第5回 入賞事例

    これらの教育実践事例資料は、教育関係者が著作権教育を目的として、非営利で利用する場合に限り、自由にご利用いただけます。

    優良賞 奈良県 奈良県立桜井高等学校一覧にもどる

    「Webアートコラボ(美術・音楽)」

    担当教諭 中川 賀照(美術) 牧野 卓央(音楽:平成19年度) 上嶌 祐子(音楽:平成20年度)

    受賞のことば

    樟蔭高等学校・写真

    入賞の知らせをいただき、大変喜んでいます。今回の取組は、普段学校のWebページを管理している関係上、何か生徒の活動と結びつけることができないかと考えているなかから生まれたものです。単に生徒の作品を掲載するというものではなく、生徒が主体的に関わりをもてるようなものにしたいと考えました。そして、Webページでは絵と音が発信できることから、美術科と音楽科とのコラボレーションを試みることにしました。

    実際に自校のWebページへ情報を発信するという活動を通して、著作権を具体的で身近なものとして考え、「決まりや約束を自分たちで作っていく」という姿勢に結び付けることができたのではないかと思っています。

    今回の入賞を励みとし、自他共に「著作権」への尊厳と感性を養うことに少しでも寄与できるよう研究を推進していきたいと思います。ありがとうございました。
    (教諭 中川 賀照・牧野 卓央)

    教育活動の概要 題名 「Webアートコラボ(美術・音楽)」
    対象学年 美術(2年) 音楽(2年、3年)
    授業科目 美術II 音楽II・III
    授業時間数 美術(全13時間の内1時間程度) 音楽(全6時間の内30分程度)
    実施期間 美術(H19:5月~7月 H20:11月~2月) 音楽(H19:11月 H20:11月)
    レポート・教材
    ねらい 芸術科のそれぞれの教科・科目の特性を生かしながら、自校のWebページに興味・関心をもち、他者からの評価に刺激を受けながら自己の表現をさらに高めていくことができる。
    著作権等に配慮しながら、インターネットや校内ネットワーク、PC、表現ツール(画像処理ソフト・作曲ソフト)など、ICTを活用した活動ができるようになる。
    内容

    美術

    1. 導入(Webページを通じた自己表現の在り方、音楽とのコラボレーションの意義)−1時間
    2. 使用ソフトと著作権の学習(画像処理ソフトの習得、著作権・情報モラルの理解)−2時間
    3. 制作シート(挿入箇所・描画方法等の選択、制作意図・題名・内容等の決定)−2時間
    4. 制作(情報モラルを意識した作品づくり、学校の教育活動への参画途中作品の保存)−7時間
    5. 鑑賞(自他作品の発表や鑑賞を通じて、自他作品のよい点や問題点への気づき)−1時間

    音楽

    1. 導入(本学習内容と使用する音楽ソフトウェアの理解及び楽譜入力の練習、著作権・情報モラルの理解)−1時間
    2. 展開(場面の選択とイメージの想定、楽器編成、基本メロディー・旋律等の入力、オリジナル作品の楽譜印刷、生徒各自のフォルダへの保存)−4時間
    3. 鑑賞(各自の作品発表、各自の作品を聴いての相互・自己評価)−1時間
    成果と課題

    自校のWebページを通じて作品を発信するという実践的な課題であるため、自他の著作物に関する権利や情報提供者の責任についてなど、具体的に学習することができたと思われる。
    今後の課題としては、著作権の学習では指導者側の意識の中に、「○○をさせてはいけない」という規制的な気持ちが起こりがちであるという点であろう。
    生徒の主体的、自主的な取組になるためには、「決まりや約束を守る」指導から「決まりや約束を自分たちで考える」指導への指導者自身の意識の転換や指導方法の工夫が必要になってくると思われる。

    児童・生徒の感想
    選考委員コメント

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