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    第VA編 教育機関その他の機関による放送の複製および送信

    第1節 総則

    第135A条 解釈

    本編において、

    運営団体 とは、 機関を運営する団体を意味する。

    合意制通知 とは、 通知を行う運営団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額は合意された制度を根拠として算定されることを記載した、 補償金に関する通知を意味する。

    権利管理団体 とは、 当該時点において、 第135P条に基づき権利管理団体であると認定された団体を意味する。

    機関 とは、 以下のいずれかを意味する。

      (a) 教育機関

    (b) 知的障害者支援機関

    通知受領者 とは、 当該時点において、 第135T条に基づき通知受領者に指名された者を意味する。

    試写用コピー とは、 第135F条にいう放送のコピーを意味する。

    記録制通知 とは、 通知を行う管理団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額は記録制度を根拠として算定されることを記載した、 補償金に関する通知を意味する。

    関連著作権者 とは、 著作物、 録音物または映画フィルムの著作権者を意味する。

    補償通知 とは、 第135G条(1)にいう通知を意味する。

    規則 とは、 権利管理団体に関しては、 当該団体の基本定款および定款の規定を意味する。

    サンプリング制通知 とは、 通知を行う運営団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額はサンプリング制度を根拠として算定されることを記載した、補償金に関する通知を意味する。

    第135B条 放送のコピーおよび送信

    本編において、

      (a) 放送のコピーとは、 当該放送の録音物を収録したレコードまたは当該放送の映画フィルムのコピーをいう。

    (b) 放送のコピーの作成とは、 当該放送の全部または一部のコピーの作成をいう。

    (c) 放送のコピーの送信とは、 当該放送の全部または一部のコピーの送信をいう。

    第135D条 権利管理団体の規則の運用

    本編は、 権利管理団体の規則にかかわらず権利管理団体に適用するが、 本編のいかなる規定も当該規則が本編と共に運用されうる限りにおいては当該規則に影響しない。


    第2節 放送の複製および送信

    第135E条 教育機関等による放送の複製および送信

    (1) 放送またはこれに含まれる著作物、 録音物もしくは映画フィルムに対する著作権は、 以下の場合には、 運営団体によりまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成または送信によっては侵害されない。

      (a) 当該運営団体によりまたはこれに代わり権利管理団体に対してなされた補償通知が効力を有しており、

    (b) 当該複製または送信が、 教育機関の運営団体によりまたはこれに代わり行われた場合――当該コピーまたは送信が、 当該機関または別の教育機関における教育目的のためにのみ行われ、

    (c) 当該複製または送信が、 知的障害者支援機関を運営する団体によりまたはこれに代わり行われた場合――当該コピーまたは送信が、 当該機関または別の類似の機関における知的障害者支援にあたっての使用のためにのみ行われ、

    (d) 当該運営団体が、 当該コピーまたは送信に関して、 第135K条(1)もしくは(3)または必要な場合には第135KA条に従う場合。

    (2) 第(1)項にいう放送のコピーまたはその送信が、

      (a) 第(1)項(b)もしくは(c)にいう目的以外の目的のために使用され、

    (b) 金銭的利益のためにのみ作成され、 販売されもしくはその他の方法で供給され、 または

    (c) 運営団体から権利管理団体への補償通知が補償通知が効力を有していないときに当該運営団体に対して付与され、 かつ

    これらが当該コピーを作成しまたは作成させた運営団体の承諾を得て行われた場合には、 当該コピーの作成または送信に対して第(1)項は適用せず、 また適用されなかったものとして扱う。

    第135F条 試写用コピーの作成および送信

    (1) 放送またはこれに含まれる著作物、 録音物もしくは映画フィルムに対する著作権は、 当該放送の試写用コピーの作成によっては侵害されない。

    (2) 放送のコピーは、 以下の場合に試写用コピーとなる。

      (a) 当該コピーが、 運営団体によりまたはこれに代わり作成され、

    (b) 権利管理団体に対して当該運営団体によりまたはこれに代わり行われた補償通知が効力を有しており、 かつ

    (c) 当該コピーが、 当該団体が運営する機関における教育目的のためまたは知的障害者支援における使用のために当該コピーを保有するか否かを当該運営団体が決定することを可能にする目的のためにのみ作成され使用される場合。

    (3) 本条に従い、 試写用コピーは、 作成された日から14日 (本条において試写期間 という) 以内に破棄しなければならない。

    (4) 試写用コピーは、 以下の場合には試写期間終了後も保有することができる。

      (a) 当該機関が教育機関である場合――当該コピーが、 当該期間の教育目的のためにのみ保有される場合。

    (b) 当該機関が知的障害者支援機関である場合――当該コピーが、 当該機関が知的障害者支援において使用する目的のためにのみ保有される場合。

    (5) 第(4)項に基づき試写用コピーを保有する場合には、 第135E条(1)は、 第135E条(1)(b)または(c)にいう目的のためにのみ作成されたと同様に、 試写期間終了後も当該コピーに適用する。

    (6) 試写用コピーが試写期間内に破棄されずかつ第(4)項に従って保有されない場合には、 当該コピーに関して第(1)項は適用せずまた一切適用されなかったものとみなす。

    (7) 放送またはこれに含まれる著作物、 録音物もしくは映画フィルムに対する著作権は、 以下の場合には、 放送の試写用コピーの送信によっては侵害されない。

      (a) 当該送信が、 当該コピーを以下の目的のために保有するか否かを運営団体が決定するためにのみ行われ、

      (i) 当該団体が運営する機関における教育目的のために、 もしくは

    (ii) 当該団体が運営する機関における知的障害者支援における使用のため、

    (b) 当該送信が、 第(a)号にいう目的に必要な範囲においてのみ行われ、 かつ

    (c) 当該送信が、 試写期間内に行われる場合。

    第135G条 補償通知

    (1) 運営団体は、 権利管理団体に対して自ら行いまたはこれに代わり行われる書面による通知をもって、 以下に対する公正な補償金を権利管理団体に支払うことを約定することができる。

      (a) 当該通知が効力を有している間に自ら作成しまたはこれに代わり作成される放送のコピー、 および

    (b) 当該通知が効力を有している間に自ら作成しまたはこれに代わり行われる当該コピーの送信。

    (2) 補償通知には、 公正な補償金の額が記録制度、 サンプリング制度または合意制度のいずれに基づいて算定されるかを特定しなければならない。

    (3) 補償通知は、 権利管理団体に対して行われた日または当該通知に定められた後の日に効力を生じ、 取り消されるまで効力を有するものとする。

    第135H条 記録制通知

    (1) 運営団体によりまたはこれに代わり記録制通知が行われる場合には、

      (a) 当該通知が効力を有する間に当該団体によりまたはこれに代わり作成される放送の各コピー、 および

    (b) 当該通知が効力を有する間に当該団体によりまたはこれに代わり行われる当該コピーの各送信

    に関して当該団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額は、 当該運営団体と権利管理団体との間の合意により定められる額、 またはかかる合意に至らない場合にはいずれかの申立により著作権審判所が定める額とする。

    (1A) 著作権審判所が第(1)項に基づく決定を行った場合には、 運営団体または権利管理団体は、 当該決定がなされた日から12ヶ月が経過した後いつでも、当該運営団体によりまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成およびその送信に関して当該運営団体が権利管理団体に支払うべき公正な額にかかる第(1)項に基づく新たな決定を、 裁判所に対して申立てることができる。

    (2) 第(1)項においては、 (合意によりまたは著作権審判所により) 以下に関して異なる額を定めることができる。

      (a) 放送に含まれる異なる種類の著作物、 録音物もしくは映画フィルム

    (b) 運営団体が運営する異なる機関、 または

    (c) 運営団体が運営する機関の異なる区分の生徒。

    (3) もし、

      (a) 放送が運営団体によりもしくはこれに代わり複製され、 または本項に基づき複製されたものとみなされ、 かつ

    (b) 当該コピーが運営団体によりもしくはこれに代わり送信され、 または本項に基づき送信されたものとみなされ、 かつ

    (c) 当該コピーが、 所定の期間を超えてオンラインで利用可能になっている場合には、

    当該期間の終了時に、

    (d) 当該放送は、 当該運営団体により再度複製されたものとみなされ、 また

    (e) 第(a)号にいう複製は、 所定の期間さらにオンラインで利用可能にされることにより、 当該団体によりまたはこれに代わり送信されたものとみなす。

    (4) 第(1)項において、 公正な補償金の額は、 以下を考慮して(合意によりまたは著作権審判所により))決定されなければならない。

      (a) 第(3)項(d)および(e)の適用ある複製および送信

    (b) その他の所定の事項 (もしあれば)

    (c) 当該状況において関連するその他の事情 (もしあれば)

    (5) 本条において、

    所定の期間 とは、 12ヶ月、 または第(3)項において運営団体と権利管理団体との間で異なる期間を定める場合には当該異なる期間を意味する。

    第135J条 サンプリング制通知

    (1) 運営団体によりまたはこれに代わりサンプリング制通知が行われる場合には、

      (a) 当該通知が効力を有する間に当該団体によりまたはこれに代わり作成される放送の各コピー、 および

    (b) 当該通知が効力を有する間に当該団体によりまたはこれに代わり行われる当該コピーの各送信

    に関して当該団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額は、 当該運営団体と権利管理団体との間の合意により定められる年額、 またはかかる合意に至らない場合にはいずれかの申立により著作権審判所が定める年額とする。

    (1A) 著作権審判所が第(1)項に基づく決定を行った場合には、 運営団体または権利管理団体は、 当該決定がなされた日から12ヶ月が経過した後いつでも、 当該運営団体によりまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成およびその送信に関して当該運営団体が権利管理団体に支払うべき公正な額にかかる第(1)項に基づく新たな決定を、 裁判所に対して申立てることができる。

    (1B) もし、

      (a) 放送が、 運営団体によりもしくはこれに代わり複製され、 または本項に基づき複製されたものとみなされ、 かつ

    (b) 当該コピーが、 運営団体によりもしくはこれに代わり送信され、 または本項に基づき送信されたものとみなされ、 かつ

    (c) 当該コピーが、 所定の期間を超えてオンラインで利用可能になっている場合には、

    当該期間の終了時に、

    (d) 当該放送は、 当該運営団体により再度複製されたものとみなされ、 また

    (e) 第(a)号にいう複製は、 所定の期間さらにオンラインで利用可能にされることにより、 当該団体によりまたはこれに代わり送信されたものとみなす。

    (2) 第(1)項において、 公正な補償金の年額は、 以下を考慮して (合意によりまたは著作権審判所により) 決定されなければならない。

      (a) 第(1B)項(d)および(e)の適用ある複製および送信

    (b) 特定の期間中に当該運営団体によりまたはこれに代わり当該放送のコピーが作成され送信される程度

    (c) その他の所定の事項 (もしあれば)

    (d) 当該状況において関連するその他の事情 (もしあれば)

    (3) 放送のコピーの作成および送信の程度、 ならびにサンプリング制度の使用により評価するに必要または便宜的なその他の事項は、 運営団体と権利管理団体との間の合意により、 またはかかる合意に至らない場合にはいずれかの申立により著作権審判所により決定されるサンプリング制度の使用により評価されるものとする。

    (4) 第(1)項においては、 運営団体が運営する異なる機関に関して異なる年額を (合意によりまたは著作権審判所により) 定めることができる。

    (5) もし、

      (a) 運営団体によりまたはこれに代わりサンプリング制通知が権利管理団体に対して行われ、 かつ

    (b) いずれかの期間内に、 当該通知に関して本条に基づき定めるサンプリング制度の要件のいずれかを運営団体が遵守しなかった場合には、

    当該期間内に当該運営団体によりまたはこれに代わり作成された放送のコピーまたはその送信には、 第135E条(1)および第135F条(1)を適用しない。

    (6) 本条において、

    所定の期間 とは、 12ヶ月、 または第(1B)項において運営団体と権利管理団体との間で異なる期間を定める場合には、 当該異なる期間を意味する。

    第135JA条 合意制通知

    (1) 権利管理団体によりまたはこれに代わり行われる合意制通知がなされる場合には、

      (a) 当該通知が効力を有する間に当該団体によりまたはこれに代わり作成される放送の各コピー、 および

    (b) 当該通知が効力を有する間に当該団体によりまたはこれに代わり行われる当該コピーの各送信

    に関して当該団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額は、 当該運営団体と権利管理団体との間の合意により定められる額 (年額またはその他の額)、 またはかかる合意に至らない場合にはいずれかの申立により著作権審判所が定める額とする。

    (2) 著作権審判所が第(1)項に基づく決定を行った場合には、 運営団体または権利管理団体は、 当該決定がなされた日から12ヶ月が経過した後いつでも、 運営団体によりまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成およびその送信に関して運営団体が権利管理団体に支払うべき公正な額にかかる第(1)項に基づく新たな決定を、 裁判所に対して申立てることができる。

    (3) 第(5)項に従い、 合意制度を構成する事項およびプロセス、 ならびに合意制度の使用により評価するに必要または便宜的なその他の事項は、 運営団体と権利管理団体との間の合意により、 またはかかる合意に至らない場合にはいずれかの申立により著作権審判所により決定されるものとする。

    (4) もし、

      (a) 放送が運営団体によりもしくはこれに代わり複製され、 または本項に基づき複製されたものとみなされ、 かつ

    (b) 当該コピーが運営団体によりもしくはこれに代わり送信され、 または本項に基づき送信されたものとみなされ、 かつ

    (c) 当該コピーが、 所定の期間を超えてオンラインで利用可能になっている場合には、

    当該期間の終了時に、

    (d) 当該放送は、 当該運営団体により再度複製されたものとみなされ、 また

    (e) 第(a)号にいう複製は、 所定の期間さらにオンラインで利用可能にされることにより、 当該団体によりまたはこれに代わり送信されたものとみなす。

    (5) (合意によりまたは著作権審判所により決定される) 合意制度においては、 第(4)項(d)および(e)の適用あるコピーおよび送信を考慮した方法またはプロセスによって、 公正な補償金の額を算定することを義務付けなければならない。

    (6) 第(1)項において、 運営団体が運営する異なる機関に関して異なる年額を (合意によりまたは著作権審判所により) 定めることができる。

    (7) もし、

      (a) 合意制通知が運営団体によりまたはこれに代わり権利管理団体に対して行われ、 かつ

    (b) いずれかの期間内に、 当該通知に関して本条に基づき定める合意制度の要件のいずれかを運営団体が遵守しなかった場合には、

    当該期間内に当該運営団体によりまたはこれに代わり作成された放送のコピーまたはその送信には、 第135E条(1)および第135F条(1)を適用しない。

    (8) 本条において、

    所定の期間 とは、 12ヶ月、 または第(4)項において運営団体と権利管理団体との間で異なる期間を定める場合には、 当該異なる期間を意味する。

    第135K条 表示および記録の要件

    (1) 運営団体によりまたはこれに代わり記録制通知が行われる場合には、 当該団体は、 以下を行わなければならない。

      (a) 当該通知が効力を有する間に自ら作成しまたはこれに代わり作成される放送の各コピーまたはこれを保存する容器に、 規則に従ってアナログ形式で印を付しまたは付させること。

    (b) 当該通知が効力を有する間に自ら行いまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成および送信ごとに、 所定の事項を含む記録を作成しまたは作成させること。

    (c) コピーの作成または送信後所定の保管期間中、 当該記録を保管すること。

    (d) 規則に従って、 かかる記録の全ての写しを権利管理団体に送付すること。

    (2) 第(1)項(b)にいう種の記録は、

      (a) 書面または規則に定めるその他の方法にて作成することができ、 また

    (b) 書面により作成する場合には、 所定の書式に従わなければならない。

    (3) 運営団体によりまたはこれに代わりサンプリング制通知が行われる場合には、 当該団体は、 当該通知が効力を有する間に自ら作成しまたはこれに代わり作成される放送の各コピーまたはこれを保存する容器に、 規則に従ってアナログ形式で印を付しまたは付させなければならない。

    第135KA条 送信に関する通知の要件

    運営団体によりまたはこれに代わり、 通知が効力を有する期間中当該団体によりまたはこれに代わり作成される放送のコピーの送信に関して補償通知が行われる場合には、 運営団体は、 所定の状況 (もしあれば) における場合を除いては、 以下を行わなければならない。

      (a) 補償通知が効力を有する間に自ら行いまたはこれに代わり行われる送信ごとに、 以下を含む通知を規則に従って行うこと。

      (i) 当該送信が本編に従って行われたことおよび当該送信に含まれる著作物またはその他の権利対象物が本法に基づく著作権による保護の対象となりうることの記載、 ならびに

    (ii) その他の所定の情報または事項 (もしあれば)

    (b) 補償通知が効力を有する間に運営団体によりまたはこれに代わり行われる送信の場合――当該送信が、 受信またはアクセスすることを認められた者 (例えば、 関連する機関の教師または当該機関が提供する教育指導もしくはその他の支援を受ける者) のみが受信しまたはアクセスするよう全ての合理的な手段をとること。

    (c) 補償通知が効力を有する間に運営団体によりまたはこれに代わり行われる送信の各々に関して、 所定のその他の要件 (もしあれば) を遵守すること。

    第135L条 記録の閲覧等

    (1) 補償通知が行われまたは効力を有している場合、 権利管理団体は、 補償通知を行った運営団体に対する書面をもって、 当該書面に記載する日 (当該通知に記載された機関の通常の営業日であって、 当該書面がなされた日から7日以後) に以下のうち当該書面に記載する行為を行うことを希望する旨を、 通知することができる。

      (a) 当該機関の施設において行われた放送のコピーの作成および送信の量を算定すること。

    (b) 第135E条に基づき行われた放送のコピーの作成および送信に関して、 当該施設において保管する全ての記録を閲覧すること。

    (c) 運営団体が権利管理団体に対して支払うべき公正な補償金の額を算定するために関連する、 当該施設において保管するその他の記録を閲覧すること.

    (2) 権利管理団体が通知を行う場合には、 当該権利団体が書面により権限を付与した者は、 当該通知に定める日の当該施設の通常の営業時間中 (午前10時より前または午後3時より後を除く) に、 当該通知にかかる算定または記録の閲覧を行うことができ、 また、 これらを行うために、 当該機関の施設に立ち入ることができる。

    (3) 運営団体は、 第(2)項にいう者が同項により付与された権限を行使するために運営団体が運営する機関の施設に立ち入るにあたって、 当該権限を有効に行使するために合理的かつ必要な設備および支援を受けられるよう、 全ての合理的な予防措置をとりかつ合理的な努力を尽くさなければならない。

    (4) 第(3)項に違反した運営団体は、 有罪とされた場合には 500 オーストラリアドル以下の罰金に処する。

    第135M条 補償通知の取消

    運営団体は、 権利管理団体に対する書面による通知をもって、 いつでも補償通知を取消すことができ、 取消は、 当該通知の日または当該通知に定めるその後の日の3ヶ月後に効力を生じるものとする。

    第135N条 公正な補償金の支払の要求

    (1) 本条に従い、 補償通知が行われまたは効力を有している場合には、 権利管理団体は、 当該通知を行った運営団体に対する書面をもって、 当該通知が効力を有しておりまたは有していた間に当該団体によりまたはこれに代わり作成された放送のコピーまたはその送信について、 第135H条、 第135J条または第135JA条に基づき支払うべき公正な補償金を、 当該書面に定める日から合理的な期間内に支払うことを求めることができる。

    (3) 第(1)項に基づく要求書に記載された額が要求に従って支払われない場合には、 権利管理団体は、 オーストラリア連邦裁判所または管轄を有するその他の裁判所において、 運営団体から当該額を自己に対する債務として回収することができる。

    (4) 第(3)項に基づく訴訟に関しては、 オーストラリア連邦裁判所が裁判管轄を有する。


    第3節 権利管理団体

    第135P条 権利管理団体

    (1) 本条に従い、 司法長官は、 官報 上の通知により、 当該通知に記載された団体を権利管理団体と認定することができる。

    (2) 司法長官は、 一回の認定において複数の団体を記載してはならず、 また、 以前の認定が効力を有している間に他の認定を行ってはならない。

    (3) 司法長官は、 以下の全てを充たさない限りは、 団体を権利管理団体と認定してはならない。

      (a) 当該団体が、 州または特別地域の会社法に基づき設立された有限責任保証会社であること。

    (b) 関連する全ての著作権者またはその代理人が構成員となることができること。

    (c) 当該団体の規則が、 その構成員に対する配当金の支払を禁止していること。

    (d) 当該団体の規則が、 所定の規則を含むこと。 かかる規則は、著作権者またはその代理人であって権利管理団体の構成員である者の利益が適切に保護されるようにするために必要な規則であって、 特に以下に関する規則を含むものとする。

      (i) 第135H条、 第135J条または第135JA条に基づき運営団体が支払うべき公正な補償金の額の徴収

    (ii) 権利管理団体が徴収した額の当該団体の運営費用への充当

    (iii) 当該団体が徴収した額の分配

    (iv) 構成員でない著作権者のための、 補償金の信託管理人としての保管

    (v) 構成員による当該団体の記録へのアクセス

    第135Q条 認定の取消

    司法長官は、 権利管理団体が以下に該当すると判断する場合には、 官報 上の通知をもって、 当該団体が権利管理団体であるとの認定を取消すことができる。

      (a) 権利管理団体として適切に機能していないこと

    (b) 当該団体の規則に従ってまたは著作権者もしくはその代理人である構成員の利益のために活動していないこと

    (c) 規則を改正したことにより、 第 135P 条(3)(c)および(d)を充たさなくなったこと

    (d) 合理的な理由なく、 第 135R 条または第 135S 条に従うことを拒絶しまたは従わないこと

    第135R条 年次報告および会計帳簿

    (1) 権利管理団体は、 各会計年度の終了後可及的速やかに、 当該年度中の運営に関する報告書を作成し、 その写しを司法長官に送付しなければならない。

    (2) 司法長官は、 第(1)項に基づき送付された報告書の写しを、 議員の各院に対して報告を受領した後当該院の15会日以内に提出させなければならない。

    (3) 権利管理団体は、 当該団体の取引 (信託管理人としての取引を含む) および当該団体の財務状態を正確に記録し説明する会計帳簿を作成しなければならない。

    (4) 会計帳簿は、 権利管理団体における真正かつ公平な会計記録を作成しかつ便宜的かつ適切に監査することを可能にする方法にて作成されなければならない。

    (5) 権利管理団体は、 各会計年度の終了後可及的速やかに、 当該団体の構成員でない監査人に会計帳簿を監査させ、 監査を受けた会計帳簿の写しを司法長官に送付しなければならない。

    (6) 権利管理団体は、 その構成員に対して、 本条に基づき作成される全ての報告書および監査済み会計帳簿のコピーへの合理的なアクセスを認めなければならない。

    (7) 本条は、 権利管理団体がその設立準拠法に基づき負う年次報告書または会計帳簿の作成および提出義務に影響しない。

    第135S条 規則の改正

    権利管理団体は、 その規則を改正した後21日以内に、 改正後の規則の写しを当該改正の効果および改正を行った理由を記載した書面と共に司法長官に送付しなければならない。


    第4節 権利管理団体認定前の複製

    第135T条 通知受領者の指名

    司法長官は、 官報 上の通知により、 本節における通知受領者となる者を指名することができる。

    第135U条 権利管理団体が認定される前の複製

    (1) 放送またはこれに含まれる著作物、 録音物もしくは映画フィルムに対する著作権は、 以下の場合には、 運営団体によりまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成によって侵害されない。

      (a) 当該コピーが作成された時に、 最初の権利管理団体が認定されておらず、

    (b) 運営団体が通知受領者に対して第135W条(1)に基づき行う通知が効力を有しており、

    (c) 当該コピーが、 教育機関を運営する団体によりまたはこれに代わり作成された場合――当該コピーが、 当該機関または他の教育機関における教育目的のためにのみ作成され、

    (d) 当該コピーが、 知的障害者支援機関を運営する団体によりまたはこれに代わり作成された場合――当該コピーが、 当該団体または他の同様の機関における知的障害者支援における使用のためにのみ作成され、

    (e) 第135K条(1)(a)、 (b)もしくは(c)または第135K条(3)の適用ある限りにおいて、 運営団体がこれらに従っている場合。

    (2) 第(1)項にいう放送のコピーが、

      (a) 第(1)項(c)もしくは(d)にいう目的以外の目的に使用され、

    (b) 金銭的利益のために作成され、 販売されもしくはその他の方法で供給され、 または

    (c) 第135W条に基づき運営団体が通知受領者に対して行った通知が効力を有していない時に、 当該運営団体に対して付与され、

    かつ、 これらの行為が当該コピーを作成しまたは作成させた運営団体の同意を得て行われた場合には、 当該コピーの作成については第(1)項は適用せず、 また、 適用されなかったものとして扱う。

    第135V条 試写用コピー

    最初の権利管理団体が認定される前に行われる放送の試写用コピーの作成については、 第135F条を以下のとおり適用する。

      (a) 第135F条(2)(b)において、 運営団体が権利管理団体に対して行う補償通知は、 第135W条(1)に基づき運営団体が通知受領者に対して行う通知を指すものとする。

    (b) 第135F条(5)において、 第135E条(1)ならびに第135E条(1)(b)および(c)は、 それぞれ第135U条(1)ならびに第135U条(1)(c)および(d)を指すものとする。

    第135W条 運営団体による通知

    (1) 運営団体は、 最初の権利管理団体の認定前いつでも、 通知受領者に対する書面による通知をもって、 当該通知が効力を有する間に当該運営団体によりまたはこれに代わり作成される放送のコピーに関して、 権利管理団体が認定されたときには当該権利管理団体に対して公正な補償金を支払うことを約定することができる。

    (2) 前項にいう通知には、 公正な補償金の額が記録制度またはサンプリング制度のいずれによって算定されるかを特定するものとする。

    (3) 第(1)項にいう通知は、 通知受領者に対してなされた日または当該通知に定めるその後の日に効力を生じ、 当該通知が取り消されるまで効力を有するものとする。

    (4) 運営団体は、 第(1)項にいう通知を通知受領者に対する書面をもって取消すことができ、 取消は、 取消通知がなされた日または当該通知に記載されたその後の日に効力を生じるものとする。

    第135X条 表示および記録保管の要件

    (1) 運営団体が第135W条(1)に基づく通知を行う場合において、公正な補償金の額を記録制度に基づき算定することを記載した場合には、 第135K条(1)(a)、(b)および(d)ならびに第135K条(2)は、 以下のとおり適用する。

      (a) 権利管理団体は、 通知受領者を指すものとする。

    (b) 記録制通知は、 第 135W 条(1)に基づく通知を指すものとする。

    (2) 運営団体が第135W条(1)に基づく通知を行う場合において、 公正な補償金の額をサンプリング制度に基づき算定することを記載した場合には、 第135K条(3)は、 以下のとおり適用する。

      (a) 権利管理団体は、 通知受領者を指すものとする。

    (b) サンプリング制通知は、 第135W条(1)に基づく通知を指すものとする。

    第135Y条 権利管理団体の認定の効果

    (1) 最初の権利管理団体が認定されたときは、 運営団体が第135W条(1)に基づき通知受領者に対して行い当該認定の直前に効力を有していた通知は、 当該認定以後は、 本編において、 当該運営団体が権利管理団体に対して行った、 当該通知が行われた日に効力を生じた記録制通知またはサンプリング制通知であるものとみなす。

    (2) 通知が本条に基づき記録制通知であるとみなされる場合には、 運営団体は、 権利管理団体の認定後21日以内に、 当該通知が効力を生じたとみなされる日以後に第135K条(1)(b)に基づき作成した全ての記録の写しを、 当該権利管理団体に対して送付させなければならない。


    第5節 その他

    第135Z条 関連著作権者による複製等の許可

    本編のいかなる規定も、 放送またはこれに含まれる著作物、 録音物もしくは映画フィルムの著作権者が、 運営団体が著作権を侵害することなく当該放送、 録音物またはフィルムのコピーまたは著作物の複製物の作成または送信を行いまたは行わせることを許諾する権利に影響しない。

    第135ZA条 複製者への著作権の不帰属

    本法の他の規定にかかわらず、 本編に基づき著作権の侵害にあたらない運営団体によるまたはこれに代わり行われる放送のコピーの作成または送信は、 著作物またはその他の権利対象物に対する著作権をいかなる者に帰属させるものではない。




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