添付資料の一覧
  • 資料1 著作権の集中管理に関する概念図
  • 資料2 著作権に関する仲介業務に関する法律(仲介業務法)の概要
  • 資料3 商業用レコードの二次使用料等に係る指定団体制度の概要
  • 資料4 私的録音録画補償金に係る指定管理団体制度の概要
  • 資料5 著作権制度審議会答申(昭和42年5月)
  • 資料6 各国の集中管理団体等の正式名称
  • 資料7 各国著作権法等の参照条文
  • 資料8 著作権等の集中管理に関する外国の法制度の一覧
  • 資料9 中間まとめの内容と仲介業務法等との規制に関する比較表
  • 資料10 規制の範囲に関する考え方の整理



  • 資料1 著作権等の集中管理に関する概念図

    figure 1


    資料2 著作権に関する仲介業務に関する法律(仲介業務法)の概要

    1.仲介業務の定義
    著作権に関する仲介業務とは、著作物の出版、翻訳、興行、放送、映画化、録音その他の方法による利用に関する契約について著作権者のために代理または媒介を業として行うことをいう。(仲介業務法第1条第1項)

    また、著作権の移転を受け他人のために一定の目的に従い著作物を管理する行為を業として行うことは、著作権に関する仲介業務と見なされる。(第1条第2項)

    2.規制の対象とする仲介業務の内容について
    規制の対象とする著作物の範囲は勅令によって、次のように定められている。(第1条第3項、昭和14年法律第67号第1条第3項の規定に依り著作物の範囲を定むるの件)
     一 小説
     二 脚本
     三 楽曲を伴う場合における歌詞
     四 楽曲

    3.仲介業務の実施に対する許可制
    著作権に関する仲介業務を行おうとする者は、業務の範囲、業務執行の方法を定め、文化庁長官の許可を受けるべきこととされている。業務の範囲、業務執行の方法の変更についても同様である。(第2条、第4条)

    無許可で仲介業務を行なった者、許可を受けた業務の範囲をこえて業務をした仲介人、許可を受けた業務の執行方法によらずに業務をした仲介人は、2万円以下の罰金に処せられる。(第10条、第11条、第12条)

    4.著作物使用料に関する規制
    仲介業務の実施について許可を受けた者は、著作物使用料規程を定め、文化庁長官の認可を受けるべきこととされている。使用料規程を変更しようとする場合も同じである。(第3条第1項)

    仲介団体から認可の申請があったときは、文化庁長官はその要領を官報で公告し、出版者団体、興行者団体、映画製作者団体、レコード製作者団体、放送事業者その他著作物利用者団体は、公告の日から1月以内に文化庁長官に意見を具申することができる。(第3条第2項、第3項)

    文化庁長官は認可しようとするときは、公告の日から1月を経過した後、著作権審議会に諮問し、関係団体から具申された意見を審嶺会に提出する。(第3条第4項)

    認可を受けた著作物使用料規程によらずに業務を行った場合は、2万円以下の罰金に処せられる。(第12条)

    5.その他(仲介業務に対する監督の態様)
    現行法の規定する仲介団体に対する監督方法は、次のとおりである。
    (イ)仲介人には、業務報告書および会計報告書の提出義務がある。(第5条)
    (ロ)文化庁長官は、仲介人の監督に関し、次の権限を有する。
    (a)仲介人に、その業務に関する報告をさせ、又はその帳簿書類を提出させること。(第6条)
    (b)仲介人の事務所その他の場所に臨検し、その業務および財産の状況を検査する事。(第7条)
    (c)仲介人の業務または財産の状況により必要と認めるときは、業務執行の方法の変更を命じ、その他必要な命令をすること。(第8条)
    (e)仲介人が仲介業務法若しくは同法にもとづく命令又はこれにもとづいてする処分に違反したとき又はその業務に関し公益を害する行為をしたときに、許可を取消し又はその業務を停止し若しくは制限する事。(第8条)
    (ハ)監督規定に違反した場合については、2万円以下の罰金。
    (a)業務の停止又は制限に違反したとき(第11条2号)
    (b)業務報告書若しくは会計報告書を提出せず、又はこれに虚偽の記載をしたとき(第12条3号)
    (c)業務に関する報告をせず若しくは虚偽の報告をし、又は帳簿書類を提出しないとき(第12条4号)
    (d)業務執行の方法の変更の命令その他必要な命令に違反したとき(第12条5号)
    (e)臨検検査を拒み、妨げ又は忌避した者(第13条)



    資料3 商業用レコードの二次使用料等に係る指定団体制度の概要

    1.指定団体による権利行使
    商業用レコードの放送二次使用料を受ける権利は、権利者(実演家)の団体(=国内において実演を業とする者の団体)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によってのみ行使することができる。(第95条第4項)

    指定団体は、権利者から申込みがあったときは、その者のためにその権利を行使することを拒んではならない。(第95条第6項)

    指定団体は、権利者から申込みがあったときは、権利者のために自己の名をもってその権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。(第95条第7項)
    ※ レコード製作者の権利についても同様の指定団体制度が設けられている(第97条)

    また、実演家及びレコード製作者の商業用レコードの貸与に係る報酬を受ける権利についても同様の指定団体制度が設けられている。(第95条の2、第97条の2)

    2.団体の指定
    文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ、指定をしてはならない。
    営利を目的としないこと。
    その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
    その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
    権利者のためにその権利を行使する業務をみずから的確に遂行するに足りる能力を有すること。(第95条第5項)

    3.業務の運営に対する監督等
    文化庁長官は、指定団体に対し、二次使用料に係る業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又はその業務の執行方法の改善のための必要な勧告をすることができる。(第95条第8項)

    指定団体は、二次使用料関係業務の開始の際、業務規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。変更しようとするときも同様。(施行令第47条)
    事業計画、収支予算、事業報告書及び収支決算書の提出(施行令第49条)
    業務の休廃止の届出(施行令第51条)
    文化庁長官は、指定団体が指定の要件を備えなくなったとき等の場合、指定を取り消すことができる。(施行令第52条)

    4.二次使用料の額について
    二次使用料の額は、毎年、指定団体と放送事業者等又はその団体との間において協議して定める。(第95条第9項)

    二次使用料の額の協議が成立しないときは、当事者は、文化庁長官の裁定を求めることが出来る。(第95条第10項)

    上記の協議及びこれに基づいてする行為については、独占禁止法は適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いる場合及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。(第95条第12項)


    資料4 私的録音録画補償金に係る指定管理団体制度の概要


    1.指定管理団体による権利行使
    私的録音録画補償金を受ける権利は、権利者のためにその権利を行使することを目的とする団体であって、全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によってのみ行使することができる。(第104条の2第1項)

    指定がされた場合には、指定管理団体は、権利者のために自己の名をもってその権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。(第104条の2第2項)

    2.団体の指定
    文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ、指定をしてはならない。
    民法の規定により設立された公益法人であること。
    私的録音録画に係る著作物に関する複製権者、実演家及びレコード製作者のそれぞれを構成員とする団体によって構成されること。
    上記構成団体が、それぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。
    ・営利を目的としないこと。
    ・その構成員が任意に加入し、又は脱退することができる。
    ・その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
    権利者のために権利を行使する業務を的確に遂行するに足りる能力を有すること。(第104条の3)

    3.業務の運営に対する監督等
    文化庁長官は、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又はその補償金関係業務の執行方法の改替のため必要な勧告をすることができる。(第104条の9)

    指定管理団体は、補償金関係業務の開始の際、業務の執行に関する規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。変更しようとするときも同様。(第104条の7)

    事業計画、収支予算、事業報告書及び収支決算書の提出(施行令第57条の9)

    業務の休廃止の届出(施行令第57条の7)

    文化庁長官は、指定管理団体が指定の要件を備えなくなったとき等の場合、指定を取り消すことができる。(施行令第57条の8)

    4.補償金の額について
    指定管理団体は、補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。変更しようとするときも同様。(第104条の6第1項)

    指定管理団体は、認可の申請に際し、あらかじめ、製造業者等の団体で製造業者等の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。(第104条の6第3項)

    5.その他
    (1) 共通目的事業への支出
    指定管理団体は、補償金の額の2割以内で政令で定める割合(2割)に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業(いわゆる共通目的事業)のために支出しなければならない。(第104条の8)

    文化庁長官は、共通目的事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、共通目的事業に関し監督上必要な命令をすることができる。(第104条の8第3項)

    (2) 仲介業務法の適用除外
    仲介業務法は、指定管理団体が行う補償金関係業務については、適用しない。(第104条の10)


    資料5 著作権制度審議会答申(昭和42年5月)

    一 仲介業務の規制の必要性
    著作権に関する仲介業務については、次に掲げる理由により、従来どおり、これを規制する方針を維持することが適当である。
    (一)他人の財産権を管理するものであるから、その業務の基礎が確実であり、かつ、その運営が公正に行なわれるものでなければならないこと。
    (二)仲介機関の機能に即するよう、仲介機関の設立を規制するとともに、著作権の集中的管理から生ずる強大な機能について、その行使の適正を期し、著作物の利用の円滑化を図る必要があること。
    (三)著作権者の保壌および文化の普及、発達に資するよう堅実な仲介機関の育成を図る必要があること。
    立法に当たっては、以上の趣旨において仲介業務の規制を行なうものであることを明らかにすることが望ましい。
    規制の対象とすべき仲介業務の範囲および規制の内容に関しては、この際、著作物の利用の実態および内外の立法例を考慮して、その改善および合理化を図る必要がある。

    二 規制の対象とする仲介業務の内容について
    1 著作権の範囲
    現行制度は、音楽の著作物ならびに小説および脚本のすべての著作権に係る仲介業務を規制の対象としているが、規制の対象は、前記-1に述べた趣旨にかんがみとくに規制を必要とするものに限定することが適当である。
    (一)音楽の著作物について
    (1)演奏権(放送権、有線放送権および映画音楽の上映演奏権を含む。)および録音権(映画録音権を含まない。)に係る仲介業務は、これらの権利の管理に関する国際慣行およびわが国の実情にかんがみ、ひきつづき規制の対象とする必要がある。
    (2)演奏権および録音権以外の権利については、権利行使の実際からみて、その仲介業務の規制を考慮する必要はないが、演奏権または録音権の仲介機関が音楽の著作物の複製権または映画録音権を管理するときは、その仲介業務に関しても当該仲介機関に対する一般的な指導監督を及ぼしうるよう配意することが適当である。

    なお、複製権に係る仲介業務については、今後における権利行使のあり方によっては、たとえば使用料の規制等の措置を講ずることを考慮する要がある。
    (3)オペラ等の楽劇的著作物については、その音楽的部分を非演劇的に演奏する権利等国際的にいわゆる小権利とされるものに係る仲介業務は、規制の対象となるが、それを演劇的に上演する権利等いわゆる大権利とされるものに係る仲介業務は、国際的な権利行使の実態からみて規制の対象とする必要はない。ただし、大権利とされるものが音楽の著作物の演奏権または録音権の仲介機関によって管理される場合には、(2)で述べたところと同様とする。

    (二)文芸の著作物について
    (1)文芸の著作物については、その性質上原則としてその仲介業務を規制する必要性は認められないが、放送権に関しては、著作物の利用の実態、権利の集中的な管理の容易さ等から考えて、その仲介機関の発達が予想されるところであり、その管理の適正を期するため、規制を考慮することが適当である。

    なお、現行制度は、規制の対象とする著作物の範囲を小説および脚本に限っているが、詩、短歌等を含め、文芸の著作物一般を対象とすべきである。
    (2)翻訳権に関しては、媒介を主体とした仲介業務が事実上行なわれているところであり、その仲介行為の実態によっては規制を考慮する必要があるが、現段階においては、とくに規制の対象としなければならないほどの事情は、認めがたい。
    (3)放送権の仲介機関が、上演権、映画化権等をも管理するときは、その仲介業務に関しても当該仲介機関に対する一般的な指導監督を及ぼしうるよう配意することが適当である。

    (三)その他の著作物について
    (1)学術の著作物については、言語で表現されるものの仲介業務を文芸の著作物の場合と同様に取り扱うものとし、それ以外は、規制しないこととする。
    (2)美術の著作物および写真の著作物については、これらの利用に関し、適当な仲介機関の発達が期待されるところであるが、今後におけるその発達の態様はなお予測しがたいものがあり、現段階においては、これらの仲介業務を規制する積極的な必要性は認めがたい。

    2 業務の態様
    (一)仲介業務として規制すべきものは、現行法のたてまえを維持し、次のとおりとする。

    (1)著作権の移転を受け他人のために一定の目的に従い著作権を管理する行為を業として行なうこと。
    (2)著作物の利用に関する契約につき、著作権者のために代理または媒介を業として行なうこと。

    立法に当たっては、(1)に掲げる行為が仲介業務の主たる業態であることにかんがみ、これを仲介業務の原則的形態とするとともに、「仲介」という用語についても、たとえば「管理」に改めることを検討することが適当である。
    なお、著作権者と使用者との間の個々の著作物利用契約に基づく使用料の徴収を包括的に代行する業務も、(2)に含まれるものとして、規制の対象とすることを考慮すべきである。

    (二)音楽出版社がその管理する音楽の著作物の演奏権または録音権を直接行使する場合には、規制の対象とするが、それらの行使を他の演奏権または録音権の仲介機関に委ねる揚合には、規制する必要はない。

    三 音楽の著作物に係る仲介業務に対する規制の態様

    1 業務の実施に対する規制
    (一)許可制
    (1)仲介業務を規制する趣旨からして、現行法どおり仲介業務の実施を文部大臣の許可に係らしめることが適当である。
    (2)仲介機関は単一であることが合目的的であるとはいいうるとしても、単一でなければ公共の福祉に反する結果を招くものであるとまでは、いいがたいものがあり、制度として単一制をとることには、問題があると考える。したがって、たてまえとしては複数制をとることとするが、その態様としては、仲介機関存立の趣旨、目的からして、単一制の利点をできる限りとり入れうるよう許可基準を定め、かつ、その運用を図ることが適当である。
    (3)なお、特定の仲介機関に公社、公庫に類する公法上の特別の地位を与え、その組織、構成を法律で定めるものとすることは、著作権仲介業務の性質からして、必ずしも適当ではない。
    また、たとえば、宗教法人法、私立学校法等におけると同様に特別法に基づく法人として仲介機関の組織、構成を定めることも、現段階においては採用しがたいが、なお将来の課題として検討すべきものと考える。
    (二)許可基準
    許可基準の内容は、次のようなものとすることが適当である。
    (1)著作権に関する仲介業務を営むにつき、じゅうぶんな適格性を有すること。
    業務を執行する役員が音楽の著作権に関し知織と経験を有し、仲介業務の執行について公正かつ適確な判断をなしうるものであるとともに、じゅうぶんな社会的信用を有するものであることが、必要である。
    (2)その業務が公正に運営されるよう配慮された組織、構成を有するものであること。仲介機関は、公益法人であることが望ましい。
    また、仲介機関が権利者団体であるときは、次の事項について措置されていることを要求することが考えられる。
    (イ)著作物利用者の意向をも反映しうるよう構成された、業務運営の基本的な方針についての諮問に応ずる機関を設けること。
    (ロ)業務の運営が円滑、適正に行なわれるよう、業務執行機関の権限を確保すること。
    (ハ)業務を執行する役員の中に非構成員である学識経験者を加えること。
    (3)その業務を適確に遂行するのに必要な能力を有するものであること。
    (イ)利用の許諾を与え、および使用料を徴収するのに必要な組織、構成が整備され、全国的な管理能力を有するものであること。
    (ロ)徴収した使用料を能率的に分配するための組織、構成が整備されていること。
    (ハ)相当数の権利を管理するものであること。
    (ニ)演奏権の仲介機関にあっては、外国の演奏権仲介機関との相互契約の締結が見込まれること。
    (4)その業務を適確に遂行するにたりる経理的基礎があること。
    その業務の事業計画が確実であり、収支の見込みが良好であることが必要である。
    (5)その業務の開始が著作物利用の円滑化、権利者の保護その他公益上の見地から必要であり、かつ、適切であること。
    この要件の具体的な適用に当たっては、著作物利用の円滑化、権利者の保護等に対するその業務の開始の寄与の度合いを勘案し、総合的に判断すべきである。
    (6)一般事業法が定めるような欠格事由がないこと。
    (三)文部大臣は、許可の申請があったときは、著作権制度審議会に諮問するものとすることが適当である

    2 業務の運営に対する規制
    (一)仲介行為の引受けに関する契約約款、著作物使用料の分配方法および仲介機関の手数料の決定、変更を文部大臣の許可に係らしめること、業務報告書および会計報告書の提出を義務づけること等、仲介機関の業務の運営に対する規制、監督についての現行法制は、原則として維持すべきである。
    (二)右のほか、新たに次のような規制を加えることが適当である。
    (1)正当な理由がなければ、著作権の管理の引受けを拒んではならないものとすること。
    (2)その管理に係る著作物のうち、特定のものの使用を勧奨してはならないものとすること。
    (3)正当な理由がなければ、著作物の利用の許諾を拒んではならないものとすること。
    ただし、音楽の著作物を商業目的で発売される録音物に最初に録音すること(いわゆるイニシャル・レコーディング)については、権利行使の実態にかんがみ著作権者がその録音を行なう者を指定することができる等の措置を講ずる必要がある。
    (4)業務を執行する役員の構成、選任等については、文部大臣が何らかの関与をなしうるような方途を考慮すること。
    (5)公認会計士の制度の活用を考慮する等、経理の監督を強化する措置を講ずること。
    (三)著作物利用者に、法律上仲介機関に対する使用著作物の報告義務を課することは、現段階においては、適当ではない。また、仲介機関と包括契約を締結した利用者が、仲介機関の管理外著作物をも利用しうるものとすることについては、仲介機関が複数存在しうることおよび前記の報告事務を課さないものとしたこと等から、採用しがたい。
    (四)許可を受けないで仲介業務を営む者は利用者に対し有効に権利を主張しえないものとすることについては、外国の立法例もみられるところであるが、わが国の法制において認めがたい。

    3 使用料に対する規制
    (一)著作物の利用に関する契約約款について
    著作物の利用の円滑化をはかるため、利用契約の条件は、画一的に適用される契約約款としてあらかじめ明らかにされていることが必要であり、また、その内容は、適正なものでなければならない。よって、仲介機関は、その管理する権利に係る著作物の利用契約約款を定め、それについて文部大臣の認可を受けるものとすることが適当である。
    なお、外国の仲介機関との相互契約の締結を認可に係らしめることを検討すべきである。
    (二)著作物の使用料率について
    多数の権利の集中的管理が予想される仲介機関が、適正な使用料によって権利を行使することを確保するため、仲介機関は、著作物の使用料率を定め、それについて文部大臣の認可を受けるべきものとすることが適当である。使用料率を認可に係らしめず、使用料について当事者間の協議が調わない場合において行政庁が裁定するものとする考え方は、わが国においては適当ではないと考える。
    (三)使用料に関する認可の手続等
    (1)文部大臣は、著作物利用契約約款および使用料率の認可に当たって、使用者団体の意見を徴するとともに、権利者代表、使用者代表および公益代表の三者で構成される審議会に諮問するものとすることが適当である。
    (2)使用料率の認可については、社会情勢の変動を考慮し、二、三年程度の期限を付することが必要である。

    四 文芸の著作物の放送権に係る仲介業務について
    業務実施の許可および業務の運営に対する規制は、おおむね音楽の著作物に関する仲介業務に対する場合と同様に措置してさしつかえないが、許可基準の運用等に当たっては、文芸の著作物の性質および利用の実態に応じた相当の配慮をすることが適当である。
    使用料率に関しては、音楽におけるほど画一的に料率を定めることは困難であろうが、権利の集中が予想される以上、使用料率の認可制を採用することが適当である。

    五 隣接権に関する仲介業務について
    隣接権制度において創設されることとなる実演家、レコード製作者および放送事業者の諸権利は、レコードの二次使用等に係る報酬請求権を除き、その性質上集中的な管理にはなじみがたいものと考えられるが、これらの権利がどのように管理されるかについては、現段階においてなお予測しがたいものがあるので、これらの仲介業務については、将来における管理の実態に応じて、規制の要否を検討すべきである。
    (注)この答申の附属説明書は、この答申の基礎となった第六小委員会審議結果報告をもってこれにかえるものとする。



    資料6 各国の集中管理団体等の正式名称
    (※表中のアクセント記号などが正しく表示されない場合は、代わりの別表をご参照ください)

    国際団体
    CISACConfédération Internationale des Sociétés d'Auteurs et Compositeurs
    BIEMBureau International des Sociétés Gérant les Droits d'Enregistrement et de Reproduction Mécanique

    ドイツ
    GEMAGesellschaft Für Müsikalische Aufführungs - und Mechanische Vervielfältigungsrechte
    VG WORTVerwertungsgesellschaft WORT
    VG BILD-KUNSTVerwertungsgesellschaft BILD-KUNST

    スペイン
    SGAESociedad General de Autores de España

    フランス
    SACEMSociété des Auteurs, Compositeurs et Éditeurs de Musique
    SDRMSociété pour l'Administration du Droit de Reproduction Mecanique des Auteurs, Compositeurs et Éditeurs
    SACDSociété des Auteurs et Compositeurs Dramatiques
    DRAMADRAMA
    ADAGPSociété des Auteurs dans les Arts Graphiques et Plastiques
    SPADEMSociété des Auteurs des Arts Visuels

    スイス
    SUISASociété Suisse pour les Droit des Auteurs d'Œuvres Musicales

    アメリカ合衆国
    ASCAPAmerican Society of Composers,
    Authors and Publishers
    BMIBroadcast Music, Inc.
    SESACSESAC Inc.
    APRSAmerican Performing Rights Society, Inc.
    AMRAAmerican Mechanical Rights Agency, Inc.
    CCCCopyright Clearance Center, Inc.
    VAGAVisual Artists and Galleries Association, Inc.

    イギリス
    PRSThe Performing Right Society Ltd.
    MCPSMechanical Copyright Protection Society Ltd.
    CLACopyright Licensing Agency Ltd.
    DACSDesign and Artists Copyright Society Ltd.

    カナダ
    SOCANSociety of Conposers, Authors and
    Music Publishers of Canada
    CMRRACanadian Music Reproduction Rights Agency, Ltd.
    SODRACSociété du Droit de Reproduction des Auteurs, Compositeurs et Éditeurs au Canada

    イタリア
    SIAESocieta Italiana degli Autori ed Editori



    資料7 各国著作権法等の参照条文

    1 ドイツ

    (1) 著作権及び著作隣接権の管理に関する法律(管理団体法)
    第1条 許可を得る義務
    1965年9月9日の著作権法(連邦法律集11273頁)に基づく利用権、同意権又は報酬清求権を多数の著作者又は著作隣接権者のために共同の行使に関して管理する者は、その管理が自己の名をもって行われるか他人の名をもって行われるかを問わず、その許可を得なければならない。
    第1項は、掲げられた権利及び請求権の一時的な又は短期の管理には適用しない。
    第1項により求められる許可を得ることなく業務を行う者は、管理に関し自らに委託された権利又は請求権を行使することができない。その者には著作権法第109条による告訴権が帰属しない。
    法人又は人的会社が第1項に掲げられた業務を遂行する場合には、それはこの法律の意味における管理団体とする。個々の自然人が第1項に掲げられた業務を遂行する場合には、その者にこの法律の管理団体に関する規定を準用する。

    第3条 許可の拒絶
    許可は次の場合の一に該当するときに限って拒絶される。
    管理団体の定款がこの法律の規定に適合しない揚合
    諸般の事実から、法律又は定款により管理団体を代表する権限を与えられている者がその業務の遂行を行うに必要な信頼性を有していないことが明らかな場合
    管理団体の経済的基盤がそこに委託された権利又は請求権の効果的な管理を期待させない場合
    許可の拒絶は理由を付し、かつ、管理団体に交付されるものとする。

    第6条 管理義務
    管理団体は、もし権利者が、根本法に意見するドイツ人又は欧州連合のその他の加盟国の国民若しくは欧州経済地域(EEA)に関する条約のその他の締約国の国民、又はこの法律の適用地域にその居所を有し、かつ、権利又は請求権の効果的な管理が別途にできない場合は、権利者の求めに応じて、その業務の範囲に属する権利及び請求権を衡平な条件において管理することが求められる。企業の所有者が権利者の場合、欧州連合の加盟国若しくは欧州経済地域に関する条約の締約国に主たる事務所を有する会社に対して義務が存する。
     管理団体の会員として認められなかった権利者の利益を適切に保全するため、共通の代表が構成される。管理団体の規定には、権利者による代表の選任及び当該代表の権限に関する規定を含めなければならない。

    第9条 決算及び監査
    1~5 (略)
    管理団体は、事業年の終了後遅くとも八月内に年末決算書及び事業報告書を連邦官報に公表しなければならない。その際、確認記載の全文が転載されるものとする。決算監査人が確認を拒否した場合は、年末決算書に関するその他の法律規定はこれによって影響を受けない。

    第10条 報告事務
    管理団体は、何人に対しても書面による求めに応じて、自らが著作者又は著作隣接権者のために一定の著作物に関する利用権又は一定の同意権若しくは報酬請求権を管理しているか否かに関し報告をなす義務を負う

    第11条 締約強制
    管理団体は、何人に対しても求めに応じて、自らの管理する権利に基づき相当なる条件にて利用権を許与し又は同意を与える義務を負う。
    2(略)

    第12条 包括契約
    管理団体は、会員が著作権法により保護される著作物又は給付を利用し、若しくは、著作権法により報酬を支払う義務を負う団体との間に、管理団体の管理する権利及び請求権に関し相当なる条件にて包括契約を締結する義務を負う。ただし、とりわけ、団体の会員数が余りに少ないために、包括契約の締結が管理団体に期待できない場合はこの限りでない。

    第13条 料率
    管理団体は、管理団体がその管理する権利及び請求権に基づき請求する報酬に関し料率を設定しなければならない。包括契約が締結されている場合は、これらの契約中で合意された報酬率を料率とみなす。
    管理団体は、料率及び料率の改定を連邦官報上に遅滞なく公表する義務を負う。
    3(略)

    第14条 仲裁所
    管理団体が関与する争においては、争が次の場合の一に該当するときは、各権利者は仲裁所に申し立てることができる。
    一 著作権法により保護されている著作物又は給付の利用
    二 包括契約の締結又は変更
    仲裁所は監督官庁(第18条第1項)に設置される。それは、その長又はその代理及び2名の陪席委員より成る。仲裁所の構成員はドイツ裁判官法に基づく裁判官職の資格を有していなければならない。それは連邦司法大臣により4年の任期で任命される。再任は許される。
    3~7(略)

    第20条 通知義務
    管理団体は、監督官庁に対して法律又は定款により管理団体を代表する権限を与えられた者の交代をその都度届け出なければならない。管理団体は、監督官庁に対して遅滞なく次の事項につき原本の写しをもって伝えなければならない。
    定款のあらゆる変更
    料率及び料率のあらゆる改定
    包括契約
    外国の管理団体との協定
    会員総会、監事会又は顧問会議及びすべての委員会の決定
    年末決算書、事業報告書及び監査報告書
    監督官庁が求める限り、管理団体が当事者となっている裁判上又は行政上の手続における決定

    (2)著作権法
    第54条 報酬義務
    1~5 (略)
    第1項、第2項及び第5項による請求権は管理団体を通してのみ行使することができる。権利者各人には、第1項及び第2項により支払われる報酬につき相当なる持ち分が帰属する。
    (注)第1項  私的録音録画補償金
       第2項  複写複製補償金

    2 スペイン
    知的所有権法
    第25条(私的複製に関する報酬請求権)
    (1)書籍もしくは政令により書籍とみなされる刊行物の形態により、またはレコード、ビデオグラムその他聴覚的、視覚的もしくは視聴覚的媒体の形態により公に利用された著作物のもっぱら私的使用を目的として行われる複製で、この法律の第31条2により許されるものは、これらの複製のそれぞれの形態について、この条の(4)(b)に定める者に支払われるべき相当な額の報酬で、当該複製を理由として受領されない知的所有権の使用料を填補することを意図されたものを発生させる。著作者及び実演家は、この権限を放棄することができないものとする。
    (2)~(6)(略)
    (7)この条の(1)にいう報酬請求権は、知的所有権管理団体がこれを行使する。
    (8)~(23)(略)

    第4部 この法律の定める権利の管理団体

    第142条(要件)
    自己または他人の名義において、二以上の著作者その他の知的所有権の保有者を代理し、かつその利益をはかるために、利用権その他の経済的な権利の管理を業とすることを意図して法的に設立された団体は、文化省から相応の認可を得るものとし、認可が付与されたときは、その旨官報により公告するものとする。
    当該団体は、営利を目的とすることができず、認可により管理を委託された知的所有権を行使することができ、かつ、この部に定める義務に従うものとする。

    第143条(認可の要件)
    (1)第142条に定める認可は、もっぱら次に掲げる要件が満たされる場合において、付与される。
    (a)申請者たる団体がこの部に定める要件を満たすこと
    (b)所与の説明および検討される情報に鑑み、申請者たる団体が、管理を委託された権利の国内全域にわたる十分な管理を行う上で必要な要件を満たしていることが一見して明白であること
    (c)認可がスペインにおける知的所有権保護の全般的な利益にかなうものであること
    (2)(1) (b)および(c)に定める要件が満たされているか否かを決定するにあたっては、特に、認可が付与されたならば当該団体が管理を受託するであろう権利の保有者の数、潜在的な利用者の数、その定款の有効性およびその目的を達成するために当該団体が提示する方法、外国における管理の潜在的な実効性ならびに、適当な場合には、すでに認可された管理団体の報告書に、十分な注意が払われなければならない。

    第147条(知的所有権の信託管理者の義務)
    管理団体は、自らに委託された著作権その他の知的所有権を、その目的または設立趣旨に従って管理することに合意する義務を負う。管理団体は、その定款および適用可能なその他の規定に従って、信託管理を行うものとする。

    第150条(社会的活動)
    (1)管理団体は、自己の活動または非営利団体の活動を通して、自己の会員のために福祉的事業又は役務を促進し、かつ、著作者又は実演家の訓練およびプロモーションのための活動に従事するものとする。
    (2)(略)

    第152条(その他の義務)
    (1)管理団体は、次に掲げる義務を負う。
    (a)自らが管理する権利に基づく通常利用権の許与を要求する者との間に相当な条件および報酬の支払を定める契約を締結すること(もっとも、そのような契約を締結しない正当な理由が存する場合は、この限りでない。)
    (b)登録されているものの利用につき支払われる報酬の額を決定するために、一般使用料規程(営利を目的としない文化的な団体のために行う使用料の引き下げに関する規程を含む。)を定めること
    (c)登録されているものの利用者の団体が要求しかつそのような団体が関係する部門の代表者である場合において、一般契約を締結すること
    (2)当事者が合意に達することができなかった限りにおいて、利用の申込者が一般使用料規程に従って管理団体により設定される額の使用料を司法当局に供託するときは、相応の許諾が付与されたものとみなす。
    (3)(2) の規定は、文芸、演劇、楽劇、舞踊もしくは無言劇の著作物に関する権利の管理またはいずれかの種類に属する一もしくは二以上の著作物の単一の利用で権利者の別個の許諾を要するものについては、適用しない。
    (4)管理団体は、この法律に定める諸状況に応じた相当な額の報酬に関する権利を行使する義務を負い、かつ、ケーブル送信を許諾する権利を行使する義務を負う。

    第153条(知的所有権に関する調停および仲裁委員会)
    知的所有権に関する調停および仲裁委員会は、この法律により委任された調停または仲裁の任務を果たすために文化省がこれを創設するものとし、国内において組合(organo colegiado)を構成するものとする。
    (1)委員会による調停は、次に掲げる活動をその内容とする。
    (a)放送のケーブル送信の許諾に関して、知的所有権の保有者およびケーブル送信機関の間で合意が成立しなかったことによりこれらの者が契約を締結することができなかった場合において、当事者尋問の後、交渉成立のために協力すること
    (b)適当な場合において当事者に提案を行うこと
    3箇月以内にいずれの当事者も異議を申し立てないときは、全ての当事者が、この規定の前段にいう提案に同意したものとみなす。この場合において、委員会による調停案は、1988年12月6日の仲裁に関する法律第36号に定める効果を発生させるものとし、かつ、民事裁判所への提訴を妨げない。

    提案およびそれに対する何らかの異議は、1992年11月26日の行政に関する法制度および共通行政手続に関する法律第30号第58条および第59条の規定に従って、当事者に通知される。

    調停手続および調停を行うための委員会の構成も、政令により定められるものとする。ただし、いかなる場合においても、交渉の対象となる知的所有権を管理する管理団体の代表者二人およびケーブル送信機関の代表者二人は、当該委員会の委員となることができ、かつ、調停に関わるいかなる活動にも従事することができる。
    (2)委員会による仲裁は、次に掲げる活動をその内容とする。
    (a)第152条(1)の規定に従い、管理団体およびそこに登録されているものの利用者の団体の間でまたは管理団体および放送機関の間で生じうる何らかの紛争に関して、当事者尋問の後、仲裁判断を行うこと。委員会における当事者の弁論は、任意に行われるものとし、かつ、書面に記録されるものとする。
    (3)仲裁手続および仲裁を行うための委員会の構成は、政令により定められるものとする。ただし、いかなる場合においても、管理団体の代表者二人および利用者の団体または放送機関の代表者二人は、当該委員会の委員となることができ、かつ、仲裁に関わるいかなる活動にも従事することができる。

    委員会の決定は拘束力を有し、当事者に対して執行しうる。
    この条の規定は、管轄権を有する裁判所に提起されうる何らかの訴を害しない。もっとも、委員会における弁論は、仲裁判断が言渡される時まで、かつもっぱら当事者が適切な異議を申立てることにより判決を要求する場合に限り、裁判官または裁判所が仲裁に付された紛争に関して管理を行うことを妨げるものではない。

    第154条(文化省の権限)
    (1) (2) (略)
    (3)管理団体は、理事および代理人の任命、一般使用料規程およびその修正、利用者の団体と締結した契約ならびにこの法律の第151条にいう文書を、文化省に届出る義務を負う。

    3 フランス
    知的所有権法典
    第122の10条
    著作物の発行は、第3編第2章の規制を受け、かつ、そのために文化担当大臣の認可を受けた協会への複写複製権の譲漢を伴う。認可を受けた協会のみがそのように譲渡された権利の管理のために利用者といずれの取決めも締結することができる。ただし、複製物の販売、貸与、宣伝又は販売促進を目的とする許諾条項については、著作者又はその権利継承人の同意を条件とする。著作物の発行の日に著作者又はその権利継承人の指示がない場合には、認可を受けた協会は、この権利の譲渡人とみなされる。
    2~4(略)

    第214の4条
    1986年6月30日前に締結された協定がない場合又は前の協定の期間満了の日にいずれの協定も締結されていない場合には、報酬の早見表及び報酬の支払いの条件は、破棄院第一院長が指名する司法官を委員長とし、その他国務院副院長が指名する国務院の委員1名、文化担当大臣が指名する資格ある者1名、並びに報酬請求権の受益者を代表する団体及び関係する活動分野において第214の1条第1項第1号及び第2号に定める条件においてレコードを使用する者を代表する団体がそれぞれ指名する同数の委員で構成される委員会によって決定される。
    2~5(略)

    第214の5条
    第214の1条に規定する報酬は、第3編第2章にいう1又は2以上の団体が権利者のために徴収し、及びそれらの権利者に分配する。
    (注)第214の1条
     レコードの二次使用に係る実演家及びレコード製作者の報酬請求権

    第311の5条
    第311の1条に規定する報酬は、この編第2章にいう1又は2以上の団体が権利者のために徴収する。
    2(略)
    (注)第311の1条 私的録音録画に係る著作者等の報酬請求権

    第3編
     一般規則
    第2章 使用料徴収分配協会

    第321の1条
    著作権使用料並びに実演家、レコード製作者及びビデオグラム製作者の権利使用料の徴収分配協会が、民法法人として設立される。
    この協会の会員は、著作者、実演家、レコード製作者、ビデオグラム製作者、出版社、又はこれらの者の権利承継人でなければならない。正規に設立されたそれらの民法法人は、定款上責任を有する権利の擁護のために裁判所に出廷する資格を有する。

    第321の3条
    使用料徴収分配協会の定款及び一般規則の草案は、文化担当大臣に提出される。
    同大臣は、現実の重大な理由がそれらの協会の1の設立を妨げる場合には、それらの草案を受領した月内に、大審裁判所に問題を付託することができる。
    同裁判所は、それらの協会の発起人の職業上の資格、並びにそれらの発起人が使用料の取立て及びその作品目録の利用を確保するために活用することを提案する人的及び物的資源を評価する。

    第321の7条
    使用料徴収分配協会は、それらの協会が代表するフランス及び外国の著作者及び作曲家の完全な作品目録を使用予定者に提供しなければならない。


    4 スイス
    著作権法
    第20条 自己使用に対する報酬
    第19条第1項aによる私的領域における著作物利用は、第3項を除き報酬の支払いを要しない。
    第19条第1項b又はcに基づき自己使用のために、又は第19条第2項に基づき第3者として、著作物を何らかの方法で複製する者は、著作者に対して報酬を支払う義務を負う。
    生カセットその他著作物の収録に適した録音物及び録音・録画物を製造し又は輸入する者は、著作者に対して第19条に基づく著作物利用につき報酬を支払う義務を負う。
    報酬請求権は認可された管理団体によってのみ行使することができる。

    第35条 録音物及び録音・録画物の利用に対する報酬請求権
    購入可能な録音物又は録音・録画物が放送、再放送、公の受信(第33条第2項e) 又は上演に利用されるときは、実演家は報酬を目的とする請求権を有する。
    利用された収録物の製作者は実演家の報酬に関し相当なる分配を受けることができる。
    報酬請求権は認可された管理団体によってのみ行使することができる。
    4(略)

    第40条
    次のことは連邦の監督下に置く。
    非劇場用の音楽の著作物の上演及び放送、並びにかような著作物の録音物又は録音・録画物の製作に関する排他的権利の管理
    この法律に規定された、第13条、第20条、第22条及び第35条に基づく報酬請求権の行使
    2~3(略)

    第41条 原則
    連邦の監督下に置かれた権利を管理する者は、連邦知的所有権庁の認可を必要とする。

    第42条 要件
    認可は次の管理団体にのみ付与される。
    スイス法に基づき設立され、その所在地をスイスに有し、かつ、その業務をスイスから遂行すること
    著作権又は著作隣接権の管理を主たる目的とすること
    すべての権利者に開かれていること
    著作者及び実演家に相当なる共同決定権を与えていること
    とりわけ定款に基づき法律の規定の遵守を保証していること
    有効で効率的な管理を期待させること
    通常、著作物の類型ごとに、及び著作隣接権につき1個の団体に認可が付与される。

    第43条 期間、公表
    認可は5年間付与される。それは5年ごとに更新することができる。
    認可の付与、更新、変更、取消及び更新拒絶は公表される。

    第44条 管理義務
    管理団体は権利者に対して、その活動範囲に属する権利を管理する義務を負う。

    第46条 料率表の義務
    管理団体は、その求める報酬につき料率表を提示する。
    管理団体は、個々の料率表を作成するにつき標準的な利用者団体と話し合うものとする。
    管理団体は、許可を得るために料率表を仲裁委員会(第55条)に提出し、認可された料率表を公表する。

    第55条 著作権及び著作隣接権の管理のための連邦仲裁委員会
    著作権及び著作隣接権の管理のための連邦仲裁委員会(仲裁委員会)は管理団体(第46条)の料率表の認可を管轄する。
    連邦評議会は委員を選任する。連邦評議会は行政手続に関する連邦法の枠内で仲裁委員会の機関及び手続を定める。
    仲裁委員会はその決定につき何らの指示をも受けない。委員会事務局の職員はその活動につき委員会会長に直属する。

    第59条 料率表の承認
    仲裁委員会は、提出された料率表がその構成及び個々の規定において適切であるときは、それを承認する。
    仲裁委員会は、手続に参加する管理団体及び利用者団体(第46条第2項)の意見を聴いた後、変更を行うことができる。
    確定した料率表は裁判所を拘束する。


    5 アメリカ合衆国
    著作権法
    第801条 著作権使用料審判所-設置及び目的
    (a)独立の著作権使用料審判所を立法部に設置する。
    (b)審判所の目的は、この章の規定に従うことを条件として、次のとおりとする。

    (1)第114条、第115条及び第116条に規定する合理的な著作権使用料率の調整に関する決定を行うこと並びに第118条に規定する使用料支払いの合理的な条件及び料率に関する決定を行うこと。第114条、第115条及び第116条の規定に基づいて適用される料率は、次に掲げる目的を達成することを意図される。
    (A)創作的著作物を公衆に最大限に利用させること。
    (B)著作権者に対してはその創作的著作物についての公正な報酬を与え、及び著作権使用者に対してはその現行の経済状態における公正な収入を与えること。
    (C)関連する創作的寄与、技術的寄与、資本投資、経費、損失の可能性並びに創作的表現及びその伝達媒体の新市場の開設への寄与に関して、公衆の利用に供される製作物において著作権者及び著作権使用者の関連する役割を反映すること。
    (D)関連産業の構造及び一般に広く行われている産業上の慣行に対するいずれの破壊的な衝撃をも最小限にとどめること。
    (2)第111条の著作権使用料率の調整に関する決定をもっぱら次に掲げる規定に従って行うこと。
    (A)~(D)(略)
    (3)~(a)(略)
    (C)(略)

    (注)
    第114条 録音物の著作権者について複製権、二次的著作物を作成する権利、頒布権、及びデジタル放送権を認める規定。

    第115条 レコードの作成及び頒布に係る複製権及び頒布権については、一定の条件に基づき制限され、強制許諾に従うとする規定。その際の使用料についても規定されている。

    第116条 ジューク・ボックスなどのコイン式レコード演奏機による公の実演に係る実演権については、一定の条件に基づき制限され、強制許諾に従うとする規定。その際の使用料についても規定されている。


    6 イギリス
    著作権法
    第116条 許諾要綱及び許諾機関
    (1)この部において、「許諾要綱」とは、次のことを記述した要綱をいう。
    (a)要綱の運営者又はその者により代理される者が著作権の許諾を与えようとする種類の事案
    (b)許諾がそれらの種類の事秦において与えられる条件
    また、この目的上、「要綱」は、要綱若しくは料金表として又は他の名称により記述されていると否とを問わず、要綱の性質を有するいずれのものをも含む。
    (2)この章において、「許諾機関」とは、著作権者若しくは将来の著作権者又はこの者の代理人として、著作権の許諾の交渉又はその付与を主たる目的又は主たる目的の一つとする団体その他の組織であって、その目的として二人以上の著作者の著作物に適用される許諾の付与を含むものをいう。
    (3)この条において、「著作権の許諾」とは、著作権により制限される行為のいずれかを行い、又は行うことを許可する許諾をいう。
    (4)この章における二人以上の著作者の著作物に適用される許諾又は許諾要綱への言及は、次の著作物のみに適用される許諾又は要綱を含まない。
    (a)著作者が同一である単一の又は二以上の集合著作物
    (b)単一の個人、商社、会社又は会社群により又はその被雇用者により、若しくはその委嘱を受けて作成された著作物
    この目的上、会社群とは、1985年の会社法第736条の意味における持株会社及びその従属会社をいう。

    第117条
    (第118条から第123条までの規定が適用される許諾要綱)
    第118条から第123条まで(許諾要綱に関する付託及び申請)の規定は、次の許諾要綱に適用される。
    (a)文芸、演劇、音楽若しくは美術の著作物又は映画(又は映画に伴う映画の録音帯)の著作権に関して許諾機関により運営され、かつ二人以上の著作者の著作物に適用される許諾要綱であって、そのことについての許諾に関係する限りのもの

    1. 著作物の複製
    2. 著作物の公の実演、演奏又は上映
    3. 著作物の放送又は有線番組サービスへの挿入
    (b)録音物(映画に伴う映画の録音物以外の)、放送若しくは有線番組又は発行された版の印刷配列の著作権に関するすべての許諾要綱
    (c)複製物の公衆への貸与についての許諾に関係する限りの、録音物、映画又はコンピュータ・プログラムに関するすべての許諾要綱
    また、これらの条において、「許諾要綱」とは、これらの種類のいずれかの許諾要綱をいう。

    第118条(提案された許諾要綱の審判所への付託)
    (1)許諾機関により運営されるよう提案された許諾要綱の条件は、要綱が一般的に又はいずれかの種類の事案に関して適用される種類の場合に許諾を要求する旨を主張する者の代表であると主張する組織により、著作権審判所に付託することができる。
    (2)審判所は、付託を受けるか否かを最初に決定し、また、付託が時期尚早であることを根拠としてそうすることを断ることができる。
    (3)付託を受けることを決定するときは、審判所は、付託された事項を検討し、かつ、提案された要綱を一般的に又は付託が関係する種類の場合に関係する限りにおいて確認し、又は変更しつつ、状況上合理的であると審判所が決定することができる命令を行うことができる。
    (4)命令は、無期限に又は審判所が決定することができる期間について、効力を有するようにして行われる。

    第119条(許諾要綱の審判所への付託)
    (1)許諾要綱が実施されている間に、要綱の運営者と次の者との間で紛争が生じるときは、その者又は機関は、その種類の事実に関するものである限り、要綱を著作権審判所に付託することができる。
    (a)要綱が適用される種類の事案における許諾を必要とすることを主張する者
    (b)そのような者の代表者であることを主張する機関
    (2)この条に基づいて審判所に付託された要綱は、付託についての手続が終結するまで引き続き実施される。
    (3)審判所は、紛争事項を審理し、かつ、付託が関係する種類の事案に関係する種類の事実に関係するものである限り、要綱を確認し、又は変更することにより、審判所が状況上合理的であると決定することができる命令を行う。
    (4)命令は、無期限に又は審判所が決定することができる期間効力を有するように行うことができる。

    第145条 著作権審判所
    (1)1956年の著作権法第23条の規定に基づいて設置された審判所は、著作権審判所と改称される。
    (2)審判所は、法務長官との協議の後に大法官により任命される所長及び2名の副所長並びに所管大臣により任命される2名以上8名以下の通常所員により構成される。
    (3)いずれの者も、引き続き7年以上法廷弁護士、スコットランド弁護士若しくは事務弁護士であり、又は裁判官の職に就いたことがない限り、所長又は副所長として任命される資格を有しない。

    第190条(ある種の場合に実演家のために同意を与える審判所の権限)
    (1)著作権審判所は、実演の従前の録音・録画物から録音・録画物を作成することを希望する者の申請により、次の場合に同意を与えることができる。
    (a)著作者の身元又は所在を合理的な調査により確認することができない場合
    (b)実演家が不合理にもその同意を与えない場合
    (2)~(6) 略


    7 カナダ
    著作権法
    (創 設)
    第69条
    (1)本条において、審議会会長(Governor in Council)によって任命された議長及び副議長を含め5名以内の委員から構成される理事会が、著作権理事会として創設される。

    (勤 務)
    (2)理事会の委員は、常勤又は非常勤のいずれかで任命される。

    (議 長)
    (3)議長は、現職又は退官した最高裁判所、郡裁判所、又は地区裁判所の裁判官でなければならない。

    (在職期間)
    (4)理事会の各委員は、5年を超えない期間、善行である場合在職する。ただし、審議会会長は、いかなる時にも理由ある時には解任することができる。

    (再 任)
    (5)理事会の委員の再任は1回のみ可能とする。

    (禁 止)
    (6)理事会の委員は、その在職期間中は、公務員関係法(Public Service Staff Rerations Act)上にいう「公職」に就くことができない。

    (公務員としてみなされる委員)
    (7)議長を除く常勤の理事会の規定される委員は、次に掲げる職に就いたものとみなされる。
    (a) 公職選挙法(Public Service Superannuation Act)上にいう「公職」;及び
    (b) 航空法第9条に基づくあらゆる規則にいうカナダの公職

    (レパートリーへの公衆アクセス)
    第67条
    次に掲げる事業を行う各集中管理団体は、現在利用されている著作物、実演家の実演又は録音物のレパートリーに関する情報を求める公衆からのすべての合理的な要求に対して、合理的な時間内に返答しなければならない。
    (a)音楽の著作物、演劇的音楽著作物、実演家の当該著作物の実演又は当該著作物を収録した録音物の公の実演に対して、ライセンスを与え、又は使用料を集める事業、又は、
    (b)音楽の著作物、演劇的著作物、実演家の当該著作物の実演又は当該著作物を収録した録音物の通信による公衆への伝達(第31条(2)に規定する方法による音楽の著作物又は演劇的音楽の著作物の伝達を除く)に対して、ライセンスを与え、又は使用料を集める事業

    (料金表の案の提出)
    第67条の1
    (1)第67条に言及される個々の集中管理団体は、第68条(3)に基づき承認された最新の料金表(tariff)が失効する日の直前の3月31日又はそれ以前に、集中管理団体によって集められたすべての使用料について、両方の公用語で書かれた料金表の案を理事会に提出しなければならない。
    (2)~(4)(略)

    (料金表の案の公表)
    (5)理事会は、(1)に基づいて提出された料金表の案を、受領後すみやかにカナダ官報に告示し、料金表の告示から60日以内に利用予定者又はその代表者が、その料金表の案に対して書面による異議を理事会に提出することができる旨を通知しなければならない。

    (料金表の案及びそれに対する異議についての理事会の検討)
    第68条
    (1)理事会は、料金表の案及びそれに対する第67条の1(5)に言及されるすべての異議及び理事会が提出した異議についてすみやかに検討し、又
    (a)その異議に対して回答する機会を与えるために、関係の集中管理団体に対してその異議のコピーを送付するとともに
    (b)異議を提出した者に対して、その異議に対するすべての回答のコピーを送付しなければならない。

    (基準及び要素)
    (2)実演家の音楽著作物の実演又は当該実演家の実演が収録された録音物の公の実演又は通信による公衆への伝達に関する料金表の案を検討するに際し、理事会は、
    (a) 次のことを確保しなければならない。
    (i)実演家の実演及び録音物に関しては、当該料金表は、第20条(1)及(2)に規定する状況においてのみ適用されること、
    (ii)放送法第3条に規定するカナダの放送政策における言語上の及び内容についての要件により、その料金表が、その法律の下にある利用者の一部に対して他の者に比べて著しい経済的不利益を被らせるものでないこと、及び
    (iii)第19条に基づく利用者による使用料の支払いが、単一の支払いで行われること、又
    (b) その他適切と考えられる要素を考慮に入れることができる。

    (認定)
    (3)理事会は、次に掲げることを考慮に入れて、必要と考える使用料とそれに関連する契約条件の変更とともに、その料金表を承認されたものとして認定する。
    (a) 第67条の1(5)に基づく料金表に対するすべての異議及び
    (b) (2)に規定される要素

    (承認された料金表の公表)
    (4)理事会は
    (a)承認された料金表をすみやかにカナダ官報に告示する。又
    (b)理事会の決定理由を添えて承認された料金表の写しを、料金表の案を提出した個々の集中管理団体及び異議を提出したすべての者に対して送付する。

    (集中管理団体)
    第70条
    第70条の11から第70条の16は次に掲げることを実施する集中管理団体に適用される。
    (a)二人以上の著作者の著作物のレパートリーに関して適用されるライセンス枠組み(当該著作物に関して第3条に言及される行為を行うことの許諾に同意するために団体が設定する利用の分類及び使用料と契約条件に従ったもの)
    (a-1)二人以上の実演家の実演のレパートリーに関して適用されるライセンス枠組み(当該実演家の実演に関して第15条に言及される行為を行うことの許諾に同意するために団体が設定する利用の分類及び使用料と契約条件に従ったもの)
    (b)二人以上の製作者の録音物のレパートリーに関して適用されるライセンス枠組み(当該録音物の実演に関して第18条に言及される行為を行うことの許諾に同意するために団体が設定する利用の分類及び使用料と契約条件に従ったもの)
    (c)二人以上の放送事業者の伝達信号に関して適用されるライセンス枠組み(当該伝達信号に関して第21条に言及される行為を行うことの許諾に同意するために団体が設定する利用の分類及び使用料と契約条件に従ったもの)

    (公衆への情報提供)
    第70条の11
    第70条の1に言及される集中管理団体は、著作物、実演家の実演、録音物又は伝達信号のレパートリーに関する情報を求める公衆からのすべての合理的な要求に対して、合理的な時間内に返答しなければならない。

    (料金表又は協定)
    第70条の12
    集中管理団体は、ライセンスにより使用料及び利用の分類に関する契約条件を設定するために、次のことを行うことができる。
    (a) 料金表の案を理事会に提出すること、又は
    (b) 利用者と協定を結ぶこと

    (料金表の案の提出)
    第70条の13
    (1)第70条の1に言及される個々の集中管理団体は、第70条の15(1)に基づき承認された最新の料金表が失効する日の直前の3月31日又はそれ以前に、集中管理団体によって集められるライセンスの使用料について、両方の公式言語で書かれた料金表の案を理事会に提出することができる。
    (2)(略)

    (認定)
    第70条の15
    理事会は、料金表に対するすべての異議を考慮に入れて、理事会が必要と判断する使用料とそれに関連する契約条件の変更とともに、その料金表を承認されたものとして認定する。
    (2)(略)

    (使用料額等を決定するための適用)
    第70条の2
    (1)集中管理団体のレパートリーに含まれる著作物、録音物又は伝達信号について、第3条、第15条、第18条及び第21条に言及される行為の許諾を得ていない集中管理団体及びすべての者が、当該行為を行う権利のために支払われる使用料又は関連の契約条件について同意することができない場合は、一方又は一方の代理人は、もう一方の者に対して通知を行った後、使用料及び関連の契約条件を決定するよう理事会に申し出ることができる。

    (使用料等の決定)
    (2)理事会は、理事会が指定することができる1年以上の期間のライセンスに関し、使用料及び契約条件を決定することができる。また、その決定を下した後すみやかに、理事会は理由を添えて決定の写しを集中管理団体及び当事者又はその代表者に対して送付しなければならない。


    8 イタリア
    著作権法
    第180条
    仲介として行動する権利は、直接的又は間接的な干渉、調停、代理若しくは代表によるか、又は保護を受ける著作物を実演し、口述し、放送し(衛星による公衆への伝達を含む)、並びに機械的及び映画的に複製する権利の行使の譲波によるか、その方法のいかんを問わず、排他的にSIAE(イタリア著作者出版社協会)に帰属する。
    (注)各国法の参考条文の出典は次のとおりである。
    ドイツ外国著作権法令集(16)-ドイツ編-
    (社)著作権情報センター 刊 斉藤 博 訳

    ただし、管理団体法第6条については文化庁国際著作権課 参考訳
    スペイン外国著作権法令集(22)-スペイン編-

    (社)著作権情報センター 刊 駒田泰土 訳
    フランス外国著作権法令集(18)-フランス編-

    (社)著作権情報センター 刊 大山幸房 訳
    スイス外国著作権法令集(15)-スイス編-
    (社)著作権情報センター 刊 斉藤 博 訳
    アメリカ外国著作権法令集(14)-アメリカ合衆国編-

    (社)著作権情報センター 刊 大山幸房 訳)
    イギリス外国著作権法令集(9)-英国編-

    (社)著作権資料協会 刊 大山幸房 訳

    カナダ文化庁国際著作権課 参考訳
    イタリア文化庁国際著作権課 参考訳



    資料8 著作権等の集中管理に関する外国の法制度の一覧

    ●根拠法

    ドイツ

    著作権及び著作隣接権の管理に関する法律
    スペイン知的所有権法
    フランス知的所有権法
    スイス著作権法
    アメリカ著作権法
    イギリス著作権法
    カナダ著作権法
    イタリア著作権法

    ●業務の実施

    ドイツ

    許可制(1条)
    ・所管は特許庁
    スペイン許可制(142条) ・所管は文化省
    フランス許可制(321条の1条)
    ・権利者団体に限定(同条2項)
    ・許可は裁判所が行う
    ・民法法人として設立
    ・文化省は許可にあたり定款等を審査
    ・複写複製権の管理については認可制(文化省)(122の10条)
    スイス許可制(41条)
    ・所管は連邦知的所有権庁
    ・著作物の種類ごと及び隣接権ごとに1団体に限定(42条2項)
    ・許可の効力は5年ごとに更新
    アメリカ
    イギリス
    カナダ
    イタリアイタリア著作者出版社協会(SIAE)が使用料の徴収分配を独占する(180条)

    ●適用対象範囲

    ドイツ

    著作物等の種類―限定なし
    利用の態様――限定なし
    スペイン著作物等の種類―限定なし
    利用の態様――限定なし
    フランス著作物等の種類―限定なし
    利用の態様――限定なし
    スイス著作物等の種類―非劇場用の音楽
    利用の態様――上演、放送、録音録画権
    アメリカ
    イギリス
    カナダ
    イタリア著作物の種類―限定なし(180条)
    利用の態様――実演、口演、放送録音録画権(180条)

    ●使用料

    ドイツ

    ・使用料規程を制定する義務及び官報で公表する義務(13条)
    ・利用者団体と包括契約を締結する義務(12条)
    ・使用料規程、包括契約は届出制(20条)
    スペイン・使用料規程を制定する義務及び利用者団体の求めに応じ、
     包括契約を締結する義務(152条)
    ・使用料規程、包括契約は届出制(154条)
    フランス
    スイス管理団体は、事前に利用者団体の意見を聴いた上で使用料規程を定め、仲裁委員会の認可が必要(46条、55条)
    アメリカ レコードの作成頒布、ジュークボックスによる演奏、有線放送施設による二次送信等の強制許諾による使用料については著作権使用料審判所で料率等を決定する(8章)
    イギリス 管理団体から提案された使用料率等を記した「許諾要綱」については、利用者団体が、また実施中の「許諾要綱」については、利用者又は利用者団体が著作権審判所に裁定を求めることができる(7章)
    カナダ 音楽の演奏、送信に係る権利を管理する管理団体は、当該利用に関する使用料表を定め著作権委員会の承認を得なければならない(67~68条)その他の管理団体は著作権委員会に使用料表の承認を求め、また使用者と協議を行うことができる(70.1~70.191条)
    イタリア

    ●公的機関の監督

    ドイツ

    管理団体は特許庁の監督に服する(3章)
    スペイン管理団体は文化省の監督に服する(154条)
    フランス管理団体は文化省の監督に服する(321の11条、321の12条)
    スイス管理団体は連邦知的所有権庁の監督に服する(52条)
    アメリカ
    イギリス
    カナダ
    イタリア管理団体は大統領府の監督に服する(182条)

    ●紛争処理

    ドイツ

    仲裁所による紛争処理(14条等)
    ・管理団体が関与する著作物等の利用及び包括契約の締結等が対象
    ・特許庁に設置。構成員は裁判官資格必要。
    スペイン調停及び仲裁委員会による紛争処理(153条)
    ・管理団体と利用関係団体又は放送事業者の間の使用料等に
     関する紛争等が対象
    ・調停は、放送のケーブル送信が対象
    フランス
    スイス
    アメリカ
    イギリス著作権審判所による紛争処理(7章、8章)
    ・録音物等の貸与使用料等の決定など(149条)
    ・構成員は弁護士経験必要(145条)
    カナダ著作権委員会による紛争処理(66条等)
    ・管理団体と利用者の間で使用料等の紛争が起こった場合、
     著作権委員会に使用料等の決定を求めることができる(70.2条)
    ・委員は5名以内。委員長は判事
    イタリア

    ●レコードの二次使用料等の報酬請求権の行使

    ドイツ

    著作物の貸与報酬、私的録音録画補償金、複写複製補償金等に係る報酬請求権については、団体行使を義務付け(著作権法21条、54条)
    スペイン私的録音録画補償金、レコードの二次使用料、レコード等の貸与報酬に係る報酬請求権については、団体行使を義務付け(25条、108条、109条)
    フランスレコードの二次使用料については公的委員会の裁定制度がある(214の10条)私的録音録画補償金、レコードの二次使用料に係る報酬請求権については、団体行使を義務付け(214の5条、311の6条)
    スイス私的録音録画補償金、レコードの二次使用料等に係る報酬請求権についても許諾権と同様許可制(41条)
    アメリカ
    イギリス
    カナダレコードの二次使用料については、音楽の演奏等と同様の制度である(67~68条)
    イタリア

    ●その他

    ドイツ

    管理の引受業務(6条)
    利用者等に対する管理著作権の報告義務(10条)
    応諾義務(11条)
    スペイン管理の引受業務(147条)
    応諾義務(152条)
    フランス管理作品の目録提供義務(321の7条)
    スイス管理の引受業務(44条)
    アメリカ音楽の演奏権団体(ASCAP,BMI)については、反トラスト法違反事件における同意判決による業務制限がある
    イギリス
    カナダ管理団体が管理する著作物についての情報提供義務(67、70.11条)
    イタリア



    資料9 中間まとめの内容と仲介業務法等との規制に関する比較表

    1 規制の範囲 
     中間まとめ仲介業務法著作権制度審議会答申外国の法制度

    著作物の
    種類

    限定せず

    小説、脚本、楽曲を伴う歌詞、楽曲

    音楽、文芸
    限定せず(独、スペイン、仏)
    音楽(スイス)
    利用の態様限定せず限定せず
    音楽の演奏権(放送権、有線放送権及び映画音楽の上映権を含む)及び録音権(映画録音権は含まない)
    文芸の放送権
    限定せず(独、スペイン、仏)
    上演、放送、録音録画権(スイス)
    権利委託の
    態様等
    不特定又は特定多数の者から委託を受ける場合であって一任型の集中管理を対象
    (媒介は事実上対象外)
    信託、代理、媒介を対象(特定少数の者からの委託、非一任型も対象)仲介業務法と同じ
    多数の著作者からの委託(独)
    2以上の著作者等からの委託(スペイン)
    音楽出版者
    の扱い
    原則規制対象外規制対象規制対象 

    2 業務の実施 
     中間まとめ仲介業務法著作権制度審議会答申外国の法制度

    規制の方法

    登録制を基本
    ただし、音楽の演奏・放送等、論文等の複写などについては認可制等を考慮

    許可制

    許可制
    許可制(独、スペイン、仏、スイス)
    規制なし(米、英、加)
    委託契約約款、使用料の分配方法及び手数料委託契約約款(分配方法、手数料に関する事項を含む)の制定を義務付け。届出制を考慮許可制許可制
    分配方法の原則は定款の必要記載事項届出制(独)認可制(スペイン)
    分配規程の認可制(スイス)

    3 業務の実施以降 
     中間まとめ仲介業務法著作権制度審議会答申外国の法制度

    主務官庁の監督

    監督権限を付与

    監督権限を付与

    監督権限を付与
    監督権限を付与(独、スペイン、仏、スイス)
    管理の引受義務義務付けなし。特定分野については義務付けも考慮 義務付け
    義務付け(独、スペイン、スイス)
    特定作品の利用の勧奨の禁止義務付けなし 義務付け 
    応諾義務義務付け 義務付け
    義務付け(独、スペイン)
    管理著作物等に関する情報提供義務義務付け  
    義務付け(独、仏)
    経理の公開義務付け  
    決算報告等の官報による公表(独)
    兼職・兼業の制限一定の場合に制限   

    4 使用料の額等 
     中間まとめ仲介業務法著作権制度審議会答申外国の法制度

    主務官庁の監督

    使用料規程の制定を義務付け
    届出制を考慮。特定分野については認可制も考慮

    認可制

    認可制
    認可制(スイス)
    届出制(独、スペイン)
    音楽の演奏、送信に係る権利の集中管理については事前承認制(加)

    5 紛争処理制度
     中間まとめ仲介業務法著作権制度審議会答申外国の法制度

     

    裁定等の紛争処理制度を整備


    審判所、仲裁所等の紛争処理機関の設置(独、スペイン、英、加)




    資料10 規制の範囲に関する考え方の整理

    著作権審議会権利の集中管理小委員会・専門部会委員名簿
    阿 部 浩 二岡山商科大学教授・岡山大学名誉教授(9.10.1~)
    (北川 善太郎 名城大学教授・国際高等研究所副所長 7.7.1~9.9.30)
    井 上 由里子筑波大学助教授
    大瀬戸 豪志立命館大学教授
    岡   邦 俊日本弁護士連合会知的所有権委員会委員長・弁護士
    (加戸 守行(加戸 守行日本芸術文化振興会理事長 7.7.1~7.11.8)
    斉 藤   博専修大学教授
    渋 谷 達 紀東京都立大学教授
    白 石 忠 志東京大学助教授(9.10.1~)
    (小泉 直樹 神戸大学助教授 7.7.1~9.9.30)
    大 楽 光 江北陸大学教授
    茶 園 成 樹大阪大学助教授
    道垣内 正 人東京大学教授
    中 山 信 弘東京大学教授
    前 田 哲 男弁護士
    松 田 政 行日本弁護士連合会知的所有権委員会委員・弁護士
    宮 下 佳 之弁護士
    部会長
    紋 谷 暢 男成蹊大学教授
    山 本 隆 司弁護士
    早稲田 祐美子弁護士


    著作権審議会権利の集中管理小委員会・専門部会審議経過

    第1回会議平成 7年 7月28日検討事項及び検討の進め方について
    第2回会議平成 8年 3月 8日関係団体からのヒアリング
    第3回会議平成 9年 2月21日関係団体からのヒアリング
    第4回会議平成 9年 4月23日関係団体からのヒアリング
    第5回会議平成 9年 5月26日関係団体からのヒアリング
    第6回会議平成 9年 6月20日関係団体からのヒアリング
    第7回会議平成 9年 7月22日今後の審議の進め方について
    第8回会議平成 9年11月19日利用関係団体へのアンケート調査の結果について
    第9回会議平成10年 1月30日権利者及び利用者からのヒアリング
    第10回会議平成10年 2月25日権利者及び利用者からのヒアリング
    仲介業務法の見直しについて
    第11回会議平成10年 4月17日仲介業務法の見直しについて
    第12回会議平成10年 5月25日著作権等の集中管理に関する法的規制のあり方について
    第13回会議平成10年 7月10日著作権等の集中管理に関する法的規制のあり方について
    第14回会議平成10年 7月27日著作権等の集中管理に関する法的規制のあり方について
    第15回会議平成10年10月26日専門部会中間まとめ(たたき台)について
    第16回会議平成10年11月13日専門部会中間まとめ(たたき台)について
    第17回会議平成10年11月27日専門部会中間まとめ(たたき台)について
    第18回会議平成10年12月14日専門部会中間まとめ(たたき台)について
    第19回会議平成10年12月24日専門部会中間まとめ(たたき台)について
    第20回会議平成11年 1月28日専門部会中間まとめ(案)について
    第21回会議平成11年 7月 5日専門部会中間まとめ(案)について



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