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    第V編 救済および犯罪

    第1節 総則

    第114条 解釈

    (1) 本編において、 訴訟 とは、 当事者間の民事的手続を意味し、 反訴を含む。

    (2) 本編を反訴に関して適用するにあたっては、 原告および被告は、 それぞれ反訴被告および反訴原告を指すものとする。


    第2節 著作権者による訴訟

    第115条 著作権侵害の訴訟

    (1) 本法に従い、 著作権者は、 自己の著作権の侵害に基づく訴訟を提起することができる。

    (2) 本法に従い、 著作権侵害訴訟において裁判所が認めることのできる救済には、 差止命令 (裁判所が適切と考える条件があれば、 それに従う) および損害賠償または利得返還を含む。

    (3) 著作権侵害訴訟において、 侵害があったことが立証されたが、 侵害にあたる行為が著作権の侵害にあたることを侵害の時に被告が知らずかつ知るべき合理的な理由もなかったことが立証された場合には、 原告は、 本法において当該侵害に関し被告から得るべき損害賠償を受けることはできないが、 本条に基づき他の救済を受けるか否かを問わず、 当該侵害に関する利得を回収することができる。

    (4) 本条に基づく訴訟において、

      (a) 著作権の侵害が立証され、 かつ

    (b) 裁判所が、 以下の各事項を考慮して適切と考える場合には、

      (i) 侵害の凶悪性、

    (ia) 同様の著作権侵害を防止する必要性、

    (ib) 侵害にあたる行為を行った後、 または関連する場合には、 被告が原告の著作権を侵害したと自ら通知した後の、 被告の行為、

    (ii) 侵害が、 著作物またはその他の権利対象物をハードコピーまたはアナログ形式からデジタルまたはその他の電子的な機械読み取り可能形式に変換することを伴うか否か、

    (iii) 侵害によって被告が得たと立証される利益、 および

    (iv) その他の関連する事情

    裁判所は、 侵害による損害の額を算定するにあたり、 当該状況において適切と考える追加の損害賠償を命じることができる。

    第116条 侵害コピーに関する著作権者の権利

    (1) 著作物またはその他の権利対象物の著作権者は、 以下の物に関連して転用または留置に基づく訴訟を提起することができる。

      (a) 侵害コピー、 または

    (b) 侵害コピーの作成に使用されもしくは使用を意図された装置 (回避装置を含む)。

    (1A) 転用または留置訴訟において、 裁判所は、 以下の場合と同様に、 当該訴訟において認められる救済を著作権者に認めることができる。

      (a) 当該著作権者が、 侵害コピーが作成された時から当該コピーの所有者であり、 または

    (b) 当該著作権者が、 装置が侵害コピーの作成に使用されもしくは使用を意図された時からその所有者であった。

    (1B) 転用または留置訴訟において裁判所が認める救済は、 第 115 条に基づき裁判所が認める救済に追加して認められるものとする。

    (1C) 第 115 条に基づき裁判所が認めるまたは認めようとする救済が十分なものであると裁判所が考える場合には、 裁判所は、 転用または留置訴訟においては著作権者に対して救済を認めない。

    (1D) 転用または留置訴訟において救済を認めるか否かおよび損害賠償の額を算定するにあたって、 裁判所は、 以下の事情を考慮することができる。

      (a) 侵害コピーの販売またはその他の取引を行った被告が、 当該侵害コピーを製造または取得するにあたって支払った費用

    (b) 被告が侵害コピーを販売その他処分する前後に費用を支払ったか否か

    (c) 裁判所が関連すると考えるその他の事情

    (1E) 侵害コピーが、 著作権を侵害する素材を一部にのみ含む物品である場合には、 裁判所は、 救済を認めるか否かを決定し損害賠償の額を算定するにあたって、 以下の事情も考慮することができる。

      (a) 当該物品の市場価値に対する、 著作権侵害にあたる素材の重要性

    (b) 当該物品に対する、 著作権侵害にあたる素材の比率

    (c) 著作権侵害にあたる素材を当該物品から分離できる程度

    (2) 転用または留置の時に以下のいずれかの事情があったことが立証された場合には、 原告は、 本条によって、 費用以外の損害賠償またはその他の金銭的救済を受けることができない。

      (a) 訴訟にかかる著作物またはその他の権利対象物に対して著作権が存続していたことを、 被告が知らずまた知るべき合理的な理由もなかったこと。

    (b) 転用または留置された物品が侵害コピーである場合  当該物品が侵害コピーでないと被告が信じまたは信じるべき合理的な理由があったこと。

    (c) 転用または留置された物品が、 物品を作成するために使用されまたは使用を意図された装置である場合  作成されまたは作成を意図された物品が、 侵害コピーでなくまたは侵害コピーとならないと、 被告が信じまたは信じるべき合理的理由があったこと。


    第2A節 回避装置および電子的権利管理情報に関する訴訟

    第116A条 回避装置の輸入および製造等ならびに回避サービスの提供等

    (1) 第(2)項、 第(3)項および第(4)項に従い、 本条は、 以下の場合に適用する。

      (a) 著作物またはその他の権利対象物が、 技術的保護手段により保護されており、 かつ

    (b) ある者が、 当該著作物またはその他の権利対象物の著作権者または排他的被許諾者の許可なく、 以下の行為を行い、

      (i) 当該技術的保護手段を回避することまたは回避を容易にすることができる回避装置を作成すること

    (ii) かかる回避装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または広告、 宣伝もしくはその他の営業を行うこと

    (iii) かかる回避装置を営業目的または著作権者を害するその他の目的のために頒布すること

    (iv) かかる回避装置を業として公に展示すること

    (v) かかる回避装置を、 以下の目的のためにオーストラリアに輸入すること

    (A) かかる回避装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または広告、 宣伝もしくはその他の営業を行うこと

    (B) かかる回避装置を営業目的または著作権者を害するその他の目的で頒布すること

    (C) かかる回避装置を業として公に展示すること

    (vi) かかる回避装置を、 著作権者を害する程度にオンラインで提供すること

    (vii) 当該技術的保護手段を回避することまたは回避を容易にすることができる回避サービスを提供し、 または業として広告、 宣伝もしくはその他の営業を行うこと

    (c) かかる行為を行った者が、 当該装置またはサービスが当該技術的保護手段を回避しまたは回避を容易にするために使用されることを知りまたは合理的に知りえた場合。

    (2) 本条は、 以下の者によりまたはこれに代わり法執行または国防のために適法に行われる行為に関しては適用しない。

      (a) 連邦または州もしくは特別地域、 または

    (b) 連邦または州もしくは特別地域の機関。

    (3) 以下の場合には、 認められた目的のための回避装置の供給または回避サービスの提供に関しては本条を適用しない。

      (a) 提供を受ける者が有資格者であり、

    (b) 当該者が、 提供前または提供時に、 自己が署名した以下の宣誓書を提供者に提示する場合。

      (i) 当該者の氏名および住所を記載し、

    (ii) 当該者が有資格者であることの根拠を記載し、

    (iii) 回避装置または回避サービスの提供者の氏名および住所を記載し、

    (iv) 有資格者が当該装置またはサービスを認められる目的にのみ使用することを記載し、

    (v) 第 47D 条、 第 47E 条、 第 47F 条、 第 48A 条、 第 49 条、 第 50 条、 第 51A 条および第 183 条ならびに第 VB 編のいずれかを引用して認められる目的を特定し、 かつ

    (vi) 当該装置またはサービスを認められた目的に使用しようとする著作物またはその他の権利対象物が、 技術的保護手段により保護されない形では容易に入手できないことを記載したもの。

    (4) 本条は、 以下の場合における回避装置の作成または輸入に関しては適用しない。

      (a) 技術的保護手段により保護されない形では容易に入手できない著作物もしくはその他の権利対象物に関して認められた目的にのみ使用されるもの、 または

    (b) 認められた目的にのみかかる装置もしくは回避サービスを提供するために使用できるようにするために。

    (4A) 第 3 項(B)および第(4)項(a)において、 著作物またはその他の権利対象物は、 第47D条、 第47E条、 第47F条、 第48A条、 第49条、 50条、 第51A条もしくは第183条または第VB編により著作権侵害にあたらない行為を行うことができる形で入手できない場合には、 容易に入手できないものとみなす。

    (5) 本条が適用される場合には、 著作権者または排他的被許諾者は、 当該行為を行った者に対して訴訟を提起することができる。

    (6) 第(5)項に基づく訴訟においては、 被告が別段の証明を行わない限りは、 当該訴訟にかかる回避装置またはサービスが第 1 項(c)にいう目的に使用されることを被告が知りまたは合理的に知りえたとみなさなければならない。

    (7) 本条において、 回避装置または回避サービスは、 以下の場合にのみ認められた目的に使用されるものとみなす。

      (a) 当該装置またはサービスが、 著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の及ぶ行為を行う目的のために使用され、 かつ

    (b) 当該行為を行うことが、 第47D条、 第47E条、 第47F条、 第48A条、 第49条、 第50条、 第51A条もしくは第183条または第VB編に基づき著作物または その他の権利対象物に対する著作権の侵害にあたらない場合。

    (8) 本条において、

      有資格者 とは、 以下の者を意味する。

    (a) 第47D条(1)(a)、 第47E条(1)(a)もしくは第47F条(1)(a)にいう者、

    (b) 第48A条、 第49条、 第50条もしくは第51A条における権限ある職員である者、

    (c) 第183条における連邦もしくは州の書面による許可を得た者、 または

    (d) 第VB編により著作権の侵害にあたらない行為を (第VB編における意味での) 機関を運営する団体に代わり行うことに関して、 当該団体の書面による許可を得た者。

    供給 とは、 以下を意味する。

    (a) 回避装置に関して――装置を販売し、 賃貸し、 頒布しまたはオンラインで入手可能にすること。

    (b) 回避サービスに関して――当該サービスを提供すること。

    (9) 第(3)項、 第(4)項および第(4A)項に定める事項については、被告が立証責任を負う。

    第116B条 電子的権利管理情報の除去または改変

    (1) 本条は、 以下の場合に適用する。

      (a) ある者が、 著作権の存続する著作物またはその他の権利対象物のコピーに付された電子的権利管理情報を除去または改変し、

    (b) 当該者が、 当該著作権の保有者または排他的被許諾者の許可なくこれを行い、 かつ

    (c) かかる除去または改変が、 当該著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の侵害を誘発し、 可能にし、 容易にしまたは隠蔽することを、 当該者が知りまたは合理的に知りえた場合。

    (2) 本条を適用する場合には、 当該著作権の保有者または排他的被許諾者は、 当該者に対して訴訟を提起することができる。

    (3) 第(2)項に基づく訴訟においては、 被告が別段の証明を行わない限りは、 当該訴訟にかかる除去または改変行為が第(1)項(c)にいう効果を有することを被告が知りまたは合理的に知りえたとみなさなければならない。

    第116C条 電子的権利管理情報が除去または改変された著作物の商業的取引等

    (1) 本条は、 以下の場合に適用する。

      (a) ある者が、 著作権のある著作物またはその他の権利対象物に関して、 著作権者または排他的被許諾者の許可なく以下の行為を行い、

      (i) 当該著作物もしくはその他の権利対象物のコピーを営業目的のために頒布し、

    (ii) 当該著作物もしくはその他の権利対象物のコピーを営業目的のためにオーストラリアに輸入し、 または

    (iii) 当該著作物もしくはその他の権利対象物のコピーを公に送信すること

    (b) 当該コピーに付された電子的権利管理情報が除去または改変され、 かつ

    (c) 当該者が、 当該電子的権利管理情報が著作権者または排他的被許諾者の許可なく除去または改変されたことを知っており、 かつ

    (d) 当該者が、 第(a)項にいう自己の行為が当該著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の侵害を誘発し、 可能にし、 容易にしまたは隠蔽することを知りまたは合理的に知りえた場合。

    (2) 本条を適用する場合には、 著作権者または排他的被許諾者は当該者に対して訴訟を提起することができる。

    (3) 第(2)項に基づく訴訟において、 被告については、 以下のとおりであるとみなす。

      (a) 第(1)項(c)にいう知得があったこと、 および

    (b) 当該訴訟にかかる行為を行うことが第(1)項(d)にいう効果をもつことを知りまたは合理的に知りえたこと。

    ただし、 被告が別段の証明を行った場合を除く。

    第116D条 第116A条、 第116B条および第116C条に基づく訴訟における救済

    (1) 第116A条、 第116B条または第116C条に基づく訴訟において裁判所が認めることのできる救済には、 差止命令 (裁判所が適切と考える条件があれば、 これに従う) および損害賠償または利得返還を含む。

    (2) 第116A条、 第116B条または第116C条に基づく訴訟において、裁判所は、

      (a) 当該訴訟にかかる被告の行為の凶悪性、 および

    (b) 被告が当該行為の結果得たと証明される利益

    を考慮して適切と考える場合には、 損害額を算定するにあたって、 当該状況において適切と考える追加の損害賠償を命じることができる。


    第3節 著作権が排他的使用許諾の対象となっている場合の手続

    第117条 解釈

    本節において、

    使用許諾が権利譲渡であれば とは、 使用許諾の代わりに、 使用許諾により認められた場所および時期に許諾された行為を行うために著作権を譲渡する場合 (使用許諾が与えられる条件に可能な限り近い条件に従う) を意味する。

    他当事者 とは、 以下を意味する。

      (a) 著作権者に関して――排他的被許諾者。

    (b) 排他的被許諾者に関して――著作権者。

    第118条 適用

    本節は、 排他的使用許諾が付与されかつ手続にかかる事由が生じた時に効力を有している著作権に関する手続に適用する。

    第119条 排他的被許諾者の権利

    本節の次条以下に従い、

      (a) 著作権者に対する場合を除き、 排他的被許諾者は、 使用許諾が権利譲渡であれば第115条により有していたと同様の訴訟提起の権利を有しまた同様の救済を得ることができ、 また、 第115条により著作権者に認められる権利および救済と並存する権利を有する。

    (b) 著作権者に対する場合を除き、 排他的被許諾者は、 使用許諾が権利譲渡であれば第116条により有していたと同様の訴訟提起の権利を有しまた同様の救済を受けることができる。

    (c) 著作権者は、 使用許諾が権利譲渡であれば第116条により認められなかった権利を有せずまたは同様の救済を得ることができない。

    第120条 著作権者または排他的被許諾者の訴訟参加

    (1) もし、

      (a) 著作権者または排他的被許諾者が訴訟を提起し、 かつ

    (b) 当該訴訟の全部または一部が、 第115条に基づき提起される限りにおいて、 著作権者および被許諾者が第115条に基づく並存的権利を有する侵害に関する場合には、

    著作権者または被許諾者は、 裁判所の許可を得た場合を除き、 他当事者を原告または被告として追加しなければ、 第 115 条に基づき当該侵害に関する訴訟を続行することができない。

    (2) 本条は、 著作権者または排他的被許諾者による暫定的差止命令の申立に影響しない。

    第121条 排他的被許諾者に対する抗弁

    本節により排他的被許諾者が提起する訴訟において、 当該訴訟が著作権者により提起されたとすれば本法に基づき被告に認められた抗弁は、 当該排他的被許諾者に対しても認められる。

    第122条 排他的使用許諾が行われた場合の損害賠償額の算定

    第120条の適用ある訴訟が提起され、 著作権者および排他的被許諾者のいずれかが原告でない場合には、 裁判所は、 第120条にいう侵害に関する損害賠償額を算定するにあたって、

      (a) 原告が排他的被許諾者である場合――使用許諾にかかる使用料またはその他にかかる債務を考慮しなければならない。

    (b) 原告が著作権者または排他的被許諾者である場合――当該侵害に関して第115条に基づき他当事者に既に認められた金銭的救済または当該侵害に関して第115条に基づき他当事者が行使できる訴訟提起の権利を、 必要に応じて考慮しなければならない。

    第123条 著作権者・排他的被許諾者間での利益の分配

    もし、

      (a) 第115条に基づき提起された訴訟の全部または一部が、 著作権者および排他的被許諾者が訴訟提起の並存的権利を保有する侵害にかかり、 かつ

    (b) 当該訴訟において、 著作権者および排他的被許諾者の両方が当事者であるか否かを問わず、 当該侵害に関して利得返還が命じられた場合には、

    著作権者と排他的被許諾者との間でかかる利得を分配することを定める合意であって裁判所が知るものに従い、 裁判所は、 その公正と考える方法で当該利得を著作権者と排他的被許諾者との間で分配し、 かかる分配に効力を与えるために適切と考える指示を行わなければならない。

    第124条 同一の侵害に関する別個の訴訟

    著作権者または排他的被許諾者が提起する訴訟において、

      (a) 著作権侵害に関する損害賠償を命じる判決または命令は、 同一の侵害に関して第115条に基づき利得返還を命じる他当事者に有利な最終判決または命令が既になされている場合には、 第115条に基づきなされてはならない。

    (b) 著作権侵害に関する利得返還を命じる判決または命令は、 同一の侵害に関して第115条に基づき損害賠償または利得返還を命じる他当事者に有利な最終判決または命令が既になされている場合には、 第115条に基づきなされてはならない。

    第125条 費用負担の責任

    第120条の適用ある訴訟において、 著作権者または排他的被許諾者のいずれかが提起したかを問わず、 他当事者が原告として (当該訴訟の開始時またはその後に) 参加せず被告として追加された場合には、 当該他当事者は、 当該訴訟に出頭せず手続に参加しない限りは、 当該訴訟費用を負担する責任を負わない。


    第4節 民事訴訟における事実の証明

    第126条 著作権の存続および帰属に関する推定

    本編により提起される訴訟において、

      (a) 著作物またはその他の権利対象物に著作権が存続するか否かの争点を被告が争わない場合には、 著作権は当該著作物またはその他の権利対象物に存続するものとみなす。

    (b) 著作権の存続が立証された場合――原告が著作権者であると主張し、 かつ被告が著作権の帰属を争わない場合には、 原告が著作権者であるものとみなす。

    第126A条 著作権の存続に関する証拠

    (1) 本条は、 本編に基づく訴訟において、 当該訴訟にかかる著作物またはその他の権利対象物に対して著作権が存続するか否かの争点を被告が争う場合に適用する。

    ラベルまたは標章

    (2) 著作物もしくはその他の権利対象物のコピーまたは当該コピーが梱包されもしくは収納された梱包もしくは容器に、 当該著作物またはその他の権利対象物の最初の発行または作成の年および場所を記載したラベルまたは標章が付されている場合には、 当該ラベルまたは標章は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    外国の証明書

    (3) 有資格国において当該国の法に従って発行された証明書またはその他の文書に、 著作物もしくはその他の権利対象物の最初の発行または作成の年および場所が記載されている場合には、 当該証明書またはその他の文書は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (4) 本条において、 第(3)項にいう証明書またはその他の文書であるとされる文書は、 別段の意図が証明されない限りは、 かかる証明書またはその他の文書と推定する。

    第126B条 著作権の帰属に関する証拠

    (1) 本条は、 本編に基づく訴訟において、 当該訴訟にかかる著作物またはその他の権利対象物に対する著作権が原告に帰属するか否かを被告が争う場合に適用する。

    ラベルまたは標章

    (2) 著作物もしくはその他の権利対象物のコピーまたは当該コピーが梱包されもしくは収納された梱包もしくは容器に、 特定の時にある者が当該著作物またはその他の権利対象物の著作権者であることを記載したラベルまたは標章が付されている場合には、 当該ラベルまたは標章は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    外国の証明書

    (3) 有資格国において当該国の法に従って発行された証明書またはその他の文書に、 特定の時にある者が当該著作物またはその他の権利対象物の著作権者であることが記載されている場合には、 当該証明書またはその他の文書は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (4) 本条において、 第(3)項にいう証明書またはその他の文書であるとされる文書は、 別段の意図が証明されない限りは、 かかる証明書またはその他の文書と推定する。

    権利帰属の連鎖

    (5) もし、

      (a) 第(2)項または第(3)項の適用があり、 かつ

    (b) 原告が、 以下を記載した文書を提出する場合には、

      (i) 当該訴訟の対象となる著作権のその後の各保有者 (原告への帰属を含む)

    (ii) 当該各保有者が当該著作権の保有者となった日

    (iii) 当該各保有者が当該著作権の保有者となるに至った取引の説明

    当該文書は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (6) もし、

      (a) 第(2)項または第(3)項の適用があり、 かつ

    (b) 原告が、 以下を記載した文書を提出する場合には、

      (i) 当該訴訟の対象となる著作権の原保有者

    (ii) 当該著作権のその後の各保有者 (原告への帰属を含む)

    (iii) 当該原保有者およびその後の各保有者が当該著作権の保有者となった日

    (iv) 当該原保有者およびその後の各保有者が当該著作権の保有者となるに至った取引の説明

    当該文書は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    犯罪

    (7) 何人も、 以下の場合には、 罪を犯したものとする。

      (a) 第(5)項または第(6)項に基づき文書を提出し、 かつ

    (b) 当該文書が虚偽または欺罔的であることにつき未必の故意を有する場合。

    罰則:30罰点。

    (8) 第(7)項に違反する罪に関して、 第(5)項または第(6)項に基づき文書が提出されたことの要素については、 厳格責任を適用する。

      注: 厳格責任 については、 刑法 第 6.1 項を参照。

    第127条 著作物の著作者に関する推定

    (1) 言語、 演劇、 音楽もしくは美術著作物の著作者とされる者の名称が当該著作物の発行されたコピーに付されており、 または美術著作物の著作者とされる者の名称が当該著作物が作成された時にこれに付されている場合には、 別段の立証がない限りは、 その名称が当該者の本名または通常知られている名称である場合に、 本編により提起される訴訟においてその者が著作者であり、 第 35 条(4)、 (5)および(6)が適用されない状況において著作物を作成したものと推定する。

    (2) 著作物が共同著作物であると主張される場合には、 前項は、 当該著作物の著作者の一人であると主張する者に関して、 前項における著作者は著作者の一人を指すものとして適用する。

    (3) 本編により写真に関して提起される訴訟において、

      (a) 当該写真が撮影された時に、 ある者が写真を撮影した素材の所有者であると証明され、 もしくはその時点での当該素材の所有権が立証されない場合には当該者が写真を撮影した機材の所有者であると証明された場合、 または

    (b) 当該写真が撮影された時点での素材もしくは機材の帰属のいずれも立証されないが、 当該者が死亡した時に、 当該者が当該写真を所有しており、 もしくは当該時点での写真の所有権が立証されない場合には当該者が当該写真を占有もしくは管理していた場合には、

    当該者は、 別段の立証がない限りは、 当該写真を撮影した者と推定する。

    第128条 著作物の発行者に関する推定

    言語、 演劇、 音楽または美術著作物に関して本編により提起される訴訟において、 前条は適用されないが、

      (a) 著作物が、 当該訴訟が提起された暦年の始まる直前に終了する50年間にオーストラリアで発行されたこと、 および

    (b) 発行者のものとされる名称が、 最初に発行された著作物のコピーに付されていたこと

    が立証された場合には、 別段の立証がない限りは、 当該著作物に対して著作権が存続し、 名称を付された者が発行時の著作権者であると推定する。

    第129条 著作者が死亡した場合の推定

    (1) 言語、 演劇、 音楽または美術著作物に関して本編により提起される訴訟において、 著作者が死亡したことが立証された場合には、

      (a) 当該著作物は、 別段の立証がなされない限りは、 創作的な著作物であると推定し、

    (b) 発行が著作物の最初の発行であることおよび国および日に行われたことを原告が主張する場合――当該発行は、 別段の立証がない限りは、 当該著作物の最初の発行であり当該国および日に行われたものと推定する。

    (2) もし、

      (a) 言語、 演劇、 音楽または美術著作物が発行されており、

    (b) 当該発行が、 無名または変名で行われたと原告が主張し、 かつ

    (c) 当該著作物が著作者の本名または通常知られている名称で発行されたことがあることまたは著作者の素性が一般に知られもしくは合理的な調査により特定できることが証明されない場合には、

    当該著作物に関して本編により提起された訴訟において、 第(1)項(a)および(b)は、 著作者が死亡したことが証明された場合と同様に適用する。

    第130条 録音物に関する証拠

    録音物に対する著作権に関して本編により提起される訴訟において、 当該録音物またはその一部を収録したレコードが (販売またはその他の方法により)公に供給され、 かつ、 当該録音物またはその一部を収録したレコードが供給された時に当該レコードまたはその容器に以下の文言を含むラベルまたはその他の標章が付されていた場合には、

      (a) ラベルもしくは標章に記載された者が録音物の制作者であること、

    (b) 録音物がラベルもしくは標章に記載された年に最初に発行されたこと、 または

    (c) 録音物がラベルもしくは標章に記載された国において最初に発行されたこと

    当該ラベルまたは標章は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (2) 録音物に対する著作権に関して本編により提起される訴訟において、

      (a) 当該録音物またはその一部を収録したレコードが (販売またはその他の方法により)公に供給され、 かつ、

    (b) 当該録音物またはその一部を収録したレコードが供給された時に、 当該レコードまたはその容器に、 丸に P の文字ならびに特定の年および者の名称の記載からなるラベルまたはその他の標章が付されていた場合には、

    当該ラベルまたは標章は、 当該録音物が記載された年に最初に発行されたことおよび名称が記載された者が当該ラベルまたは標章が当該レコードまたはその容器に付された場所および時において当該録音物の著作権者であったことの、 一応の証拠として採用することができる。

    第130A条 録音物の輸入コピーに関する行為

    録音物のコピーである物品にかかる行為を理由とした第37条、 第38条、 第102条または第103条に定める著作権侵害に関する訴訟においては、 当該コピーが非侵害コピーであることを被告が証明しない限りは、 当該コピーは非侵害コピーでないと推定しなければならない。

      注1: 第37条および第38条は、 (その他の行為のうち) 商業的輸入および物品に関する取引による言語、 演劇および音楽著作物に対する著作権の侵害について定める。

    注2: 第102条および第103条は、 (その他の行為のうち) 商業的輸入および物品に関する取引による録音物に対する著作権の侵害について定める。

    第130B条 コンピュータ・プログラムの輸入コピーに関する行為

    以下の事項にかかる第37条または第38条に定める著作権侵害に関して原告が提起する訴訟においては、

      (a) コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する原告の著作権に関し、 かつ

    (b) 当該プログラムのコピーを収録した物品に関するもの

    被告が別段の証明を行わない限りは、 当該コピーは原告の著作権に関する限りにおいては非侵害コピーでないと推定しなければならない。

      注: 第37条および第38条は、 (その他の行為のうち) 商業的輸入および物品に関する取引による言語、 演劇および音楽著作物に対する著作権の侵害について定める。

    第130C条 電子的言語または音楽製品の輸入コピーに関する行為

    以下の事項にかかる第37条、 第38条、 第102条または第103条に定める著作権侵害に関して原告が提起する訴訟においては、

      (a) 電子的言語または音楽製品でありまたはその一部である著作物または著作物の発行版に対する原告の著作権に関し、 かつ

    (b) 当該電子的言語または音楽製品のコピーを収録した物品に関するもの

    被告が別段の証明を行わない限りは、 当該コピーは原告の著作権に関する限りにおいては非侵害コピーでないと推定しなければならない。

      注1: 第37条および第38条は、 (その他の行為のうち) 商業的輸入および物品に関する取引による言語、 演劇および音楽著作物に対する著作権の侵害について定める。

    注2: 第102条および第103条は、 (その他の行為のうち) 商業的輸入および物品に関する取引による録音物に対する著作権の侵害について定める。

    第131条 フィルムの制作者に関する推定

    公に入手可能にされた映画フィルムのコピーに、 当該者が当該フィルムの制作者であり、 または法人以外の者の場合には当該者の本名もしくは通常知られている名称であると暗示する方法で、 名称が付されている場合には、 当該者が、 本編により提起される訴訟において、 別段の証明がなされない限りは、 当該フィルムの制作者であり、 第98条(3)の適用のない状況において当該フィルムを制作したものと推定する。


    第4A節 裁判権および控訴

    第131A条 裁判権の行使

    本編に基づく訴訟に対する州または特別地域の最高裁判所の裁判権は、 当該裁判所の裁判官 1 名により行使される。

    第131B条 控訴

    (1) 第(2)項に従い、 本編に基づく州または特別地域の裁判所 (構成を問わない) の決定は、 最終的かつ拘束力あるものとする。

    (2) 本編に基づく州または特別地域の裁判所の決定については、 以下の裁判所に控訴することができる。

      (a) オーストラリア連邦裁判所、 または

    (b) 高等裁判所の特別許可を得た場合には、 高等裁判所。

    第131C条 オーストラリア連邦裁判所の裁判管轄

    本編に基づく訴訟に関しては、 オーストラリア連邦裁判所が裁判管轄を有する。

    第131D条 連邦下級判事裁判所の裁判管轄

    本編に基づく民事訴訟に関しては、 連邦下級判事裁判所が裁判管轄を有する。


    第5節 犯罪および略式手続

    第132条 犯罪

    (1) 何人も、 著作権が著作物に対して存続する時に、

      (a) 物品を販売または賃貸のために作成すること、

    (b) 物品を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、

    (c) 物品を業として公に展示すること、

    (d) 以下の目的のために物品をオーストラリアに輸入することを、

      (i) 当該物品を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、

    (ii) 当該物品を営業目的もしくは著作物の著作権者を害するその他の目的のために頒布し、 または

    (iii) 業として当該物品を公に展示することを、

    当該物品が当該著作物の侵害コピーであることを知りまたは合理的に知りうる場合には、 行ってはならない。

    (2) 何人も、 著作権が著作物に対して存続する時に、

      (a) 営業目的、 または

    (b) 著作物の著作権者を害するその他の目的のために、

    著作物の侵害コピーであることを知りまたは合理的に知りうる物品を頒布してはならない。

    (2A) 何人も、 著作権が著作物に対して存続する時に、

      (a) 物品を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供するために、

    (b) 物品を営業目的もしくは著作物の著作権者を害するその他の目的のために頒布するために、 または

    (c) 業として物品を公に展示するために、

    当該物品が当該著作物の侵害コピーであることを知りまたは合理的に知りうる場合には、 当該物品を占有してはならない。

    (3) 何人も、 著作権が著作物に対して存続する時に、 当該著作物の侵害コピーを作成するために使用されると知りまたは合理的に知りうる装置を作成しまたは占有してはならない。

    (4) 本条の前各項は、 第 IV 編により権利対象物に対して存続する著作権に関しても、 第 III 編により著作物に対して存続する著作権に関すると同様に適用する。

    (5) 何人も、 言語、 演劇または音楽著作物に対して著作権が存続していることおよび実演が当該著作権の侵害にあたることを知りまたは合理的に知りうる場合においては、 公衆の娯楽の場において当該著作物を公に実演させてはならない。

    (5AA) 何人も、

      (a) 録音物を公衆の娯楽の場において公衆に聴かせ、 または

    (b) 映画フィルム中の視覚的映像を公衆の娯楽の場において見せもしくは音声をかかる場において聴かせることを、

    当該録音物または映画フィルムに対して著作権が存続していることおよびかかる行為により著作権が侵害されることを知りまたは合理的に知りうる場合には、 行ってはならない。

    (5A) 何人も、 回避サービスが技術的保護手段を回避するためまたは回避を容易にするために使用されることについて故意または未必の故意を有する場合には、 当該サービスを提供し、 または業として宣伝、 広告もしくは営業してはならない。

    (5B) 何人も、

      (a) 回避装置を作成すること、

    (b) 回避装置を販売し、 賃貸し、 または販売もしくは賃貸のために業として供し、 または広告、 宣伝もしくは営業すること、

    (c) 業または著作権者を害するその他の行為を行うことを意図して回避装置を頒布すること、

    (d) 業として回避装置を公に展示すること、

    (e) 以下のいずれかの目的のために回避装置ををオーストラリアに輸入すること、

      (i) 当該装置を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、

    (ii) 当該装置を業もしくは著作物の著作権者を害するその他の行為を行うために頒布し、 または

    (iii) 業として当該装置を公に展示すること

    (f) 回避装置を著作権者を害する程度にオンラインで入手可能にすることを、

    当該装置が技術的保護手段を回避するためまたは回避を容易にするために使用されることについて故意または未必の故意を有する場合には、 行ってはならない。

    (5C) 何人も、 著作権の存続する著作物またはその他の権利対象物のコピーに付された電子的権利管理情報を、 除去または改変が当該著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の侵害を誘発し、 可能にし、 容易にしまたは隠蔽することについて故意または未必の故意を有する場合には、 著作権者または排他的被許諾者の許可なく除去または改変してはならない。

    (5D) 何人も、

      (a) 著作権の存続する著作物もしくはその他の権利対象物のコピーを業を意図して頒布し、 または

    (b) かかる著作物もしくはその他の権利対象物のコピーを第(a)号にいう意図をもってオーストラリアに輸入し、 または

    (c) かかる著作物もしくはその他の権利対象物のコピーを公に送信することを、

    当該コピーに付された電子的権利管理情報が除去または改変されており、 かつ以下の場合には、 著作権者または排他的被許諾者の許可なく行ってはならない。

    (d) 当該電子的権利管理情報が著作権者または排他的被許諾者の許可なく除去または改変されたことを知っており、 かつ

    (e) 第(a)号、 第(b)号または第(c)号にいう行為が著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の侵害を誘発し、 可能にし、 容易にしまたは隠蔽することにつき故意または未必の故意を有する場合。

    (5E) 第(5A)項および第(5B)項は、 以下のいずれかの者によりまたはこれに代わり法執行または国防の目的のために適法に行われる行為に関しては適用しない。

      (a) 連邦または州もしくは特別地域、 または

    (b) 連邦または州もしくは特別地域の機関。

    (5F) 第(5A)項および第(5B)項は、 以下の場合には、 認められた目的のための回避装置の供給または回避サービスの提供に関しては適用しない。

      (a) 当該者が有資格者であり、

    (b) 当該者が、 提供前または提供時に、 自己が署名した以下の宣誓書を提供者に提示する場合。

      (i) 当該者の氏名および住所を記載し、

    (ii) 当該者が有資格者であることの根拠を記載し、

    (iii) 回避装置または回避サービスの提供者の氏名および住所を記載し、

    (iv) 有資格者が当該装置またはサービスを認められる目的にのみ使用することを記載し、

    (v) 第47D条、 第47E条、 第47F条、 第48A条、 第49条、 第50条、 第51A条および第183条ならびに第VB編のいずれかを引用して認められる目的を特定し、 かつ

    (vi) 当該装置またはサービスを認められた目的に使用しようとする著作物またはその他の権利対象物が、 技術的保護手段により保護されない形では容易に入手できないことを記載したもの。

    (5G) 第(5B)項は、 以下の場合における回避装置の作成または輸入に関しては適用しない。

      (a) 技術的保護手段により保護されない形では容易に入手できない著作物もしくはその他の権利対象物に関して認められた目的にのみ使用され、 または

    (b) 認められた目的にのみかかる装置もしくは回避サービスを提供するために使用できるようにするために行われる場合。

    (5GA) 第(5F)項(b)および第(5G)項(a)において、 著作物またはその他の権利対象物は、 第47D条、 第47E条、 第47F条、 第48A条、 第49条、 第50条、 第51A条もしくは第183条または第VB編によって著作権侵害にあたらない行為を行うことができる形で入手できない場合には、 容易に入手できないものとみなす。

    (5H) 本条において、 回避装置または回避サービスは、 以下の場合にのみ認められた目的に使用されるものとみなす。

      (a) 当該装置またはサービスが、 著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の及ぶ行為を行う目的のために使用され、 かつ

    (b) 当該行為を行うことが、 第47D条、 第47E条、 第47F条、 第48A条、 第49条、 第50条、 第51A条もしくは第183条または第VB編に基づき著作物またはその他の権利対象物に対する著作権の侵害にあたらない場合。

    (5J) 第(5E)項、 第(5F)項または第(5G)項に関して被告が負う立証責任は、 当該行為が行われまたは当該事由が存在する合理的可能性を示唆する証拠を提示しまたは指摘する責任のみとする。

    (6) 本条は、 オーストラリアで行われた行為にのみ適用する。

    (6AA) もし、

      (a) ある者が、 第(1)項、 第(2)項または第(2A)項に違反し、 かつ

    (b) 違反にかかる物品が、 著作物またはその他の権利対象物をハードコピーまたはアナログ形式からデジタル形式またはその他の電子的な機械読み取り可能形式に変換して作成されたために侵害コピーとなった場合には、
    違反者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 850罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。

    (6AB) もし、

      (a) ある者が、

      (i) 第(1)項(a)、 (b)もしくは(c)にいう行為を行うことによって第(1)項に違反し、 または

    (ii) 第(2)項または第(2A)項に違反し、 かつ

    (b) 第(6AA)項が適用されない場合には、

    違反者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 550罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。

    (6AC) もし、

      (a) ある者が、 第(1)項(d)にいう行為を行うことによって第(1)項に違反し、 かつ

    (b) 第(6AA)項が適用されない場合には、

    違反者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 650罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。

    (6A) 第(3)項、 第(5)項、 第(5AA)項、 第(5A)項、 第(5B)項、 第(5C)項または第(5D)項に違反した者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 550罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。

      注: 法人は、 最高額の5倍以下の罰金に処する。1914年犯罪法 第4B条(3)を参照。

    (7) 本条に反する犯罪の訴追は、 オーストラリア連邦裁判所または管轄あるその他の裁判所に対して行うことができる。

    (8) オーストラリア連邦裁判所は、 本条に反する犯罪の訴追を審理し決定する裁判管轄を有する。

    (9) 本条において、

    物品 には、 著作物または権利対象物の電子的形式の複製物またはコピーを含む。

    頒布 には、 送信による頒布を含む。

    公衆の娯楽の場 には、 公衆の娯楽以外の目的のために主として占有されるが、 適宜公衆の娯楽のために有償にて利用可能とされる施設を含む。

    有資格者 とは、 以下の者を意味する。

      (a) 第47D条(1)(a)、 第47E条(1)(a)もしくは第47F条(1)(a)にいう者、

    (b) 第48A条、 第49条、 第50条もしくは第51A条における権限ある職員である者、

    (c) 第183条における連邦もしくは州の書面による許可を得た者、 または

    (d) 第VB編により著作権の侵害にあたらない行為を (第VB編における意味での) 機関を運営する団体に代わり行うことに関して、 当該団体の書面による許可を得た者。

    供給 とは、 以下を意味する。

      (a) 回避装置に関して――装置を販売し、 賃貸し、 頒布しまたはオンラインで入手可能にすること。

    (b) 回避サービスに関して――当該サービスを提供すること。

    (10) 第10条(1)における侵害コピー の定義において、 本条において効力を有する限りにおいては、 「物品」 とは本条第(9)項に定める意味を有する。

    第132A条 著作権の存続および帰属に関する推定

    (1) 本条は、 著作物またはその他の権利対象物に関する第132条の違反の罪の訴追に適用する。

    ラベルまたは標章

    (2) 著作物もしくはその他の権利対象物のコピーまたは当該コピーが梱包されもしくは収納された梱包もしくは容器に、 当該著作物またはその他の権利対象物の最初の発行または作成の年および場所を記載したラベルまたは標章が付されている場合には、 当該ラベルまたは標章は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (3) 著作物もしくはその他の権利対象物のコピーまたは当該コピーが梱包されもしくは収納された梱包もしくは容器に、 特定の時にある者が当該著作物またはその他の権利対象物の著作権者であることを記載したラベルまたは標章が付されている場合には、 当該ラベルまたは標章は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    外国の証明書

    (4) 有資格国において当該国の法に従って発行された証明書またはその他の文書に、 著作物もしくはその他の権利対象物の最初の発行または作成の年および場所が記載されている場合には、 当該証明書またはその他の文書は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (5) 有資格国において当該国の法に従って発行された証明書またはその他の文書に、 特定の時にある者が当該著作物またはその他の権利対象物の著作権者であることが記載されている場合には、 当該証明書またはその他の文書は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (6) 本条において、 第(4)項または第(5)項にいう証明書またはその他の文書であるとされる文書は、 別段の意図が証明されない限りは、 かかる証明書またはその他の文書と推定する。

    第132B条 録音物に関する証拠

    (1) 録音物に関する第132条の違反の罪の訴追において、

      (a) 当該録音物またはその一部を収録したレコードが (販売またはその他の方法により)公に供給され、 かつ、

    (b) 当該録音物またはその一部を収録したレコードが供給された時に当該レコードまたはその容器に以下の文言を含むラベルまたはその他の標章が付されていた場合には、

      (i) ラベルもしくは標章に記載された者が録音物の制作者であること、

    (ii) 録音物がラベルもしくは標章に記載された年に最初に発行されたこと、 または

    (iii) 録音物がラベルもしくは標章に記載された国において最初に発行されたこと

    当該ラベルまたは標章は、 記載された事実の一応の証拠として採用することができる。

    (2) 録音物に関する第132条の違反の罪の起訴において、

      (a) 当該録音物またはその一部を収録したレコードが(販売またはその他の方法により)公に供給され、 かつ、

    (b) 当該録音物またはその一部を収録したレコードが供給された時に、 当該レコードまたはその容器に、 丸にPの文字ならびに特定の年および者の名称の記載からなるラベルまたはその他の標章が付されていた場合には、

    当該ラベルまたは標章は、 当該録音物が記載された年に最初に発行されたことおよび名称が記載された者が当該ラベルまたは標章が当該レコードまたはその容器に付された場所および時において当該録音物の著作権者であったことの、 一応の証拠として採用することができる。

    第133条 侵害コピー等の破棄または没収

    (4) 第132条の違反の罪に問われた者について審理する裁判所は、 当該者が有罪とされるか否かを問わず、 当該者が占有する物品であって裁判所が同条に違反して使用されもしくは使用を意図された回避装置であるとするものまたは侵害コピーを作成するために使用しもしくは使用を意図された装置もしくは録音機器であるとするものを、 破棄し、 著作権者に引渡し、 または裁判所が適切と考えるその他の方法にて処分することができる。

    第133A条 著作物またはその他の権利対象物の侵害コピーの供給の広告

    (1) もし、

      (a) ある者が、 著作物またはその他の権利対象物のコピーを (オーストラリア国内外から) オーストラリアにおいて供給するための広告を、 何らかの手段にてオーストラリアにおいて発行しまたは発行させ、 かつ

    (b) 当該者が、 当該コピーが侵害コピーにあたることを知りまたは合理的に知りえた場合には、

    当該者は、 有罪とされた場合には以下のいずれかの刑に処する。

    (c) 個人の場合には、 15 罰点以下の罰金および/または 6 か月以下の禁固。

    (d) 法人の場合には、 150 罰点以下の罰金。

    (2) 本条において、 著作物またはその他の権利対象物の送信は、 受信され記録された時に当該著作物またはその他の権利対象物のコピーが作成される場合に、 コピーが作成された場所において当該著作物またはその他の権利対象物のコピーの供給にあたるものとみなす。

    (3) 本条に違反する犯罪の訴追は、 オーストラリア連邦裁判所または管轄あるその他の裁判所に対して行うことができる。


    第6節 その他

    第134条 著作権侵害に関する訴訟の制限

    (1) 著作権の侵害または侵害コピーもしくは侵害コピーの作成に使用されもしくは使用を意図された装置 (回避装置を含む) の転用もしくは留置に関する訴訟は、 侵害が行われた時または侵害コピーもしくは装置が作成された時から6年が経過した後は、 提起することができない。

    (2) 第116A条、 第116B条または第116C条に基づき行為に関して提起しうる訴訟は、 当該行為が行われた時から6年以上が経過した後は提起することができない。

    第134A条 宣誓供述による証拠

    (1) 第(2)項に従い、

      (a) 本編により提起された訴訟、 または

    (b) 本法に反する犯罪の訴追

    の審理においては、

    (c) 特定の時において、 著作物もしくはその他の権利対象物に対して裁判にかかる著作権が存続していたこと、

    (d) 特定の時において、 当該著作物もしくはその他の権利対象物に対する著作権について、 特定の者が保有しもしくは排他的使用許諾を受けていたこと、

    (e) 特定の時において、 当該著作物もしくは権利対象物に対する著作権について、 特定の者が保有せずもしくは排他的使用許諾を受けていなかったこと、 または

    (f) 特定の行為が当該著作物の著作権者もしくは排他的被許諾者の承諾なく行われたこと

    の証拠を、 宣誓供述書により提出することができる。

    (2) 第(1)項に定める裁判の当事者が、 当該裁判において使用することが提案された宣誓供述を行った者に対して、 宣誓供述された事項に関して反対尋問することを善意に希望する場合には、 当該宣誓供述書は、 当該供述者が反対尋問のために証人として出頭しまたは当該裁判を審理する裁判所がその裁量によりかかる出頭なく宣誓供述を採用することを許可する場合を除いては、 当該裁判において使用することはできない。


    第7節 著作権のある素材の輸入コピーの差押

    第134B条 解釈

    本節において、

    CEO とは、 税関主席執行官を意味する。

    コピー とは、 著作権のある素材に関しては、 以下を意味する。

      (a) 著作権のある素材が著作物である場合――当該著作物が収録された物品。

    (b) 著作権のある素材が録音物または録音物に収録された音声放送である場合――当該録音物を収録したレコード。

    (c) 著作権のある素材が映画フィルムまたは映画フィルムに収録されたテレビ放送である場合――当該フィルムを構成する視覚的映像または音声を収録した物品。

    (d) 著作権のある素材が著作物の発行版である場合――当該版が収録された物品。

    著作権のある素材 とは、 以下を意味する。

      (a) 著作物、

    (b) 録音物、

    (c) 映画フィルム、

    (d) 著作物の発行版、 または

    (e) 映画フィルムもしくは録音物に収録されたテレビ放送もしくは音声放送。

    輸入者 とは、 著作権のある素材に関しては、 コピーにあたる物の所有者もしくは輸入者またはこれらであると主張する者を含む。

    異議申立者 とは、 差押えられたコピーに関しては、 コピーの差押の原因となった第135条(2)に基づく通知を行った者を意味する。

    著作権者 とは、 著作権のある素材に対する著作権に関しては、 当該素材に対する著作権の排他的被許諾者を含む。

    差押コピー とは、 第 135 条(7)に基づき差押えられたコピーを意味する。

    第135条 著作物等のコピーの輸入の制限

    (1) 本条において、

      (a) オーストラリアには、 特別地域を含まない。

    (b) オーストラリアへの輸入には、 特別地域からの輸入を含まない。

    (2) 何人も、 以下を記載した書面による通知を CEO に対して行うことができる。

      (a) 当該者が著作権のある素材の著作権者であること、 および

    (b) 当該者が、 本条の適用ある著作権のある素材のコピーをオーストラリアに輸入することに対して異議を申し立てること。

    (3) 第(2)項に基づく通知は、

      (a) 所定の文書と共に提出するものとし、 また

    (b) 所定の料金 (もしあれば) を支払って行うものとする。

    (4) 著作権のある素材のコピーの作成が、 当該コピーを輸入する者がオーストラリアで行っていたとすれば当該素材に対する著作権の侵害にあたる場合には、 当該コピーに関して本条を適用する。

    (5) 第(6)項に基づき取り消されまたは第(6A)項に基づき無効と宣言されない限りは、 第(2)項に基づく通知は、

      (a) 当該通知が行われた日から2年後、 または

    (b) 当該通知にかかる著作権のある素材に対する著作権が存続する期間の終期

    のうちいずれか早い日まで効力を有する。

    (6) 第(2)項に基づく通知は、 通知を行った者または当該通知にかかる著作権のある素材の以後の著作権者がCEOに対して書面による通知を行うことによって取消すことができる。

    (6A) CEOは、 第(2)項に基づいてなされた通知に効力を与えることが適切でなくなったと合理的に考える場合には、 書面をもって当該通知を無効と宣言することができる。

      注: 第195B条(3)は、 通知を無効とする決定の通知を通知を行った者に行うことをCEOに義務付けている。

    (7) もし、

      (a) 著作権のある素材に関して第(2)項に基づく通知がなされ、

    (b) 当該通知が無効と宣言されまたは取り消されておらず、

    (c) ある者が、 本条の適用ある著作権のある素材のコピーを以下の目的のためにオーストラリアに輸入し、 かつ

      (i) 当該コピーを販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、

    (ii) 当該コピーを営業目的のために頒布すること

    (iii) 当該コピーを当該素材の著作権者を害する他の目的のために頒布すること、 または

    (iv) 当該コピーを業として公に展示すること

    (d) 当該コピーが、 1901年税関法 における意味において税関の支配下にある場合には、

    CEO は当該コピーを差押えることができる。

    (8) 以下の事項に関しては、 規則に定めることができる。

      (a) 本条に基づく通知の様式

    (b) 通知を行うべき時期および方法

    (c) CEOに対する情報および証拠の提供

    (9) 著作権のある素材のコピーの特別地域への輸入 (オーストラリアまたは他の特別地域からの輸入を除く) に関しては、 本節に類似する規定を規則に定めることができる。

    (10) 著作権のある素材のコピーをオーストラリアに輸入することが、 第44A条、 第44D条、 第44E条、 第44F条、 第112A条、 第112D条または第112DA条により著作権の侵害にあたらない場合には、 本節は当該輸入に適用しない。

    (10A) 著作権のある素材のコピーをオーストラリアに輸入することが、 第44C条または第112C条により著作権の侵害にあたらない場合には、 本節は当該輸入に適用しない。

    第135AA条 差押費用の担保

    CEOは、 以下のいずれかの場合を除いては、 第135条(7)に基づくコピーの差押を拒絶することができる。

      (a) 異議申立者がCEOに対して、 当該コピーの差押により連邦が要する合理的費用を賄うに十分とCEOが考える金額を納付した場合、 または

    (b) 異議申立者が、 かかる連邦の費用を賄うためにCEOが十分と考える担保を差し入れた場合。

    第135AB条 差押コピーの保管

    差押コピーは、 CEOが指示する安全な場所に移動させなければならない。

    第135AC条 差押の通知

    (1) CEOは、 第135条(7)に基づきコピーを差押えた後可及的速やかに、 輸入者および異議申立者に対して、 手交または郵便により、 当該コピーを特定しかかるコピーが差押えられたことを記載した書面による通知を行わなければならない。

    (2) 第(1)項に定める通知には、 以下の事項も記載しなければならない。

      (a) 異議申立者に対してなされる場合――輸入者の名称ならびに (判明していれば) 営業所または住居の所在地

    (b) 輸入者に対してなされる場合――以下の者の名称および営業所または住居の所在地

      (i) 異議申立者、 または

    (ii) 異議申立者が本節に関して代理人もしくは代表者を指名している場合――当該代理人もしくは代表者

    (c) 全ての場合――以下が行われない限りは、 当該コピーを輸入者に引渡すこと。

      (i) 異議申立者が、 通知に定める日から所定の期間内に、 当該コピーにかかる著作権侵害訴訟を提起すること、 または

    (ii) 当該期間内に、 かかる訴訟が提起されたことの書面による通知を CEO に対して行うこと。

    (3) 第(2)項(c)(i)において記載すべき期間は、 これに関する所定の期間とする。

    (4) 第(2)項(c)(i)において記載される日は、 通知がなされる日より前の日であってはならない。

    (5) 異議申立者は、 第(2)項(c)(i)における通知に定められた期間 (留保期間 ) の満了前にCEOに対して書面による通知を行うことにより、 当該期間の延長を求めることができる。

    (6) 第(7)項に従い、 もし

      (a) 第(5)項に従って請求がなされ、 かつ

    (b) 当該請求を認めることが合理的であるとCEOが判断する場合には、

    CEOは、 所定の期間、 留保期間を延長することができる。

    (7) 第(5)項に従ってなされた請求にかかる決定は、 当該請求がなされてから24時間以内に行わなければならない。 しかし、 かかる決定は、 当該請求にかかる留保期間の満了後に行うことはできない。

    (8) CEOは、 コピーが差押えられた後いつでも、 異議申立者に対して以下を通知することができる。

      (a) 当該コピーをオーストラリアに持ち込む手配を輸入者に代わって行った者の名称および営業所もしくは住居の所在地、 またはCEOが保有しかつ当該者もしくは団体を特定し所在を確認する助けとなると合理的な根拠をもって考えるその他の情報、 ならびに

    (b) CEOが保有しかつ輸入者を特定し所在を確認する助けとなると合理的な根拠をもって考えるその他の情報。

    第135AD条 差押コピーの検査および引渡等

    (1) CEOは、 異議申立者または輸入者に、 差押コピーの検査を認めることができる。

    (2) 異議申立者がCEOに対して必要な約定を行った場合には、 CEOは、 当該異議申立者に対して、 その検査のためにCEOの保管する差押コピーのサンプル1点を持ち出すことを認めることができる。

    (3) 輸入者がCEOに対して必要な約定を行った場合には、 CEOは、 当該輸入者に対して、 その検査のためにCEOの保管する差押コピーのサンプル1点を持ち出すことを認めることができる。

    (4) 必要な約定とは、 約定を行う者が以下を行う旨の書面による約定をいう。

      (a) CEOが認める特定の時にサンプルコピーをCEOに返還すること、 および

    (b) サンプルコピーの損傷を防止するために相当の注意を払うこと。

    (5) CEOが本条に従って異議申立者に差押コピーの検査またはサンプルコピーの持ち出しを認める場合には、 連邦は、 以下の事由により生じる輸入者の損失または損害について、 輸入者に対して責任を負わない。

      (a) 当該検査中に生じた差押コピーの損傷、 または

    (b) CEOの管理下から持ち出されたサンプルコピーに関する異議申立者もしくはその他の者の行為またはサンプルコピーの異議申立者による使用。

    第135AE条 同意による差押コピーの没収

    (1) 第(2)項に従い、 輸入者は、 CEOに対する書面による通知をもって、 連邦が差押コピーを没収することに同意することができる。

    (2) 前項の通知は、 当該差押コピーにかかる著作権侵害訴訟が提起される前に行わなければならない。

    (3) 輸入者が第(1)項の通知を行う場合には、 差押コピーは連邦に没収され、 以下の方法にて処分されなければならない。

      (a) 規則に定める方法、 または

    (b) 処分方法が規則に定められていない場合――CEOが指示する方法。

    第135AF条 差押コピーの輸入者への強制的引渡

    (1) 差押コピーの留保期間の終了までに異議申立者が以下のいずれも行わない場合には、 CEOは、 当該期間の終了時に、 当該差押コピー (第135AE条に基づき連邦に没収されたコピーを除く) を輸入者に引渡さなければならない。

      (a) 当該コピーに関する著作権侵害訴訟を提起せず、 かつ

    (b) かかる訴訟が提起された旨の書面による通知をCEOに行わない場合。

    (2) 第(1)項において、 差押コピーの留保期間は、 以下のいずれかとする。

      (a) 当該コピーに関して第135AC条(1)に基づき行われる通知に定める期間、 または

    (b) かかる期間が第135AC条(6)に基づき延長された場合には、 当該延長された期間。

    (3) もし、

      (a) 差押コピーに関して著作権侵害訴訟が提起され、 かつ

    (b) 当該訴訟が提起された日から3週間が経過した時に、 当該訴訟が提起された裁判所が当該コピーの引渡を妨げる命令が効力を有していない場合には、

    CEOは当該コピーを輸入者に引渡さなければならない。

    (4) 異議申立者が差押コピーの引渡に同意する旨の書面による通知をCEOに対して行う場合には、CEOは、当該コピーを輸入者に引渡さなければならない。

    (5) 本条は、 第135AH条に従い効力を有する。

    第135AG条 著作権侵害訴訟に関する規定

    (1) 本条において、 侵害訴訟 とは、 差押コピーの輸入による著作権侵害にかかる訴訟を意味する。

    (2) 侵害訴訟が係属する裁判所は、 当該訴訟の対象につき十分な利益を有する者の申立てにより、 当該者を当該訴訟における被告として参加させることができる。

    (3) CEOは、 侵害訴訟の審理において陳述することができる。

    (4) 本条と別個に認められる救済に加えて、 裁判所は、 以下を行うことができる。

      (a) いかなる時にも、 裁判所が適切と考える条件があればこれに従い、 差押コピーを輸入者に引渡すことを命じること

    (b) 特定の期間が終了する前に差押コピーを輸入者に引渡さないことを命じること

    (c) 物品を連邦に没収させることを命じること

    (5) 他の連邦法に基づき差押コピーの管理を継続することをCEOが義務付けられまたは認められていると裁判所が判断する場合には、 裁判所は、 第(4)項(a)に基づく命令を行ってはならない。

    (6) CEOは、 第(4)項に基づく命令に従わなければならない。

    (7) もし、

      (a) 差押コピーの輸入により著作権が侵害されていないと裁判所が判断し、 かつ

    (b) 侵害訴訟の被告が、 当該コピーの差押により損失または損害を被ったことについて裁判所に十分な立証を行った場合には、

    裁判所は、 当該訴訟が開始した日以後に始まる期間における被告の損失または損害を補償するものとして裁判所が定める金額を被告に支払うことを、 異議申立者に命じることができる。

    第135AH条 差押コピーの管理の継続

    第135AF条にかかわらず、 差押コピーに関して第135AG条(4)に基づく命令が行われていない場合には、 CEOは、 当該コピーの管理を継続することを他の連邦法に基づき義務付けられまたは認められているときは、 当該コピーを引渡しまたは処分する義務を負わない。

    第135AI条 没収を命じられた差押コピーの処分

    差押コピーを連邦に没収させることを裁判所が命じる場合には、 当該コピーは、 以下のいずれかの方法にて処分されなければならない。

      (a) 規則に定める方法、 または

    (b) 処分方法が規則に定められていない場合――CEO が指示する方法。

    第135AJ条 不十分な担保

    (1) 本節に基づきCEOが行う行為または本節に基づく裁判所の命令に従って行われる行為に関して連邦が負担した合理的な費用が、 第135AA条に基づき納付された金額または差し入れられた担保の額を超える場合には、 かかる超過額は連邦の債権となるものとする。

    (2) 第(1)項により生じる債権は、 以下の者が支払わなければならない。

      (a) 異議申立者、 または

    (b) 2名以上の異議申立者がいる場合には、 当該異議申立者が連帯して

    第135AK条 連邦の免責

    連邦は、 以下の理由によりいかなる者が被った損失または損害についても責任を負わない。

      (a) 本節に基づくコピーの差押またはCEOがコピーの差押を行わないこと

    (b) 差押コピーの引渡




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