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    第II編 解釈

    第10条 解釈

    (1) 本法において、 別段の意図がみられない限りは、
    ある物品の付属品 とは、 以下のいずれかをいう。

      (a) 物品に貼付され、 表示され、 表面に組み込まれまたは添付されたラベル

    (b) 物品が梱包されまたは収納された梱包または容器

    (c) 物品が梱包されまたは収納された梱包または容器に貼付され、 表示され、 表面に組み込まれまたは添付されたラベル

    (d) 物品と共に提供される取扱説明書、 保証書またはその他の情報文書

    (e) 物品と共に提供される、 取扱説明録音物を収録したレコードまたは取扱説明映画フィルムのコピー

    ただし、 オリンピック標章 (1987 年オリンピック標章保護法 に定める意味におけるもの) が複製されたラベル、 梱包または容器を含まない。

    注:一定の輸入物品に関して拡張された付属品 の定義について、 第 10AD 条を参照。

      翻案物 とは、 以下をいう。

    (a) 非演劇的形式の言語著作物に関しては、 当該著作物を演劇的形式にしたもの (原語によると異なる言語によるとを問わない)

    (b) 演劇的形式の言語著作物に関しては、 当該著作物を非演劇的形式にしたもの (原語によると異なる言語によるとを問わない)

    (ba) コンピュータ・プログラムである言語著作物に関して――当該著作物の複製ではないもの (当該著作物が表現された言語、 コードまたは表記法であるか否かを問わない)

    (c) 言語著作物 (非演劇的形式であると演劇的形式であるとを問わない) に関しては、

    (i) 当該著作物の翻訳、 または

    (ii) 当該著作物におけるストーリーもしくは出来事が絵画によってのみもしくは専ら絵画によって表現されているもの

    (d) 音楽著作物に関して――当該著作物の編曲または楽譜

      認可ラベル とは、 以下の規定に基づき認可されたラベルをいう。

    (a) 州または北部準州の農畜法第 2 編

    (b) 1994 年農業畜産用薬品法 における意味での加盟特別地域の農畜法第 2 編

      公文書 とは、 以下のいずれかをいう。

    (a) 以下のいずれかが管理する公文書資料

      (i) オーストラリア公文書館

    (ii) ニュー・サウス・ウェールズ州の1960年公文書法 により設立されたニュー・サウス・ウェールズ公文書局

    (iii) ヴィクトリア州の1973年公共記録法により設立された公共記録局

    (iv) タスマニア州の1965年公文書館法により設立されたタスマニア公文書局

    (b) 第(4)項により本号の適用を受ける文書またはその他の資料の集合

      美術著作物 とは、 以下のいずれかをいう。

    (a) 絵画、 彫刻、 素描、 版画または写真。 当該著作物が美術的性質を有するか否かを問わない。

    (b) 建築物またはその模型。 当該建築物または模型が美術的性質を有するか否かを問わない。

    (c) 前二号のいずれにも属さない美術工芸の著作物。

    ただし、 1989年回路配置法 における意味での回路配置を含まない。

    オーストラリア には、 特別地域を含む。

    オーストラリア被保護民 とは、 1948-1967年国籍市民権法 に基づき効力を有する規則により、 オーストラリア政府の保護を受ける者をいう。

    著作者 とは、 写真に関しては、 当該写真を撮影した者をいう。

    権限ある職員 とは、 図書館または公文書館に関しては、 当該図書館もしくは公文書館の責任者または当該責任者からその代理として行為を行う権限を受けた者をいう。

    放送 とは、 1992年放送事業法 における意味での放送事業者が行う公の通信をいう。

    注:放送事業には、 以下のものは含まない。
      (a) データのみまたはテキストのみ (画像の有無を問わない) を提供するサービス (テレテキスト・サービスを含む)
    (b) ダイヤルアップ・サービス等、 ポイント・ツー・ポイントにてプログラムをオンデマンドで利用可能にするサービス

    建築物 には、 一切の建造物を含む。

    暦年 とは、 1月1日に始まる12ヶ月間をいう。

    送信サービスプロバイダ とは、 1997年電気通信法 におけると同一の意味を有する。

    送信事業者 とは、 1997年電気通信法 におけると同一の意味を有する。

    化学製品 とは、 1994年農業畜産業化学コード法 の別表におけると同一の意味を有する。

      映画フィルム とは、 物品または物を用いて以下のいずれかを行うことができるように当該物品または物に収録された視覚的映像の集合をいう。

    (a) 動画として見せること

    (b) 動画として見せることができるように、 別の物品または物に収録すること

    映画フィルムには、 かかる視覚的映像に伴うサウンドトラックに収録された音声の集合を含む。

    回避装置 とは、 技術的保護手段を回避することまたはこれを容易にすること以外には、 商業的に重要な目的または用途をほとんどまたは全く有しない装置 (コンピュータ・プログラムを含む) をいう。

    回避サービス とは、 技術的保護手段を回避することまたはこれを容易にすること以外には、商業的に重要な目的または用途をほとんどまたは全く有しないサービスをいう。

    送信 とは、 著作物または他の権利対象物をオンラインで利用可能にしまたは電子的に送信すること (一つのパスを経由するか、 パスの組み合わせを経由するか、 有体物によって提供するか、 その他の方法によるかを問わない) をいう。

    コンピュータ・プログラム とは、 一定の結果を得るために直接または間接にコンピュータ上で使用される文または命令の組み合わせをいう。

    建造物 には組立物を含み、 再建物 も対応する意味を有する。

    コピー とは、 映画フィルムに関しては、 当該フィルムを構成する視覚的映像または音声が収録された物品または物をいう。

    装置 には、 刷板を含む。

      演劇著作物 には、 以下を含む。

    (a) 舞踊の興行またはその他の黙劇

    (b) 映画フィルムのシナリオまたは脚本

    ただし、 映画フィルムのシナリオまたは脚本とは別個に映画フィルムを含むものではない。

    素描 には、 図表、 地図、 海図または図面を含む。

      教育機関 とは、 以下をいう。

    (aa) 就学前または幼稚園程度の教育が行われる機関

    (a) 普通科初等教育もしくは普通科中等教育またはその両方が行われる学校または類似の機関

    (b) 総合大学、 単科大学または技術高等教育機関

    (c) 初等教育、 中等教育または高等教育の授業を、 通信教育または課外教育により行う機関

    (d) 第 10A 条(4)に基づき公表される通知が効力を有する看護学校

    (e) 病院における以下の活動主体

      (i) 医療サービスの提供またはこれに付随するサービスに関する研究または訓練の授業を行い、 かつ

    (ii) 第 10A 条(4)に基づき公表される通知が効力を有するもの

    (f) 第 10A 条(4)に基づき公表される通知が効力を有する教師教育センター

    (g) 主たる機能は以下のいずれかの目的のための研究または訓練の授業を行うことである旨の宣言を含み第 10A 条(4)に基づき公表される通知が効力を有する機関

      (i) 総合教育

    (ii) 特定の職業または業種の者の訓練

    (iii) 特定の職業または業種に従事する者の継続的教育

    (iv) 母国語が英語でない者に対する英語教育

    (h) 本定義の前号にいう種の教育機関を運営する団体における活動主体であって、 主たる機能またはその一つは前号のいずれかにいう種の教育機関において指導にあたる者に教師訓練を行うことである旨の宣言を含み第 10A 条(4)に基づき公表される通知が効力を有するもの

      (i) 機関または本定義の前号にいう種の教育機関を運営する団体における活動主体であって、 その主たる機能またはその一つは前号のいずれかにいう種の教育機関において指導にあたる者に教師訓練を行うことであり、 当該活動はその教育の目的においてかかる機関を支援する目的で行われる旨の宣言を含み第 10A 条(4)に基づき公表される通知が効力を有するもの

      電子的言語または音楽製品 とは、

    (a) 電子的形式の書籍、 または

    (b) 電子的形式の定期刊行物、 または

    (c) 電子的形式の楽譜

    をいい、 印刷形式のものが存在するかを問わない。

      電子的権利管理情報 とは、 以下のいずれかをいう。

    (a) 著作物または他の権利対象物に貼付または収録された情報であって、

      (i) 著作物もしくはその他の権利対象物およびその著作者もしくは著作権者を特定するもの、 または

    (ii) 著作物もしくはその他の権利対象物を使用することのできる条件の一部もしくは全部を特定するもの、 または当該著作物もしくは権利対象物の使用には条件があることを示すもの

    (b) かかる情報を電子的形式にて示す数字またはコード

    版画 には、 銅版画、 石版画、 グラビア印刷画、 木版画、 プリントまたはその他これらに類似するが写真ではないものを含む。

    排他的使用許諾 とは、 現在または将来の著作権者によりまたはこれに代わり署名された書面による使用許諾であって、 著作権者が当該使用許諾がなければこれを行う排他的権利を有する行為を行うことを、 他の者を排除して被許諾者に対してのみ許諾するものをいい、

    排他的被許諾者 とは、 これに対応する意味を有する。

    将来の著作権 とは、 将来または一定の将来の事由の発生によって発生する著作権をいう。

      侵害コピー とは、

    (a) 著作物に関して――当該著作物の複製物または当該著作物の翻案物であって、 当該著作物または翻案物の映画フィルムのコピーではないもの

    (b) 録音物に関して――映画フィルムの一部をなす視覚的映像に伴うサウンドトラックではない、 当該録音物のコピー

    (c) 映画フィルムに関して――当該フィルムのコピー

    (d) テレビ放送または音声放送に関して――当該テレビ放送の映画フィルムのコピーまたは音声放送の録音物を収録したレコード

    (e) 著作物の発行版に関して――当該版の複写コピー

    であって、 これを作成することが当該著作物、 録音物、 フィルム、 放送または版に対する著作権の侵害にあたるもの、 または著作権者の許諾なく輸入された物品の場合には輸入者がオーストラリア国内において作成したとすればかかる著作権の侵害にあたるものをいうが、 以下を含まない。

    (f) 輸入が著作権の侵害にあたらない非侵害書籍

    (g) 輸入が著作権の侵害にあたらない非侵害付属品

    (h) 輸入が著作権の侵害にあたらない、 録音物の非侵害コピー

    (i) 輸入が著作権の侵害にあたらない、 コンピュータ・プログラムの非侵害コピー

    (j) 輸入が著作権の侵害にあたらない、 電子言語または音楽製品の非侵害コピー

    機関 には、 教育機関を含む。

      知的障害者支援機関 とは、 以下のいずれかをいう。

    (a) 教育機関

    (b) 主たる機能またはその一つは知的障害者の支援であって、 第 10A 条(1)(d)に基づき公表される宣言が効力を有するその他の機関

      視覚障害者支援機関 とは、 以下のいずれかをいう。

    (a) 教育機関

    (b) 主たる機能またはその一つは視覚障害者に言語著作物または演劇著作物を提供することであって、 第 10A 条(1)(c)に基づき公表される宣言が効力を有するその他の機関

      本法の適用ある国際機関 とは、 第 186 条に関して制定される規則において本法の適用を受けるものと宣言された機関をいい、 以下を含む。

    (a) かかる宣言を受けた機関内の組織または部局

    (b) かかる機関または組織が設立した委員会、 評議会またはその他の組織

    司法手続 とは、 裁判所、 審判所または宣誓のうえ証拠を審理し、 受領し検討する権限を法律上有する者において行われる手続をいう。

    連邦法 には、 特別地域の法を含む。

      言語著作物 には、 以下を含む。

    (a) 言語、 図形または標章で表現された表または編集物

    (b) コンピュータ・プログラムまたはその集合物

    原稿 とは、 言語著作物、 演劇著作物または音楽著作物に関しては、 著作者が最初に作成した著作物を収録した文書をいい、 ハードコピー、 電子的コピーまたはその他の形式の如何を問わない。

    有形的形式 とは、 著作物またはその翻案物に関しては、 著作物もしくはその翻案物またはその実質的部分を再製できる一切の蓄積形式 (可視的であるか否かを問わない) を含む。

      非侵害付属品 とは、 以下のいずれかにおいて作成された付属品をいう。

    (a) 随時改正される1886年9月9日にベルヌで調印された文学的及び美術的著作物の保護に関する条約の締約国である国

    (b) 世界貿易機関の加盟国であって、 以下の事項に関してTRIPS協定に合致する法を定めている国

      (i) 著作物、 録音物および映画フィルムに対する著作権または関連権の帰属および存続期間、 ならびに

    (ii) 著作物、 録音物または映画フィルムの複製に関する権利が著作権または関連権を保有する者に帰属すること

    ただし、

    (c) 当該付属品であり、 これに付されもしくはこれに収録された著作物のコピーの作成または著作物の発行版の複製、 または

    (d) 付属品である録音物を収録したレコードまたは映画フィルムのコピーの作成が、

    当該著作物、 版、 録音物またはフィルムに対する当該国における著作権者の許諾を得ている場合に限る。

    非侵害書籍 とは、 第 184 条(1)に関して制定される規則に定める国において (強制使用許諾によらず) 作成される書籍であって、 その作成が当該国の法に基づき著作物またはその発行版に対して存続する著作権の侵害にあたらないものをいう。

      非侵害コピー とは、

    (a) 録音物に関しては、 第10AA条に定める意味を有する。

    (b) コンピュータ・プログラムに関しては、 第10AB条に定める意味を有する。

    (c) 電子的言語または音楽製品に関しては、 第10AC条に定める意味を有する。

      責任者 とは、 以下をいう。

    (a) 公文書館の場合――館長または当時において公文書館の所蔵物に関して直接の管理を行う者

    (c) 図書館の場合――館長または当時において当該図書館の所蔵物に関して直接の管理を行う者

      視覚障害者 とは、 以下をいう。

    (a) 視力のない者

    (b) 視力に著しい障害を有する者

    (c) 書籍を持つことまたは眼の焦点を合わせもしくは動かすことができない者

    (d) 識字障害者

    写真 とは、 写真技術またはこれに類似する技法の成果物をいい、 映画フィルムの部分をなす視覚的映像を収録した物品または物を含まないが、 乾式複写の成果物を含み、 写真の とは、 これに対応する意味を有する。

    刷版 には、 鉛版、 石版、 木版、 鋳型、 母型、 模写画、 ネガティブまたはその他の類似の用具を含む。

      将来の著作権者 とは、 以下をいう。

    (a) 第 19 条(1)にいう種の契約の対象とならない将来の著作権に関して――当該著作権が発生した時にその保有者となる者

    (b) かかる契約の対象となる将来の著作権に関して――第 19 条(1)により、 当該著作権が発生した時に帰属する者

      有資格国 とは、 以下をいう。

    (a) 随時改正される 1886 年 9 月 9 日にベルヌで調印された文学的及び美術的著作物の保護に関する条約の締約国である国

    (b) 世界貿易機関の加盟国であって、 以下の事項に関して TRIPS 協定に合致する法を定めている国

      (i) 著作物、 録音物および映画フィルムに対する著作権または関連権の帰属および存続期間、 ならびに

    (ii) 著作物、 録音物または映画フィルムの複製に関する権利が著作権または関連権を保有する者に帰属すること

    受信機器 とは、 単体でまたは他の機器と共に使用することによって、 送信された著作物またはその他の権利対象物を使用者が視聴できるようにするものをいう。

    レコード とは、 音声が収録されたディスク、 テープ、 紙またはその他の装置をいう。

      再送信 とは、 放送に関しては、 以下の場合における放送の再送信をいう。

    (a) 放送の内容が改変されておらず (再送信に用いられる技術が原送信に用いられた技術と異なる場合においても)、 かつ

    (b) 以下のいずれかに該当する場合。

      (i) 全ての場合――再送信が原送信と同時に行われ、 または

    (ii) 再送信が、 原送信が行われた地域と時間帯が全部もしくは一部異なる地域において行われる場合――原送信が行われた時間に相当する現地時間よりも再送信が遅延しないこと

    彫刻 には、 彫刻のために作成された鋳型または模型を含む。

    同時放送 とは、 1992年放送事業法 またはデジタル放送に関する立法規定の要件に従ってアナログおよびデジタル形式で行われる放送サービスを同時に放送することをいう。

    音声放送 とは、 テレビ放送の一部として放送されるものを除く、 音声の放送をいう。

    録音物 とは、 レコードに収録された音声の集合をいう。

      サウンドトラック とは、 映画フィルムの一部をなす視覚的映像に関しては、 以下をいう。

    (a) 視覚的映像が収録された物品のうち、 音声が収録された部分、 または

    (b) 音声が収録されたディスク、 テープもしくはその他の物品であって、 フィルムの作成者が視覚的映像を収録した物品と共に利用可能にしているもの

    十分な特定 とは、 著作物に関しては、 著作物をその題号またはその他の概要によって認識でき、 かつ、 当該著作物が無名著作物もしくは変名著作物である場合または著作者がその名称を確認しないことを事前に同意または指示した場合を除き、 著作者も認識できるようにする特定をいう。

      技術的保護手段 とは、 以下のいずれかまたは両方の方法によって、 通常の動作の過程において著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の侵害を防止または阻止するよう設計された装置もしくは製品またはプロセスに組み込まれた部品をいう。

    (a) 著作権者または排他的被許諾者の許諾を得てアクセス・コードまたはプロセス (復号化、 逆スクランブルまたはその他の著作物もしくはその他の権利対象物の変形を含む) を用いてのみ著作物またはその他の権利対象物にアクセスできるようにすること。

    (b) コピー・コントロール方式によること。

    テレビ放送 とは、 テレビジョンにより、 視覚的映像と共に受信されるよう放送される音声と共に放送される視覚的映像をいう。

    オーストラリア放送委員会 とは、 1942年放送テレビ法 に基づき設立されたオーストラリア放送委員会をいう。

    オーストラリア放送協会 とは、 1983年オーストラリア放送協会法 に基づき設立されたオーストラリア放送協会をいう。

    連邦 には、 特別地域政府を含む。

    1911年著作権法 とは、 1911年著作権法として知られる大英帝国法をいう。

    著作権審判所 または審判所 とは、 第VI部により設立される著作権審判所をいい、 当該審判所の権限を行使する審判員を含む。

    国家 とは、 州の権限を有する国家、 オーストラリア首都地域および北部準州の権限を有する国家ならびにノーフォーク島の権限を有する国家を含み、 また、 北部準州およびノーフォーク島以外の特別地域の行政府を含む。

    国立図書館長 とは、 1960-1967年国立図書館法 におけると同一の意味を有する。

    国立図書館 とは、 1960-1967年国立図書館法 に基づき設立された国立図書館をいう。

    特別放送サービス とは、 1991年特別放送事業法 第5条にいう特別放送事業者をいう。

    特別放送事業協会 とは、 1991年特別放送事業法 第5条に基づき特別放送事業協会として存続する法人をいう。

    公衆に とは、 オーストラリア国内外の公衆に対してをいう。

    TRIPS協定 とは、 1994年4月15日にマラケッシュで調印された、 世界貿易機関を設立するマラケッシュ協定別紙1Cに定められた知的所有権の貿易的側面に関する協定をいう。

    注: 世界貿易機関を設立するマラケッシュ協定の英文版は、 オーストラリア条約集1995年第8号に掲載されている。

    遺言 には、 遺言補足書を含む。

    著作物 とは、 言語著作物、 演劇著作物、 音楽著作物または美術著作物をいう。

    共同著作物 とは、 二人以上の著作者が協力して作成した著作物であって、 各著作者の寄与分が他の著作者の寄与分と不可分であるものをいう。

    書面 とは、 文言、 図形または標章を可視的形式で表現しまたは再現する手段をいい、 書面にて とは、 対応する意味を有する。

    (1A) 本法における教育目的 の語の意味を制限することなく、 以下のいずれかの場合には、 著作物またはその他の権利対象物の全部または一部のコピーは、 当該用語が用いられる規定において、 教育機関の教育目的のために作成され、 使用されまたは保有されるものとみなす。

      (a) 当該機関が行う特定の指導課程に関連して、 使用のために作成もしくは保有されまたは使用される場合、 または

    (b) 当該機関の図書館の所蔵物に加えるために作成もしくは保有されまたは追加される場合。

    (2) 本法における相当部分 の語の意味を制限することなく、 言語著作物、 演劇著作物または音楽著作物 (コンピュータ・プログラムを除く) が当該著作物の発行版に含まれており、 かつ、 当該発行版が 10 頁以上のものである場合には、 当該発行版に収録された当該著作物の部分のコピーは、 当該発行版に複製された頁が以下のいずれかにあたる場合には、 当該著作物の相当部分のみを含むものとみなす。

      (a) 複製された頁数の合計が、 当該発行版の頁数の 10%を超えない場合、 または

    (b) 当該著作物が章に分けられている場合には、 複製された頁数の合計が当該発行版の頁数の 10%を超えるが当該著作物の一つの章の全部もしくは一部のみを含む場合。

    (2A) 本法における相当部分 の語の意味を制限することなく、 ある者が

      (a) 発行された言語著作物 (コンピュータ・プログラムおよびデータベース等の電子的編集物を除く)、 または

    (b) 発行された演劇著作物

    であって、 電子的形式のものの一部を複製した場合、 当該複製物は、 以下のいずれかの場合には、 当該著作物の相当部分のみを含むものとみなす。

    (c) 複製された語数の合計が、 当該著作物の語数の 10%を超えない場合、 または

    (d) 当該著作物が章に分けられている場合――複製された語数の合計が当該発行版の語数の 10%を超えるが当該著作物の一つの章の全部もしくは一部のみを含む場合。

    (2B) 発行された言語または演劇著作物が当該著作物の発行版に収録されかつ別途電子的形式にて利用可能である場合には、 当該著作物の一部の複製物は、第(2)項または第(2A)項に基づき相当部分のみの複製物とみられる場合には、 その両方に基づくみなしがあるか否かを問わず、 相当部分の複製物のみを含むものとみなす。

    (2C) もし、

      (a) ある者が、 発行された言語または演劇著作物の一部を複製し、 かつ

    (b) 当該複製物が、 第(2)項または第(2A)項に基づき当該著作物の相当部分のみを含むものとみなされる場合には、

    第(2)項および第(2A)項は、 当該者がその後同一の著作物の他の部分を複製する場合には適用されない。

    (3) 本法において、 別段の意図がみられない限りは、

      (a) 機関を運営する団体とは、 以下を指すものとする。

      (i) 当該機関が法人である場合――当該機関

    (ii) その他の場合――当該機関の運営に関して最終的な責任を負う団体または者 (国家を含む)

    (b) 図書館または公文書館を運営する団体とは、 当該図書館または公文書館の運営に関して最終的な責任を負う団体 (法人であるか否かを問わない) または個人 (国家を含む) を指すものとする。

    (c) 録音物のコピーとは、 録音物またはその相当部分を収録したレコードであって、 録音物の作成により製作されるレコードから直接または間接に得られるものを指すものとする。

    (e) 州の権限を有する国家とは、 オーストラリア首都地域および北部準州の権限を有する国家ならびにノーフォーク島の権限を有する国家を含むものとみなす。

    (f) 教育機関、 視覚障害者支援機関または知的障害者支援機関におけるコピー記録の管理者とは、 当該機関の日常の運営に責任を負う者を指すものとする。

    (g) 文書または著作物の全部もしくは一部のコピーの複写とは、 コピーの大きさまたは形式を問わず、 文書または著作物の全部もしくは一部の複写コピーの作成を指すものとする。

    (h) 視覚障害者のための著作物またはその一部のコピーとは、 以下のいずれかを指すものとする。

      (i) 著作物またはその一部の録音物を収録したレコードであって、 視覚障害者支援機関を運営する団体によりまたはこれに代わり、 当該機関が使用するか否かを問わず、 視覚障害者支援のための使用のみを目的として作成されたもの

    (ii) 著作物またはその一部の点字版、 大型活字版または写真版であって、 視覚障害者支援機関を運営する団体によりまたはこれに代わり、 当該機関が使用するか否かを問わず、 視覚障害者支援のための使用のみを目的として作成されたもの

    (ha) 知的障害者のための第 VB 編における意味での適格物品またはその一部のコピーとは、 当該適格物品またはその一部の第 VB 編におけるコピーであって、 知的障害者支援機関を運営する団体によりまたはこれに代わり、 当該機関が使用するか否かを問わず、 知的障害者支援のための使用のみを目的として作成されたものを指すものとする。

    (j) 著作物の全部または一部のマイクロフィルム・コピーとは、 当該著作物を構成する図形標章を縮小して作成される著作物の全部または一部のコピーを指すものとする。

    (k) 定期刊行物とは、 定期刊行物のある号を指すものとし、 同一の定期刊行物に含まれる記事とは、 当該の定期刊行物の同一の号に含まれる記事を指すものとする。

    (l) 録音物を収録したレコードとは、 以下のいずれかを指すものとする。

      (i) 録音物の作成により製作されるレコード、 または

    (ii) かかるレコードから直接もしくは間接に得られる、 録音物を収録した別のレコード

    (m) (第 49 条を除く) 特定の規定により以下のいずれかを作成することに関する記録または宣言とは、

      (i) 著作物の全部もしくは一部のコピーもしくは視覚障害者のためのコピー、

    (ia) 適格物品の全部もしくは一部の知的障害者のためのコピー、 または

    (ii) 録音物もしくは映画フィルムのコピー

    当該コピーの作成に関して、 当該規定にいう本法が義務付ける記録または宣言を指すものとする。

    (ma) 第49条により著作物の全部または一部のコピーを作成することに関する宣言とは、 以下のいずれかを指すものとする。

      (i) 当該コピーが第49条(2)により作成される場合――当該コピーの作成に関連して行われる、 第49条(1)にいう種の宣言

    (ii) 当該コピーが第49条(2C)により作成される場合――当該コピーの作成に関連して行われる、 第49条(2C)(b)にいう種の宣言

    (iii) 全ての場合――当該コピーの作成に関連して行われる、 第 49 条(5)にいう種の宣言

    (n) 州には、 オーストラリア首都地域および北部準州およびノーフォーク島を含むものとし、 特別地域には、 オーストラリア首都地域および北部準州およびノーフォーク島を含まないものとする。

    (4) もし、

      (a) 歴史的に重要なまたは公共の利益にかかる文書またはその他の資料の集合であって、 法人であるか否かを問わずある団体の管理下にあるものが、 当該文書またはその他の資料の保存を目的として当該団体により維持されており、 かつ

    (b) 当該団体が、 営利目的で当該集合を維持運営しているものではない場合には、

    第(1)項に定める公文書館の定義の第(b)号は、 当該集合に適用する。

    例: 美術館および画廊は、 公文書館 の定義の第(b)号の適用を受ける集合を有しうる組織の例である。

    第10AA条 録音物の非侵害コピー

    最低要件

    (1) 録音物のコピーは、 以下のいずれかの者によりまたはその承諾を得て作成された場合にのみ、 非侵害コピー となる。

      (a) 当該コピーが作成される国 (コピー国 ) において当該録音物に対する著作権または関連権を保有する者

    (b) 当該録音物が作成された時にコピー国の法が当該録音物に対して著作権または関連権を認めていなかった場合には、 当該録音物が作成される国 (原録音国 ) において当該録音物に対する著作権または関連権を保有する者

    (c) 当該録音物が作成された時にコピー国および原録音国 (これらが異なるか否かを問わない) のいずれの法も当該録音物に対して著作権または関連権を認めていなかった場合には、 当該録音物の作成者

    オーストラリアの著作権に服する著作物の収録物のコピーに関する追加の要件

    (2) オーストラリアにおいて著作権が存続している言語、 演劇または音楽著作物の録音物の場合には、 当該コピーは以下の全ての要件を充たす場合にのみ非侵害コピー となる。

      (a) コピー国の法に基づき著作権が当該著作物に対して存続すること

    (b) 当該コピーの作成が、 コピー国の法上当該著作物に対して認められる著作権を侵害しないこと

    (c) コピー国が第(3)項の要件を充たすこと

    誤解を避けるため、 本項の要件は第(1)項の要件に追加されるものである。

    コピー国の要件

    (3) 第(2)項にいうコピー国は、 以下のいずれかの要件を充たさなければならない。

      (a) 随時改正される1886年9月9日にベルヌで締結された文学的及び美術的著作物の保護に関する条約の締約国であること

    (b) 世界貿易機関の加盟国であって、 以下の事項に関して TRIPS 協定に合致する法を定めている国であること

      (i) 言語、 演劇および音楽著作物に対する著作権または関連権の帰属および存続期間、 ならびに

    (ii) 言語、 演劇および音楽著作物の複製に関する権利が著作権または関連権を保有する者に帰属すること

    本法または規則によるオーストラリアにおける著作権の発生

    (4) 第(2)項において、 著作物に対する著作権がオーストラリアにおいて存続することが本法によるか第184条に関して定められる規則によるかを問わない。

    第10AB条 コンピュータ・プログラムの非侵害コピー

      コンピュータ・プログラムのコピーは、 以下の場合にのみ非侵害コピー となる。

    (a) 有資格国において作成され、 かつ

    (b) 当該コピーの作成が、 当該国の法上著作権の侵害にあたらなかった場合。

    第10AC条 電子的言語または音楽製品の非侵害コピー

      電子的言語または音楽製品のコピーは、 以下の場合にのみ非侵害コピー となる。

    (a) 有資格国において作成され、 かつ

    (b) 当該コピーの作成が、 当該国の法上著作権の侵害にあたらなかった場合。

    第10AD条 輸入物品の付属品

    付属品

    (1) ある者が、 以下のいずれかをオーストラリアに輸入した場合には、

      (a) コンピュータ・プログラムのコピーを収録した物品、 または

    (b) 電子的言語もしくは音楽製品のコピーを収録した物品、 または

    (c) 録音物のコピーを収録した物品

    輸入時に当該物品上に付され、 当該物品に収録されまたは当該物品に含まれた著作物またはその他の権利対象物 (長編フィルムを除く) のコピーは、 当該物品の付属品 とみなす。

    注: 第44C条および第112C条 (輸入物品の付属品である著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の不侵害について) も参照。

    定義

    (2) 本条において、

      長編フィルム とは、 以下の映画フィルムをいう。

    (a) 全てまたは専ら以下のいずれかのために制作され、

      (i) 映画館におけるもしくはテレビ放送による公の上映のため、 または

    (ii) 当該フィルムの鑑賞 (当該フィルムへの電子的かつインタラクティブな参加が行わないもの) が販売もしくは賃貸の主たる目的であると推定することが相当である場合における、 公衆への販売もしくは賃貸のため

    (b) 長さが 20 分を超えるもの。

    解釈

    (3) 本条は、 第10条(1)における付属品 の意味を制限しない。

    第10A条 一定の団体および機関に関する宣言および通知

    (1) 司法長官は、 書面による通知を官報 に掲載することによって、 以下を行うことができる。

      (a) ある機関が本法における視覚障害者支援機関であることの宣言

    (b) ある機関が本法における知的障害者支援機関であることの宣言

    (2) 司法長官は、 書面による通知を官報 に掲載することによって、 第(1)項に基づき行われた宣言を撤回することができる。

    (3) 司法長官は、 第(1)項および第(2)項に基づく通知の写しを、議会の各院に対して当該通知が官報 に掲載された後当該院の15会日以内に提出させなければならない。

    (4) 機関を運営する団体は、 以下の通知を官報 に掲載させることができる。

      (a) 当該機関の名称および住所の全詳細を記載し、

    (aa) 当該機関または当該機関を運営する団体内の活動主体の主たる機能を記載し、 かつ

    (b) 当該通知が本項の目的のために掲載される旨の文言を含むもの

    (5) 機関を運営する団体は、 当該機関に関して第(4)項に基づき掲載された通知を撤回する通知を官報 に掲載させることができる。

    (5A) 権利管理団体は、 第 10 条(1)の教育機関 の定義の第(g)号、 第(h)号または第(i)号に関して、 本条第(4)項に基づき掲載された通知に含まれる宣言の審査の申立を著作権審判所に対して行うことができる。

      注: 審判所への審査申立については、 第153L条を参照。

    (6) 本条において、 機関 には、 看護学校、 病院内の活動主体、 教師教育センターおよび教育機関を運営する団体内の活動主体を含む。

    第11条 一時的不在による国籍への無影響

    本法において、 重要な時期にある国 (オーストラリアを含む) に通常居住しているが一時的に当該国にいなかった者は、 当該不在時に当該国の居住者であったものとして扱う。

    第12条 議会への言及

    本法において、 議会とは、 連邦議会もしくは州議会または特別地域の立法府を指すものとする。

    第13条 著作権の及ぶ行為

    (1) 本法において、 著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の及ぶ行為とは、 本法に基づき著作権者が排他的権利を有する行為を指すものとする。

    (2) 本法において、 著作物、 翻案物またはその他の権利対象物に関してある行為を行う排他的権利には、 当該著作物、 翻案物またはその他の権利対象物に関して当該行為を行うことを他者に許諾する排他的権利を含む。

    第14条 著作物またはその他の権利対象物の実質的部分に関して行われた行為は、 当該著作物またはその他の権利対象物の全部に関して行われたものとみなす

    (1) 本法において、 別段の意図がみられない限りは、

      (a) 著作物またはその他の権利対象物に関してある行為を行うことには、 当該著作物またはその他の権利対象物の実質的部分に関して当該行為を行うことを含むものとする。

    (b) 著作物の複製物、 翻案物またはコピーには、 当該著作物の実質的部分の複製物、 翻案物またはコピーを含むものとする。

    (2) 本条は、 第 32 条、 第 177 条、 第 180 条、 第 187 条および第 198 条における著作物の発行または未発行に関する部分の解釈に影響しない。

    第15条 著作権者の許諾を得て行われる行為への言及

    本法において、 ある行為が著作権者を拘束する使用許諾に基づいて認められた場合には、 当該行為は著作権者の許諾を得て行われたものとみなす。

    第16条 著作権の一部譲渡への言及

    本法において、 著作権の一部譲渡とは、 何らかの方法で制限された著作権の譲渡を指すものとする。

    第17条 法定雇用

    本法において、 連邦もしくは州の法律に基づく雇用または徒弟としての雇用であって、 業務契約または徒弟契約に基づかないものは、 業務契約または徒弟契約に基づく雇用として扱う。

    第18条 営利目的で設立または運営される図書館

    本法において、 図書館は、 営利事業に従事する者が保有していることのみをもって、 営利目的で設立または運営されるものとされない。

    第19条 1911年著作権法への言及

    本法の施行前の時期に関して州または特別地域に関して本法の規定を適用するにあたっては、1911年著作権法とは、当時当該州または特別地域に適用された1911年著作権法を指すものとする。

    第20条 著作物の発行名義

    (1) 本法において、 著作物の発行名義とは、 当該著作物の著作者として当該著作物において特定された名義を指すものとする。

    (2) 本法において、 複数の名義による著作物の発行は、 かかる名義の全てが変名である場合を除いては、 変名での発行とみなされない。

    第21条 著作物およびその他の権利対象物の複製およびコピー

    (1) 本法において、 言語、 演劇または音楽著作物は、 当該著作物の録音物または映画フィルムが作成され、 かつ、 当該録音物を収録したレコードおよび当該フィルムのコピーが当該著作物の複製物とみなされる場合に、 有形的形式に複製されたものとみなす。

    (1A) 本法において、 著作物は、 デジタルまたはその他の電子的機械読み取り可能形式にまたはこれらから変換され、 かつ、 かかる形式で当該著作物を収録した物品が当該著作物の複製物とみなされる場合に、 複製されたものとみなす。

      注: デジタルまたはその他の電子的機械読み取り可能形式への変換には、 著作物を最初にデジタル化することを含む。

    (2) 第(1)項および第(1A)項は、 著作物に関して適用されると同様に、 著作物の翻案物に関しても適用する。

    (3) 本法において、 美術著作物は、

      (a) 二次元の著作物の場合――当該著作物の三次元版が作成された場合

    (b) 三次元の著作物の場合――当該著作物の二次元版が作成された場合

    であって、 かつ、 作成されたものが当該著作物の複製物とみなされる場合に、 複製されたものとみなす。

    (4) 前項の効力は、 第 III 部第 7 節に従う。

    (5) 本法において、 コンピュータ・プログラムは、

      (a) 当該プログラムのオブジェクト・コード版がコンパイルもしくはその他のプロセスによってソース・コードから得られた場合、 または

    (b) 当該プログラムのソース・コード版が逆コンパイルもしくはその他のプロセスによってオブジェクト・コードから得られた場合

    であって、 かつ、 かかる版が当該プログラムの複製物とみなされる場合に、 複製されたものとみなす。

    (6) 本法において、 録音物または映画フィルムは、 デジタルまたはその他の電子的機械読み取り可能形式にまたはこれらから変換され、 かつ、 当該録音物またはフィルムを収録した物品が当該録音物またはフィルムのコピーとみなされる場合に、 複製されたものとみなす。

      注: デジタルまたはその他の電子的機械読み取り可能形式への変換には、 録音物またはフィルムを最初にデジタル化することを含む。

    第22条 著作物またはその他の権利対象物の作成に関連する規定

    (1) 本法において、 言語、 演劇、 音楽または美術著作物が作成された時または期間とは、 当該著作物が最初に書面またはその他の有形的形式に移された時または期間を指すものとする。

    (2) 本法において、 物品または物に収録された音声の形式をとる言語、 演劇または音楽著作物は、 有形的形式に固定されたものとみなし、 また、 その固定の時は、 かかる音声が当該物品または物に収録された時とする。

    (3) 本法において、

      (a) 録音物は、 これを収録した最初のレコードが製作された時に作成されたものとみなす。

    (b) 当該録音物の作成者は、 その作成時に当該レコードを保有していた者とする。

    (4) 本法において、

      (a) 映画フィルムの作成とは、 フィルムの最初のコピーの製作に必要な行為を行うことを指すものとする。

    (b) 映画フィルムの作成者は、 当該フィルムの作成に必要な手配を行った者とする。

    (5) 本法において、 放送は、 当該放送を配信した放送事業を行う者によって行われたものとする。

    (6) 本法において、 放送以外の通信は、 当該通信の内容の決定につき責任を負う者によって行われたものとみなす。

    第23条 録音物およびレコード

    (1) 本法において、 映画フィルムの一部をなす視覚的映像に伴うサウンドトラックに収録された音声は、 録音物とみなされない。

    (2) 本法において、 著作物またはその他の権利対象物のレコードとは、 別段の意図がみられない限り、 当該著作物またはその他の権利対象物を実演できるレコードを指すものとする。

    第24条 物品に収録された音声および視覚的映像への言及

    本法において、 音声または視覚的映像は、 他の装置を用いてまたは用いずに物品または物から複製できるよう扱われている場合には、 当該物品または物に収録されたものとみなす。

    第25条 放送に関連する規定

    (1) 本法において、 放送とは、 別段の意図がみられない限り、 音声放送またはテレビ放送の別を問わず放送を指すものとする。

    (2) 本法において、 テレビ放送または音声放送の受信による行為を行うこととは、

      (a) 当該放送の送信、 または

    (b) 放送以外の方法で行われるが、 前号にいう送信と同時に行われる送信

    の受信による行為を行うことを指すものとし、 放送の受信が、 当該送信から直接行われるか、 送信者または場所を問わず再送信から行われるかを問わない。

    (3) 録音物を収録したレコードまたは映画フィルムのコピーが放送 (本項において原放送 という) を行うために使用される場合には、 以下のいずれかを受信し再送信することによって放送 (本項において二次放送 という) を行う者は、 本法においては、 当該二次送信のために当該レコードまたはコピーを使用していないものとみなす。

      (a) 原放送の送信、 または

    (b) 放送以外の方法で行われるが、 前号にいう送信と同時に行われる送信

    (4) 本法において、

      (a) テレビ放送の映画フィルムには、 当該放送に含まれる視覚的映像のいずれかの映画フィルムまたは写真を含むものとする。

    (b) テレビ放送の映画フィルムのコピーには、 前号にいう映像の映画フィルムのコピーまたは写真の複製物を含むものとする。

    第27条 実演

    (1) 本条に従い、 本法において実演とは、

      (a) 受信装置の使用、 映画フィルムの上映、 レコードの使用またはその他の方法の如何を問わず、 一切の視覚的または聴覚的表示方法を含むものとし、 また、

    (b) 講演、 演説、 弁論または説教に関しては、 これらを行うことを含むものとする。

    また、 本法において、 著作物または著作物の翻案物の実演とは、 これに対応する意味を有するものとする。

    (2) 本法において、 著作物またはその他の権利対象物を公に送信することは、

      (a) 実演、 または

    (b) 視覚的映像を見せ、 もしくは音声を聴かせること

    にあたらない。

    (3) 視覚的映像または音声が、 これらの送信を受けた受信装置において表示されまたは再生された場合には、 当該映像または音声を直接または間接に当該受信装置に送信した機器の操作は、 実演を構成しないものとみなし、 また、 視覚的映像または音声を視聴可能にしないものとみなす。 しかし、 当該映像の表示または音声の再生が実演を構成しまたは当該映像もしくは音声を視聴可能とする限りにおいては、 当該実演または当該映像もしくは音声の視聴可能化は、 受信装置の操作により行われたものとみなす。

    (4) 前二項の効力を妨げることなく、 前項にいう機器またはレコードを使用して音声を複製できる機器であって、 当該機器が設置された施設の占有者によりまたはその承諾を得て提供されるものにより、 著作物または翻案物が実演されまたは視覚的映像もしくは音声が視聴可能にされた場合には、 当該機器が設置された施設の保有者が、 当該装置を操作した者であるか否かを問わず、 本法において当該実演を行った者または当該視覚的映像もしくは音声を視聴可能にした者とみなす。

    (5) 本条は、 第 XIA 編における意味の実演には適用しない。

    第28条 教育指導の過程における著作物またはその他の権利対象物の実演

    (1) 言語、 演劇または音楽の著作物が、

      (a) 教室または聴衆のいるその他の場所で実演され、 かつ

    (b) 営利目的のためでない教育指導を行う過程において教師が実演する場合またはかかる指導を受ける過程において生徒が実演する場合において、

    当該実演の聴衆が当該指導に参加する者または当該指導が行われる場所に直接関係する者に限定される場合には、 当該実演は、 本法において公の実演とみなされない。

    (2) 前項において、 営利目的でなく教育の場で行われる教育指導は、 教師が当該指導を行うことにより報酬を受けるという理由のみによって営利目的のために行われるものとならない。

    (3) 第(1)項において、 何人も、 教育の場において指導を受ける生徒の親または保護者であるという理由のみによって、 当該教育の場に直接関係する者とならない。

    (4) 前三項は、 言語、 演劇および音楽著作物に関して適用すると同様に、 録音物および映画フィルムに関しても適用されるが、 録音物または映画フィルムに前三項を適用するにあたっては、 実演は録音された音声を聴かせる行為または視覚的映像を見せる行為を指すものとする。

    第29条 発行

    (1) 本条に従い、 本法においては、

      (a) 言語、 演劇、 音楽もしくは美術著作物またはその版は、 当該著作物または版の複製物が (販売またはその他の方法によって) 公衆に供給された場合にのみ、 発行されたものとみなす。

    (b) 映画フィルムは、 当該フィルムのコピーが公衆に販売され、 賃貸されまたは販売もしくは賃貸に供された場合にのみ、 発行されたものとみなす。

    (c) 録音物は、 当該録音物またはその一部を収録したレコードが (販売またはその他の方法によって) 公衆に供給された場合にのみ、 発行されたものとみなす。

    (2) 第(1)項(a)において、 著作物または版の複製物が公衆に供給されたか否かを判断するにあたっては、 第14条は適用しない。

    (3) 本法において、 言語、 演劇もしくは音楽著作物の実演、 かかる著作物のレコードの (販売またはその他の方法による) 公衆ヘの供給、 美術著作物の展示、 建築物もしくはその模型の構築、 または建築物の写真、 彫刻もしくは建築物・彫刻の模型の (販売またはその他の方法による) 公衆ヘの供給は、 著作物の発行にあたらない。

    (4) 形式的に過ぎず公衆の合理的需要を充たすことを意図しない発行は、 第 IX 編に基づく著作権侵害または義務違反に該当しうる限りを除いては、 本法の適用を受けない。

    (5) 本法において、 オーストラリアまたはその他の国における発行の前に他の場所において発行が行われ、 双方の発行が30日以内に行われた場合には、 前者は後者のみを理由として最初の発行でないと扱わないものとする。

    (6) 本法の規定において、

      (a) 著作物もしくはその他の権利対象物が発行されたか否か、

    (b) 著作物もしくはその他の権利対象物の発行が、 当該著作物もしくは権利対象物の最初の発行であるか否か、 または

    (c) 著作物もしくはその他の権利対象物について、 ある者の生存中に発行もしくはその他の行為が行われたか否か

    を判断するにあたっては、 無許諾発行またはその他の無許諾の行為は考慮しないものとする。

    (7) 第52条に従い、 発行またはその他の行為は、 前項において、 以下のいずれかにあたる場合にのみ無許諾で行われたものとみなす。

      (a) 著作物またはその他の権利対象物に対する著作権が存続しており、 かつ、 問題となる行為が著作権者によりまたはその許諾を得て行われたものでない場合

    (b) 著作物またはその他の権利対象物に対する著作権は存続しておらず、 問題となる行為が以下のいずれかの者によりまたはその許諾を得て行われたものでない場合

      (i) 著作者、 または録音物、 映画フィルムもしくは著作物の版の場合には作成者もしくは出版者、 または

    (ii) 著作者、 作成者または出版者を通じて合法的に権利を主張する者

    (8) 前二項のいかなる規定も、 著作権の及ぶ行為または著作権もしくは第IX編の規定の違反にあたる行為に関する本法の規定に影響しない。

    第30条 特定目的のための著作権の保有

    (一部譲渡またはその他の方法により) 異なる者が著作権者となる場合、

      (a) 異なる行為の実行、 または

    (b) 異なる国もしくは異なる時期における行為の実行

    に関しては、 本法において、 当該著作権者は、 当該規定に関連する当該行為の実行または異なる国もしくは異なる時期における当該行為の実行に関する著作権者であるものとみなす。 本法において異なる者が保有することとなる将来の著作権の将来の権利者も、 同様の意味を有するものとする。

    第30A条 商業的貸与取引

    (1) 本法において、 録音物に複製された著作物に関する商業的貸与取引 とは、 以下の特徴を有する取引をいう。

      (a) 取引の名目を問わず、 実質的には、 当該録音物のコピーが返却されることまたは返却されうることを条件として利用可能とされる取引であること。

    (b) 事業の遂行の過程において行われること。

    (c) 以下のいずれかにて、 利用可能とされるコピーを提供すること。

      (i) 金銭もしくは等価物の支払に対して、 または

    (ii) 金銭もしくは等価物の支払に対するサービスの提供の一環として。

    (2) 本法において、 録音物またはコンピュータ・プログラムに関する商業的貸与取引 とは、 以下の特徴を有する取引をいう。

      (a) 取引の名目を問わず、 実質的には、 当該録音物またはコンピュータ・プログラムのコピーが返却されることまたは返却されうることを条件として利用可能とされる取引であること。

    (b) 事業の遂行の過程において行われること。

    (c) 以下のいずれかにて、 利用可能とされるコピーを提供すること。

      (i) 金銭もしくは等価物の支払に対して、 または

    (ii) 金銭もしくは等価物の支払に対するサービスの提供の一環として。

    (3) 無償貸与取引が第(1)項または第(2)項における商業的貸与取引とみなされることは、 議会の意図ではない。

    (4) 取引の名目を問わず、 取引の真の性質が録音物またはコンピュータ・プログラムのコピーの貸与であって、 コピーの返却を確保するための預かり金以外の支払がなされない場合には、 当該取引は無償貸与取引とみなす。




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