第2回 入賞事例

    これらの教育実践事例資料は、教育関係者が著作権教育を目的として、非営利で利用する場合に限り、自由にご利用いただけます。

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    「リーフレットによる著作権教育−事件・事例で学ぶIT社会−」

    担当教諭 保田 裕彦

    受賞のことば

    下関工業高等学校・写真

    このたび著作権教育実践例で優秀賞をいただきありがとうございました。本校は、平成十二年度から著作権教育を手探りで続けてまいりました。当時はまだ、取組をはじめたものの著作権そのものに対する関心が薄かったことを覚えています。しかし、インターネットの普及でいずれ大きな社会問題になるであろうという確信をもっておりました。このことが、今日まで著作権教育を推し進められた原動力になったと思っています。しかしながら著作権教育の授業時間の確保が難しく、常に時間不足との戦いでした。「面白くない」「わからない」「守りたくない」という著作権教育の三重苦を克服するために、社会の出来事とタイミングよくリンクさせて生徒に情報を伝える方法がないかと思案にくれたことが出発点になりました。試行錯誤の末、少しの時間でも教育が可能で、しかも印刷物として後に残せるリーフレットを使った著作権教育にたどりつきました。

    石の上にも三年という言葉があります。丸七年もかかりましたが、受賞という評価を頂き光栄に存じております。これからもさらなる研究に励みたいと思っております。今後ともご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
    (校長 竹本 芳朗)

    教育活動の概要 題名 「リーフレットによる著作権教育−事件・事例で学ぶIT社会−」
    対象学年 高校生
    授業科目 ショートホームルーム、ロングホームルーム、情報技術基礎
    授業時間数 延べ102回
    4時間
    実施期間 平成17年6月~平成18年10月
    レポート・教材
    ねらい

    教科「情報」は授業時数そのものが少ない上に、その中の一単元である情報モラルの中の著作権についての授業時間はさらに少ない。情報モラルについては「授業」という形式にとらわれている限り「著作権教育」を十分に行うことが出来ないため、授業形式ではなく朝のショートホームルームのような「すき間時間」にインパクトを強めたリーフレットを配布するだけで著作権教育を中心とする情報モラル教育が行えないだろうかと考えた。

    内容

    予備知識がなくても一読するだけで理解できるリーフレットを作成し、全生徒に配布した。事例中心の内容とし、毎回身近なクイズを出し読みっ放なしにならないようにし、また、読み捨てとすることで、授業という意識を薄めて情報モラル教育にあまり興味がない生徒の心理的負担を軽くした。各号を独立させることで、いつからでも学習が始められるという雰囲気を作った。

    成果と課題

    情報ネットワーク社会で生きていくことを強いられる事実を認識させ、情報化社会について最低限の知識や情報を与えた。全ての教科・科目において機会を見つけて著作権教育を行い、基礎知識の底上げを行うことで著作権意識の必要性を認識させることが出来た。学年全体あるいは学校全体が取り組んでいるという雰囲気や高揚した意識の下で行う学習は、より効果的であった。

    リーフレットを読ませるためには、多くの生徒との会話を通して興味が何処にあるかを的確に把握し、IT社会がどこへ向かおうとしているのかを見極め、内容を如何に絞り込むかが最も重要である。生徒に興味を持たせる内容で情報化社会と自分との関係を考えさせ、その上でなぜ情報モラルが大切なのかを気付かせる必要がある。法や情報モラルのルールを、やってはいけないことの暗記として捕らえるのではなく、ナゼそうなっているのかをよく理解させることが重要である。

    関連サイト

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