第7回 入賞事例

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    著作権利用のマナーに関する「実感を伴う」を学習活動の展開

    担当教諭 名倉 嘉章 内田 雅之

    受賞のことば

    岡崎市立井田小学校

    本校では昨年度から情報モラル指導に取り組んでいますが、その取り組みに対して高い評価をいただいたということで、大変光栄に思っています。

    子どもたちの手による映像制作の場で著作権指導に端を発した本校の著作権指導に、今年度はより「学校全体の学び」として拡充し、さらに「著作権処理のプロ」による指導も取り入れました。これにより、「教室で学んだこと」に「子どもにとっての現実感」という重要な価値を付加することができたと思います。

    小学校における著作権指導で大切なのは、全ての学級担任が「ごく当たり前に、日常的に著作権指導を行うことができる」ようにすることだと考えます。そのためには必要な環境・教材の整備とともに、学級担任への啓発が非常に重要です。この点について、今回頂いたこの賞を励みに今後も頑張っていこうと考えています。
    本当にありがとうございました。 (教諭 内田 雅之)

    教育活動の概要 題名 著作権利用のマナーに関する「実感を伴う」を学習活動の展開
    対象学年 小学5年生
    授業科目 総合的な学習の時間・道徳の授業の時間
    授業時間数 14時間 5年生の映像制作に取り組んだ学級
    1~2時間 各学年における著作権に関する学習
    実施期間 平成23年5月~11月
    レポート・教材
    ねらい
    • 著作権処理のプロに触れる機会を設け、実感を伴つた著作権に関する学びを展開する。
    • 著作権について低学年から高学年まで段階的に理解を深め、著作者の権利を守る意識を高めるとともに、著作権を侵害しない意識、態度を養う。
    • 自分たちのメッセージを伝えるための映像制作を進める中で、著作物と上手く関わりながら、活動を進めようとする態度を養う。
    内容
    • 著作権処理のプロによる著作権講座を開催し、著作権の問題が身近の問題であることを実感させる。
    • 総合的な学習の時間の学びのまとめについて、高学年の学級ではビデオ番組を制作して校内や地域に発表をしている。その際、番組制作を通して必要な著作権について理解をし、意識を高揚させるための学習を行った引用先を明確にした表現の仕方とともに、インタビューなど肖像権とそれに伴う許諾についても学習を進めた。(5年)
    • 今年度より、著作権を始めとした健全な情報社会の形成のための学習を低学年から段階的に道徳の時間の授業に位置付けることによって、情報社会におけるモラルの向上に努めるよう取り組んだ。(各学年)
    成果と課題
    • 著作権処理のプロによる講座を受け、言葉に触れることで、子どもたちが著作権の間題を身近な物だと実感を持ってとらえることができるようになった。
    • 著作権という言葉が、日常的に使われるようになってきた。特に、ビデオ制作を通して考えることで、肖像権やそれに伴う撮影や利用許可など意識するようになってきた。
    • 道徳の授業を通して、著作権だけにとどまらず自分を律していく情報モラルをさらに高めていく必要を感じた。さらに国語科を中心として、メディアリテラシーの力を高め、情報を適切に判断する学びを積み上げていくことの重要性を認識した。
    児童・生徒の感想
    • ニセモノを作ったりするのはぜったいいけないし、やられた方もいやな気持ちになるので、わたしが大人になったら、自分のオリジナルの物を作りたいと思った。
    • 「まね」そのものは悪いことではないけど、勝手にマネするのはいけないことが分かった。
    • 著作権がとても大切な物だということがよく分かった。
    • 他人の作ったものを許可無く使うと、その相手がきずつくので、気をつけたいと思った。
    • あんなにコピー商品があるのは知らなかったので、クイズラリーではとてもびっくりした。
    • 自分が時間をかけて作った作品も、勝手にまねされると、苦労が全部水のあわになってしまう。自分勝手なことはいけないと思った。
    選考委員コメント

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