判明した音楽著作物(またはその持分)に関して、音楽著作物データベースは、以下の情報を含まなければならない。

            (I) 音楽著作物の題名、

            (II) 当該音楽著作物(またはその持分)の著作権者およびその保有する持分割合、

            (III) 当該著作権者の連絡先情報、

            (IV) メカニカルライセンス管理団体が合理的に知りうる範囲で、

    (aa)当該著作物の国際標準音楽著作物コード、および

    (bb)当該音楽著作物を収録する録音物の特定情報(当該録音物の名称、主演アーティスト、録音物著作権者、プロデューサー、国際標準レコードコードおよびその他音楽著作物と録音物を結び付けるために普通に使用される情報を含む)、ならびに、

            (V) 著作権局長が規則で定めるその他の情報。

          (iii) 権利者不明著作物-権利者不明音楽著作物(またはその持分)に関して、音楽著作物データベースは、以下を含まなければならない。

            (I) メカニカルライセンス管理団体に合理的に入手可能な範囲で、

    (aa)音楽著作物の題名、

    (bb)身元不明の権利保有者の持分割合、

    (cc)著作権の保有者が身元は判明しているが所在不明の場合、当該保有者の身元およびその持分割合、

    (dd)当該著作物が収録されている録音物を特定する情報(録音物の名称、主演アーティスト、録音物著作権者、プロデューサー、国際標準レコードコード、および録音物を音楽著作物に結び付けるために一般的に用いられるその他の情報)、ならびに、

    (ee)当該メカニカルライセンス管理団体に報告された追加的情報であって、当該著作物の特定に役立ちうるもの。
            (II) 音楽著作物(またはその持分)の特定および権利者に関するその他の情報であって、著作権局長が規則に規定するもの。

          (iv) 録音物情報-音楽著作物データベースに掲載される音楽著作物に関する音楽著作物の各著作権者は、当該音楽著作物データベースでの使用等のために、当該著作権者の音楽著作物(またはその持分)を収録する録音物の名称に関する情報を、当該データベースで入手できない場合には、実務的に可能な範囲で、メカニカルライセンス管理団体に提供するよう商業的に合理的な努力をしなければならない。

          (v) データベースの利用可能性-音楽著作物データベースは、公衆の構成員に対して、検索可能・オンライン形式・無償で利用可能にしなければならない。メカニカルライセンス管理団体は、以下の団体に対しては、包括的かつ機械可読形式で広く利用可能なソフトウェアアプリケーションを介して当該データベールを利用可能にしなければならない。

            (I) 有効な使用許諾通知権原のあるデジタル音楽プロバイダには、無償で。

            (II) 第(6)節に基づく義務を履行する重要な非包括的使用許諾の被許諾者には無償で。

            (III) 上記(I)および(II)に規定する団体の被許諾事業者には、無償で。

            (IV) 著作権局長には、無償で(ただし、著作権局長は当該データベースまたはそこに含まれる情報を政府の記録として扱ってはならない)。

            (V) その他の個人または団体には、有償で(ただし、当該個人または団体にデータベースを提供するためにメカニカルライセンス管理団体に生ずる限界費用額を超えてはならない)。

          (vi) 追加的要件-著作権局長は、音楽著作物データベースの利便性、互換性および使用制限を確保するための要件を規則で定めなければならない。

        (F) 使用許諾通知および非包括的使用許諾通知-

          (i) 使用許諾通知-メカニカルライセンス管理団体は、第(2)節(A)に規定するデジタル音楽プロバイダからの使用許諾通知を、受領し、審査し、かつ承認または拒否しなければならない。当該団体は、包括的使用許諾について、被許諾者の窓口情報および当該使用許諾の発効日を含む最新かつ公衆による閲覧可能な一覧表を保持しなければならない。

          (ii) 非包括的使用許諾行為の通知-メカニカルライセンス管理団体は、第(6)節(A)に規定する重要な非包括的使用許諾の被許諾者からの通知を受領しなければならない。当該団体は、非包括的使用許諾行為の通知について、重要な非包括的使用許諾の被許諾者の窓口情報および当該通知の受領日を含む最新かつ公衆による閲覧可能な一覧表を、保持しなければならない。

        (G) 使用料の徴収および分配-

          (i) 総則-対象行為についてデジタル音楽プロバイダから使用および使用料の支払について報告を受けたときは、メカニカルライセンス管理団体は、以下の行為を行わなければならない。

            (I) 以下の行為を行うよう努力すること-

    (aa)報告された録音物に収録される音楽著作物および当該音楽著作物(およびその持分)の著作権者を特定すること。

    (bb)任意的使用許諾および個別ダウンロード使用許諾の対象となる音楽著作物の使用、および包括的使用許諾に基づく使用料から控除されるべき当該使用に対応する金額を確認すること。

    (cc)支払われるべき使用料の適正な支払を確認すること。

            (II) 当該報告に含まれる使用その他の情報および当該団体の記録に含まれる権利保有その他の情報に従って著作権者に使用料を分配すること。

            (III) 以下の理由により分配できない使用料を第(H)号(ii)に規定する有利子口座に預金すること。

    (aa)音楽著作物(またはその持分)の著作権者を特定しもしくはその所在を確認できないこと、または

    (bb)メカニカルライセンス管理団体の紛争処理委員会において紛争が係属していること。

          (ii) その他の徴収努力-包括的使用許諾に基づく権利または義務を行使する努力(破産手続またはその他の法的行為を含む)の結果としてメカニカルライセンス管理団体が回収した使用料は、利用可能な使用に関する情報に基づきかつ第(i)段(I)および(II)に規定する手続に従って、全使用料の全回収割合に応じて按分割合にて(分配できない使用料割合額は第(H)号(ii)に規定する有利子口座に預金して)、著作権者に分配されなければならない。

        (H) 発生使用料の保持-

          (i) 保持期間-メカニカルライセンス管理団体は、権利者不明のままである音楽著作物(およびその持分)に関する発生使用料を、当該メカニカルライセンス管理団体がそのお金を受領したときから少なくとも3年間またはデジタル音楽プロバイダにその使用料額(後に第(10)節(B)に従ってメカニカルライセンス管理団体に支払われた場合に限る)が発生したときから少なくとも3年間のいずれか早い時期まで、保持しなければならない。

          (ii) 有利子口座-権利者不明音楽著作物(およびその持分)についての発生使用料は、メカニカルライセンス管理団体が月次利息の付く以下の有利子口座にて保管しなければならない。

            (I) 連邦の短期利率で、かつ

            (II) 当該発生使用料の支払を受ける権利のある著作権者のために利息を生ずる口座。

        (I) 音楽著作物請求手続-権利者不明著作物(およびその持分)の著作権者がメカニカルライセンス管理団体の手続に従って身元および所在が判明した場合には、当該団体は、以下を行わなければならない。

          (i) 音楽著作物データベースおよび当該団体のその他の記録をそれに従って更新すること、ならびに、

          (ii) 当該音楽著作物(およびその持分)に対する発生使用料が第(J)号(i)に従って分配にまだ含められていない場合には、当該使用料および当該音楽著作物(およびその持分)に関して生じた利息の按分額を当該著作権者に支払うとともに、デジタル音楽プロバイダがメカニカルライセンス管理団体に提供した情報に基づく当該著作物の使用および発生使用料を記載した累計的計算書を支払に付すこと。

        (J) 権利者不明発生使用料の分配-

          (i) 分配手続-第(H)号(i)に規定する発生使用料の保持期間終了後、メカニカルライセンス管理団体は、以下の条件に従ってかつ第(ii)段に基づいて制定された方針および手続に従って、当該発生使用料を発生利息の按分額とともに、当該団体の記録において身元が特定された著作権者に分配しなければならない。

            (I) 最初の分配は、使用許諾の発行日後に始まる2回目の完全な暦年の1月1日またはその後に行われ、それ以降は各暦年に1回以上分配が行われなければならない。

            (II) 特定の報告期間に生じた権利者不明使用料に対する著作権者の支払を受ける割合は、透明かつ公平な方法で、問題となる期間における対象行為についてデジタル音楽プロバイダが提供した使用報告書に記載されたところに従い当該著作権者の関連市場における持分割合を示すデータ(メカニカルライセンス管理団体に提供された使用データのほかに、対象行為について任意的使用許諾および個別的ダウンロード使用許諾に基づいて著作権者に提供された使用データを含む)に基づいて決定されなければならない。本号に基づく取分的な持分割合の決定のために、以下を行う。

    (aa)メカニカルライセンス管理団体は、権利者不明使用料の分配を求める著作権者に対して、対象行為について任意的使用許諾および個別的ダウンロード使用許諾に基づく使用データに関する情報を提供するようまたはその提供を指示するよう求めることができる。また、

    (bb)メカニカルライセンス管理団体は、第(12)節(C)に基づいて著作権局長が定める秘密保持条項に従って、市場割合の計算するために使用する使用、財務およびその他の機密データの秘密保持義務および秘密管理を保護するための適切な措置をとらなければならない。

          (ii) 分配方針の制定-第D号(v)に基づいて設置された権利者不明使用料監視委員会は、権利者不明発生使用料および発生利息の本号に従った分配について方針および手続(メカニカルライセンス管理団体の理事会の承認を条件として(iv)に従って支払および未払金計上を割り当てるための著作権者への使用データの提供を含む)を定めなければならない。

          (iii) 発生した権利者不明使用料の公告-メカニカルライセンス管理団体は、以下を行わなければならない。

            (I) 権利者不明著作物(およびその持分)の掲載する団体の連絡をオンラインでアクセス可能な設備であって、それによって著作権者が当該著作物(およびその持分)に関して権利保有を主張しうるものを維持すること。

            (II) 音楽産業中に、以下を広報する勤勉かつ誠実な努力を行うこと。

    (aa)メカニカルライセンス管理団体の存在および当該団体が保有する権利者不明著作物(およびその持分)について発生した権利者不明使用料を請求することができること。

    (bb)著作権者が発生使用料の支払を受けるために、自己の本人確認を行い、また連絡先、権利保有、その他の関連情報を当該団体に提供する手続。

    (cc)第(10)節(B)に基づく音楽著作物について発生使用料の譲渡。ただし、当該譲渡の受領日後180日以内になされなければならない。

    (dd)発生した権利者不明使用料および発生利息についての未処理の分配。ただし、当該分配のなされる日の90日以上前になされなければならない。

            (III) 適切な場合には、(II)記載事項の広報目的で音楽産業の会議および行事に参加すること。

          (iv) 作詞作曲家への支払-別段の合意あるときであっても、適用ある契約条件に従って、権利者不明発生使用料および発生利息の分配を受領した著作権者は、対象行為について音楽著作物を作詞作曲家に代って使用許諾しまたは管理する場合、当該作詞作曲家(または作詞作曲家の授権代理人)に一部を支払または借受として計上しなければならない。

            (I) 作詞作曲家に対する当該支払および借受計上は、メカニカルライセンス管理団体の分配が対象とする報告期間においてデジタル音楽プロバイダが報告した個々の音楽著作物の使用に応じて割り当てられなければならない。また、

            (II) 個々の作詞作曲家への支払は、当該作詞作曲家の音楽著作物(またはその持分)の使用に対して著作権者が受領した金額の50%未満であってはならない。

        (K) 紛争解決-第(D)号(vi)に基づいて設置される紛争解決委員会は、以下について方針および手続を定めなければならない。

          (i) 著作権者が本条に基づいて使用許諾された音楽著作物に対する権利保有ならびにメカニカルライセンス管理団体の理事会の承認を得た当該団体による使用料の割り当ておよび分配に関する紛争を適時かつ適切な方法で提起すること。

          (ii) 紛争の係属中、第(H)号(ii)に記載する要件に従って争われている金銭を保管する仕組みを設けること。

          (iii) 第(11)節(D)に定める場合を除いて、音楽著作物に対する著作権の保有に関して著作権者または作詞作曲家が利用可能な普通法上もしくは衡平法上の権利または救済および音楽著作物の使用料に対する権利に影響を与えることがないこと。

        (L) メカニカルライセンス管理団体による支払の確認-

          (i) 確認手続-メカニカルライセンス管理団体から対象行為についての使用料の支払を受ける権利のある著作権者は、以下のとおり、個別にまたは他の著作権者とともに、メカニカルライセンス管理団体による当該著作権者への使用料支払の正確性を確認するためにメカニカルライセンス管理団体を監査することができる。

            (I) 著作権者は、年に1回のみ、監査を始めた年に先立つ3暦年の一部または全部の期間についてメカニカルライセンス管理団体を監査することができるが、いずれの暦年についても1回以上監査することはできない。

            (II) 監査は、適格監査人が行い、業務時間中、一般に受入れられている監査基準に従ってかつ第(12)節(C)に基づいて著作権局長が定める秘密保持要件に則って、メカニカルライセンス管理団体の帳簿、記録およびデータを検査することによって行わなければならない。

            (III) メカニカルライセンス管理団体は、当該帳簿、記録およびデータを当該適格監査人の利用に供し、関連する情報についての合理的な質問に回答し、また、第三者の保有する関連する情報にアクセスできるよう商業的に合理的な努力を行わなければならない。

            (IV) 監査を開始するには、著作権者は、著作権局に監査する期間を特定してメカニカルライセンス管理団体を監査する意思を通知すると同時に、当該通知の写しを当該メカニカルライセンス管理団体に交付しなければならない。著作権局長は、当該監査の通知を受領した日から45暦日以内に、連邦官報において当該通知を公表しなければならない。

            (V) 当該適格監査人は、メカニカルライセンス管理団体による監査を行う著作権者への使用料の支払に過不足があるかを含め、使用料支払の正確性を決定しなければならない。ただし、当該適格監査人が、著作権者に最終監査報告を提供する前に、メカニカルライセンス管理団体に報告書の暫定版を提供し、メカニカルライセンス管理団体が事実認定に反論する(争点を明確にし事実の誤りを訂正することを含む)合理的機会を与えなければならない。

            (VI) 監査を行う著作権者は、監査の費用を負担しなければならない。著作権者に対する過少支払がある場合には、メカニカルライセンス管理団体は、当該監査を行う著作権者に当該不足額を支払わなければならない。著作権者に対する過剰支払がある場合には、メカニカルライセンス管理団体は、メカニカルライセンス管理団体は、当該過剰額について当該監査を行う著作権者に対する債権として計上し、または当該著作権者はメカニカルライセンス管理団体に当該過剰額を支払わなければならない。

          (ii) 代替的確認手続-本号の規定は、著作権者とメカニカルライセンス管理団体が本号に記載する監査手続とは異なる監査手続を合意することを排除するものではない。ただし、監査の通知は(i)(IV)に記載するとおり著作権局に提出され、公表されなければならない。

        (M) メカニカルライセンス管理団体の記録-

          (i) 記録の保持-メカニカルライセンス管理団体は、メカニカルライセンス管理団体の活動の重要な記録(使用許諾通知、メカニカルライセンス管理団体の権利主張手続の管理、使用の報告、使用料の支払、発生使用料の受領および保管ならびに法的事項に関する記録を含む)が、不正なアクセス、複製および開示を防止する適切かつ商業的に合理的な保護措置がある安全で信頼できる方法で、かつ、第(12)節(C)に基づき著作権局長が定める秘密保持要件に則って、作成の日または受領の日の遅い方から7年以上の期間、維持管理されるようにしなければならない。

          (ii) 記録へのアクセス-メカニカルライセンス管理団体は、著作権者または著作権者の授権代理人から合理的な書面による依頼のあるときは、著作権者の音楽著作物の管理に関する電子的およびその他の記録へのアクセスをただちに提供しなければならない。

      (4) 包括的使用許諾の契約条件-包括的使用許諾は、以下の要件を条件とする。

        (A) 使用料の報告と支払-

          (i) 月次の報告および支払-デジタル音楽プロバイダは、第(ii)段および第(e)項(2)(I)に従って毎月包括的使用許諾に基づいてメカニカルライセンス管理団体に報告しまた支払しなければならない。ただし、月次報告は、当該月次報告の期間の終了から(20日ではなく)45日後を期限とする。

          (ii) 報告されるべきデータ-メカニカルライセンス管理団体への音楽著作物の使用報告において、デジタル音楽プロバイダは、包括的使用許諾に基づいて使用された音楽著作物についての使用データならびに任意の使用許諾および個別的ダウンロード使用許諾に基づいて対象行為に使用された音楽著作物についての使用データを提供しなければならない。使用報告において、デジタル音楽プロバイダは、以下を行わなければならない。

            (I) 音楽著作物を収録する録音物それぞれについて、

    (aa)録音物を特定する情報(録音物の名称、主演アーティスト、および、第(B)号に従う場合を含め対象行為に利用される音楽著作物の録音物の使用に関してデジタル音楽プロバイダが取得している範囲で、録音物の著作権者、プロデューサー、国際標準レコードコード、その他録音物を特定し録音物に収録する音楽著作物を同定するのに業界において広く使われる情報を含む)を提供すること。

    (bb)第(B)号に従う場合を含め対象行為に利用される音楽著作物の録音物の使用に関して録音物の著作権者または録音物の著作権者の許諾者が提供したメタデータについてデジタル音楽プロバイダが取得している範囲で、録音物に収録される音楽著作物の著作者性または適用のある権利の保有者性に関する情報(各作詞者、出版社の名称、持分割合を含む)および国際標準音楽著作物コードを提供すること。

    (cc)制限的ダウンロードおよびインタラクティブ・ストリームの含む録音物のデジタルレコード配信の数量を提供すること。
        (II) 包括的使用許諾ではなく任意的使用許諾報告時の使用に関して効力を有する録音物に収録される著作物について、すべての音楽著作物の著作権者の連絡先を特定して提供すること。

        (III) 著作権局長が規則にて要求するその他の情報を提供すること。

          (iii) 報告書の形式および保存-デジタル音楽プロバイダがメカニカルライセンス管理団体に提供する使用報告は、メカニカルライセンス管理団体の情報技術システムと互換性のある機械可読形式であって、著作権局長の制定する規則の要件を満たすものでなければならない。

          (iv) 規則の制定-著作権局長は、以下の規則を制定する。

            (I) 包括的使用許諾に基づいて対象行為に従事するデジタル音楽プロバイダが使用報告を保持しまたメカニカルライセンス管理団体に利用可能とする要件を定めること。

            (II) デジタル音楽プロバイダによる使用報告の調整に関して、前記における過払いおよび過少支払を計上する仕組みを含めること。

        (B) 録音物情報の収集-デジタル音楽プロバイダは、当該デジタル音楽プロバイダのサービスによって利用可能にされた録音物の著作権者およびそのたの録音物許諾者から以下に関する情報を取得するよう真摯かつ商業的に合理的な努力を行わなければならない。

          (i) 録音物の著作権者、プロデューサー、国際標準レコードコード、その他録音物を特定し録音物に収録する音楽著作物を同定するのに業界において広く使われる情報、ならびに、

          (ii) 音楽著作物の著作者または適用のある権利の保有者(各作詞作曲者、出版社の名称、持分割合を含む)および国際標準音楽著作物コード。

        (C) 管理費用査定額の支払-デジタル音楽プロバイダおよび重要な包括的使用許諾の被許諾者は、本項および適用ある規則に従って、第(7)節(D)に基づいて定められた管理費用査定額を支払わなければならない。

        (D) デジタル音楽プロバイダによる確認費用の支払-

          (i) 確認手続-メカニカルライセンス管理団体は、デジタル音楽プロバイダによるメカニカルライセンス管理団体への使用料支払の正確性を確認するために、包括的使用許諾を受けるデジタル音楽プロバイダの運営を、以下のとおり監査することができる。

            (I) メカニカルライセンス管理団体は、監査を始めた日に先立つ3暦年を越えない確認期間を対象として、当該3暦年に1回のみ、デジタル音楽プロバイダに対する監査を開始することができ、かつ、かかる監査は、当該3年の確認期間について記録を1回以上監査することができない。

            (II) 監査は、適格監査人が行い、業務時間中、一般に受入れられている監査基準に従ってかつ第(12)節(C)に基づいて著作権局長が定める秘密保持要件に則って、デジタル音楽プロバイダの帳簿、記録およびデータを検査することによって行わなければならない。

            (III) デジタル音楽プロバイダは、当該帳簿、記録およびデータを当該適格監査人の利用に供し、関連する情報についての合理的な質問に回答し、また、第三者の保有する関連する情報にアクセスできるよう商業的に合理的な努力を行わなければならない。

            (IV) 監査を開始するには、メカニカルライセンス管理団体は、著作権局に監査する期間を特定してデジタル音楽プロバイダを監査する意思を通知すると同時に、当該通知の写しを当該デジタル音楽プロバイダに交付しなければならない。著作権局長は、当該監査の通知を受領した日から45暦日以内に、連邦官報において当該通知を公表しなければならない。

            (V) 当該適格監査人は、デジタル音楽プロバイダによる監査を行うメカニカルライセンス管理団体への使用料の支払に過不足があるかを含め、使用料支払の正確性を決定しなければならない。ただし、当該適格監査人が、メカニカルライセンス管理団体に最終監査報告を提供する前に、デジタル音楽プロバイダに報告書の暫定版を提供し、デジタル音楽プロバイダが事実認定に反論する(争点を明確にし事実の誤りを訂正することを含む)合理的機会を与えなければならない。

            (VI) 監査を行うメカニカルライセンス管理団体は、監査の費用を負担しなければならない。ただし、デジタル音楽プロバイダによる不足額が10%以上である場合には、メカニカルライセンス管理団体に対して不足額を支払うとともに、デジタル音楽プロバイダは当該監査の合理的費用を負担しなければならない。著作権者に対する過剰支払がある場合には、メカニカルライセンス管理団体は、メカニカルライセンス管理団体は、当該過剰額について当該監査を行う著作権者に対する債権として計上し、または当該著作権者はメカニカルライセンス管理団体に当該過剰額を支払わなければならない。

            (VII) デジタル音楽プロバイダは、本号に基づく監査から生ずる訴訟が訴訟の基礎となる監査の開始後6年以内に開始される場合には、訴訟に対する抗弁として、第507条または連邦もしくは州の時効、ラッチェスもしくは禁反言の法理、もしくは類似の規定を主張することができない。

          (ii) 代替的確認手続-本号の規定は、メカニカルライセンス管理団体とデジタル音楽プロバイダが本号に記載する監査手続とは異なる監査手続を合意することを排除するものではない。ただし、監査の通知は第(i)段(IV)に記載するとおり著作権局に提出され、公表されなければならない。

        (E) 包括的使用許諾の不履行-

          (i) 不履行の条件-デジタル音楽プロバイダは、デジタル音楽プロバイダが以下に該当する場合には包括的使用許諾の不履行となる。

            (I) メカニカルライセンス管理団体への月次使用報告の提出を1回以上遅滞した場合。

            (II) メカニカルライセンス管理団体への月次支払または遅延手数料の支払を全部または重要な部分について遅滞した場合。

            (III) 正確なデータがデジタル音楽プロバイダに利用可能でありかつ本条および適用ある規則において報告が求められているときに、データが不正確であり、欠缺がありまたは不合理であることによって全体において重大な欠陥のある月次使用報告をメカニカルライセンス管理団体に1回以上提出した場合。

            (IV) 本条および適用ある規則において求められる管理費用査定額の支払を怠った場合。

            (V) メカニカルライセンス管理団体から書面による通知を受けた後において、本条に基づく包括的使用許諾のその他の重要な条件を60日以上の期間にわたって履行を拒絶した場合。

          (ii) 不履行および終了の通知-デジタル音楽プロバイダの不履行がある場合、メカニカルライセンス管理団体は、以下のとおり、デジタル音楽プロバイダの包括的使用許諾を終了する手続を執ることができる。

            (I) メカニカルライセンス管理団体は、不履行を合理的に特定できるよう記載し、通知日後60日以内に当該不履行が治癒されない場合には包括的使用許諾が当該期間の終了日に自動的に終了することを伝える書面による通知を、デジタル音楽プロバイダに提供しなければならない。

            (II) デジタル音楽プロバイダが(I)に記載する60日間の終了日までに当該不履行を解消しない場合には、当該使用許諾は、メカニカルライセンス管理団体による別段の行為なく、終了する。当該終了により、使用料または管理費用査定額の不払いがある包括的使用許諾が対象とするすべての音楽著作物(およびその持分)についてすべてのレコード配信は、第501条に基づく侵害行為として訴訟の対象となり、第502条ないし第506条に規定する救済を受ける。

          (iii) 著作権者への通知-メカニカルライセンス管理団体は、影響を受ける著作物の著作権者に対して、本号に基づく終了を書面で通知しなければならない。

          (iv) 連邦地方裁判所による審査-包括的使用許諾が不適切にメカニカルライセンス管理団体によって終了されたと考えるデジタル音楽配信プロバイダは、合衆国の適切な地方裁判所において当該終了を審査することを求めることができる。当該地方裁判所は、メカニカルライセンス管理団体が依拠した記録および両当事者が提出する追加の補強証拠に基づいて事件を白紙状態から判断しなければならない。

      (5) デジタルライセンシー調整団体-

        (A) 総則-デジタルライセンシー調整団体は、以下の単一の事業者とする。

          (i) 非営利であり、他の団体に保有されておらず、本項に基づく責務を実行するために創設され、

          (ii) 過去3暦年について総計で対象行為に音楽著作物を使用する被許諾者市場の最大割合を構成するデジタル音楽配信プロバイダおよび包括的使用許諾の被許諾者から実質的な支援を保証されかつこれを享受し、

          (iii) 本項に基づきデジタルライセンシー調整団体に求められる機能を履行する管理能力を持つかまたはライセンス利用可能日前に持ちうること証明でき、かつ、

          (iv) 第702条に従って連邦議会図書館長の承認を得て、第(B)号に従って著作権局長が指定する。

        (B) デジタルライセンシー調整団体の指定-

          (i) 最初の指定-著作権局長は、本法制定日*7 から270日以内に、メカニカルライセンス管理団体の指定について第(3)節(B)(i)に規定するのと同じ手続に従って、デジタルライセンシー調整団体について最初の指定を行わなければならない。

          (ii) 指定の定期的審査-デジタルライセンシー調整団体の最初の指定後、著作権局長は、最初の指定後に始まる完全な暦年の5年目の開始から5年ごとに、既存の指定が継続されるべきか第(A)号の(i)ないし(iii)に規定する基準に適合する他の団体が指定されるべきであるかを、メカニカルライセンス管理団体について第(3)節(B)(ii)に規定するのと同じ手続に従って、決定しなければならない。

          (iii) 指定不能-著作権局長がデジタルライセンシー調整団体となるべき団体として第(A)号の(i)ないし(iii)に規定する資格要件のすべてを満たす団体を特定することができない場合には、著作権局長は、デジタルライセンシー調整団体を指定しないことができる。デジタルライセンシー調整団体を指定しないとの著作権局長の決定は、規定がデジタルライセンシー調整団体に言及する限定的範囲を除いて、本項の規定を否定しその他影響を与えてはならない。その場合、デジタルライセンシー調整団体への言及は、新たなデジタルライセンシー調整団体が指定されるまでは、効力を持たない。


    *7 The Orrin G. Hatch?Bob Goodlatte Music Modernization Act(音楽近代化法)の制定日:2018年10月11日


        (C) 権限および機能-

          (i) 総則-デジタルライセンシー調整団体は、本項に規定する特段の要件に従うことを条件として、以下の機能を行う権限が与えられる。

            (I) 管理組織、会員基準および会員が支払うべき料金を定めること。

            (II) 管理費用査定額に関する通知および義務を執行する行為(メカニカルライセンス管理団体から情報を受領しまたこれと協力することを含む)を行うこと。

            (III) 本項に基づく管理費用査定額を定める著作権使用料審判官の行う手続を申し立てまたはこれに参加すること。

            (IV) 本項に基づく行為に関して著作権局長の行う手続を申し立てまたはこれに参加すること。

            (V) 本項に基づいて料金および条件を定める著作権使用料審判官の手続に使用する書類を収集し提供すること。

            (VI) その活動の記録を維持すること。

            (VII) メカニカルライセンス管理団体の存在および当該団体を通じて著作権者が権利者不明音楽著作物(および著作物の一部)について使用料を請求できることを宣伝することに協力すること。

            (VIII) 本項に基づく責務を果たすために必要または適切なその他の行為を行うこと。

          (ii) ロビイングの制限-デジタルライセンシー調整団体は、政府に対するロビイング活動を行ってはならないが、(i)の(III)、(IV)および(V)に記載する活動を行うことはできる。

          (iii) 権利者不明使用料の宣伝への協力-デジタルライセンシー調整団体は、以下の行為を含め、メカニカルライセンス管理団体の存在および著作権者が権利者不明音楽著作物(および著作物の一部)について使用料を請求できることをデジタル音楽プロバイダが宣伝するよう促すことによって、メカニカルライセンス管理団体が権利者不明音楽著作物(および当該著作物の一部)の著作権者を特定し所在を明らかにする行為に協力するよう、合理的かつ真摯な努力を行わなければならない。

            (I) デジタル音楽プロバイダのウェブサイトおよび申込書の合理的に目立つ場所に、メカニカルライセンス管理団体の連絡先情報を掲載すること、および、

            (II) 音楽家との個別的活動を行うこと。

      (6) 重要な非包括ライセンシーの要件-

        (A) 総則-

          (i) 行為の通知-使用許諾利用可能日後45暦日または事業者が重要な非包括ライセンシーの資格を得た初月末日後45暦日のいずれか遅い方までに、重要な非包括ライセンシーは、メカニカルライセンス管理団体に非包括活動の通知を提出しなければならない。非包括活動の通知は、著作権局長が規則で定める要件を形式と内容において遵守するものでなければならず、その写しがデジタルライセンシー調整団体に利用可能にされなければならない。

          (ii) 報告および支払の義務-メカニカルライセンス管理団体に提出された非包括活動の通知は、第(4)節(A)(ii)に記載する情報を含む使用報告のほか、本項および適用ある規則に基づいて要求される管理費用査定額の支払とともになされなければならない。その後は、第(iii)段の条件に、重要な非包括ライセンシー団体は、メカニカルライセンス管理団体に対して、月次使用報告および必要な管理費用査定額の支払を提供し続けなければならない。当該報告および支払は、報告される歴月の末日から45暦日以内に提出されなければならない。

          (iii) 義務の中断-メカニカルライセンス管理団体に非包括活動の通知を提出した事業者は、重要な非包括ライセンシーとしての資格を失った場合には、当該団体に書面でそのことを通知することができる。この場合、当該通知が提供された歴月において、当該事業者は、もはや使用報告を提出し管理費用査定額を支払う必要はなくなるが、当該事業者が後に重要な非包括ライセンシーとしての資格を得た場合には、再度(i)および(ii)に適合することが必要である。

        (B) メカニカルライセンス管理団体によるデジタルライセンシー調整団体への報告-

          (i) 不履行ライセンシーの月次報告-メカニカルライセンス管理団体は、当該団体が第(A)号の履行を怠る重要な非包括ライセンシーを知った場合には、その旨を記載した月次報告を、デジタルライセンシー調整団体に提供しなければならない。

          (ii) 秘密情報の取り扱い-メカニカルライセンス管理団体およびデジタルライセンシー調整団体は、第(12)節(C)に基づいて著作権局長が定める秘密保持の要件に従って、本号に基づいて共有された財務的およびその他の機密データの秘密保持および秘密管理について適切な保護措置をとらなければならない。

        (C) 法的執行の努力-

          (i) 連邦裁判所への提訴-メカニカルライセンス管理団体またはデジタルライセンシー調整団体が重要な非包括ライセンシーによる第(A)号の不履行を知った場合には、いずれの団体も、適切な合衆国地方裁判所に損害賠償および差止命令を求めて訴訟を開始することができる。重要な非包括ライセンシーに責任が認められる場合には、裁判所は、許容される懈怠であると認定するときを除いて、未払の管理費用査定額の総額の三倍に相当する額の損害賠償を認容し、また、第505条に関わらず、合理的な弁護士報酬および費用の回復のほか、裁判所が適切と判断するその他の救済を与えることができる。その他の場合においては、裁判所は適切な救済を与えなければならない。損害賠償は、メカニカルライセンス管理団体の費用総額を保証するようメカニカルライセンス管理団体に支払われなければならない。

          (ii) 権利執行訴訟に対する時効-本号に記載する訴訟は、第507条(b)に記載する期間内に開始されなければならない。

          (iii) その他の権利および救済の保持-メカニカルライセンス管理団体またはデジタルライセンシー調整団体が本号に基づいて訴訟を提起することができることは、いかなる当事者も普通法または衡平法に基づいて利用可能なその他の権利または救済を変更、制限または排除するものではない。

      (7) メカニカルライセンス管理団体の資金調達-

        (A) 総則-メカニカルライセンス管理団体は、以下を運営資金とする。

          (i) 以下の者が支払う管理費用査定額。ただし、当該管理費用査定額は、第(D)号に従って著作権使用料審判官が定める。

            (I) 包括的使用許諾に従って対象行為の全部または一部に従事するデジタル音楽プロバイダ、および

            (II) 重要な非包括ライセンシー。

          (ii) デジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーが著作権者との合意に基づいて行う任意的な拠出。

        (B) 任意的な拠出-

          (i) 拠出金に関する合意-以下の第(ii)段に規定する場合を除いて、デジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーによる任意的な拠出は、私的な交渉と合意によって決定され、かつ次の条件の適用を受ける。

            (I) メカニカルライセンス管理団体への各拠出の日付および金額は、メカニカルライセンス管理団体および拠出当事者の授権代理人が署名した書面にて作成されなければならない。

            (II) 当該合意は、適用ある法律および規則ならびに著作権使用料審判官の決定に従って管理費用査定額を設定しまたは調整するために著作権使用料審判官が行う手続において求められるところに従って利用可能にされなければならない。

          (ii) 拠出金の取り扱い-第(i)段に記載する各任意的拠出は、管理費用査定額から支出されるべき当該団体の全費用に充てる資金として、管理費用査定額のために取り扱われなければならない。個々のデジタル音楽プロバイダまたは重要な非包括ライセンシー間における任意的拠出の割り当てもしくは再割り当ては、当該当事者間における私的な交渉および合意事項であって、管理費用査定額手続の範囲外の事項とされなければならない。

        (C) 発生使用料の暫定的充当-管理費用査定額が第(A)号および第(B)号に規定する任意的拠出金による資金調達と合わせて、団体の総費用を賄うのに不適当である場合には、当該団体は、理事会の承認を得て、当該費用を賄うための暫定的措置としてすでに権利者不明発生使用料を当てることができる。

        (D) 管理費用査定額の決定-

          (i) 団体の総費用を賄う管理費用査定額-管理費用査定額は、団体の総費用の資金にのみ使用されなければならない。

          (ii) 著作権使用料審判官の行う別手続-管理費用査定額の金額および条件は、第(iii)段および第(iv)段に記載する手続に従って、著作権使用料審判官の行う分離されかつ独立した手続において決定され定められなければならない。当該手続において決定される管理費用査定額は、以下のとおりとする。

            (I) 管理費用査定額は、デジタル音楽プロバイダに適用のある使用料率および条件から完全に独立しており、当該料率および条件は管理費用査定額の設定にいかなる方法によっても考慮に入れられてはならない。

            (II) 管理費用査定額は、団体の合理的な費用総額を賄うよう計算された金額として著作権使用料審判官が設定しなければならない。

            (III) 管理費用査定額は、強制使用許諾および非包括的使用許諾の双方に基づく対象行為についてデジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーによる音楽著作物の使用に基づいて査定されなければならない。

            (IV) 管理費用査定額は、対象行為について音楽著作物の使用に対して本条に基づいて支払うべき使用料(異なる使用料率が任意的使用許諾に適用されるかどうかを問わない)の割合形式であっても、または、対象行為を行うデジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーに対して団体の総費用を適切に割り当てるよう合理的に計算する、その他使用を基礎とする計量法であってもよいが、デジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーに対して最低料金をその構成要素に含まなければならない。

            (V) 管理費用査定額は、適用ある場合には以下を含めて、将来予想される団体の総費用および管理費用査定額の徴収額を考慮に入れなければならない。

    (aa)過去の管理費用査定額の徴収額または任意的拠出を合わせて過去の実際のメカニカルライセンス管理団体の総費用を賄うのに不足したために、当該徴収額または拠出額によって賄われなかった当該総費用額の部分。

    (bb)過去の団体総費用を超過し余剰を生じた過去の管理費用査定額の徴収額および任意的拠出額。ならびに、

    (cc)第(7)節の(A)および(B)に記載する関連期間におけるデジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーによる任意的拠出額。

          (iii) 最初の管理費用査定額-管理費用査定額を設定する手続は次のとおりとする。

            (I) 本法制定の日から270日以内に、著作権使用料審判官は、連邦官報に参加の申請を求める旨の通知を掲載して、最初の管理費用査定額を設定する手続を開始しなければならない。

            (II) メカニカルライセンス管理団体およびデジタルライセンシー調整団体は、著作権使用料審判官に参加希望を通知した利害関係のある著作権者、デジタル音楽プロバイダまたは重要な非包括ライセンシーとともに、上記(I)に記載する手続に参加しなければならない。

            (III) 著作権使用料審判官は、管理費用査定額の設定に関連する情報(実際および予定されるメカニカルライセンス管理団体の総費用、実際および予定されるデジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーからの徴収額ならびに任意的拠出の文書を含む)を当事者が提出する予定ならびにその後の手続(著作権使用料審判官が適切と判断する聴聞を含む)の予定を定めなくてはならない。

            (IV) 最初の管理費用査定額およびその決定は、本段に記載する手続の開始後1年以内に著作権使用料審判官が連邦官報にて公告されなければならない。当該決定は書面による記録によって裏付けられなければならない。最初の管理費用査定額は、使用許諾利用可能日に発効し、第(iv)段に基づく調整手続に従って調整された管理費用査定額が設定されるまで効力を有する。

          (iv) 管理費用査定額の調整-管理費用査定額は、次の手続に従って、著作権使用料審判官によって定期的に調整されることができる。

            (I) 著作権使用料審判官による管理費用査定額の決定に関する直近の公告から1年経過後は、メカニカルライセンス管理団体、デジタルライセンシー調整団体、または利害関係を有する著作権者、デジタル音楽プロバイダもしくは重要な非包括ライセンシーは、管理費用査定額の調整手続を開始するよう5月に著作権使用料審判官に申請を申し立てすることができる。

            (II) 当該手続の開始の通知は、第(iii)段(III)に記載する求められる情報および追加の手続の予定とともに、申請の申立後の6月に連邦官報に公告されなければならない。メカニカルライセンス管理団体およびデジタルライセンシー調整団体は、著作権使用料審判官に参加希望を通知した利害関係のある著作権者、デジタル音楽プロバイダまたは重要な非包括ライセンシーとともに、当該手続に参加しなければならない。

            (III) 調整された管理費用査定額の決定は、書面による記録によって裏付けられなければならず、当該手続の開始後の暦年6月中に連邦官報に公告されなければならない。調整された管理費用査定額は、当該広告の翌年1月1日に発効する。

          (v) 任意的合意の採用-関連データの評価を基礎とする決定に代えて、著作権使用料審判官は、メカニカルライセンス管理団体およびデジタルライセンシー調整団体(または指定なきときは、対象行為について音楽著作物の使用指示において過半数を代表する利害関係のあるデジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシー)が管理費用査定額および条件に合意した場合、管理費用査定額および条件を設定する協議に基づく合意を承認し採用しなければならない。ただし、著作権使用料審判官は、正当な利用を証明する場合には、当該合意を拒絶する裁量権を有する。本段に基づいて採用された管理費用査定額は、当該管理費用査定額が有効である期間において対象行為を行うすべてのデジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーに適用される。

          (vi) 改訂する権限の存続-著作権使用料審判官は、技術的もしくは事務的誤りを訂正し、また正当な理由がある場合には実施の条件を変更するために管理費用査定額の決定を改定する権限を継続して保有する。当該改定は、連邦官報に公告されなければならない。

          (vii) 管理費用査定額に対する上訴-著作権使用料審判官による管理費用査定額の決定は、手続に参加した当事者のいずれも、連邦官報に公告されてから30暦日以内に、コロンビア特別区巡回裁判所に上訴することができる。著作権使用料審判官が設定した管理手数料査定額は、当該上訴の最終結論が出るまで有効に存続し、メカニカルライセンス管理団体、デジタルライセンシー調整団体、査定額の変更ご90日以内に、デジタル音楽プロバイダおよび重要な非包括ライセンシーは当該結論を反映し計算に入れるために適切な財務的その他の措置をとらなければならない。

          (viii) 規則-著作権使用料審判官は、本節に基づく手続行為を規定する規則を採択しなければならない。

      (8) 包括的使用許諾に基づく料率および条件の設定-

        (A) 料率設定参加上の制限-メカニカルライセンス管理団体もデジタルライセンシー調整団体も、第(c)項(1)(E)に記載する手続の当事者となってはならない。ただし、メカニカルライセンス管理団体またはデジタルライセンシー調整団体は、当該手続の当事者の使用のために財政的およびその他の情報を収集し提供し、また、適用ある法律および規則ならびに著作権使用料審判官の決定に基づいて必要とされる情報の要求に応じることができる。

        (B) 遅延手数料の充当-本条に基づいて音楽著作物の使用に対する利用料の支払遅延に対する遅延手数料を著作権使用料審判官が定める第(A)号記載の手続において、当該手数料は、以下のとおり、包括的使用許諾に基づく対象行為に適用される。

          (i) 支払期限を徒過した使用料の支払に対する遅延手数料は、支払期限からメカニカルライセンス管理団体が支払を受けるまで発生する。

          (ii) 遅延手数料の支払義務は、著作権者またはメカニカルライセンス管理団体が本編に基づいて行使できるその他の権利または救済を妨げるものではない。

        (C) 暫定的利用料率一般-著作権使用料審判官が利用料率または条件を設定していない対象行為について、メカニカルライセンス管理団体およびいずれのデジタル音楽プロバイダも、包括的使用許諾に基づく当該行為についての暫定的使用料率および条件を合意することができる。当該料率および条件は、

          (i) 先例として扱われてはならず、著作権使用料審判官またはその他の審判委員会が行う料率設定手続において参照または依拠されてはならない。また、

          (ii) 第(c)項(1)(E)に基づいて著作権使用料審判官が当該対象行為について料率および条件を設定したときに自動的に終了する。

        (D) 暫定的料率の調整-著作権使用料審判官が設定する料率および条件は、第(C)号に基づいて合意された暫定的料率および条件が適用される対象行為について、暫定的料率および条件に取って代わり、包括的使用許諾に基づく行為の開始時に遡って適用される。その場合、著作権使用料審判官が設定した料率および条件の発効日から90日以内を期限として、

          (i) 著作権使用料審判官が設定する料率が暫定的料率を上回る場合には、デジタル音楽プロバイダは、メカニカルライセンス管理団体に、履行期にある使用料の不足額を支払わなければならない。

          (ii) 暫定的料率が著作権使用料審判官の設定する料率を上回る場合には、メカニカルライセンス管理団体は、デジタル音楽プロバイダに、履行期にある使用料の過払額を計上しなければならない。

      (9) 包括的使用許諾への移行

        (A) 包括的使用許諾の代替-使用許諾利用可能日において、包括的使用許諾は、当該デジタル音楽プロバイダの許諾権限を損なうことなく、音楽著作物に関して対象行為を行うことについて、本条に基づいてすでにデジタル音楽プロバイダが著作権者から取得した既存の強制使用許諾に自動的に取って代わる。ただし、レコード会社が月次報告期間の末に発効する通知(メカニカルライセンス管理団体に写しを提出の上)をもって、永続的ダウンロードを作成し頒布する強制使用許諾に従って取得した権限を終了させた場合を除いて、当該代替は、レコード会社が取得した当該権限には適用されない。

        (B) 既存の使用許諾の満了-第(A)号に定める範囲を除いて、使用許諾利用可能日以降、対象行為について本条に基づいて使用許諾利用可能日より前に取得された個別ダウンロード使用許諾以外の使用許諾は、将来に向かって失効する。

        (C) 任意的使用許諾の取り扱い-使用許諾利用可能日において有効な対象行為に対する任意的使用許諾は、当該任意的使用許諾がその条件に従って満了しまたは当事者が当該任意的使用許諾を改定もしくは終了することを合意しない限り、有効に存続し続ける。使用許諾利用可能日より前に締結された対象行為に対する任意的使用許諾が本条を参照して組み込んでいる場合には、当該組み込まれた条件(使用料率を除く)は、使用許諾利用可能日の直前において有効であった当該条件とし、当該条件は、当該任意的使用許諾を改定もしくは終了しまたは当事者が新たな任意的使用許諾を締結するまで、継続して適用される。

        (D) 対象行為の通知についての著作権局による受理の継続-本法制定日以降は、

          (i) 著作権局は、もはや対象行為に関する意思表示の通知を受理しない。

          (ii) 本法制定日より前に届け出られた意思表示の通知は、将来に向かって失効し、対象行為に関する使用許諾権限を与えるものではない。ただし、有効な意思の通知が当該通知について本法制定日より前に届け出られた場合には、使用許諾利用可能日までは、音楽著作物(またはその持分)の複製または頒布に対して第501条に基づく責任を負わない。

      (10) 無許諾の事前使用-

        (A) 責任制限一般-デジタル音楽プロバイダが使用許諾利用可能日以前に対象行為を行う過程で音楽著作物の無許諾複製または頒布したことによる第106条(1)または(3)に規定する排他的権利の侵害について、著作権者が当該デジタル音楽プロバイダに対して2018年1月1日以降に第501条に基づく訴訟を開始する場合、当該デジタル音楽プロバイダが適用ある第(B)号の要件の遵守を証明できることを条件として、当該著作権者は、当該デジタル音楽プロバイダに対して有する唯一の救済として、第(c)項(1)(C)および第8章に記載する使用料を当該デジタル音楽プロバイダから回復することができる。それ以外のすべての場合には、本号に基づく責任制限は適用されない。

        (B) 責任制限の要件-以下の要件は、本法制定日および使用許諾利用可能日後90日間が満了するまでの期間について、第(A)号に記載する責任制限の適用を求めるデジタル音楽プロバイダに適用される。

          (i) 音楽著作物の特定の録音物が対象行為を通じて最初にサービス提供されたときから30日または本法制定日から30日のいずれか遅い方までに、デジタル音楽プロバイダは、当該音楽著作物(またはその持分)の各著作権者を特定しかつ所在を確認するよう誠実かつ商業的に合理的な努力をしなければならない。当該確認努力には以下を含む。

            (I) デジタル音楽プロバイダのサービスを通じて利用可能にされた当該録音物の保有者から以下の情報を取得するよう誠実かつ商業的に合理的な努力。

    (aa)録音物の名称、主演アーティスト、録音物の著作権者、プロデューサー、国際標準レコードコード、および録音物を特定しまた録音物をその収録する音楽著作物に対応させるために業界で一般的に使用されているその他の情報。

    (bb)各作詞作曲家および出版社の名称、権利保有割合および国際標準音楽著作物コードを含む、音楽著作物について利用可能な権利情報。

            (II) 商業的に合理的な条件で第三者ベンダーを通じてデジタル音楽プロバイダに利用可能とされている大量電子判別処理を利用すること。ただし、デジタル音楽プロバイダは、自己の保有する大量電子判別処理が商業的に合理的な条件で提供される第三者ベンダーの大量電子判別処理と同等または優れている場合には、自己の保有するそれに依拠することができる。

          (ii) デジタル音楽プロバイダは、身元不明または所在不明の著作権者が残っている限り、必要とされる判別努力を月に1回以上繰り返さなければならない。

          (iii) デジタル音楽プロバイダが求められる判別努力によって音楽著作物(またはその持分)を最初に使用する暦月末までにその著作権者を特定し所在を確認することに成功した場合には、デジタル音楽プロバイダは、本条および適用ある規則に従って当該著作権者に計算書を提供し、使用料を支払わなければならない。

          (iv) デジタル音楽プロバイダは、当該著作物を最初に使用する暦月末までにその著作権者を特定し所在を確認することができない場合には、以下のとおり、当該著作物の最初の使用のときから発生使用料を著作権者に支払うことができまたはメカニカルライセンス管理団体に送金できるまで、当該著作物の使用に従った法定の使用料率に基づいて計算した使用料を発生させ計上しなければならない。

            (I) 発生使用料は、一般に受入れられている会計原則に従って保持されなければならない。

            (II) デジタル音楽プロバイダに権利者不明音楽著作物(またはその持分)の著作権者が特定され所在が確認された場合には、当該デジタル音楽プロバイダは、以下のことを行わなければならない。

    (aa)著作権者が特定され所在が確認された歴月の末から45日以内に、当該著作権者に発生したすべての使用料を支払わなければならない。また、当該支払には、デジタル音楽プロバイダが本条および適用ある規則に従って当該著作物の最初に使用のときから著作権者に月次計算書(第(c)項(2)(I)に基づいて必要な証明書を含む)を提供していたならば著作権者に提供されていたであろうすべての情報を含む、累計額の計算書を付さなければならない。

    (bb)著作権者が特定され所在が確認された歴月後の会計期間に始まり使用許諾利用可能日前のすべての会計期間について、本条および適用ある規則に従って必要な月次計算書を提供し使用料を支払わなければならない。また、

    (cc)使用許諾利用可能日に始まる月次使用料報告期間以降は、本項および適用ある規則に基づいて、メカニカルライセンス管理団体に対して、当該報告期間およびその後の報告期間における当該音楽著作物(またはその持分)の使用について使用を報告し、使用料を支払わなければならない。

            (III) 権利者不明音楽著作物(またはその持分)の著作権者が使用許諾利用可能日までに特定され所在が確認された場合には、デジタル音楽プロバイダは、以下のことを行わなければならない。

    (aa)使用許諾可能日後45日以内に、発生したすべての使用料をメカニカルライセンス管理団体に送金すること。当該支払には、デジタル音楽プロバイダが本条および適用ある規則に従って当該著作物の最初に使用のときから著作権者に月次計算書(第(c)項(2)(I)に基づいて必要な証明書を含む)を提供していたならば著作権者に提供されていたであろうすべての情報を含む、累計額の計算書を付し、またデジタル音楽プロバイダが第(B)号の(i)および(ii)の要件を充足したが著作権者を特定または所在確認できなかったことを当該デジタル音楽プロバイダの権限ある役員が証明する証明書を付さなければならない。

    (bb)使用許諾利用可能日に始まる月次使用料報告期間以降は、本項および適用ある規則に基づいて、メカニカルライセンス管理団体に対して、当該報告期間およびその後の報告期間における当該音楽著作物(またはその持分)の使用について使用を報告し使用料を支払うこと。

          (v) 権利者不明音楽著作物(またはその持分)に関して本号の要件を満たすデジタル音楽プロバイダは、著作権者またはメカニカルライセンス管理団体に毎月使用料を支払い始めることが必要となる時点まで、当該著作物について使用料支払義務を負わずまた遅延手数料を生じない。

        (C) 時効の調整-第507条(b)の定めに反するか否かを問わず、使用許諾利用可能日前3年以内に生じた対象行為によってデジタル音楽プロバイダが行った無許諾複製または頒布を理由とする当該デジタル音楽プロバイダに対する第106条(1)および(3)に規定する排他的権利の侵害の請求に関しては、当該請求訴訟は、以下の期間のいずれか遅い方までに開始すれば足りる。

          (i) 当該請求権の発生した日から3年間。

          (ii) 使用許諾利用可能日から2年間。

        (D) その他の権利および救済の存続-本節に明示的に規定する場合を除いて、本項は、音楽著作物の無許諾使用に関して著作権者の権利または救済を変更し、制限しまたは否定するものと解釈されてはならない。

      (11) 使用許諾活動の法的保護-

        (A) 強制使用許諾活動の免除-第(c)項(1)(D)に記載する反トラスト法の免除は、本項に基づいて設置された管理費用査定額に関する場合を含め、著作権者と対象行為について強制使用許諾を受けることのできる者との間の交渉および合意ならびに著作権者またはその他の者のための共同代理人に適用される。

        (B) 共同代理人の免除に対する制限-第(c)項(1)(D)および本節第(A)号に定める反トラスト法の免除(第(A)号に定める管理費用査定額に関する場合および第(8)節(C)に規定する場合を除く)にかかわらず、メカニカルライセンス管理団体もデジタルライセンシー調整団体も本条に基づく使用料率または条件の設定に関して共同代理人として行為するものではない。

        (C) 管理行為に対する反トラスト法の免除-反トラスト法の規定にかかわらず、著作権者と本条に基づいて対象行為について強制使用許諾を受けることのできる者は、メカニカルライセンス管理団体に、以下の条件で、対象行為について音楽著作物を複製または頒布する任意的使用許諾を当該著作権者および当該社を代理して管理することを委託することができる。

          (i) 著作権者はそれぞれ、当該任意的使用許諾の使用料率および重要な条件を個別に設定しなければならず、他の著作権者と合意、共同または協調してこれを行ってはならない。

          (ii) 本条に基づいて対象行為について強制使用許諾を受けることのできる者はそれぞれ、当該任意的使用許諾の使用料率および重要な条件を個別に設定しなければならず、他のデジタル音楽プロバイダと合意、共同または協調してこれを行ってはならない。

          (iii) メカニカルライセンス管理団体は、第(12)節(C)に基づいて著作権局長が定める秘密保持条項に従って任意的使用許諾を秘密に保持しなければならない。

        (D) 誠実な行為に対する責任-メカニカルライセンス管理団体は、第(3)節の(J)および(K)に記載する責務を履行するために採用し実施する方針および手続を誠実に管理することを理由とする請求に基づいて、いかなる個人または団体に対しても責任を負わない。ただし、第(3)節(L)(i)(VI)に規定する使用料の過少支払または過剰支払を訂正する範囲を除く。メカニカルライセンス管理団体は、著作権者間の紛争に備えて資金を保有する場合には、利害関係者として法手続に参加することができる。本号において、「誠実な管理」とは、重過失のない方法での管理をいう。

        (E) 州の財産法の排除-本項に従ってメカニカルライセンス管理団体が資金を保有し分配することは、適用のありうる財産の帰属もしくは放棄または類推規定に関する州法(判例法を含む)に優先しこれを排除する。

        (F) 解釈規範-本項に明示的に規定する場合を除いて、本項の規定は、本編またはその他適用のある法に基づいて発生する請求を理由にメカニカルライセンス管理団体またはその他の者に対して連邦裁判所に訴えを提起する人の法的能力を、否定または制限するものではない。

      (12) 規則-

        (A) 著作権局長および著作権使用料審判官による制定-著作権局長は、本節の規定を施行するために必要または適切な手続を執り規則を制定することができる。ただし、管理費用査定額を定めるために著作権使用料審判官が行う手続に関する規則は、著作権使用料審判官が制定する。

        (B) 規則の司法審査-第(7)節(D)(ii)に定める場合を除いて、本項に基づいて制定された規則は、第5編第7章に従って司法審査の対象となる。

        (C) 秘密情報の保護-著作権局長は、メカニカルライセンス管理団体およびデジタルライセンシー調整団体の記録に含まれる秘密情報、私的情報、財産情報または特権を受ける情報が不適切に開示または使用されること(当該団体の理事または職員による開示または使用による場合、また特にメカニカルライセンス管理団体の権利者不明使用料監視委員会および紛争処理委員会による場合を含む)がないようにするための適切な手続を定めるために規則を制定しなければならない。

      (13) 留保条項

        (A) 対象行為および権利に対する制限-本項は、本条に基づく使用許諾を受ける音楽著作物の使用にのみ適用がある。包括的使用許諾は、対象行為以外の行為もしくは本条に基づいて許諾される複製および頒布に対する排他的権利以外の権利に拡張もしくは適用されるように、または本法制定日の前日に本条の対象とされていない行為および権利に対して本条に基づく強制使用許諾を延長しもしくは拡張する根拠として機能するように、解釈されてはならない。

        (B) 公衆実演権に対する不影響-本項に基づいて付与される権利、保護および免責、本項に基づいて収集され利用可能とされる音楽著作物に関するデータならびに第(e)項に基づく定義は、音楽著作物の公衆実演権に拡張し、制限しまたはその他影響してはならない。

    (e) 定義-本条においては、

      (1) 発生利息-「発生利息」とは、第(e)項(3)(H)(ii)に記載する発生使用料について生じた利息をいう。

      (2) 発生使用料-「発生使用料」とは、本条に基づき適用ある使用料に従って計算される対象行為について音楽著作物(またはその持分)の複製または頒布に対して発生する使用料をいう。

      (3) 管理費用査定額-「管理費用査定額」とは、第(d)項(7)(D)に従って設定された料金をいう。

      (4) 監査-「監査」とは、使用料支払の正確性を確認する使用料遵守検査または当該検査の実行をいう。

      (5) 包括的使用許諾-「包括的使用許諾」とは、対象行為を行うための第(d)項(1)(A)に記載する強制使用許諾をいう。

      (6) 団体総費用-「団体総費用」とは、以下を意味する。

        (A) メカニカルライセンス管理団体がその法定の機能を果たすためにその設立、維持および運営の総費用であって、以下を含む。

          (i) 創業費用

          (ii) 財務、法務、監査および保険の費用

          (iii) 情報技術、インフラ、およびその他長期資源に対する投資

          (iv) 外部の提供業者の費用

          (v) 使用許諾、使用料管理および権利行使の費用

          (vi) 貸倒れにかかる費用、ならびに

          (vii) 音楽著作物(またはその持分)の著作権者を特定し所在を確認することおよび録音物が収録する音楽著作物に当該録音物を符合させることのための機械的および人的努力にかかる費用。

        (B) メカニカルライセンス管理団体が任意的使用許諾に基づくサービスを提供するために生ずる追加的費用を含まない。

      (7) 対象行為-「対象行為」とは、音楽著作物のデジタルレコード配信(永続的ダウンロード、制限的ダウンロードまたはインタラクティブ・ストリームの形式を含む)を行う行為であって、本条に基づく強制使用許諾の適用資格のあるものをいう。

      (8) デジタル音楽プロバイダ-「デジタル音楽プロバイダ」とは、対象行為を行うサービスに関して以下に該当する者(またはその者の授権を受けて運営する者達)をいう。

        (A) 当該サービスのエンドユーザーと直接に契約、加入またはその他経済的な関係を持ち、

        (B) そのサービスによって生み出された収入および対価について完全な報告を行うことができ、かつ

        (C) そのサービスによる音楽著作物の録音物の使用について完全な報告を行うことができる者。

      (9) デジタルライセンシー調整団体-「デジタルライセンシー調整団体」とは、第(d)項(5)に従って最も新しく指定された事業者をいう。

      (10) デジタルレコード配信-「デジタルレコード配信」とは、録音物のレコードを受信者に特別に同一性を有する複製物を生成するような、録音物のデジタル送信によってレコードを個別に配信することをいう。ただし、当該デジタル送信が録音物の公衆実演であるかそれともそこに含まれる音楽著作物の実演であるか、また、永続的ダウンロード、制限的ダウンロードまたはインタラクティブ・ストリームを含むかを問わない。リアルタイムかつ非インタラクティブな録音物の加入送信は、録音物またはそこに含まれる音楽著作物の複製物がその可聴のために送信受信者による受信によって当該送信の初めから作成される場合には、デジタルレコード配信を生じない。

      (11) 本法制定日-「本法制定日」とは、音楽著作物近代化法の制定日*8 をいう。

      (12) 個別ダウンロード使用許諾-「個別ダウンロード使用許諾」とは、レコード会社が特定の個々の音楽著作物を収録する永続的ダウンロードを作成し頒布しまたはその作成頒布を許諾できる権限を取得する強制使用許諾をいう。

      (13) インタラクティブ・ストリーム-「インタラクティブ・ストリーム」とは、デジタル送信の手段による録音物の実演が第114条(d)(1)に基づいて免責されておらず、かつそれ自体においてまたはそれに含まれるプログラムの結果として第114条(d)(2)に基づく法定許諾に適合しない場合に、ストリーム形式で音楽著作物の録音物をデジタル送信することをいう。インタラクティブ・ストリームは、デジタルレコード配信の一つである。

      (14) 利害関係-「利害関係」とは、第(d)項(7)(D)に基づく手続に参加を求める当事者に適用する場合には、当該当事者には当該手続に対する重要な利益を欠いていると著作権使用料審判官が決定しない当事者をいう。

      (15) 使用許諾利用可能日-「使用許諾利用可能日」とは、本法制定日の開始後2年の満了に続く1月1日をいう。

      (16) 制限的ダウンロード-「制限的ダウンロード」とは、録音物が限られた時間または特定の回数のみ可聴のためにアクセスできる場合における、ダウンロード形式の音楽著作物の録音物をデジタル送信することをいう。

      (17) 権利者判明―「権利者判明」とは、音楽著作物(またはその持分)に適用する場合には、当該音楽著作物(またはその持分)の著作権者が特定されかつその所在が確認されたことをいう。

      (18) メカニカルライセンス管理団体-「メカニカルライセンス管理団体」とは、第(d)項(3)に基づいて著作権局長が最も直近においてそれとして指定した事業者をいう。

      (19) メカニカルライセンス管理団体予算-「メカニカルライセンス管理団体予算」とは、メカニカルライセンス管理団体の会計年度または四半期について、当該期間における支出の見積および当該支出のための資金調達の提案に基づいたメカニカルライセンス管理団体の財政状況(団体総費用を含む)の計算書をいう。

      (20) 音楽著作物データベース-「音楽著作物データベース」とは、第(d)項(3)(E)に記載するデータベースをいう。

      (21) 非営利-「非営利」とは、州に創設または設立された非営利団体をいう。

      (22) 使用許諾通知-「使用許諾通知」とは、包括的使用許諾において第(d)項(2)(A)に基づいてデジタル音楽プロバイダから提供される通知をいう。

      (23) 非包括的使用許諾通知-「非包括的使用許諾通知」とは、使用許諾を対象行為について行ったことをメカニカルライセンス管理団体に通知する場合において、第(d)項(6)(A)に基づいて重要な非包括ライセンシーから提供される通知をいう。

      (24) 永続的ダウンロード-「永続的ダウンロード」とは、録音物がアクセスしうる時間または回数について制限を受けることなく可聴のためにアクセス可能である場合に、ダウンロードの形式で音楽著作物の録音物をデジタル送信することをいう。

      (25) 適格監査人-「適格監査人」とは、音楽使用料の監査を行った経験を持つ独立した公認会計士をいう。

      (26) レコード会社-「レコード会社」とは、音楽著作物の録音物に投資し、制作しまた市場提供し、かつ複数の販売経路によって優勝で当該録音物を頒布する事業者(録音物の頒布を行う当該事業者の関連会社を含む)をいう。

      (27) 使用報告-「使用報告」とは、第(d)項(4)(A)に記載する対象行為について事業者による音楽著作物の使用を記載する報告をいう。

      (28) 必要的探索努力-「必要的探索努力」とは、第(d)項(10)(B)(i)に記載する音楽著作物の著作権者を特定しその所在を確認する努力をいう。

      (29) サービス「サービス」とは、音楽著作物の録音物が公衆の構成員に対してデジタルで送信する場合にその手段として利用されまたはその手段によるサイト、設備または提供をいう。

      (30) 持分―「持分」とは、音楽著作物に適用する場合、当該著作物に対する部分的保有権をいう。

      (31) 重要な非包括ライセンシー-「重要な非包括ライセンシー」とは、以下のものをいう。

        (A) 重要な非包括ライセンシーとは、任意的使用許諾または個別ダウンロード使用許諾の権原に基づく行為として、対象行為を行うサービスを提供する事業者(共通の所有関係または支配関係にある事業者集団を含む)であって、以下に該当する者をいう。

          (i) 現在、包括的使用許諾に基づいて営業しておらず、かつ第(d)項(4)(A)に基づいて対象行為に当たる使用報告を提供する義務を負っておらず、

          (ii) サービスのエンドユーザーとの間に直接の契約、加入またはその他の他経済的関係を持っており、またはエンドユーザーとの間に当該関係がない場合には、エンドユーザーに対するサービスの提供について直接支配権を行使し、かつ

          (iii) 以下のいずれかに該当する者。

            (I) いずれかの歴月のいずれかの日において、当該サービスによって5000以上の異なった音楽著作物の録音物を利用可能とする者、または

            (II) いずれかの歴月において50,000ドルを超える対象行為に関連する収入もしくはその他の対価または過去12歴月中に500,000ドルを超える収入もしくはその他の対価を生み出す者。

        (B) ただし、以下の者は含まれない。

          (i) 対象行為が90秒を超えない音楽著作物の録音物の一部分を無償でユーザーにストリーム提供するだけであり、対象行為でない音楽著作物の許諾を受けた使用を実施する提供のみを行い、かつ、対象行為を行う当該ストリームから直接収入を受けない事業者、または

          (ii) 第118条(f)に定義する「公共放送事業者」。

      (32) 作詞作曲家-「作詞作曲家」とは、作曲家または作詞家を含む、音楽著作物の全部または一部の創作者をいう。

      (33) 州-「州」とは、合衆国の各州、コロンビア特別区および合衆国の各領土または占領地をいう。

      (34) 権利者不明発生使用料-「権利者不明発生使用料」とは、第(d)項(3)(J)に基づく頒布について発生した使用料をいう。

      (35) 権利者不明-「権利者不明」とは、音楽著作物(またはその持分)に適用する場合には、当該音楽著作物(またはその持分)の著作権者が特定できずまたはその所在を確認できないことをいう。

      (36) 任意的使用許諾-「任意的使用許諾」とは、音楽著作物(またはその持分)の使用に対する使用許諾であって、本条に基づいて取得される強制使用許諾以外のものをいう。

    (b) 強制使用許諾の取得手続


    *8 The Orrin G. Hatch?Bob Goodlatte Music Modernization Act(音楽近代化法)の制定日:2018年10月11日


    第116条 コイン式レコード演奏機による公の実演のための交渉による使用許諾

    (a) 本条の適用-本条は、レコードに含まれるすべての非演劇的音楽著作物に適用される。

    (b) 交渉による使用許諾-

      (1) 交渉の権限-本条の適用がある著作物の著作権者およびコイン式レコード演奏機の運営者は、当該著作物の実演にかかる使用料の条件および料率ならびに支払われた使用料の著作権者間での比例配分について交渉し合意することができ、また、かかる使用料の支払について交渉し、合意し、支払を行いまたは受けるための共通の代理人を指名することができる。

      (2) 第8章の手続-上記の交渉の当事者でない者は、第8章の規定に従う手続により、第(1)節に定める料金の条件および料率ならびに料金の分配を定めることができる。

    (c) 著作権使用料審判官の審判に対する使用許諾契約の優越-一または複数の著作権者および一または複数のコイン式レコード演奏機の運営者の間の使用許諾契約で、第(b)項に従って交渉されたものは、本来適用されるべき著作権使用料審判官の決定に代わる効力を有する。

    (d) 定義-本条において、以下の用語はそれぞれ以下の意味を有する。

      (1) 「コイン式レコード演奏機」とは、以下の条件をすべて満たす機械または装置をいう。

        (A) コイン、通貨、トークンその他の通貨単位またはこれに相当するものを挿入して起動させることによる、レコードを用いた非演劇的音楽著作物の実演のためにのみ使用されること。

        (B) 直接または間接の入場料を課さない施設内に設置されていること。

        (C) 実演可能なすべての音楽著作物の題名からなる目録が、当該レコード演奏機に貼付され、または、施設内で公衆が容易に調べることのできる明白な位置に掲示されていること。

        (D) 実演可能な著作物を選択することができ、かつ、当該レコード演奏機が設置された施設の利用者がかかる選択を行うことができること。

      (2) 「運営者」とは、単独でまたは他者と共同して以下のいずれかを行う者をいう。

        (A) コイン式レコード演奏機を所有すること。

        (B) コイン式レコード演奏機を、公の実演の目的で施設に設置できるようにする権限を有すること。

        (C) コイン式レコード演奏機により公の実演を行うことのできる音楽著作物の選択につき、一次的支配を及ぼす権限を有すること。


    第117条 排他的権利の制限:コンピュータ・プログラム

    (a) コピーの所有者による追加的コピーまたは翻案物の作成-第106条の規定にかかわらず、コンピュータ・プログラムのコピーの所有者が、当該コンピュータ・プログラムの新たなコピーもしくは翻案物を作成しまたはこれを許諾することは、以下の場合には侵害とならない。

      (1) かかる新たなコピーもしくは翻案物が、機械によるコンピュータ・プログラムの利用に不可欠な段階として作成され、かつ、他の方法では一切使用されない場合、または

      (2) かかる新たなコピーもしくは翻案物が、資料保存目的のみのものであり、かつ、コンピュータ・プログラムの占有を継続することが適法でなくなった場合にはすべての保存用コピーが廃棄される場合。

    (b) 追加的コピーまたは翻案物の貸与、販売その他の移転-本条の規定に従って作成されたいかなる正確なコピーも、その元になったコピーと共に、当該プログラムに対するすべての権利の貸与、販売その他の移転の一部としてのみ、これを貸与し、販売しその他移転することができる。同様に作成された翻案物は、著作権者の許諾がある場合にのみ移転することができる。

    (c) 機械の保守または修理-第106条の規定にかかわらず、機械の所有者または借主がコンピュータ・プログラムのコピーを作成しまたは作成させることは、当該機械の保守または修理のみを目的とし、当該コンピュータ・プログラムの適法なコピーを合法的に含む機械の作動によってのみ作成される場合であって、かつ、以下の条件をすべて満たす場合には、侵害とはならない。

      (1) 新たなコピーが他のいかなる方法でも使用されず、かつ、保守または修理の完了後直ちに廃棄されること。

      (2) 当該機械が作動するために必要でないコンピュータ・プログラムまたはその一部に関しては、当該プログラムまたはその一部が、当該機械の作動によって新たなコピーを作成する以外にアクセスされまたは使用されないこと。

    (d) 定義 -本条において-

      (1) 機械の「保守」とは、当初の仕様および当該機械につき元の仕様および許諾を受けた仕様変更に従って機械を機能させるために調整することをいう。

      (2) 機械の「修理」とは、当初の仕様および当該機械につき元の仕様および許諾を受けた仕様変更に従って機械の機能を復元することをいう。


    第118条 排他的権利の範囲:非商業的放送に関する一定の著作物の使用

    (a) 第106条に規定する排他的権利は、本条第(b)項定める著作物および第(d)項に定める行為につき、本条に定める条件および制限に服する。

    (b) 反トラスト法の規定にかかわらず、既発行の非演劇的音楽著作物ならびに既発行の絵画、図形および彫刻の著作物の著作権者、ならびに公共放送事業者は、それぞれ、使用料支払の条件および料率ならびに著作権者間での使用料の比例配分について交渉し合意することができ、また、支払について交渉し、合意し、支払を行いまたは受けるための共通の代理人を指名することができる。

      (1) 本項に定める著作物の著作権者または公共放送事業者は、著作権使用料審判官に対し、当該著作物を対象とする使用許諾案を提出することができる。

      (2) 一または複数の著作権者および一または複数の公共放送事業者が任意に交渉した使用許諾契約は、連邦議会図書館長または著作権使用料審判官の決定に代わる効力を有する。ただし、当該契約の写しは、著作権使用料審判官が制定する規則に従い、締結後30日以内に著作権使用料審判官に提出されなければならない。

      (3) 公共放送事業者が、本項に定める著作物の著作権者に対して支払う使用料の条件および料率ならびに支払われた使用料の著作権者間での分配を決定するために、第804(a)条に基づいて提出された申立書に従って開始された任意的交渉手続は、申立書が提出された年の翌年1月1日から5年間を対象にしなければならない。各手続の当事者は、それぞれ自己の費用を負担する。

      (4) 第(2)節または第(3)節に基づき交渉された使用許諾契約がない場合、著作権使用料審判官は、第8章に従って使用料率および条件を定める手続を行い、連邦官報にその一覧を公告しなければならない。かかる使用料率および条件は、第(2)節を条件として、著作権者が著作権使用料審判官に対して使用許諾案を提出したか否かにかかわらず、本項に定めるすべての著作権者および公共放送事業者を拘束する。上記使用料率および条件を定めるにあたって、著作権使用料審判官は、比較可能な状況について、第(2)節または第(3)節に従って交渉された任意的使用許諾契約に基づく使用料率を考慮することができる。著作権使用料審判官はまた、著作権者が本条に基づく著作物の使用の適切な通知を受領し、また、公共放送事業者がかかる使用の記録を保存するための要件を定めなければならない。

    (c) 第(b)項(2)または(3)により交渉された任意的使用許諾契約の規定を条件として、公共放送事業者は、本条の規定 (第(b)項(4)に基づき著作権使用料審判官が定める料率および条件を含む)に従うことにより、既発行の非演劇的音楽著作物ならびに既発行の絵画、図形および彫刻の著作物に関して以下の行為を行うことができる。

      (1) 第(f)項にいう非商業的教育放送局が行う送信によるまたはその過程における著作物の実演または展示。

      (2) 第(1)節に定める送信のみを目的として非営利的団体が行う、送信番組の制作、当該送信番組のコピーまたはレコードの複製、および当該コピーまたはレコードの頒布。

      (3) 政府機関または非営利的団体が第(1)節に定める送信と同時に行う送信番組の複製の作成、および、第110条(1)に定める条件に基づく当該番組の内容の実演または展示。ただし、複製が実演または展示のために第(1)節に定める送信の日から7日以下に限って使用され、当該期間の終了以前に廃棄される場合に限る。本節に基づき、第(2)節に従って送信番組の複製を政府機関または非営利的団体に提供する者は、当該機関または団体が当該複製を廃棄しなかったことによる責任を負わない。ただし、当該機関または団体に対して、本節に従い廃棄しなければならないことを通知しなければならない。また、当該機関または団体が複製を廃棄しなかった場合、侵害を行ったものとみなす。

    (d) 本項に明示的に定める場合を除き、本条は第(b)項に定める著作物以外には適用されない。非演劇的言語著作物の著作権者および公共放送事業者は、任意の交渉の過程において、反トラスト法に基づく責任を負うことなく、使用料支払の条件および料率について合意することができる。かかる使用料支払の条件および料率は、著作権使用料審判官が第803条(b)(6)に定める規則に従って著作権使用料審判官に提出されたときに、発効する。

    (e) 本条のいかなる規定も、非演劇的音楽著作物を権限なく脚色し、既発行の絵画、図形もしくは彫刻の著作物の編集物に広範に依拠して送信番組を制作し、または視聴覚著作物の何らかの部分を権限なく使用することを、第107条に規定するフェア・ユースによる制限の他に認めるものと解釈されてはならない。

    (f) 本条において、「公共放送事業者」とは、第47編第397条に定義する非商業的教育放送局および第(c)項(2)に定める活動を行う非営利的団体をいう。


    第119条 排他的権利の制限:衛星による遠隔テレビ番組の二次送信

    (a) 衛星通信事業者による二次送信-

      (1) 非ネットワーク局-本項第(4)節、第(5)節および第(7)節ならびに第114条(d)の規定を条件として、非ネットワーク局による一次送信に収録された著作物の実演または展示の二次送信は、衛星通信事業者が私的家庭内視聴のためまたは商業施設にて視聴するために公衆に対して二次送信を行い、二次送信に関して衛星通信事業者がテレビ放送局信号の送信を規制する連邦通信委員会の準則、規則または許可条件に従っており、かつ、当該通信事業者が二次送信を受信する各加入者または私的家庭内視聴のためもしくは商業施設にて視聴するために公衆に対して行う二次送信の直接または間接の配信のために当該通信事業者と契約した配信事業者に対し、各再送信サービスにつき直接または間接の料金を課する場合、本条に基づく法定使用許諾に服する。

      (2) ネットワーク局-

        (A) 総則-本節第(B)号、本項第(4)節、第(5)節、第(6)節および第(7)節、ならびに第114条(d)の規定を条件として、ネットワーク局による一次送信に収録された著作物の実演または展示の二次送信は、衛星通信事業者が私的家庭内視聴のために公衆に対して二次送信を行い、二次送信に関して衛星通信事業者がテレビ放送局信号の送信を規制する連邦通信委員会の準則、規則または許可条件に従っており、当該通信事業者が二次送信を受信する各加入者に対して当該再送信サービスにつき直接または間接の料金を課し、かつ、当該通信事業者がすべてのDMAに対するローカル内ローカルサービスを提供する場合には、本条に基づく法定使用許諾の対象となる。放送局信号を再送信することについてネットワーク局と合意に至ることができないことは、衛星通信事業者が合意あれば当該信号を再送信する能力を備えている場合には、すべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供する義務の遵守に影響を与えると解釈されてはならない。

        (B) 非受信世帯に対する二次送信-

          (i) 総則-第(A)号に定める法定使用許諾は、非受信世帯に居住する者に対する、各テレビネットワークにつき一日にネットワーク局2局以内の信号を二次送信することに限定される。

          (ii) 欠乏市場-第(i)段を条件として、欠乏市場に所在する世帯に対する二次送信の場合、法定使用許諾は、さらに、当該市場においてネットワーク局が送信するプライマリー・ストリームまたはマルチキャスト・ストリームで提供されないネットワークの番組を収録するネットワーク局の一次送信のみを、二次送信することに限定される。

        (C) ネットワークに対する加入者名簿の提出-

          (i) 最初の名簿-第(A)号に従ってネットワーク局の一次送信を二次送信する衛星通信事業者は、当該二次送信を開始してから90日経過以内に、当該ネットワーク局を所有するまたはその系列にあるネットワークに対して、衛星通信事業者が非受信世帯の加入者に対して当該一次送信の二次送信を行っているすべての加入者を記載した名簿(その氏名ならびにストリート・ナンバー、市、州および9桁のZIPコードを含む住所にて特定)を提出しなければならない。

          (ii) 毎月の名簿-第(i)段の規定に基づいて最初の名簿を提出した後、衛星通信事業者は、ネットワークに対して毎月15日までに、特定市場地域について集約されたものであって、本号の規定に基づいて前回の名簿を提出した以降に第(i)段に基づいて新たに加入しまたは脱退した加入者の名簿(その氏名ならびにストリート・ナンバー、市、州および9桁のZIPコードを含む住所にて特定)を提出しなければならない。

          (iii) 加入者情報の使用-本号に基づき衛星通信事業者が提出した加入者情報は、当該衛星通信事業者が本項を遵守しているか否かを監視する目的にのみ使用することができる。

          (iv) 適用-本号の提出要件は、当該提出を受けるネットワークが当該提出を受ける者の氏名および住所を明記した書面を著作権局長に届け出る場合にのみ、衛星通信事業者に適用する。著作権局長は、すべてのかかる書面のファイルを、公の閲覧に供するために保存しなければならない。

      (3) 報告義務および支払義務の違反-第(1)節および第(2)節の規定にかかわらず、衛星通信事業者が第(b)項が要求する明細書および使用料を納付しなかった場合または第(2)節(C)が要求するネットワークに対する提出を怠った場合には、非ネットワーク局およびネットワーク局による一次送信の二次送信であって、著作物の実演または展示を収録した二次送信を公衆に対して故意にまたは反復して行われた二次送信は、第501条に基づき侵害行為として訴訟の対象となり、また第502条ないし第506条に定める救済に全面的に服する。

      (4) 故意の改変-第(1)節および第(2)節の規定にかかわらず、衛星通信事業者が、非ネットワーク局またはネットワーク局による一次送信に収録された著作物の実演または展示の公衆に対する二次送信を行う場合において、実演もしくは展示が収録される特定の番組の内容または一次送信事業者が当該番組の送信の中、直前もしくは直後に送信した商業広告もしくは局の告知が、衛星通信事業者によって変更、削除または追加により故意に改変され、あるいは他の放送信号のプログラミングと併合されたときは、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、また、第502条ないし第 506条および第510条に規定する救済に全面的に服する。

      (5) ネットワーク局の法定使用許諾に対する地域的制限の違反-

        (A) 個々の違反-衛星通信事業者が、ネットワーク局による著作物の実演または展示を収録した一次送信の二次送信を、本条に基づいて送信を受ける資格を持たない加入者に対して故意にまたは反復して行う場合には、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、また、第502条ないし第506条に規定する救済に全面的に服する。ただし-

          (i) 衛星通信事業者が受信資格のない加入者に対するサービスを直ちに停止することにより是正措置をとった場合、損害賠償は認められない。また、

          (ii) 法定損害賠償金は、上記の加入者に関する違反があった各月につき250ドルを超えてはならない。

        (B) 常習的違反-衛星通信事業者が、ネットワーク局による著作物の実演または展示を収録した一次送信の二次送信を、本条に基づいて送信を受ける資格を持たない加入者に対して故意にまたは反復して常習的に行う場合には、第(A)号に定める救済に加え、以下の救済が認められる。

          (i) 常習的違反が実質的に全国的規模で行われる場合、裁判所は、衛星通信事業者が私的家庭内視聴のために行う同一のネットワークに所属する一次ネットワーク局の一次送信の二次送信の終局的差止を命じなければならない。また、裁判所は、常習的違反が行われた各3ヶ月間について2,500,000ドルを超えない法定損害賠償を命じることができる。また、

          (ii) 常習的違反が地域的または地方的規模で行われる場合、裁判所は、衛星通信事業者が当該地域または地方における私的家庭内視聴のために行う同一のネットワークに所属する一次ネットワーク局の一次送信の二次送信の終局的差止を命じなければならない。また、裁判所は、常習的違反が行われた各6ヶ月間について2,500,000ドルを超えない法定損害賠償を命じることができる。裁判所は、第(i)段に基づいて命ぜられた法定賠償額の半分を、第(b)項に従って著作権者に分配するために著作権局長に預託すべきことを命じなければならない。著作権使用料審判官は、法定賠償の対象となった二次送信に含まれていた著作物の著作権者に対して、上記金銭を応分割合にて分配するための手続を定める規則を公布しなければならない。

        (C) 元加入者の除外-第(A)号および第(B)号は、衛星通信事業者が1988年11月16日よりも前に衛星通信事業者または配信事業者から二次送信を受信するために加入していた者に対して二次送信を行う場合には適用されない。

        (D) 立証責任-本節に基づき提起された訴訟においては、衛星通信事業者が、ネットワーク局が行った一次送信の二次送信が本条に基づいて二次送信を受ける資格を有する者に対するものであったことを証明する責任を負う。

      (6) 衛星通信事業者による差別-第(1)節の規定にかかわらず、衛星通信事業者が非ネットワーク局またはネットワーク局による一次送信に収録された著作物の実演または展示の二次送信を公衆に対して故意にまたは反復して行う場合に、当該衛星通信事業者が配信事業者に対して不当な差別を行うときは、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、また、第502条ないし第506条に規定する救済に全面的に服する。

      (7) 二次送信の地理的制限-本条が定める法定使用許諾は、合衆国内に所在する世帯に対する二次送信にのみ適用される。

      (8) レジャー用車輌および商業用トラックに対するサービス-

        (A) 免責-

          (i) 総則-本項において、第(ii)段および第(iii)段に従い、「非受信世帯」には以下を含む。

            (I) 連邦規則集第24編第3282.8条に基づく住宅・都市開発長官規則に定義するレジャー用車輌、および

            (II) 連邦規則集第49編第383.5条に基づく運輸長官規則において、商業用車輌にあたる商業用トラック。

          (ii) 制限-第(i)段は、レジャー用車輌または商業用トラックの運転手に対してネットワーク局の二次送信を行おう とする衛星通信事業者が、第(B)号および第(C)号に基づく書類提出要件に従う場合のレジャー用車輌または商業用トラックにのみ適用する。

          (iii) 除外-本号において、「レジャー用車輌」および「商業用トラック」の語は、移動住宅その他を問わず、固定の住居を含まない。

        (B) 文書提出の要件-レジャー用車輌または商業用トラックは、衛星通信事業者がレジャー用車輌または商業用トラックに対して二次送信を行おうとするネットワーク局を保有しまたはこれと提携するネットワークに対して以下の文書を提出してから10日後から、非受信世帯とみなされる。

          (i) 誓約書-衛星用アンテナがレジャー用車輌または商業用トラックに恒久的に固定されており、固定の住居にて衛星番組を受信するために使用されるものでないことを誓約する、当該レジャー用車輌または商業用トラックの運転手が署名した誓約書。

          (ii) 登録証明書-レジャー用車輌の場合には、当該レジャー用車輌の現在効力を有する州車輌登録証明書の写し1部。

          (iii) 登録証明書および免許証-商業用トラックの場合には、以下のそれぞれの写し1部。

            (I) 当該トラックの現在効力を有する州車輌登録証明書。

            (II) 連邦規則集第49編第383条に基づく運輸長官規則に定義する、当該運転手に発行された現在効力を有する商業用運転免許証の写し。

        (C) 文書更新の要件-衛星通信事業者が2年間を超える期間レジャー用車輌または商業用トラックに対して二次送信を行おうとする場合には、当該事業者は、各ネットワークの求めがあれば、第(B)号に定める更新された文書を、当該2年間が終了する前の90日間に提出しなければならない。

      (9) FCC規則の遵守を条件とする法定使用許諾および救済手続-本条の他の規定にかかわらず、衛星通信事業者が、連邦通信委員会の免許を受けた放送局による著作物の実演または展示を収録した一次送信の二次送信を、公に故意にまたは反復して行う場合に、かかる送信の時に、当該衛星通信事業者がテレビ放送局信号の送信に関する連邦通信委員会の準則、規則および許可に従っていない場合には、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、また、第502条ないし第 506条に規定する救済に全面的に服する。

      (10) 一定の市場に送る州外遠隔ネットワーク信号の制限的送信

        (A) 州外ネットワーク関連事業者-本編の他の規定にかかわらず、本項および第(b)項における法定使用許諾は、第 122条に従って衛星通信事業者がアラスカ州に所在するテレビ局の一次送信の二次送信を利用可能にする対象となる加入者に対して、アラスカ州外に所在するネットワーク局の一次送信を、二次送信する行為には適用されない。

        (B) 例外-第(A)号における制限は、二次送信が行われる時点において、州のあるコミュニティについて免許を受け同一ネットワーク系列のテレビ局がデジタル信号の一次送信を行わない場合には、アラスカ州外に所在するネットワーク局のデジタル信号の一次送信を二次送信する行為には、適用されない。

    (b) 明細書および料金の納付、確認の手続-

      (1) 著作権局長に対する納付-第(a)項に基づき法定使用許諾の対象となる二次送信を行う衛星通信事業者は、著作権局長が規則により定める要件に従って、著作権局長に対して以下のものを半年毎に納付しなければならない。

        (A) 直前の6ヶ月間に関する収支明細書で、当該期間中に第(a)項(1)および第(a)項(2)に定めるとおり加入者に対してその信号が再送信された非ネットワーク局およびネットワーク局すべての名称および所在地、当該再送信を受信した加入者の総数、ならびに著作権局長が随時規則により定めるその他の情報を記載したもの。

        (B) 各月に各非ネットワーク局またはネットワーク局のプライマリー・ストリームまたはマルチキャスト・ストリームの各二次送信を受信した加入者の総数に、本項に基づいて有効な然るべき料率を乗じた計算方法で算出された、第(4)節に従い著作権者に支払われるべき上記6ヶ月間にかかる使用料。また、

        (C) 第708条(a)に従い著作権局長が決定する申請料。

      (2) 収支明細書の確認および料金の支払-著作権局長は、本項に基づき衛星通信事業者が提出する収支明細書および使用料について、利害関係者が確認および監査できるようにするために、規則を公布しなければならない。

      (3) 料金の投資-著作権局長は、本条に基づき納付されたすべての料金(第(1)節(c)に指定する申請料を含む)を受領し、本条に基づき著作権局が負担した相当な費用(第(4)節に基づき差し引かれる費用を除く)を差し引いた後に、残額を財務長官が指示する方法で合衆国財務省に納付しなければならない。財務長官が保管するすべての資金は、本編に定めるとおり連邦議会図書館長が将来利息と共に分配するために、利息を生じる合衆国債券に投資されるものとする。

      (4) 料金の分配を受ける者-第(3)節に基づき納付された使用料は、第(5)節に規定する手続に従い、衛星通信事業者が当該6ヶ月間に行った二次送信に収録された著作物の著作権者であって、第(5)節に基づき著作権使用料審判官に請求を提出した者に分配される。

      (5) 分配の手続-第(3)節に基づき納付された使用料は、以下の手続に従って分配される。

        (A) 使用料請求の提出-二次送信にかかる法定使用許諾料を受けることができると主張する者は、毎年7月に、著作権使用料審判官が規則により定める要件に従って、著作権使用料審判官に対して請求書を提出しなければならない。本節において、請求者は、法定使用許諾料を比例配分することについて相互に合意し、請求を一括して共同のもしくは単独の請求として提出し、または請求者のために支払を受ける共通の代理人を指名することができる。

        (B) 争いの有無の判断;分配-毎年8月1日の後、著作権使用料審判官は、使用料の分配について争いがあるか否かを定めなければならない。かかる争いがないと判断した場合、著作権使用料審判官は、本条に基づく相当な経費を差し引いた後、使用料を受けることができる著作権者またはその者が指名した代理人に対して使用料を分配する権限を、連邦議会図書館長に与える。かかる争いがあると判断した場合、著作権使用料審判官は、本編第8章に基づき、使用料の分配を決定するための手続を行う。

        (C) 紛争中における使用料の留保-著作権使用料審判官は、本項に基づく手続の係属中、争いの対象とならない金額を分配する権限を、連邦議会図書館長に与える裁量権を有する。

    (c) 使用料の調整

      (1) 信号についての使用料の適用および決定

        (A) 最初の使用料-ネットワーク局および非ネットワーク局の一次送信の二次送信に対する第(b)項(1)(B)に基づく使用料を決定する目的において適切な使用料は、本節に基づいて修正されたとおり2009年7月1日現在において効力を有する連邦規則集第37編第258部に定める適切な使用料でなければならない。

        (B) 任意的交渉により決定される使用料-2010年6月1日以前に、著作権使用料審判官は、第(b)項(1)(B)に基づきネットワーク局および非ネットワーク局の一次送信の二次送信用について衛星通信事業者が支払うべき使用料を決定するための任意的交渉手続開始を、連邦官報に公告させなければならない。

        (C) 交渉-衛星通信事業者、配信事業者および本条に基づき使用料を受けることのできる著作権者は、使用料の支払にかかる任意の合意に達するために、誠実に交渉を行わなければならない。衛星通信事業者、配信事業者および著作権者はいつでも、使用料について交渉し合意することができ、また、かかる使用料について交渉し、合意しまたは支払を行う共通の代理人を指名することができる。当事者らが共通の代理人を指名しなかった場合、著作権使用料審判官が交渉手続の当事者の推薦を求めた後にこれを指名する。各交渉手続の全費用は当事者らが負担する。

        (D) 当事者に対する合意の拘束、契約書の提出;公示-

          (i) 任意の契約、提出-本節に基づき交渉された任意の契約は、当事者たるすべての衛星通信事業者、配信事業者および著作権者を拘束する。かかる契約書の写しは、著作権局長が定める規則に従い、締結後30日以内に著作権局に提出されなければならない。

          (ii) 使用料の採用に関する手続-

          (I) 通知の公告-任意的交渉手続開始の通知を連邦官報に公告した後10日以内に、任意の合意に達した当事者は、第(F)号に従う手続を開かずに、かかる合意の中の使用料がすべての衛星通信事業者、配信事業者および著作権者に対して適用されるよう請求することができる。

            (II) 使用料の公示-第(I)文に基づく請求を受領した場合、著作権使用料審判官は、任意に合意された使用料を直ちに公示し、当事者にかかる使用料に対して異議を申し立てる機会を与えなければならない。

            (III) 使用料の採用-第(II)文に基づいて第(F)号に基づく手続に参加する意思がありかつかかる手続の結果に重大な利害関係を持つ当事者が異議を申し立てない限り、著作権使用料審判官は、第(F)項に基づく手続を開かずに、すべての衛星通信事業者、配信事業者および著作権者に対して、任意に合意された使用料を採用しなければならない。

        (E) 合意の有効期間-本節に従って著作権使用料審判官に提出された任意の契約が定める使用料を支払う義務は、当該契約に掲げる日に効力を生じ、2019年12月31日または当該契約の条件に従う日のいずれか遅い日まで、使用料を支払うべき加入者がもはや本条に基づく使用許諾に従って二次送信を受ける資格を失うまでは当該契約の条件に従って、効力を有する。

        (F) 著作権使用料審判官の手続により決定される使用料-

          (i) 手続開始の通知-以下の場合には、2010年9月1日以前に、著作権使用料審判官は、第(b)項(1)(B)に基づきネットワーク局および非ネットワーク局の一次送信の二次送信について衛星通信事業者および配信事業者が支払うべき使用料を決定するための手続開始を、連邦官報に公告させなければならない。

            (I) すべての衛星通信事業者および配信事業者が支払うべき使用料を設定する、第(D)号に従って提出された任意の合意がない場合、または

            (II) 著作権使用料審判官がすべての衛星通信事業者、配信事業者および著作権者に適用する任意に合意された使用料を採用することを目的として提出された任意に合意された使用料に対する異議が、手続に参加する意思がありかつかかる手続の結果に重大な利害関係を持つ当事者から第(D)号に基づいて申し立てられた場合。かかる手続は、第8章に基づいて行われる。

          (ii) 使用料の設定-本号に基づき使用料を決定するにあたって、著作権使用料審判官は、二次送信の公正な市場価値を最も明確に表す価格を、ネットワーク局および非ネットワーク局の一次送信の二次送信に対する使用料として定めなければならない。ただし、著作権使用料審判官は、第(D)号に従って著作権使用料審判官に提出された適用のある任意の合意に基づく当事者の支払義務を果たすよう使用料を設定しなければならない。公正な市場価値を決定するにあたっては、審判官は、以下を含む、当事者が提供する経済上、競争上および番組上の情報を基に決定を行うものとする。

            (I) 当該番組が配信される競争環境、同様の私的および強制使用許諾市場における同様の信号の費用、ならびに再送信市場にかかる特別の特徴および条件。

            (II) 当該使用料が著作権者および衛星通信事業者に及ぼす経済的影響。また、

            (III) 二次送信を引き続き公衆に提供することへの影響。

          (iii) 著作権使用料審判官の決定の有効日-本節に基づく手続にて著作権使用料審判官が下した決定に従い設定された使用料を支払う義務は、2010年1月1日に効力を生じる。

          (iv) 使用料の対象者-第(iii)段にいう使用料は、第(D)号に基づいて著作権局に提出された任意の契約の当事者でないすべての衛星通信事業者、配信事業者および著作権者を拘束する。

      (2) 年に一度の使用料の調整-毎年1月1日時点において、ネットワーク局および非ネットワーク局の一次送信の二次送信に対して第(b)項(1)(B)に基づき支払われるべき使用料は、前年の12月1日よりも前に労働省が公告した最新の消費者物価指数(すべての消費者および物品が対象)によって決定される生活費用について生じた変化を反映するよう、著作権使用料審判官によって調整されるものとする。調整された使用料の通知は、少なくとも1月1日の25日前までに連邦官報に公告されるものとする。

    (d) 定義-本条において-

      (1) 配信事業者-「配信事業者」とは、衛星通信事業者からの二次送信を配信し、単独のチャンネルまたは他の番組とのパッケージの形で、本条の規定に従って、直接個々の加入者に対し、または間接的に他の番組配信事業者を通じて二次送信を提供するために契約を行う事業者をいう。

      (2) ネットワーク局-「ネットワーク局」とは、以下のいずれかをいう。

        (A) 連邦通信委員会から免許を受けており、ネットワーク局が放送した番組を全部またはほぼ全部再放送するテレビ局 (中継局または地上衛星局を含む)であって、10以上の州において最低25の提携テレビ局に対して週15時間以上相互番組サービスを定期的に行う一以上の合衆国内のテレビネットワークが保有し、運営し、またはこれと関連するもの、あるいは

        (B) 非商業的教育放送局(1934年通信法第397条に定義する)。

      (3) 一次ネットワーク局-「一次ネットワーク局」とは、特定の全国ネットワークの基本番組サービスを放送しまたは再放送するネットワーク局をいう。

      (4) 一次送信-「一次送信」とは、本編第111条(f)が付与する意味を有する。

      (5) 私的家庭内視聴-「私的家庭内視聴」とは、連邦通信委員会の免許を受けたテレビ局の一次送信を送信する衛星通信事業者の二次送信を、一の世帯の個人が操作し当該世帯のみが使用する衛星受信機器を用いて当該家庭における私的使用のために視聴することをいう。

      (6) 衛星通信事業者-「衛星通信事業者」とは、連邦通信委員会の免許を受けた衛星または衛星サービスの施設を使用し、連邦規則集第47編第25部に基づく静止衛星サービスまたは連邦規則集第47編第100部に基づく直接放送衛星サービスの中で運営する事業者であって、本条に基づく私的家庭内視聴以外を目的として、テレビ局信号のPTM (point-to-multipoint)配信のために通信チャンネルを設置し運営し、PTM配信を提供するために衛星のキャパシティまたはサービスを保有しまたは賃借するもの(本条に従った私的家庭内視聴を除き、当該事業者が1934年通信法に基づく関税に従って当該配信を行う場合を除く)をいう。

      (7) 二次送信-「二次送信」とは、本編第111条(f)に規定する意味を有する。

      (8) 加入者、加入-

        (A) 加入者-「加入者」とは、衛星通信事業者から二次送信サービスを受け、衛星通信事業者または配信事業者に直接的または間接的にサービス料を支払う者または事業者をいう。

        (B) 加入-「加入」とは、加入者になることを選択することをいう。

      (9) 非ネットワーク局-「非ネットワーク局」とは、 ネットワーク局を除く連邦通信委員会の免許を受けたテレビ放送局であって、衛星通信事業者によって二次送信されるものをいう。

      (10) 非受信世帯-特定のテレビネットワークについて「非受信世帯」とは、以下のいずれかに該当する世帯をいう。

        (A) 第(a)項(8)の適用を受ける加入者である世帯、または

        (B) 欠乏市場に所在する加入者。

      (11) ローカル市場-「ローカル市場」とは、第122条(j)に基づいて付与されている意味を有する。

      (12) 商業施設-「商業施設」とは、

        (A) バー、レストラン、事務所、フィットネス・クラブ、オイル・リグ、小売店、銀行もしくはその他金融機関、スーパーマーケット、自動車もしくはボートの販売代理店、またはその他共通のビジネス分野の施設など、商業目的で利用される施設であり、

        (B) ホテル、寄宿舎、病院、アパートメント、コンドミニアムまたは刑務所など、私的家庭内視聴が可能な恒久的または一時的な複合居住施設を含まない。

      (13) マルチキャスト・ストリーム-「マルチキャスト・ストリーム」とは、テレビ放送局と提携する番組および番組関連資料を含むデジタル・ストリームであって、プライマリー・ストリーム以外のものをいう。

      (14) プライマリー・ストリーム-「プライマリー・ストリーム」とは-

        (A) 2009年7月1日現在有効な連邦通信委員会の規則に基づき、テレビ放送局が衛星通信事業者と共に強制送信の権利を保有する番組の単一のデジタル・ストリーム、または

        (B) 第(A)項に定めるストリームがない場合には、以下のいずれかをいう-

          (i) アナログ信号としてテレビ局から最後に送信されたネットワークに関連する番組の単一のデジタル・ストリーム、もしくは

          (ii) 第(i)段に定めるストリームがない場合には、2009年7月1日の時点において、テレビ放送局により最も長い間提供されたネットワークが提携する番組の単一のデジタル・ストリーム。

      (15) すべてのDMAに対するローカル内ローカルサービス-「すべてのDMAに対するローカル内ローカルサービス」とは、第(f)項(7)においてこれに与えられている意味を有する。

      (16) 欠乏市場-「欠乏市場」とは、全国規模で広く視聴される4大テレビネットワークの番組が、当該市場におけるネットワーク局が送信するプライマリー・ストリームでもマルチキャスト・ストリームでも提供されないか、通信事業者の支配を越えた不可抗力の結果として一時的もしくは永続的に利用可能でないようなローカル市場を意味する。

    (e) ローカル市場に衛星二次送信を提供するための司法省による任意な合意の早急な検討-

      (1) 総則-いかなる衛星通信事業者も、二次送信を第122条(j)(2)に定義するローカル市場に所在する加入者に対して、連邦通信委員会の免許を受けた一以上のテレビ放送局の一次送信に関しての当該地域に利用可能にせず、かつ、二以上の衛星通信事業者が、当該ローカル市場にかかる二次送信を提供する協定を作成または遂行する商業行為案が反トラスト法上適法であるか否かを判断するために、連邦規則集第28編第50.6条(2004年7月7日に効力を有する)に従って事業審査書を請求する場合、司法省の然るべき公務員は、当該請求を受けた後90日以内に当該請求に対して回答しなければならない。

      (2) 定義-本項において、「反トラスト法」とは、

        (A) クレイトン法第1条(a)(合衆国法典第15編第12条(a))において付与されている意味を有するが、連邦通商委員会法第5条(合衆国法典第15編第45条)が不公正な競争方法に適用する範囲においてかかる第5条を含むものとし、また

        (B) 第(1)節にいう法律に類する州法を含む。

    (f) すべてのDMAにローカル内ローカルサービスを提供する提供者に対して与えられる特定の取消-

      (1) 差止命令の取消-本項の制定日よりも前に、第(a)項(7)(B)に基づき差止命令を出した裁判所は、差止命令が出されている通信事業者を適格通信事業者であると認定する場合には、当該差止命令を取り消さなければならない。

      (2) 制限付の暫定的な取消-

        (A) 総則-本項の制定日よりも前に第(a)項(7)(B)に基づき衛星通信事業者に差止命令を出した裁判所は、当該衛星通信事業者の要求があった場合、当該衛星通信事業者が2009年12月31日の時点において第122条に基づく使用許諾に従ってローカルサービスを提供していなかった不足市場に所在する非受信世帯に対して、当該衛星通信事業者がネットワーク局の一次送信を二次送信することを許されるのに必要な範囲において、第(a)項(2)に基づき与えられた法定使用許諾に関して当該差止を取り消さなければならない。

        (B) 暫定的な取消の満了-第(A)号に基づく差止の暫定的な取消は、暫定的な取消を行う裁判所が正当な事由に基づいてこれを延長する場合を除き、かかる暫定的な取消が発令された日から120日間の経過により満了する。

        (C) すべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供しなかった場合‐

          (i) 合理的かつ誠実に行動しなかった場合-第(A)号に基づき暫定的な取消を発令する裁判所が、かかる取消を求めた衛星通信事業者がすべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供するための合理的な行動をせずまたは誠実な努力をしなかったと判断する場合、かかる懈怠行為は-

            (I) 第501条に基づき、侵害行為として提訴されることが可能であり、裁判所は、その裁量にて、第502条ないし第506条および本条第(a)項(6)(B)に定める救済を課すことができ、また

            (Ⅱ) 第(A)号に基づき発令された取消を終了させる。

          (ii) ローカル内ローカルサービスを提供しなかった場合-第(A)号に基づき暫定的な取消を発令する裁判所が、かかる取消を求めた衛星通信事業者がすべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供しなかったが、合理的かつ誠実に行動したと判断する場合、当該裁判所は、その裁量にて、以下を考慮した罰金を課すことができる-

            (I) 懈怠の原因となる状況に対する当該通信事業者の支配度、

            (Ⅱ) 懈怠の治癒に対する当該通信事業者の努力の質、ならびに

            (Ⅲ) サービス中断の程度および期間。

        (D) 一つの暫定的な取消が可能である-事業者は、本節に基づき一つの暫定的な取消のみを受けることができる。

        (E) 不足市場の定義-本節において、「不足市場」とは、本項の制定日の測定において、全国で最も幅広く見られた4つのテレビネットワーク局の一以上の番組が、ローカルテレビ放送局により送信される一次送信において提供されないローカル市場をいう。

      (3) 適格通信事業者の認定方法-

        (A) 適格性に関する声明書-本項に基づき適格通信事業者として認定されることを求める通信事業者は、差止命令を出した裁判所に適格性に関する声明書を提出しなければならない。適格性に関する声明書は、以下を含まなければならない-

          (i) すべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供する事業者であるということの宣誓供述書、

          (ii) 差止の取消を求める申立書、

          (iii) 連邦民事訴訟規則第53条に基づき裁判所が特別補助裁判官を任命するということを求める申立書、

          (iv) 第(4)節(B)(ii)に基づき特別補助裁判官に発生したすべての費用を通信事業者が支払うことについての同意書、および

          (v) 1934年通信法第342条(a)に従って発行された証明書。

        (B) 適格通信事業者としての認定の付与-裁判所は、適格性の声明書を受領した場合、事業者を、適格通信事業者として認定し、第(1)節に基づく取消を発令しなければならない。第(A)号(iii)に基づく申立を受けた場合には、裁判所は、審査を行うために特別補助裁判官を任命し、第(4)節(B)に規定する報告書を裁判所に提出させなければならない。

        (C) 任意の終了-適格通信事業者は、今後適格通信事業者として認定されることを希望しないことを証明する任意の終了の声明書を、いつでも裁判所に提出することができる。裁判所は、かかる声明書を受領した場合、第(1)節に基づき取消した差止を復活させなければならない。

        (D) 認定の喪失による将来の認定禁止-かつて適格通信事業者として認定されていたが、その後当該認定を喪失しまたは第(C)号に基づき任意に認定を終了した通信事業者は、適格通信事業者として認定されてはならない。

      (4) 適格通信事業者の義務および義務の遵守-

        (A) 継続する義務-

          (i) 総則-適格通信事業者として認定された事業者は、すべてのDMAに対してローカル内ローカルのサービスを継続して提供しなければならない。

          (ii) 遵守審査への協力-適格通信事業者として認定された事業者は、第(B)号に規定する審査において、第(3)節(B)に基づき裁判所が任命した特別補助裁判官に全面的に協力しなければならない。

        (B) 適格通信事業者の遵守審査-

          (i) 審査および報告書-第(3)節(B)に基づき裁判所が任命した特別補助裁判官は、本条に基づく使用許諾について、適格通信事業者による使用料の支払および世帯の資格要件の遵守を審査し、その報告書を提出しなければならない。報告書には、適格通信事業者が第(3)節(B)に基づき適格通信事業者として認定された日から2012年4月30日までの期間の適格通信事業者の行動を記載しなければならない。

          (ii) 適格通信事業者の記録-適格通信事業者は、第(3)節(B)に基づき適格通信事業者として認定された日、または遅くとも2011年12月1日から一年後の日以降、特別補助裁判官が本条に基づく以下の要件と直接関連があると考えるすべての記録を、特別補助裁判官に提出しなければならない。

            (I) 本条に基づく法定使用許諾に従った使用料の適切な計算および支払。

            (Ⅱ) 資格を有する加入者に対してのみ行う当該使用許諾に基づくサービスの提供。

          (iii) 報告書の提出-特別補助裁判官は、第(i)段にて要求される報告書を、差止を発令した第(1)節に記載の裁判所に、2012年7月24日までに提出しなければならず、また当該裁判所は、当該報告書のコピーを、著作権局長、下院の司法委員会およびエネルギー商業委員会ならびに上院の司法委員会および通商・科学・交通委員会に送付しなければならない。

          (iv) 侵害の証拠-特別補助裁判官は、その行った審査において、本条に基づき著作権者が適格通信事業者に対して勝訴可能な侵害訴訟を提起できる実質的な証拠があることを示唆したか否かの声明を、報告書に記載しなければならない。

          (v) その後の審査-特別補助裁判官が行った審査の結果が、本条に基づき著作権者が適格通信事業者に対して勝訴可能な侵害訴訟を提起できる実質的な証拠の存在を示唆する声明を、特別補助裁判官による報告書に含む場合、特別補助裁判官は、第(i)段に基づく報告書を提出してから6ヶ月以内に、第(iii)段に基づき最後に報告書を提出したとき以降、本条に基づく使用許諾について、適格通信事業者が使用料の支払および世帯資格の要件を遵守しているかを、再度審査しなければならない。特別補助裁判官は、本段に基づき行った審査の結果に関する報告書を、差止を発令した第(1)節に記載の裁判所に提出しなければならず、また当該裁判所は、当該報告書のコピーを、著作権局長、下院の司法委員会およびエネルギー商業委員会ならびに上院の司法委員会および通商・科学・交通委員会に送付しなければならない。当該報告書には、第(iv)段に記載する声明を含めなければならない。

          (vi) 義務の遵守-侵害を受けた著作権者から申立があった場合、事業者を適格通信事業者として認定した裁判所は、当該事業者が本号により要求される審査に協力しなかったということを認定する場合には、かかる認定を取り消さなければならない。

          (vii) 監視-本号に基づき特別補助裁判官が審査を行っている期間中、会計検査院長は、第(3)節に基づき適格通信事業者として認定されることを求める事業者または認定された事業者が特別補助裁判官の審査に従う度合いを監視しなければならない。適格通信事業者は、会計検査院長が本段に基づく義務を果たすために必要と考えるすべての記録および個人を会計検査院長に利用させなければならない。会計検査院長は、本段により求められる監視の結果を、かかる期間中、6ヶ月以上の間隔で下院の司法委員会およびエネルギー商業委員会ならびに上院の司法委員会および通商・科学・交通委員会に報告しなければならない。

        (C) 確認-適格通信事業者は、適格通信事業者としての立場を与えられてから30ヶ月後、その最善の知見において、適格通信事業者としての条件を満たしていることを声明した宣誓供述書を、地方裁判所および著作権局長に提出しなければならない。適格通信事業者は、裁判所、特別補助裁判官および会計検査院長が発令したすべての報告書または命令書のコピーを宣誓供述書に添付しなければならない。

        (D) 義務の遵守に関する決定-侵害を受けたテレビ放送局から申立があった場合、事業者を適格通信事業者として認定した裁判所は、当該事業者がすべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供しているかどうかについて決定することができる。

        (E) 主張要件-第(D)号に基づきなされた申立において、申立を行う当事者は、サービスが提供されていないと主張する一以上の特定市場地域(第122条(j)(2)(C)に定義されている用語のとおり)を特定し、当該特定市場地域それぞれについて、サービスが提供されていない状況の詳細を主張しなければならない。

        (F) 立証責任-第(D)号に基づく決定を行う手続において、またサービスが提供されていないとの主張がある特定市場地域に関して、適格通信事業者として認定された事業者は、主張された時間および場所において、当該事業者が良質な衛星信号のローカル内ローカルサービスを、当該特定市場地域の少なくとも90パーセントの世帯に提供したこと(アメリカ国勢調査局が公表する最新の調査に基づく)を、立証する責任を負う。

      (5) サービスを提供しなかった場合-

        (A) 制裁-事業者を適格通信事業者として認定した裁判所によって、当該事業者がすべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを故意に提供しなかったと認定された場合、当該認定は、当該事業者の適格通信事業者としての認定を喪失させ、また第(1)節に規定する取消を終了させる。さらに、裁判所は、その裁量にて、-

          (i) 第501条に基づき、故意にサービスを提供しなかったことを侵害行為として扱い、当該侵害を第502条ないし第506条および第(a)項(6)(B)に定める救済に付させることができ、また

          (ii) $250,000以上$5,000,000以下の罰金を科すことができる。

        (B) 故意でない違反に対する例外-すべてのDMAに対してローカル内ローカルサービスを提供しなかったことについて、裁判所が故意でないと判定した場合、かかる裁判所は、その裁量にて、不遵守について、以下を考慮した罰金を課すことができる-

          (i) 懈怠の起因となる状況に対する当該事業者の支配度、

          (ii) 懈怠に対する治癒およびサービスの回復への当該事業者の努力の質、ならびに

          (iii) サービス中断の程度および期間。

      (6) 使用許諾の違反に対する制裁-適格通信事業者として認定された事業者が、本条に基づき受信する資格を持たない加入者に対して、ネットワーク局による一次送信の二次送信および著作物の実演もしくは展示を収録した一次送信の二次送信を故意に行ったと、第(a)項(6)(A)に基づき認定した裁判所は、第(1)節の基づき取り消された差止を復活しなければならず、また$2,500,000以下の法定損害賠償を命ずることができる。

      (7) すべてのDMAに対するローカル内ローカルサービスの定義-本項において、

        (A) 総則-事業者が「すべてのDMAに対してローカル内ローカルサービス」を提供するとは、事業者が事業者の支配を越える不可抗力の結果として一時的または永続的にローカルサービスを提供することができない特定市場地域を除いて、第122条に基づく使用許諾に従い事業者がすべての特定市場地域(第122条(j)(2)(C)に定義されている用語のとおり)において、ローカルサービスを提供する場合をいう。

        (B) 対象となる世帯-第(A)号において、良質な衛星信号のローカル内ローカルサービスを、特定市場地域(アメリカ国勢調査局が公表する最新の調査に基づく)の少なくとも90パーセントの世帯に提供する事業者は、当該特定市場地域にローカルサービスを提供しているとみなされる。

        (C) 良質な衛星信号の定義-「良質な衛星信号」とは、1934年通信法第342条(e)(2)にて規定される意味を有する。

    第120条建築著作物に対する排他的権利の範囲

    (a) 画像表現物の許容-建造された建築著作物に対する著作権は、当該著作物を具現した建築物が公の場所に所在しまたは公の場所から通常見ることができる場合、当該著作物の図画、絵画、写真その他の画像表現物を作成し、頒布しまたは公に展示することを禁止する権利を含まない。

    (b) 建築物の改装および破壊-第106条(2)の規定にかかわらず、建築著作物を具現した建築物の所有者は、当該建築著作物の著作者または著作権者の同意なしに、かかる建築物を改装しまたはこれを許諾することができ、また、かかる建築物を破壊しまたはこれを許諾することができる。


    第121条  排他的権利の制限:視覚障害者その他の障害者のための複製

    (a) 第106条の規定にかかわらず、許諾を得た事業者が文字または記号の形式で固定された発行済みの言語著作物または発行済みの音楽著作物のコピーまたはレコードを合衆国内において複製しまたは頒布することは、有資格者のためにアクセス可能な形式でかかるコピーまたはレコードを複製しまたは頒布する場合には、著作権の侵害とならない。

    (b) (1) 本条の適用があるコピーまたはレコードは-

        (A) 有資格者のためにアクセス可能な形式以外の形式で複製されまたは頒布されてはならない。

        (B) アクセス可能な形式以外の形式でさらに複製しまたは頒布することは侵害にあたる旨の注意書を伴わなければならない。また、

        (C) 著作権者および原発行日を示す著作権表示を含まなければならない。

      (2) 本項の規定は、標準検査、限定検査または集団準拠検査および関連する検査資料、またはコンピュータ・プログラムには適用されない。ただし、通常の人間の言語(絵画著作物の説明を含む)によって記載されかつコンピュータ・プログラムを使用する通常の過程において利用者に対して展示される部分を除く。

    (c) 第106条の規定にかかわらず、小学校または中等学校にて使用する印刷指導教材の出版社が、全国指導教材アクセシビリティー標準規格(障害者教育法第674条(e)(3)に定義)を使用した印刷指導教材の内容を含む障害者教育法第612条(a)(23)(C)、第613条(a)(6)および第674条(e)に記載する電子ファイルのコピーを作成し、これを全国指導教材アクセスセンターに頒布する行為は、以下の要件を満たす場合、著作権の侵害ではない。

      (1) かかる印刷指導教材の内容を含むことが州または地域の教育機関によって要求されていること、

      (2) 出版社がかかる印刷指導教材を印刷形式にて出版する権利を有したこと、および

      (3) 当該コピーが、アクセス可能な形式の印刷指導教材の内容に複製または頒布するためにのみ使用されること。

    (d) 本条において-

      (1) 「アクセス可能な形式」とは、有資格者が第(3)節に記載する障害を持たない者と同様に著作物に現実的かつ快適にアクセス可能にするためにアクセス可能な形式のコピーまたはレコードが有資格者によって使用される場合には、当該有資格者にアクセスを可能にするいずれかの方法または形式をいう。

      (2) 「許諾を得た事業者」とは、視覚障害者その他の障害者の訓練、教育または朗読もしくは情報へのアクセスの需要に関する特殊サービスを提供することを主たる任務とする非営利的団体または政府機関を意味する。

      (3) 「有資格者」とは、他の障害の有無を問わず、以下の障害を持つ個人をいう。

        (A) 盲人、

        (B) 視覚障害または認識もしくは可読不能の者であって、当該障害または不能がない者と実質的に同等の視覚機能を与えるよう改善することが不能あって、かつ障害または不能がない者と実質的に同程度に印刷著作物を読むことができないもの、または、

        (C) 読書のために通常許容可能である程度に本を保持もしくは操作しまたは目の焦点を合わせもしくは目を動かすことができない者。

      (4) 「印刷指導教材」とは、障害者教育法第674条(e)(3)(C)に基づいて付与されている意味を有する。また、

    第121A条  排他的権利の制限:マラケシュ条約国における盲人その他障害者のための複製

    (a) 第106条および第602条にかかわらず、本条に従って行為することについて許諾を得た事業者が、文字または記号の形式で固定された発行済みの言語著作物または発行済みの音楽著作物のコピーまたはレコードをアクセス可能な形式で他の国に輸出することは、輸出先が以下のいずれかに該当する場合には、著作権の侵害ではない。

      (1) マラケシュ条約の加盟国に所在する許諾を得た事業者、または

      (2) マラケシュ条約の加盟国にいる有資格者。ただし、当該コピーまたはレコードの輸出前に、輸出を行う許諾を得た事業者が当該コピーまたはレコードが有資格者以外の者に使用されるであろうことを知らずまたは知りうる合意的理由を持っていない場合に限る。

    (b) 第106条および第602条にかかわらず、本条に従って行為することについて許諾を得た事業者もしくは有資格者または有資格者に代わって行為する者が、文字または記号の形式で固定された発行済みの言語著作物または発行済みの音楽著作物のコピーまたはレコードをアクセス可能な形式で輸入することは、著作権の侵害ではない。

    (c) 第(a)項または第(b)項に基づく行為を行う場合には、許諾を得た事業者は、具体的状況において遵守するよう、以下を行う実務慣行を定めまた実行しなければならない。

      (1) 許諾を得た事業者がサービスを提供する者が有資格者であることを証明し、

      (2) 許諾を得た事業者によるアクセス可能な形式でのコピーの頒布を有資格者および許諾を得た事業者に限定し、

      (3) 無許諾コピーの複製および頒布を抑止し、

      (4) 有資格者のプライバシーを他の者に対するのと同程度に尊重しつつ、許諾を得た事業者による著作物のコピーの取り扱いに相当な注意を払いまた記録を取り、かつ

      (5) 以下のものを公衆に利用可能にしてアクセス可能な形式のコピーの国境を越えた効率的なやりとりを可能にすること。

        (A) 許諾を得た事業者がアクセス可能なコピーまたはレコードを保有する著作物の題名および提供できる具体的なアクセス可能な形式、ならびに

        (B) 方針、実務慣行、およびアクセス可能な形式のコピーの国境を越えた効率的なやりとりに関して当該許諾を得た事業者のパートナーである許諾を得た事業者についての情報。

    (d) 本条の規定は、以下の事項を構成するものと解釈されてはならない。

      (1) 本編に基づく訴訟原因。

      (2) 連邦機関の定める規則の根拠。

    (e) 本条の規定は、本編に基づいて許されている行為を行うことを制限するものと解釈されてはならない。

    (f) 本条においては-

      (1) 「アクセス可能な形式」、「許諾を得た事業者」および「有資格者」とは、第121条においてこれらに与えられている意味を有する。

      (2) 「マラケシュ条約」とは、2013年6月28日にモロッコのマラケシュで締結された盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約をいう。

    第122条  排他的権利の制限:衛星によるローカルテレビ番組の二次送信

    (a) ローカル市場への二次送信-

      (1) ローカル市場内におけるテレビ放送局の二次送信-著作物の実演または展示を収録したテレビ放送局による一次送信を、当該局のローカル市場に二次送信することは、以下の場合には、本条に基づき法定使用許諾の対象となる。

        (A) 二次送信は、衛星通信事業者が公衆に対して行う場合。

        (B) 衛星通信事業者は、二次送信に関して、テレビ放送局信号の配信を規制する連邦通信委員会の準則、規則または許可条件を遵守する場合。また、

        (C) 衛星通信事業者が二次送信につき以下のいずれかの者から直接または間接に料金を徴収する場合。

          (i) 二次送信を受信する各加入者、または

          (ii) 二次送信を公衆に直接または間接に配信するために衛星通信事業者と契約した配信事業者。

      (2) よく観られる局-

        (A) 総則-第(1)節に基づき一次送信の二次送信を受信する加入者に対して、著作物の実演または展示を収録したテレビ放送局による一次送信を二次送信することは、ケーブル・システムに関して、あるコミュニティにおいて信号がよく観られるかどうかを決定するに当たり適用される1976年4月15日時点で有効な連邦通信委員会の準則、規則および承認に従って、当該コミュニティで当該信号がよく観られていると連邦通信委員会が決定したコミュニティ内に居住するが、ネットワーク局または非ネットワーク局のローカル市場の範囲外に居住する加入者に対して、当該ネットワーク局または非ネットワーク局の一次送信を二次送信する場合に、本節に基づき法定使用許諾の対象となる。

        (B) 取消-第(A)号に基づくネットワーク局または非ネットワーク局の一次送信の二次送信を拒否された加入者は、加入者が所在するネットワークまたは非ネットワークと同系列であってローカル市場にあるネットワーク局または非ネットワーク局に対して、加入者の衛星通信事業者を通して、要望書を提出することにより、当該拒否の取消を求めることができる。当該ネットワーク局または非ネットワーク局は、要望書を受領してから30日以内に、当該加入者の取消の要望を受諾または拒絶しなければならない。当該ネットワーク局または非ネットワーク局が加入者の要望書を受領してから30日以内に取消の要望を受諾または拒絶しない場合には、当該ネットワーク局または非ネットワーク局はかかる取消の要望に同意したものとみなされる。

      (3) 低出力番組の二次送信-

        (A) 総則-第(B)号および第(C)号を条件として、第(1)節に基づき一次送信の二次送信を受信する加入者に対して、著作物の実演または展示を収録したテレビ放送局による一次送信を二次送信することは、低出力テレビ局として免許を付与されているテレビ放送局の一次送信を、送信元の局と同じ特定市場地域内に居住する加入者に対して二次送信する場合には、本節に基づき法定使用許諾の対象となる。

        (B) レピーターおよび中継局への非適用-第(A)号に規定する二次送信は、他のテレビ局の番組および信号を1日2時間を超えて再送信する低出力テレビ局には、適用されない。

        (C) その他の二次送信に関する義務への不影響-本条に定める法定使用許諾に基づき低出力テレビ局の一次送信を二次送信する衛星通信事業者は、当該二次送信を行うことを理由に、その他の二次送信を行う義務を負わない。

      (4) 特別な例外-一次送信の二次送信を受信する加入者に対して、第(1)節に基づき著作物の実演または展示を収録したテレビ放送局による一次送信を二次送信することは、当該二次送信が第(1)節の条件を満たす衛星通信事業者によるものである場合には、以下のとおり、本節に基づく法定使用許諾に従うものとする:

        (A) フルパワーネットワーク局が一つ存在する州-1995年1月1日現在においてネットワーク局である連邦通信委員会から免許を受けたフルパワー局が一つある州においては、本節に規定する法定使用許諾は、かかる州の範囲内に位置するコミュニティであって、上記日付時点で有効な連邦通信委員会の規則(連邦規則集第47編第76.51条)に列記する最初の50テレビ市場の範囲外の地域に所在する加入者に対して衛星通信事業者が当該局の一次送信を二次送信することに、適用される。

        (B) 全てのネットワーク局および非ネットワーク局が同一のローカル市場に存在する州-1995年1月1日現在において州内に連邦通信委員会から免許を受けたすべてのネットワーク局および非ネットワーク局が、同じローカル市場に割り当てられており、かつ当該ローカル市場が当該州のすべての郡を網羅していない州においては、本節に基づき付与される法定使用許諾は、上記日付に効力を有する連邦通信委員会の規則(連邦規則集第47編第76.51条)に列記する最初の主要50のテレビ市場の範囲内に存在するローカル市場に居住する当該州の加入者すべてに対して衛星通信事業者が当該局の一次送信を二次送信することに、適用される。

        (C) 追加局-以下に該当する4郡が所在する州の場合、本節に規定する法定使用許諾は、その州に所在するいずれかのネットワーク局の一次送信を当該郡のいずれかの加入者に対して二次送信する衛星通信事業者について、適用される。ただし、当該衛星通信事業者が2004年1月1日の時点において当該郡の加入者に対して当該二次送信を行っていた場合に限る。

          (i) 当該4郡が2004年1月1日現在、他州の郡で主に構成されるローカル市場に所在すること、および

          (ii) ニールセン・メディア・リサーチ社の2004年米国テレビ所有世帯数推計にて、当該4郡におけるテレビ所有世帯数が総数で41,340世帯あること。

        (D) 一定の追加局-一つの州内の2つの隣接する郡が、主に他州の郡で構成されるローカル市場に所在する場合、本節に規定する法定使用許諾は、以下に該当する場合には、当該2郡が所在する州の首都に所在するいずれかのネットワーク局の一次送信を、衛星通信事業者が当該2郡に所在する加入者に二次送信することに、適用される。

          (i) 当該2郡が、ニールセン・メディア・リサーチ社の調査で2003年度の上位100市場に属するローカル市場に所在する場合、および

          (ii) 当該2郡におけるテレビ保有世帯総数が、ニールセン・メディア・リサーチ社の調査で、2003年度に10,000世帯を超えていない場合。

        (E) 非商業的教育放送局のネットワーク-3つ以上の非商業的教育放送局が一つの州、公的機関または州の政治的、教育的もしくは特別的な分権体に対してライセンスされる組織体の場合、本節に定める法定使用許諾は、郡または当該州において当該郡と同等の郡に所在する加入者への当該組織体の一次送信の二次送信に適用される。ただし、かかる加入者が州内に所在する非商業的教育放送局の一次送信の二次送信を、第(1)節に基づき受信する資格を持たない特定市場地域に所在する加入者である場合に限る。

      (5) 使用料率および手続の適用-第119条(b)に基づく使用料率および手続は、第(4)節に基づく法定使用料が適用される二次送信に、適用される。

    (b) 報告義務-

      (1) 最初の目録-第(a)項に基づいてネットワーク局が行う一次送信の二次送信を行う衛星通信事業者は、二次送信を開始してから90日以内に、当該ネットワーク局を所有しまたはこれと関連するネットワークに対して、以下を提出しなければならない。

        (A) 第(a)項に基づき衛星通信事業者が行うその一次送信の二次送信に対するすべての加入者(そのアルファベット順の氏名ならびに郡および9桁のZIPコードを含む住所にて特定)を記載する目録、および

        (B) 第(a)項の第(2)節に従ってサービスを受ける加入者を記載する目録であって、特定市場地域について集約された別の目録(その氏名ならびにストリート・ナンバー、市、州およびZIPコードを含む住所にて特定)。

      (2) 以後の目録-第(1)節に基づき目録が提出された後は、衛星通信事業者は、毎月15日に、ネットワークに以下を提出しなければならない。

        (A) 本項に基づく前回の目録の提出以後加入しまたは脱退した者(そのアルファベット順の氏名ならびに郡および9桁のZIPコードを含む住所)を記載した目録、および

        (B) 本項に基づく前回の名簿の提出以後、第(a)項の第(2)節に基づくサービスに加入しまたは脱退した加入者を記載する目録であって、特定市場地域について集約された別の目録(その氏名ならびにストリート・ナンバー、市、州および9桁のZIPコードを含む住所にて特定)。

      (3) 加入者情報の使用-本項に基づき衛星通信事業者が提出した加入者情報は、当該衛星通信事業者が本条を遵守しているか否かを監視する目的にのみ使用することができる。

      (4) ネットワークの義務-衛星通信事業者は、提出を受けるネットワークが著作権局長に対して提出を受ける者の氏名および住所を記載した書面を提出した場合にのみ、本項における提出の義務を負う。著作権局長は、かかる書面すべてのファイルを、公の閲覧のために保管しなければならない。

    (c) 特定の二次送信に関する使用料の不要-第(a)項の第(1)節、第(2)節および第(3)節に基づく法定使用許諾の対象となる二次送信を行う衛星通信事業者は、かかる二次送信につき使用料を支払う義務を負わない。

    (d) 報告義務および規制上の義務の違反-第(a)項にかかわらず、衛星通信事業者が、テレビ放送局による著作物の実演または展示を収録した一次送信の公衆に対する二次送信を、当該局のローカル市場において故意にまたは反復して行った場合に、当該衛星通信事業者が第(b)項の報告義務またはテレビ放送信号の配信にかかる連邦通信委員会の準則、規則および許可条件を遵守しなければ、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、また、第502条ないし第506条に定める救済に全面的に服する。

    (e) 故意の改変-第(a)項にかかわらず、衛星通信事業者が、テレビ放送局による著作物の実演または展示を収録した一次送信の公衆に対する二次送信を当該局のローカル市場で行う場合において、実演もしくは展示が収録された特定の番組の内容または一次送信事業者が当該番組の送信の中、直前もしくは直後に送信した商業広告もしくは局の告知が、衛星通信事業者によって変更、削除または追加により故意に改変され、あるいは他の放送信号のプログラミングと併合されたときは、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、また、第502条ないし第506条および第510条に規定する救済に全面的に服する。

    (f) テレビ放送局の法定使用許諾に対する地域的制限の違反-

      (1) 個々の違反-衛星通信事業者が、テレビ放送局による著作物の実演または展示を収録した一次送信の二次送信を、当該局のローカル市場に居住せず、かつ第119条に基づく法定使用許諾、第(a)項の第(2)節(A)、第(3)節もしくは第(4)節を理由とする法定使用許諾または私的な使用許諾契約の対象外の加入者に対して、故意にまたは反復して行う場合には、当該行為は、第501条に基づき侵害行為として訴えの対象となり、また、第502条ないし第506条に規定する救済に全面的に服する。ただし-

        (A) 衛星通信事業者が受信資格のない加入者に対するサービスを直ちに停止することにより是正措置をとった場合、損害賠償は認められない。また、

        (B) 法定損害賠償金は、上記の加入者に関する違反があった各月につき250ドルを超えてはならない。

      (2) 常習的違反-テレビ局が、当該局のローカル市場に居住せず、かつ119条に基づく法定使用許諾、第(a)項の第(2)節(A)、第(3)節もしくは第(4)節を理由とする法定使用許諾または私的な使用許諾契約の対象外である加入者に対して行った、実演または展示を収録した一次送信を、衛星通信事業者が公に対して故意にまたは反復して常習的に二次送信する場合、第(1)節に定める救済に加え、以下の救済が認められる。

        (A) 常習的違反が実質的に全国的規模で行われる場合、裁判所は-

          (i) 衛星通信事業者による当該テレビ放送局(および当該テレビ放送局がネットワーク局である場合には、当該ネットワークに関連するその他すべてのテレビ放送局)の一次送信の二次送信を禁止する終局的差止命令を下さなければならず、また、

          (ii) 常習的違反が行われた6ヶ月間毎に2,500,000ドルを超えない法定損害賠償を命じることができる。さらに、

        (B) 常習的違反が複数のテレビ放送局について地域的または地方的規模で行われる場合、裁判所は-

          (i) 衛星通信事業者が当該地域または地方において行うテレビ放送局の一次送信の二次送信を禁止する終局的差止を命じなければならず、また、

          (ii) 常習的違反が行われた6ヶ月間毎に250,000ドルを超えない法定損害賠償を命じることができる。

    (g) 立証責任-第(f)項に基づき提起された訴訟においては、テレビ放送局が行った一次送信の二次送信が当該局のローカル市場に居住する加入者、または第119条、第(a)項の第(2)節(A)、第(3)節もしくは第(4)節、もしくは私的使用許諾契約に従ってサービスを受ける加入者に対してのみ行われたことを証明する責任は、衛星通信事業者が負う。

    (h) 二次送信の地理的制限-本条が定める法定使用許諾は、合衆国内に所在する世帯に対する二次送信に適用される。

    (i) 公衆の構成員に対する放送局の衛星通信事業者による二次送信にかかる排他性-第111条またはその他の法律(本条および第119条を除く)のいかなる規定も、衛星通信事業者が著作権者の同意を得ずに、テレビ放送局が行った一次送信に含まれる番組の二次送信を行うことができる旨の許可、免除または使用許諾を含むと解釈されてはならない。

    (j) 定義-本条において-

      (1) 配信事業者-「配信事業者」とは、衛星通信事業者からの二次送信を配信し、単独のチャンネルまたは他の番組とのパッケージの形で、直接個々の加入者に対し、または間接的に他の番組配信事業者を通じて二次送信を提供するために契約を行う者をいう。

      (2) ローカル市場-

        (A) 総則-「ローカル市場」とは、商業的テレビ放送局および非商業的テレビ放送局の場合、テレビ放送局が所在する特定市場地域であって、

          (i) 商業的テレビ放送局の場合には、同一の特定市場地域内のコミュニティにつき免許を受けたすべての商業的テレビ放送局は、同一のローカル市場内に存在するものとし、

          (ii) 非商業的教育テレビ放送局の場合には、ローカル市場には、同一の特定市場地域内のコミュニティについて非商業的教育テレビ放送局として免許を受けたすべての局を含むものとする。

        (B) 免許の対象となる郡-テレビ放送局のローカル市場は、第(A)号に定める地域に加えて、当該局が免許を受けているコミュニティが所在する郡を含む。

        (C) 特定市場地域-第(A)号において、「特定市場地域」とは、ニールセン・メディア・リサーチ社が決定し1999-2000 Nielsen Station Index DirectoryおよびNielsen Station Index United States Television Household Estimatesまたはその後継誌にて公表する、特定の市場地域をいう。

        (D) 特定市場地域外の一定の地域-アラスカ州における特定市場地域外である調査対象地域、区またはその他の地域であってニールセン・メディア・リサーチ社が決定するところは、アラスカ州におけるローカル市場の一つの一部としてみなされる。衛星通信事業者は、かかる調査対象地域、区またはその他の地域における加入者に関連して、アラスカ州のどのローカル市場が適切なローカル市場とみなされるかを判断することができる。

        (E) 市場の決定-商業的テレビ放送局のローカル市場は、連邦通信委員会により、1934年通信法第338条(l) (合衆国法典第47編第338条)に従って修正されうる。

      (3) 低出力テレビ局-「低出力テレビ局」とは、2004年6月1日現在において有効な連邦規則集第47編第74.701条(f)にて定義される低出力テレビ局をいう。本項において、「低出力テレビ局」とは、連邦規則集第47編第73.6001条(a)に基づきAクラスのテレビジョンの被許諾者としてプライマリー・ステータスを認められた低出力テレビ局を含む。

      (4) ネットワーク局;非ネットワーク局;衛星通信事業者;二次送信-「ネットワーク局」、「非ネットワーク局」、「衛星通信事業者」および「二次送信」の語は、第119条(d)において付与する意味を有する。

      (5) 非商業的教育放送局-「非商業的教育放送局」とは、2010年衛星放送視聴拡大・地方色法の制定日現在において有効である1934年通信法第397条に定義する非商業的教育放送局であるテレビ局をいう。

      (6) 加入者-「加入者」とは、衛星通信事業者から二次送信サービスを受け、当該衛星通信事業者または配信事業者に対して直接または間接に当該サービスの料金を支払う者または事業者をいう。

      (7) テレビ放送局-「テレビ放送局」とは-

        (A) 連邦規則集第47編第73部第E章に基づき連邦通信委員会の免許を受けた空中受信テレビ局、商業的テレビ放送局または非商業的テレビ放送局をいうが、低出力テレビ局または中継テレビ局を含まない。また、

        (B) カナダまたはメキシコの政府所轄官庁の免許を受けたテレビ放送局の場合には、主として英語にて放送を行い、かつ、第119条(d)(2)(A)に定義するネットワーク局である場合には、「テレビ放送局」に含まれる。




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