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    1965年9月9日の著作権及び著作隣接権に関する法律(著作権法)
    (連邦法律広報第 I 部第1273頁)

    最終改正:2008年12月17日の家事事件及び非訟事件における手続の改正に関する法律
    (連邦法律広報第 I 部第2586頁)




    第1章 著作権

    第1節 総則

    第1条

     文学、学術、及び美術の著作物の著作者は、その著作物について、この法律の定めるところに従い保護を受ける。


    第2節 著作物

    第2条 保護を受ける著作物

     (1) 保護を受ける文学、学術、及び美術の著作物には、とりわけ、次に掲げるものが属する。
    1. 文書、演説及びコンピュータ・プログラムのような言語の著作物
    2. 音楽の著作物
    3. 無言劇の著作物 舞踊の著作物を含む。
    4. 造形美術の著作物 建築及び応用美術の著作物並びにそれらの著作物の下図を含む。
    5. 写真の著作物 写真の著作物と類似の方法により作成される著作物を含む。
    6. 映画の著作物 映画の著作物と類似の方法により作成される著作物を含む。
    7. 図面、設計図、地図、略図、図表及び立体描写のような学術的又は技術的方法による描写

     (2) この法律の意味における著作物とは、個人的かつ精神的な創作のみをいう。

    第3条 翻案物

     著作物の翻訳物その他の翻案物で翻案者の個人的かつ精神的な創作であるものは、翻案された著作物の著作権にかかわらず、独立の著作物として保護を受ける。保護を受けない音楽の著作物の実質を欠いた翻案物にすぎないものは、独立の著作物として保護を受けることはない。

    第4条 編集著作物及びデータベースの著作物

     (1) 著作物、データその他独立の素材からなる編集物で、その素材の選択又は配列によって個人的かつ精神的な創作であるもの(編集著作物)は、その個個の素材に場合によっては存する著作権又は著作隣接権にかかわらず、独立の著作物として保護を受ける。

     (2) この法律の意味におけるデータベースの著作物とは、編集著作物で、その素材が、体系的又は組織的に配列され、かつ、電子的手段を用いて又は他の方法によって個別に使用可能であるものをいう。データベースの著作物の作成のために、又はその素材へのアクセスを可能にするために用いられたコンピュータプログラム(第69a条)は、データベースの著作物の要素にあたらない。

    第5条 官公庁の著作物

     (1) 法律、命令、官公庁の布告及び公示並びに判決及び官公庁の作成に係る判決要旨は、著作権の保護を受けない。

     (2) その他官公庁の著作物で、官公庁の利益において一般の閲覧のために公にされているものについては、第62条第1項から第3項まで並びに第63条第1項及び第2項における変更禁止及び出典表示に関する規定を準用することを条件として、同様とする。

     (3) 法律、命令、布告又は官公庁の公示が、私的な規格文書について文言を再録することなく参照を指示する場合には、その私的な規格文書に関する著作権は、前二項によって妨げられない。この場合において、著作者は、出版者のいずれに対しても、相当なる条件のもとに、その複製及び頒布に関する権利を許与する義務を負う。複製及び頒布に関する排他的権利の保有者が第三者である場合には、この保有者が、第2文に基づいて、使用権の許与について義務を負う。

    第6条 公表された著作物及び発行された著作物

     (1) 著作物は、それが権限を有する者の同意を得て公衆に提供されている場合において、公表されたものとする。

     (2) 著作物は、権限を有する者の同意を得て、当該著作物の複製物が、その製作の後に、十分な部数をもって公衆に供給され又は取引に供されている場合において、発行されたものとする。造形美術の著作物については、著作物の原作品又は複製物が、権限を有する者の同意を得て、恒常的に公衆に提供されている場合にも、発行されたものとみなす。


    第3節 著作者

    第7条 著作者

     著作者とは、著作物の創作者をいう。

    第8条 共同著作者

     (1) 二以上の者が著作物を共同で作成した場合において、その各人の持分を個別に利用することができないときは、それらの者は、その著作物の共同著作者という。

     (2) 著作物の公表に関する権利及び著作物の利用に関する権利は、共同著作者の共有に帰属するものとし、この場合において、著作物の変更は、共同著作者の同意を得たときにのみ許される。ただし、共同著作者は、公表、利用又は変更に関するその同意を、信義誠実に反して拒んではならない。各共同著作者は、共同著作権の侵害を根拠として、請求権を行使することができる。ただし、各共同著作者が求めることのできる給付は、すべての共同著作者に対する給付にかぎられる。

     (3) 著作物の使用から得られる収益は、共同著作者の間に別段の合意がないときは、著作物の創作における各人の協力の程度に応じて、共同著作者に配分されるものとする。

     (4) 共同著作者は、利用権(第15条)について、その持分を放棄することができる。その放棄は、他の共同著作者に対して表示されなければならない。その表示をもって、その持分は、他の共同著作者に帰属する。

    第9条 結合された著作物の著作者

     二以上の著作者が、それらの著作物を、共同の利用のために相互に結合した場合には、各著作者は、他の著作者に対して、その結合された著作物の公表、利用及び変更に関する同意を、その同意が信義誠実に照らして他の著作者に期待し得るときは、求めることができる。

    第10条 著作者又は権利保有者の推定

     (1) 発行された著作物の複製物に、又は造形美術の著作物の原作品に、著作者として通常の方法により表示されている者は、反証があるまでは、その著作物の著作者とみなされる。著作者の変名又は雅号としてすでに知られた表示についても、同様とする。

     (2) 著作者が前項に基づいて表示されていないときは、著作物の複製物に刊行者として表示されている者が、著作者の権利を行使する権限を有するものと推定する。刊行者の表示がないときは、出版者が、権限を有するものと推定する。

     (3) 排他的使用権の保有者に関しては、仮の権利保護の手続が行われ、又は不作為請求権が行使されるものと認められるときは、第1項の推定を準用する。推定は、著作者又は著作隣接権の当初の保有者に関しては、適用しない。

    第4節 著作権の内容

    第1款 総則

    第11条

     著作権は、著作者を、その著作物に対するその精神的かつ個人的な関係において、及びその著作物の使用において、保護する。著作権は、同時に、著作物の使用に関する相当なる報酬の保障にも寄与する。

    第2款 著作者人格権

    第12条 公表権

     (1) 著作者は、その著作物の公表の可否及びその方法を決定する権利を有する。

     (2) 著作物ないし著作物の本質的内容又はその説明のいずれもが、未だ著作者の同意を得て公表されていないかぎり、著作物の内容を公衆に知らせ、又は説明することは、その著作者に留保されるものとする。

    第13条 著作者であることの承認

     著作者は、その著作物について、自らがその著作者であることの承認を求める権利を有する。著作者は、著作物に著作者表示を付するか否か、及びいかなる表示を用いるかについて、決定することができる。

    第14条 著作物の歪曲

     著作者は、その著作物の歪曲その他の毀損で、著作物に関する自らの正当な精神的又は個人的な利益を危うくすると評価されるものを、禁止する権利を有する。

    第3款 利用権

    第15条 通則

     (1) 著作者は、その著作物を有形的な形態において利用することについて、排他的権利を有する。この権利は、とりわけ、次の各号に掲げるものを含む。
    1. 複製権(第16条)
    2. 頒布権(第17条)
    3. 展示権(第18条)

     (2) 著作者は、さらに、その著作物を無形的な形態において公衆に再生することについて、排他的権利(公衆への再生の権利)を有する。この公衆への再生の権利は、とりわけ、次の各号に掲げるものを含む。
    1. 口述権、上演・演奏権及び上映権(第19条)
    2. 公衆提供の権利(第19a条)
    3. 放送権(第20条)
    4. 録画物又はレコードによる再生の権利(第21条)
    5. 放送による再生の権利及び公衆提供による再生の権利(第22条)

     (3) 再生は、それが公衆における多数の構成員に向けて行われるとき、公衆への再生であるという。公衆に属する者とは、著作物を利用する者又は他の者で著作物が無形的な形態において知覚可能なものとされ若しくは提供されているものと、個人的な関係によって結ばれていないすべての者をいう。
    第16条 複製権

     (1) 複製権とは、一時的又は持続的の別、方法及び数量のいかんを問わず、著作物の複製物を製作する権利をいう。

     (2) 連続映像又は連続音声を反復して再生するための装置(録画物又はレコード)に著作物を再製することも、著作物の再生を録画物又はレコードに収録する場合と、著作物を一の録画物又はレコードから他の録画物又はレコードに再製する場合とを問わず、複製にあたる。

    第17条 頒布権

     (1) 頒布権とは、著作物の原作品又は複製物を、公衆に供給し、又は取引に供する権利をいう。

     (2) 著作物の原作品又は複製物が、その頒布について権限を有する者の同意を得て、欧州連合の域内又は欧州経済領域に関する条約の他のいずれかの締約国の領域内で、譲渡の方法によって取引に供されている場合には、その原作品又は複製物の再頒布は、賃貸する場合を除いて、許される。

     (3) この法律の規定の意味における賃貸とは、時間的に制限された使用の引渡しであって直接的又は間接的に営利を目的とするものをいう。ただし、次の各号のいずれかに掲げるものの引渡しは、賃貸にあたらない。
    1. 建築の著作物及び応用美術の著作物の原作品又は複製物
    2. 雇用関係又は職務関係において、その雇用関係又は職務関係から生ずる義務の履行にあたって使用されることを専ら目的とする原作品又は複製物

    第18条 展示権

     展示権とは、未公表の造形美術の著作物の原作品若しくは複製物又は未公表の写真の著作物の原作品若しくは複製物を、公衆に展示する権利をいう。

    第19条 口述権、上演・演奏権及び上映権

     (1) 口述権とは、人の実演によって、言語の著作物を公衆に聞かせる権利をいう。

     (2) 上演・演奏権とは、人の実演によって、音楽の著作物を公衆に聞かせ、又は著作物を公衆に上演する権利をいう。

     (3) 口述権及び上演・演奏権は、口述及び上演・演奏を、人の実演が行われる場所の場外において、映像ディスプレー、スピーカー又は類似の技術的装置によって、公衆に知覚可能なものとする権利を含む。

     (4) 上映権とは、造形美術の著作物、写真の著作物、映画の著作物又は学術的若しくは技術的方法による描写を、技術的装置によって公衆に知覚可能なものとする権利をいう。上映権は、これらの著作物の放送又は公衆提供を公衆に知覚可能なものとする権利(第22条)を含まない。

    第19a条 公衆提供の権利

     公衆提供の権利とは、著作物を、有線又は無線により、公衆の構成員がその選択に係る場所及び時において当該著作物を使用できる方法で、公衆に提供する権利をいう。

    第20条 放送権

     放送権とは、著作物を、音声及びテレビジョン放送、衛星放送、有線放送又は類似の技術的手段をはじめとする放送により、公衆に提供する権利をいう。

    第20a条 欧州における衛星放送

     (1) 衛星放送が、欧州連合のいずれかの加盟国又は欧州経済領域に関する条約のいずれかの締約国の領域内で実施される場合には、衛星放送は、専らその加盟国又は締約国で行われるものとみなす。

     (2) 衛星放送が、欧州連合の加盟国又は欧州経済領域に関する条約の締約国のいずれにも該当せず、かつ、衛星放送の権利に関して、衛星放送及び有線再送信に関する特定の著作権及び給付保護権の規定を調整するための1993年9月27日の理事会指令93/83/EWG(欧州共同体公報第L248号第15頁)第2章に定める保護水準が保障されていない国の領域内で実施される場合には、衛星放送は、次の各号のいずれかに掲げるときは、それぞれ当該各号に定める加盟国又は締約国で行われるものとみなす。
    1. 番組伝送信号を衛星に送出する地上放送局が加盟国又は締約国にあるとき、その加盟国又は締約国
    2. 前号に基づく要件が存しない場合において、放送事業者がその営業所を加盟国又は締約国に置くとき、その加盟国又は締約国
    放送権は、第1号の場合においては地上放送局の保有者に対して、第2号の場合においては放送事業者に対して、それぞれ行使するものとする。

     (3) 前二項の意味における衛星放送とは、放送事業者が、その管理と責任のもとで、公衆による受信を予定された番組伝送信号を、中断しない伝送連鎖であって衛星と地上を往復するものに入力することをいう。

    第20b条 有線再放送

     (1) 放送される著作物を、変更を加えず完全かつ同時に中継される放送番組内において、有線又はマイクロウェーブのシステムにより再放送すること(有線再放送)の権利は、集中管理団体によってのみ行使することができる。ただし、放送事業者が自らの放送に関して行使する権利については、このかぎりでない。

     (2) 著作者が、有線再放送の権利を、放送事業者、レコード製作者又は映画製作者に許与した場合といえども、有線の事業者は、著作者に、有線再放送に対し相当なる報酬を支払わなければならない。この報酬請求権は、放棄することができない。報酬請求権は、あらかじめ集中管理団体にのみ移転し、かつ、当該集中管理団体によってのみ行使することができる。この規定は、放送事業者の労働協約及び事業所協定及び共通報酬規定が著作者にすべての有線再放送について相当なる報酬を与える場合には、そのかぎりで、それらの適用を妨げるものではない。

    第21条 録画物又はレコードによる再生の権利

     録画物又はレコードによる再生の権利とは、著作物の口述又は上演・演奏を、録画物又はレコードを用いて公衆に知覚可能なものとする権利をいう。第19条第3項は、ここに準用する。

    第22条 放送による再生の権利及び公衆提供による再生の権利

     放送による再生の権利及び公衆提供による再生の権利とは、著作物の放送を、及び著作物の公衆提供に基づく再生を、映像ディスプレー、スピーカー又は類似の技術的装置により、公衆に知覚可能なものとする権利をいう。第19条第3項は、ここに準用する。

    第23条 翻案物及び改作物

     著作物の翻案物その他改作物は、翻案され又は改作された著作物の著作者の同意を得た場合にかぎり、公表し、又は利用することができる。著作物の映画化、造形美術の著作物の設計図及び下図の実施、建築の著作物の模造又はデータベースの著作物の翻案若しくは改作の場合には、翻案物又は改作物を製作するにあたっても、著作者の同意を要する。

    第24条 拘束を離れた使用

     (1) 独立の著作物で、他人の著作物の拘束を離れた使用において作成されているものは、使用された著作物の著作者の同意を得ることなく、公表し、及び利用することができる。

     (2) 前項の規定は、音楽の著作物の使用で、旋律をその著作物から取り出しかつその旋律を新たな著作物の基礎とすることが明白であるものには、適用しない。

    第4款 著作者のその他の権利

    第25条 著作物現品への接近

     (1) 著作者は、その著作物の原作品又は複製物の占有者に対して、著作物の複製物又は翻案物の製作に必要な場合において、占有者の正当な利益に反しないときにかぎり、その原作品又は複製物に自らが近づくことができるよう求めることができる。

     (2) 占有者は、その原作品又は複製物を著作者に引き渡すことについて義務を負うことはない。

    第26条 追及権

     (1) 造形美術の著作物又は写真の著作物の原作品が再譲渡される場合において、美術商又は競売人が、取得者、譲渡人又は仲介人としてこれに関与するときは、その譲渡人は、著作者に対して、譲渡価額の配当を支払わなければならない。税を控除した販売価格をもって第1文の意味における譲渡価額とみなす。譲渡人が私人である場合には、取得者又は仲介人として関与した美術商又は競売人が、その者とともに連帯債務者として責任を負う。ただし、相互の関係においては譲渡人が単独で責任を負う。第1文に基づく義務の負担は、譲渡価額が400ユーロに満たないときは、消滅する。

     (2) 譲渡価額の配当の額は、つぎに掲げるとおりとする。
    1. 譲渡価額の5万ユーロまでの部分については4パーセント
    2. 譲渡価額の5万ユーロ1セントから20万ユーロまでの部分については3パーセント
    3. 譲渡価額の20万ユーロ1セントから35万ユーロまでの部分については1パーセント
    4. 譲渡価額の35万ユーロ1セントから50万ユーロまでの部分については0.5パーセント
    5. 譲渡価額の50万ユーロを超える部分については0.25パーセント
    再譲渡から生ずる追及権の報酬の総額は、12500ユーロを超えることはない。

     (3) 追及権は、これを譲渡することはできない。著作者は、自らの配当をあらかじめ放棄することはできない。

     (4) 著作者は、美術商又は競売人に対して、報告であって、その美術商又は競売人の関与のもとで当該報告の請求前3年間に再譲渡された自らの著作物の原作品を特定するためのものを、求めることができる。

     (5) 著作者は、譲渡人に対する自らの請求権の実行に必要と認められる場合には、美術商又は競売人に対して、譲渡人の氏名及び住所並びに譲渡価額の額について報告を求めることができる。美術商又は競売人は、譲渡人が著作者に配当を納付するときは、譲渡人の氏名及び住所に関する報告を拒絶することができる。

     (6) 第4項及び第5項に基づく請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

     (7) 第4項又は第5項に基づく報告において、その正当性又は完全性に関して合理的な疑いが存するときは、集中管理団体は、報告義務者の選ぶところにより、自らに、又は報告義務者が指定することのできる公認会計士若しくは公認監査役に、当該報告の正当性又は完全性を確認するために必要なかぎりにおいて、営業帳簿又はその他の文書の閲覧を許すよう、求めることができる。

     (8) 前各項の規定は、建築の著作物及び応用美術の著作物には適用しないものとする。

    第27条 賃貸及び貸出に対する報酬

     (1) 著作者が、録画物又はレコードに関する賃貸権(第17条)を、レコード製作者又は映画製作者に許与していた場合といえども、賃貸人は、著作者に、その賃貸に対する相当なる報酬を支払わなければならない。この報酬請求権は、放棄することができない。報酬請求権は、あらかじめ集中管理団体にのみ移転することができる。

     (2) 著作物の原作品又は複製物で、その再頒布が、第17条第2項に基づき許されるものの貸出しに対しては、その原作品又は複製物が、公衆に利用可能な施設(図書館、録画物若しくはレコード又は他の原作品若しくは複製物の収集施設)によって貸出される場合には、著作者に、相当なる報酬を支払うものとする。この第1文の意味における貸出しとは、時間的に制限された使用の引き渡しであって、直接的であるか又は間接的であるかを問わず、営利を目的としないものをいう。第17条第3項ただし書は、ここに準用する。

     (3) 前二項に基づく報酬請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。


    第5節 著作権における法律関係

    第1款 著作権の承継

    第28条 著作権の相続

     (1) 著作権は、相続することができる。

     (2) 著作者は、終意処分により、著作権の行使を遺言執行者に委託することができる。民法第2210条は、適用しないものとする。

    第29条 著作権に関する法律行為

     (1) 著作権は、譲渡することができない。ただし、死因処分を理由とする執行において譲渡され、又は遺産分割の方法によって共同相続人に譲渡される場合は、このかぎりでない。

     (2) 使用権の許与(第31条)、利用権に関する債権的な同意及び合意並びに第39条に規定される著作者人格権に関する法律行為は、許される。

    第30条 著作者の権利承継人

     著作者の権利承継人は、別段の定めがないかぎり、この法律に基づいて著作者に帰属することとなる権利を有する。

    第2款 使用権

    第31条 使用権の許与

     (1) 著作者は、その著作物を個個の又はすべての使用方法によって使用する権利(使用権)を、他人に許与することができる。使用権は、単純使用権又は排他的使用権として、地域的、時間的、又は内容的に制約を付して許与することができる。

     (2) 単純使用権は、その保有者に、著作物を、他人による使用を排除することなく、許諾された方法によって使用することについて、権限を与える。

     (3) 排他的使用権は、その保有者に、他のすべての者を排して自らに許諾された方法によって著作物を使用すること及び使用権を許与することについて、権限を与える。著作者による使用を留保することは、定めることができる。第35条は、これによって妨げられない。

     (4) (廃止)

     (5) 使用権の許与に際して、使用方法が明示的かつ個別に表示されていない場合には、使用権の及ぶ使用方法は、当事者双方が基礎とした契約の目的に従って定める。使用権の許与の有無、単純使用権と排他的使用権の別、使用権及び禁止権の及ぶ範囲、並びに使用権が服する制限の種類について疑義が生じた場合にも、同様とする。

    第31a条 未知の使用方法に関する契約

     (1) 契約で、それにより著作者が未知の使用方法に関する権利を許与し、又はその義務を負担するものは、書面形式を要する。著作者が他人に対して単純使用権を無償で許与するときは、書面形式を要しない。ただし著作者は、この権利の許与又はその義務の負担を取消すことができる。取消権は、他人が著作物の新たな使用方法の着手の意図に関する通知を、著作者に対して、その者に最後に知られた住所によって発信した後3ヶ月を経過した後に、消滅する。

     (2) 取消権は、当事者が新たな使用方法が知られた後に第32c条第1項に基づく報酬について合意した場合には、消滅する。取消権は、当事者が報酬を共通報酬規定に基づいて合意した場合にも、消滅する。取消権は、著作者の死亡とともに消滅する。

     (3) 複数の著作物又は著作物構成物が、新たな使用方法においては、すべての著作物又は著作物構成物の使用によってのみ相当な方法で利用され得る総体に統合されている場合は、著作者は、その取消権を、信義誠実に反して行使することはできない。

     (4) 前三項に基づく権利は、あらかじめこれを放棄することはできない。

    第32条 相当なる報酬

     (1) 著作者は、使用権の許与及び著作物の使用についての許諾に対して、契約によって合意された報酬を求める請求権を有する。報酬の額について定めがないときは、相当なる報酬が合意されたものとみなす。合意された報酬が相当なものでないかぎり、著作者は、契約の相手方に対して、当該契約の変更で著作者に相当なる報酬を与えるものに同意することを求めることができる。

     (2) 共通報酬規定(第36条)に基づいて算出された報酬は、これを相当なものとする。その余の場合には、報酬が、許与された使用可能性の方法及び範囲、とりわけ使用の期間及び時期に照らすならば、すべての事情に鑑みて、契約締結の時点において商取引上通常かつ誠実に給付されるべきものに相応しいとき、その報酬は、これを相当なものとする。

     (3) 契約の相手方は、前二項に反する合意で著作者の不利益となるものを援用することはできない。前二項の規定は、それらの規定が別途の手段によって潜脱される場合にも、適用するものとする。ただし、著作者は他人に対して単純使用権を無償で許与することは、これを妨げることができない。

     (4) 著作者は、その著作物の使用に関する報酬が労働協約によって定められているかぎり、第1項第3文に基づく請求権を有しない。

    第32a条 著作者の追加の利益分与

     (1) 著作者が、他人に使用権を許与した場合において、その条件の結果、合意された反対給付が、著作者とその他人との関係を総合的に考慮すれば、著作物の使用から生ずる収益及び利益に比して目立った不均衡の状態に至るときは、その他人は、著作者の求めに応じ、契約の変更であって、諸般の事情に照らし相当なる追加の利益分与を著作者に与えるものに同意する義務を負う。契約の相手方が、得られた収益又は利益の額を予見していたかどうか、又は予見することができたかどうかは、問わない。

     (2) その他人が、使用権を譲渡し、又は転使用権を許与した場合において、この目立った不均衡が第三者による収益又は利益から生ずるときは、その第三者が、ライセンス系列における契約上の関係を考慮しつつ、前項の定めるところに従い、著作者に対して直接に責任を負う。その他人の責任は、消滅する。

     (3) 前二項に基づく請求権は、あらかじめ放棄することができない。この請求権に対する期待権は、強制執行を受けないものとし、期待権の処分は、無効とする。ただし、著作者は他人に対して単純使用権を無償で許与することができる。

     (4) 報酬が、共通報酬規定(第36条)に基づき又は労働協約により定められ、かつ、第1項の場合に関して相当なる追加の利益分与を明示的に予定しているかぎり、著作者は、第1項に基づく請求権を有しない。

    第32b条 強制適用

     第32条及び前条は、次の各号のいずれかに掲げるときは、強制的に適用される。
    1. 法選択が無かったならば、使用契約にドイツ法を適用するものとすべきとき。
    2. この法律の地域的適用範囲における決定的な使用行為が、契約の対象と認められるとき。

    第32c条 後に知られた使用方法に関する報酬

     (1) 契約の相手方が、第31a条に基づき、著作物の新たな使用方法で契約締結の時点では合意されたが未だ知られていなかったものに着手する場合には、著作者は、別個の相当な報酬を求める請求権を有する。第32条第2項及び第4項は、ここに準用する。契約の相手方は、著作者に対して、著作物の新たな使用方法の着手について遅滞なく通知しなければならない。

     (2) 契約の相手方が使用権を第三者に譲渡した場合には、この第三者が、著作物の新たな使用方法の着手により、前項に基づく報酬について責任を負う。

     (3) 前二項に基づく権利は、あらかじめこれを放棄することはできない。ただし、著作者は他人に対して単純使用権を無償で許与することができる。

    第33条 使用権の持続効

     排他的使用権及び単純使用権は、後続して許与される使用権に対して、引き続きその効力を有する。その使用権を許与した権利の保有者に変更があるとき、又はその者がその権利を放棄するときも、同様とする。

    第34条 使用権の譲渡

     (1) 使用権は、著作者の同意を得た場合にかぎり、譲渡することができる。著作者は、その同意を、信義誠実に反して拒んではならない。

     (2) 編集著作物(第4条)の使用権と併せ、その編集著作物に取り込まれた個個の著作物の使用権が譲渡される場合は、編集著作物の著作者の同意をもって足りる。

     (3) 譲渡が、事業の全部譲渡又は一部譲渡の中で行われる場合には、使用権は、著作者の同意を得ることなく譲渡することができる。その取得者による使用権の行使が、信義誠実に照らして著作者に期待し得ないときは、著作者は、その使用権を撤回することができる。この第2文は、使用権の保有者の事業において資本の参加関係が実質的に変更されるときにも、適用される。

     (4) 著作者が、使用権の譲渡について、個個の場合において明示的に同意していなかったときは、使用権の取得者は、著作者との契約から生ずる義務で譲渡人に関するものの履行について、連帯して責任を負う。

     (5) 著作者は、撤回権及び取得者の責任をあらかじめ放棄することができない。その余の場合には、使用権の保有者と著作者とは、別段の合意をなすことができる。

    第35条 転使用権の許与

     (1) 排他的使用権の保有者は、著作者の同意を得た場合にかぎり、転使用権を許与することができる。排他的使用権が、専ら著作者の利益の管理のために許与されるときは、その同意は、要しない。

     (2) 第34条第1項第2文、第2項及び第5項第2文の規定は、ここに準用するものとする。

    第36条 共通報酬規定

     (1) 著作者の団体は、第32条に基づく報酬の相当性を定めるために、著作物使用者の団体又は個個の著作物使用者とともに、共通報酬規定を作成する。この共通報酬規定は、規定しようとする分野の事情、とりわけ利用者の構成及び規模を、考慮しなければならない。労働協約に含まれる規定は、共通報酬規定に優先する。

     (2) 前項に基づく団体とは、代表性及び独立性を備え、かつ、共通報酬規定の作成のために権限を付与されたものでなければならない。

     (3) 当事者双方の合意があるときは、共通報酬規定の作成のための手続は、調停所(第36a条)において行われる。次の各号のいずれかに掲げるときは、一方の当事者の書面による求めに応じて、その手続が行われる。
    1. 一方の当事者が書面により協議の開始を求めた後3ヶ月以内に、相手方が、共通報酬規定に関する協議を開始しないとき。
    2. 共通報酬規定に関する協議が、書面により協議の開始が求められた後1年間、成立しないとき。
    3. 一方の当事者が、協議が整わない旨を終局的に宣言したとき。

     (4) 調停所は、当事者に、理由を付した合意案で共通報酬規定の内容を含むものを示さなければならない。合意案は、その提案の受領後3ヶ月以内に書面によって異議が申し立てられない場合は、受諾されたものとみなす。

    第36a条 調停所

     (1) 当事者双方の合意があるとき、又は一方の当事者が調停手続の実施を求めるときは、著作者の団体は、共通報酬規定を作成するために、著作物使用者の団体又は個個の著作物使用者とともに、調停所を設置する。

     (2) 調停所は、各当事者がその都度選任する同数の陪席員、及び当事者双方がその人選について合意する中立的な議長より成る。

     (3) 議長の人選に関して合意が成立しないときは、民事訴訟法第1062条に基づき管轄を有する上級地方裁判所が、これを選任する。陪席員の数に関して合意が得られないときも、その上級地方裁判所が決定する。上級地方裁判所における手続には、民事訴訟法第1063条、第1065条を準用する。

     (4) 第36条第3項第2文に従う調停手続の実施の求めは、共通報酬規定の作成に関する提案を含むものでなければならない。

     (5) 調停所は、口頭による審理の後に多数決をもってその決定を行う。採決は、最初に陪席員の間で行うものとし、多数決が成立しないときは、議長が、さらなる審理の後に再度の採決に加わるものとする。一方の当事者が構成員を指名せず、又は一方の当事者の指名した構成員が会議の適時な招集にもかかわらず出席しないときは、第1文及び第2文の定めるところに従い、議長及び出席の構成員のみで決定するものとする。調停所の決定は、書面に記載し、議長が署名し、かつ当事者双方に送達するものとする。

     (6) 当事者は、各自の費用及び各自が選任した陪席員の費用を負担する。その他の費用は、当事者がその都度二分の一ずつ負担する。当事者は、議長の求めに応じ、調停所の業務のために必要な前納金を、連帯債務者として議長宛て提供しなければならない。

     (7) 当事者は、合意によって、調停所における手続の詳細を定めることができる。

     (8) 連邦司法省は、連邦参議院の同意を得ることなく、法規命令により、調停所における手続について別途の詳細を定め、並びに手続の費用及び調停所の構成員の補償に関して別途の規則を定める権限を有する。

    第37条 使用権の許与に関する契約

     (1) 著作者が、他人に著作物の使用権を許与する場合において、疑いのあるときは、著作物の翻案物の公表又は利用について同意する権利は、著作者に留保される。

     (2) 著作者が、他人に著作物の複製に関する使用権を許与する場合において、疑いのあるときは、著作物を録画物又はレコードに再製する権利は、著作者に留保される。

     (3) 著作者が、他人に著作物の公衆への再生に関する使用権を許与する場合において、疑いのあるときは、その許与を受ける者は、その再生を、あらかじめ定められた催しの場外において、映像ディスプレー、スピーカー又は類似の技術的装置により、公衆に知覚可能なものとする権限を有しない。

    第38条 編集物の構成物

     (1) 著作者が、著作物を定期的に発行される編集物に収録することにつき許諾する場合において、疑いのあるときは、その出版者又は刊行者は、複製及び頒布に関する排他的使用権を取得する。ただし、別段の合意がないときは、発行から1年を経過した後は、著作者は、その著作物を、他の方法で複製し、及び頒布することができる。

     (2) 前項第2文は、定期的には発行されない編集物の構成物で、その引渡しに対して報酬を求める請求権が著作者に帰属しないものについても、適用する。

     (3) 編集構成物が、新聞に引き渡される場合において、別段の合意がないときは、出版者又は刊行者は、単純使用権を取得するものとする。著作者が、排他的使用権を許与する場合において、別段の合意がないときは、著作者は、編集構成物の発行後直ちに、その編集構成物を他の方法で複製し、及び頒布することについて、権限を有するものとする。

    第39条 著作物の変更

     (1) 使用権の保有者は、別段の合意がないときは、著作物、その題号又は著作者表示(第10条第1項)を変更してはならない。

     (2) 著作物及びその題号の変更で、著作者が信義誠実に照らしてその同意を拒むことができないものは、許される。

    第40条 将来の著作物に関する契約

     (1) 著作者が、将来の著作物であって、およそ詳細には確定しておらず、又はその種類をもって確定しているにすぎないものに対して、その使用権を許与することにつき義務を負う契約は、書面による方式を要する。この契約は、その締結から5年を経過した後は、契約当事者双方によって解除することができる。解除の告知期間は、より短い期間の合意がないときは、6ヶ月とする。

     (2) この解除権は、あらかじめ放棄することができない。その他の契約上又は法律上の解除権は、これによってその適用を妨げられない。

     (3) 契約の履行において、将来の著作物の使用権が許与された場合には、契約の終了時に未だ引き渡されていない著作物に関する処分は、契約の終了とともに無効となる。

    第41条 不行使を理由とする撤回権

     (1) 排他的使用権の保有者が、その権利を行使せず、又は不十分に行使するにすぎない場合において、それにより著作者の正当な利益が著しく害されるときは、著作者は、その使用権を撤回することができる。使用権の不行使又は不十分な行使が、著作者にその除去を期待すべき事情に主として基づくときは、このかぎりでない。

     (2) 撤回権は、使用権の許与若しくは譲渡から2年、又は著作物の引渡しがそれより後になされる場合にはその引渡しから2年を経過するまでは、行使することができない。この期間は、新聞の編集構成物の場合には3ヶ月、月毎に又はそれより短い間隔で発行される雑誌の編集構成物の場合には6ヶ月、及びその他の雑誌の編集構成物の場合には1年とする。

     (3) 撤回の表示は、著作者が、使用権の保有者に、撤回の告知により、使用権の十分な行使のために相当なる猶予期間を定めた後において、はじめて行うことができる。使用権の行使が、その保有者に不可能であり若しくはその者によって拒否されるとき、又は猶予期間を与えることにより著作者の主たる利益が損なわれるおそれがあるときは、この猶予期間を定めることを要しない。

     (4) この撤回権は、あらかじめ放棄することができない。この権利の行使は、あらかじめ5年を超えて排除することができない。

     (5) 撤回が効力を生ずることをもって、使用権は、消滅する。

     (6) 著作者は、衡平の命ずるところに従って、その被害者に損害を賠償しなければならない。

     (7) 関係人の権利及び請求権で他の法律の規定に基づくものは、これによって妨げられない。

    第42条 確信の変更を理由とする撤回権

     (1) 著作物がもはや著作者の確信に合致せず、かつそれゆえに、著作者にその著作物の利用を期待することがもはやできないときは、著作者は、使用権をその保有者に対して撤回することができる。著作者の権利承継人(第30条)は、著作者が生前に撤回について権限を有していたがその撤回の表示を妨げられ又はこの表示を終意によって処分したことを証明するときにかぎり、撤回を表示することができる。

     (2) この撤回権は、あらかじめ放棄することができない。この権利の行使は、排除することができない。

     (3) 著作者は、使用権の保有者に相当なる賠償をしなければならない。この賠償は、少なくとも、使用権の保有者が撤回の表示に至るまでに支出した費用を、填補するものでなければならない。ただし、その場合に、すでに行われた使用に割り当てられる費用が考慮されることはない。撤回は、著作者がこれらの費用を賠償し、又はこれに対する担保を提供したときに、はじめて効力を生ずる。使用権の保有者は、著作者に対し、撤回の表示後3ヶ月の期間内に、その費用を通知しなければならない。保有者がこの義務を履行しないときは、撤回は、この期間の経過をもってすでに効力を生ずる。

     (4) 著作者が、撤回後再びその著作物を利用しようとする場合は、著作者は、使用権の前保有者に対して、相応する使用権を相当なる条件のもとに提供する義務を負う。

     (5) 第41条第5項及び第7項の規定は、ここに準用するものとする。

    第42a条 レコードの製作のための強制ライセンス

     (1) 音楽の著作物の使用権で、業としてその著作物をレコードに再製しかつそのレコードを複製し及び頒布することを内容とするものを、レコードの製作者に許与したときは、著作者は、他のレコードの製作者で、この法律の適用領域に主たる営業所又は住所を有するもののいずれにも、その著作物の発行後、同じくこの内容からなる使用権を、相当なる条件のもとに許与する義務を負う。第63条の規定は、ここに準用するものとする。ただし、当該使用権が適法に集中管理団体によって管理されているとき、又は著作物がもはや著作者の確信に合致せず、それゆえに、著作者にその著作物の利用を期待することがもはやできず、かつ、著作者がこの理由から該当する使用権を撤回したときは、このかぎりでない。著作者は、その著作物の使用を映画の製作のために許諾することについて、義務を負うことはない。

     (2) この法律の適用領域に主たる営業所又は住所をいずれも有しないレコードの製作者に対しては、連邦法律広報における連邦司法省の公示に照らせば、その者が主たる営業所又は住所を有する国において、この法律の適用領域に主たる営業所又は住所を有する製作者に相応する権利が与えられるものと認められる場合には、前項に基づく義務が存するものとする。

     (3) 前二項の規定に基づき許与することのできる使用権は、この法律の適用領域において、及び輸出の場合にあっては、その著作物がレコードへの再製に対して保護を受けない国への輸出についてのみ、効力を有する。

     (4) 著作者が、他人に対し、業としてその著作物をレコードに再製しかつそのレコードを複製し及び頒布することを内容として排他的使用権を許与したときは、前三項の規定は、その排他的使用権の保有者が、第1項に定めた使用権を許与する義務を負うことを条件として、適用される。

     (5)歌詞として音楽の著作物と結合した言語の著作物の場合において、当該言語の著作物を当該音楽の著作物と結合することによりレコードに再製しかつそのレコードを複製し及び頒布することを内容とする使用権が、レコードの製作者に許与されているときは、前四項の規定は、その言語の著作物に準用するものとする。

     (6) 使用権の許与を求める請求権が行使される訴えについては、著作者又は第4項の場合においては排他的使用権の保有者がこの法律の適用領域に普通裁判籍を有しないものと認められるときは、その管轄区域に特許庁が所在地を有する裁判所が、管轄を有する。民事訴訟法第935条及び第940条に定める要件が充たされない場合においても、仮処分は、これを命ずることができる。

     (7) 前六項の規定は、第1項に定める使用権が、専ら映画の製作のためにのみ許与されているときは、適用しないものとする。

    第43条 雇用関係又は職務関係における著作者

     この款の規定は、著作者が雇用関係又は職務関係から生ずる義務の履行において著作物を作成した場合においても、その雇用関係又は職務関係の内容又は本質から格別の事情が生じないかぎり、適用するものとする。

    第44条 著作物の原作品の譲渡

     (1) 著作者が著作物の原作品を譲渡する場合において、疑いのあるときは、これに伴い著作者は、その取得者に使用権を許与しないものとする。

     (2) 造形美術の著作物又は写真の著作物の原作品の所有者は、その著作物が未だ公表されていない場合においても、それを公衆に展示する権限を有する。ただし、著作者が原作品の譲渡の際に明示的にこれを排除していたときは、このかぎりでない。


    第6節 著作権の制限

    第44a条 一時的な複製行為

     一時的な複製行為で、過渡的又は付随的であって、技術的プロセスの不可欠かつ本質的な部分をなし、かつ、その唯一の目的が著作物その他の保護対象について次の各号のいずれかに掲げる行為を可能にすることであるものは、それが独自の経済的重要性を有しない場合には、許される。
    1. 媒介者による第三者間のネットワークにおける転送
    2. 適法な使用

    第45条 司法及び公共の安全

     (1) 裁判所、仲裁裁判所又は国の機関の手続において用いるために、著作物の個個の複製物を製作し、又は製作させることは、許される。

     (2) 裁判所及び国の機関は、司法及び公共の安全を目的として、肖像を複製し、又は複製させることができる。

     (3) 複製の場合と同一の要件のもとで、著作物を頒布し、公衆に展示し、又は公衆に再生することも、許される。

    第45a条 障害者

     (1) すでに利用可能な感覚的認知の方法による著作物の理解が、障害を理由として不可能であり、又は著しく困難であると認められる者の場合において、その者のために著作物を複製し、又は当該複製物を専らその者に頒布することは、営利を目的とせず、その理解を可能とするために必要と認められるときは、許される。

     (2) この複製及び頒布については、著作者に相当なる報酬が支払われるものとする。ただし、少量の複製物を製作するにすぎないときは、このかぎりでない。この請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

    第46条 教会、学校又は授業の用に供するための編集物

     (1) 著作物の部分、言語若しくは音楽の著作物で僅かな分量からなるもの、又は個個の造形美術若しくは写真の著作物を、その公表後、多数の著作者の著作物を統合する編集物であって、その性質に照らし、学校、養成及び研修教育に関する非営利施設若しくは職業教育に関する施設における授業の用、又は教会の用にのみ供するよう特定されているものの要素として、複製し、頒布し、又は公衆提供することは、許される。学校における授業の用に供するよう特定された著作物の公衆提供は、常に権限を有する者の同意を得た場合にかぎり許される。その複製物において、又はその公衆提供にあたっては、編集物の特定された用途を明示するものとする。

     (2) 前項が音楽の著作物について適用されるのは、その著作物が、音楽学校を除く学校における音楽授業の用に供するよう特定された編集物の要素となる場合にかぎる。

     (3) 第1項に基づく権限を行使する意図が、著作者に、又はその居所若しくは滞在所が明らかでないときは排他的使用権の保有者に書留便によって通知され、かつ、その信書の発信から二週間を経過したときにはじめて、複製又は公衆提供に着手することができる。排他的使用権の保有者の居所又は滞在所も明らかでない場合には、この通知は、連邦公報に公告することをもって行うことができる。

     (4) 第1項及び第2項に基づき許される利用については、著作者に相当なる報酬を支払うものとする。

     (5) 著作物がもはや著作者の確信に合致せず、それゆえに、著作者にその著作物の利用を期待することがもはやできず、かつ、著作者がこの理由をもって該当する使用権を撤回したときは(第42条)、著作者は、第1項及び第2項に基づき許される利用を禁止することができる。第136条第1項及び第2項の規定は、ここに準用するものとする。

    第47条 学校放送

     (1) 学校並びに教員養成及び教員研修の施設は、著作物を録画物又はレコードに再製することにより、学校放送の中で放送される著作物についてその少量の複製物を製作することができる。青少年援助のホーム及び国立の州映像記録保存所又は同等の公営施設についても、同様とする。

     (2) この録画物又はレコードは、授業のためにのみ用いることができる。録画物又はレコードは、遅くとも学校放送の再製に続く学年末には、消去するものとする。ただし、著作者に相当なる報酬が支払われる場合は、このかぎりでない。

    第48条 公衆演述

     (1) 次の各号に掲げる行為は許される。
    1. 時事問題に関する演述が、公衆の集会で行われ、又は第19a条若しくは第20条の意味における公衆への再生によって公表された場合において、その演述を、新聞、雑誌その他印刷物又はその他のデータ収録物で主として時事の関心事を扱うものにおいて複製し若しくは頒布すること、又はそうした演述を公衆に再生すること。
    2. 国、地方公共団体又は教会の機関における公衆の弁論で行われた演述を、複製し、頒布し、又は公衆に再生すること。

     (2) 前項第2号に定める演述を、主として同一の著作者の演述を収める編集物の形式で複製し、又は頒布することは、許されない。

    第49条 新聞記事及び放送解説

     (1) 少量の放送解説、並びに新聞及びその他専ら時事の関心事を取扱う情報誌に掲載された少量の記事及びそれとともにその関連において公表された図版を、他の新聞又はこの種の情報誌において複製し若しくは頒布すること、又はそうした解説、記事及び図版を公衆に再生することは、当該解説及び記事が、政治的、経済的又は宗教的な時事問題に関係し、かつ、権利の留保がなされていない場合には、許される。この複製、頒布及び公衆への再生については、著作者に相当なる報酬を支払うものとする。ただし、若干の解説又は記事からの短い抄録を梗概の形式で複製し、頒布し、又は公衆に再生する場合は、このかぎりでない。この請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

     (2) 事実を内容とする雑報及び時事のニュースで、報道又は放送によって公表されているものを、複製し、頒布し、又は公衆に再生することは、制約なく許される。他の法律の規定によって与えられる保護は、これによって妨げられない。

    第50条 時事の事件に関する報道

     時事の事件に関して、放送又は類似の技術的手段を通じ、新聞、雑誌その他印刷物又はその他のデータ収録物で主として時事の関心事を扱うものにおいて、及び映画において報道することを目的とする場合には、この事件の過程において現れる著作物を、複製し、頒布し、又は公衆に再生することは、その目的上必要な範囲において、許される。

    第51条 引用

     公表された著作物を、引用を目的として複製し、頒布し、又は公衆に再生することは、使用がその範囲において個別の目的により正当なものと認められるときは、許される。この引用は、とりわけつぎに掲げる場合に許される。
    1. 小量の著作物を、その公表後、独立した学術の著作物のなかに、その内容を説明するために取り込む場合
    2. 著作物の部分を、その公表後、独立した言語の著作物のなかに、引き合いに出す場合
    3. 発行された音楽の著作物の若干の部分を、独立した音楽の著作物のなかに、引き合いに出す場合

    第52条 公衆再生

     (1) 公表された著作物を公衆に再生することは、その再生が主催者の営利を目的とせず、参加者が無料でその参加を許され、かつ、著作物の口述又は上演・演奏の場合にあっては実演芸術家(第73条)がいずれも特別な報酬を受けないときは、許される。この再生に対しては、相当なる報酬を支払うものとする。青少年援助、社会扶助、老人介護及び福祉の事業並びに収監者監護の催し、並びに学校行事においては、それら催しないし行事が、社会福祉上又は教育上定められたその目的に基づいて明確に限定された範囲の者にのみ開放されるものと認められるときは、この報酬の義務は、消滅する。ただし、その催しないし行事が第三者の営利を目的とする場合は、このかぎりでない。この場合には、その第三者が報酬を支払わなければならない。

     (2) 発行された著作物を公衆に再生することは、教会又は宗教団体の礼拝又は教会の祝典に際しても、許される。ただし、その主催者は、著作者に相当なる報酬を支払わなければならない。

     (3) 著作物を公衆に上演し、公衆提供し、又は放送すること、及び映画の著作物を公衆に上映することは、常に権限を有する者の同意を得た場合にかぎり許される。

    第52a条 授業及び研究のための公衆提供

     (1) 次の各号に掲げる行為は、その都度の目的上必要であって、かつ、商業的でない目的を追求するものとして正当とされるかぎり、許される。
    1. 公表された著作物の小部分、僅かな分量からなる著作物及び新聞又は雑誌に掲載された編集構成物の少量を、学校、大学、養成及び研修教育に関する非営利施設並びに職業教育に関する施設の授業において、専ら明確に限定された範囲の授業参加者のために解説することを目的として、公衆提供すること。
    2. 公表された著作物の小部分、僅かな分量からなる著作物及び新聞又は雑誌に掲載された編集構成物の少量を、専ら明確に限定された範囲の者のためにその者自身の学術研究を目的として、公衆提供すること。

     (2) 学校の授業の用に供するよう特定された著作物を公衆提供することは、常に権限を有する者の同意を得た場合にかぎり許される。映画の著作物を公衆提供することは、この法律の適用領域の映画館において通常の定例利用が開始された後2年を経過するまでは、常に権限を有する者の同意を得た場合にかぎり許される。

     (3) 第1項の場合においては、公衆提供のために必要とされる複製も許される。

     (4) 第1項に基づく公衆提供については、相当なる報酬を支払うものとする。この請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

    第52b条 公共の図書館、博物館及び記録保存所の閲覧用電子端末における著作物の再生

     公表された著作物で、直接的であるか又は間接的であるかを問わず経済的又は営利の目的を追求せず公衆に利用可能な図書館、博物館又は記録保存所に所蔵されるものを、専ら各々の施設の構内に専用に設置された閲覧用電子端末において、調査及び私的研究を目的として提供することは、契約の定めに反しないものと認められるかぎり、許される。一つの著作物について、その設置された閲覧用電子端末で同時に提供される部数は、原則として、その施設における所蔵数を越えてはならない。この提供行為に対しては、相当なる報酬が支払われるものとする。この請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

    第53条 私的及びその他の自己の使用のための複製

     (1) 自然人が、私的使用のために、支持物には係わらず著作物を少量複製することは、その複製が直接的であるか又は間接的であるかを問わず営利を目的としない場合であって、その複製のために明らかに違法に製作され又は公衆提供された原本が用いられないものと認められるときは、許される。この複製について権限を有する者は、複製が無償で行われ、又は複製が任意の写真製版の方法その他類似の効果を有する方法を用いて紙若しくは類似の支持物に行われるものと認められる場合には、その複製物を他人に製作させることもできる。

     (2) 著作物の複製物の少量を製作し又は製作させることは、次の各号に掲げる目的に応じ、それぞれ当該各号に定める条件に従う場合には、許される。
    1. 自己の学術的使用に供するため 複製がその目的上必要と認められ、かつ業を目的としないる場合にかぎる。
    2. 自己の記録保存所に受け入れるため 複製がその目的上必要であって、複製のための原本として自己の著作物現品が使用されるものと認められる場合にかぎる。
    3. 時事問題に関する自己の情報収集のため 放送によって送信された著作物について複製が行われる場合。
    4. その他の自己の使用に供するため
    a) 発行された著作物の小部分について、又は新聞若しくは雑誌において発行されている編集構成物の少量について複製が行われる場合。
    b) 少なくとも2年前から絶版となっている著作物について複製が行われる場合。
    第1文第2号の場合においては、次の各号のいずれかに加えて掲げるときにかぎり、許される。
    1. 複製が、任意の写真製版の方法その他類似の効果を有する方法を用いて、紙又は類似の支持物に行われるとき。
    2. 専らアナログによる使用が行われるとき。
    3. 記録保存所が公共の利益において業務を行い、かつ直接的であるか又は間接的であるかを問わず、経済的又は営利の目的を追求しないとき。
    第1文第3号及び第4号の場合においては、第2文第1号又は第2号の要件のいずれかが加えて存するときにかぎり、許される。

     (3) 次の各号のいずれかに掲げる目的のため、著作物の小部分、僅かな分量からなる著作物又は新聞若しくは雑誌において発行され若しくは公衆提供された編集構成物の少量について、その複製物を製作し又は製作させることは、複製がその目的上必要な場合にかぎり、許される。学校の授業の用に供するよう特定された著作物を複製することは、常に権限を有する者の同意がある場合にのみ許される。
    1. 学校における授業の解説を目的として、養成及び研修教育に関する非営利施設において、並びに職業教育に関する施設において、授業参加者のために必要とされる部数だけ、その自己の使用に供するため
    2. 国家試験、並びに、学校、大学、養成及び研修教育に関する非営利施設並びに職業教育に関する施設における試験のために、必要とされる部数だけ、その自己の使用に供するため

     (4) 次に掲げるものの複製は、その複製が筆写によらずに行われる場合にあっては、常に権限を有する者の同意を得たときにのみ許されるものとし、その他、第2項第1文第2号の要件が充たされるときに、又は少なくとも2年前から絶版となっている書籍又は雑誌の著作物について自己の使用に供するために、許されるものとする。
    a) 音楽の著作物の文字記号による採譜物
    b) 書籍又は雑誌で、実質的に完全複製が行われるもの

     (5) 第1項、第2項第1文第2号から第4号まで及び第3項第2号は、データベースの著作物で、その素材が電子的手段を用いて個別に使用可能であるものには適用しない。第2項第1号及び第3項第1号は、学術的使用及び授業における使用が業として行われるものでないことを条件として、当該データベースの著作物に適用する。

     (6) 複製物は、頒布し、又は公衆への再生のために使用してはならない。ただし、新聞及び絶版の著作物について適法に製作された複製物、並びに著作物現品でその小規模な損壊又は滅失の部分が複製物によって補修されているものを貸出すことは、許される。

     (7) 著作物の公衆への口述、上演・演奏又は上映を録画物又はレコードに収録すること、造形美術の著作物の設計図及び下図を実施すること、並びに建築の著作物を模造することは、常に権限を有する者の同意を得た場合にかぎり、許される。

    第53a条 注文を受けてする複写物送付

     (1) 郵便又はファックス送付の方法により、公共図書館が、新聞及び雑誌において発行されている編集構成物の少量並びに発行された著作物の小部分を、個別の注文に基づき複製しかつ送達することは、その注文者による使用が第53条により許されるものと認められるときは、許される。その他の電子的形式による複製と送達は、それが非商業的な目的を追求することのために正当とされるかぎり、専ら文字記号のファイルとして、かつ、授業の解説のため又は学術的研究の目的のために、許される。その他の電子的形式による複製と送達は、更に、公衆の構成員が自らの選択に係る場所と時間においてその編集構成物又は著作物の小部分へアクセスすることが、契約の合意による相当なる条件のもとで可能でないことが明瞭な場合にかぎり、許される。

     (2) この複製と送達の行為に関しては、著作者に対して相当なる報酬が支払われるものとする。この請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

    第54条 報酬の義務

     (1) 著作物の種類に照らし、その著作物が、第53条第1項から第3項までに基づき複製されることが見込まれる場合には、著作物の著作者は、機器及び記憶媒体であって、その類型が単独で又は他の機器、記憶媒体若しくは付属品と結合して、そのような複製行為を行うために使用されるものの製造者に対して、相当なる報酬の支払いを求める請求権を有する。

     (2) 前項に基づく請求権は、諸般の事情に照らし、機器又は記憶媒体がこの法律の適用領域において複製行為のために使用されないことが見込まれ得るものと認められるときは、消滅する。

    第54a条 報酬の額

     (1) 報酬の額については、機器及び記憶媒体が、類型として、第53条第1項から第3項までに基づく複製行為のために事実上使用される程度を基準とする。この場合において、第95a条に基づく技術的保護手段が当該著作物に対して適用される程度を、考慮するものとする。

     (2) 機器に関する報酬は、当該機器に内蔵される記憶媒体又はその他当該機器と機能上連動する機器若しくは記憶媒体に関する報酬の義務を考慮した場合にも、それが全体として相当となるように、これを算定するものとする。

     (3) 報酬の額を決定する場合には、機器及び記憶媒体の使用上の重要な特性、とりわけ機器の性能並びに記憶媒体の記憶容量及び書換え可能性を顧慮するものとする。

     (4) 報酬は、機器及び記憶媒体の製造者を不当に害してはならない。報酬は、機器又は記憶媒体の価格水準に対して、経済的に相当な関係に立つものでなければならない。

    第54b条 販売者又は輸入者の報酬の義務

     (1) 機器又は記憶媒体をこの法律の適用領域に業として輸入し又は再輸入する者又はそれらを販売する者は、製造者とともに連帯債務者として責任を負う。

     (2) 輸入者とは、機器又は記憶媒体をこの法律の適用領域に搬入し、又は搬入させる者をいう。輸入が外国の者との契約に基づく場合において、この法律の適用領域に居住する契約の相手方が業として業務を行うものと認められるときは、この相手方のみを輸入者という。物品の搬入に際して、単に運送取扱者若しくは運送者として、又は類似の地位において業務を行うにすぎない者は、輸入者にあたらない。1992年10月12日の共同体関税法典を制定する理事会規則(欧州経済共同体)第2913/92号(欧州共同体公報第L302号第1頁)の第166条に基づき、対象物品を第三国から保税地域若しくは保税倉庫に搬入し又は搬入させる者は、対象物品がこの領域において使用され又は関税法上の自由流通に供されるときにかぎり、輸入者とみなされる。

     (3) つぎの各号のいずれかに掲げる場合には、販売者の報酬の義務は消滅する。
    1. 販売者がその機器又は記憶媒体の仕入元とする者が、報酬の支払いにつき義務を負う者として、報酬に関する団体契約に拘束されているものと認められる場合
    2. 販売者が、仕入れた機器及び記憶媒体の種類並びに個数並びにその仕入元を、第54h条第3項により指定された受付機関に対し、先行した暦年半年を対象として、その都度1月10日及び7月10日までに書面によって通知する場合

    第54c条 写真複写機器の操作者の報酬の義務

     (1) 第54条第1項に規定する種類の機器で、写真複写の手段により又は同等の効果を有する方法で複製を行うものが、学校、大学並びに職業教育若しくはその他の養成及び研修教育に関する施設(教育施設)、研究施設若しくは公共図書館において、又はそうした機器を写真複写の有償の製作のために備える施設において操作されるときは、著作者は、機器の操作者に対しても、相当なる報酬の支払いを求める請求権を有する。

     (2) 操作者が一括して義務を負うべき報酬の額は、諸般の事情に照らし、とりわけその設置の場所及び通常の使用に照らし推定される機器の使用の態様及び範囲を基準として、算定するものとする。

    第54d条 表示義務

     売上税法第14条第2項第1文第2号第2文により請求書の提供義務が存するものと認められるときは、第54条第1項に規定する機器又は記憶媒体の譲渡その他の取引提供行為に関する請求書には、当該機器又は記憶媒体に割り当てられる著作者報酬を表示するものとする。

    第54e条 申告義務

     (1) 機器又は記憶媒体をこの法律の適用領域に業として輸入し、又は再輸入する者は、著作者に対して、輸入された対象物品の種類及び個数を、第54h条第3項により指定された受付機関に、月次により、毎月の経過の後10日までに書面によって通知する義務を負う。

     (2) 申告義務者がその申告義務に従わず、又は不完全に、若しくはその他不誠実に従うにすぎないときは、二倍の報酬基準額を請求することができる。

    第54f条 報告義務

     (1) 著作者は、第54条又は第54b条に基づき報酬の支払いについて義務を負う者に対して、この法律の適用領域において譲渡又は取引に供された機器及び記憶媒体について、その種類及び個数に関する報告を求めることができる。販売者の報告義務は、仕入元の名称にも及ぶものとし、第54b条第3項第1号の場合にも存するものとする。第26条第7項の規定は、ここに準用する。

     (2) 著作者は、第54c条第1項の意味における施設内の機器の操作者に対して、報酬の算定のために必要な報告を求めることができる。

     (3) 報酬の支払いについて義務を負う者がその報告義務に従わず、又は不完全に、若しくはその他不誠実に従うにすぎないときは、二倍の報酬基準額を請求することができる。

    第54g条 監督訪問

     第54c条により操作者が義務を負うべき報酬の算定のために必要と認められるときは、著作者は、自らに対して、機器を写真複写の有償の製作のために備える操作者の事業所及び営業所へ立ち入ることを、通常の事業時間又は営業時間内に許すよう、求めることができる。監督訪問は、回避可能な営業妨害が生じないよう、行われなければならない。

    第54h条 集中管理団体及び通知に関する取扱い

     (1) 第54条から第54c条まで、第54e条第2項、第54f条及び前条に基づく請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。

     (2) いずれの権限を有する者も、第54条から第54c条までに基づき支払われた報酬について、相当なる配当を受ける資格を有する。著作物が第95a条に従う技術的手段によって保護されていると認められるときは、その者は、収入の分配に際して顧慮されることはない。

     (3) 第54b条第3項及び第54e条に基づく通知に備え、集中管理諸団体は、ドイツ特許商標庁に対して共通の受付機関を指定しなければならない。ドイツ特許商標庁は、これを連邦公報に公示する。

     (4) ドイツ特許商標庁は、第54b条第3項第2号及び第54e条に基づく通知のための書式を、連邦公報又は電子版連邦公報に公示することができる。書式が公示された場合には、これを使用するものとする。

     (5) 集中管理諸団体及び受付機関は、第54b条第3項第2号、第54e条及び第54f条に従って得た申告を、第1項に基づく請求権の行使のためにのみ用いることができる。

    第55条 放送事業者による複製

     (1) 著作物の放送について権限を有する放送事業者は、自己の送信機又はビームアンテナの各々を通じた放送のために一回ごとに使用する目的をもって、著作物を自己の手段によって録画物又はレコードに再製することができる。この録画物又はレコードは、著作物の最初の放送の後遅くとも1ヶ月をもって消去するものとする。

     (2) 録画物又はレコードで記録として備える価値が際立つものは、それが公の記録保存所に収められるときは、消去されることを要しない。記録保存所への受け入れについては、すみやかに著作者に通知するものとする。

    第55a条 データベースの著作物の使用

     データベースの著作物の翻案又は複製であって、データベースの著作物の複製物で著作者の同意を得て譲渡により取引に供されたものの所有者、当該複製物の使用についてその他の方法により権限を有するに至った者、又は著作者と締結した契約に基づいて若しくは著作者の同意を得て第三者と締結した契約に基づいてデータベースの著作物の提供を受ける者によって行われるものは、その翻案又は複製が、データベースの著作物の要素へのアクセスのため、及びその通常の使用のために必要と認められる場合にかぎり、許される。第1文の契約に基づいてデータベースの著作物の一部のみが提供されるときは、この部分の翻案又は複製のみが、許される。これに反する契約上の合意は、無効とする。

    第56条 営業における複製及び公衆再生

     (1) 録画物若しくはレコードを製作し若しくは再生するための機器、放送を受信するための機器又はデータ処理を電子的に行うための機器を販売し、又は修理する営業において、著作物を録画物若しくはレコード又はデータ収録物に再製すること、著作物を録画物若しくはレコード又はデータ収録物を用いて公衆に知覚可能なものとすること、著作物の放送を公衆に知覚可能なものとすること、及び著作物を公衆提供することは、それらの行為が、当該機器を買主に展示し、又は修理するために不可欠と認められるときは、許される。

     (2) 前項に基づき製作された録画物若しくはレコード又はデータ収録物は、すみやかに消去するものとする。

    第57条 重要でない付随物

     著作物を複製し、頒布し、又は公衆に再生することは、その著作物が、複製、頒布又は公衆への再生の本来の対象と比べて重要でない付随物とみなされ得るときは、許される。

    第58条 展示、公衆販売及び公衆に利用可能な施設における著作物

     (1) 造形美術の著作物及び写真の著作物で、公衆に展示され又は公衆への展示若しくは公衆への販売のために特定されたものを、広告のためにその主催者が複製し、頒布し、又は公衆提供することは、それらの行為がその催しを助成するために必要なものと認められるときは、許される。

     (2) さらに、前項にいう著作物を、公衆に利用可能な図書館、教育施設又は博物館が、展示会と内容的かつ時間的に関連させて又は所蔵品の収集整理のために刊行する目録であって、独自の営利の目的を追求しないものにおいて、複製し又は頒布することは、許される。

    第59条 公共の場所における著作物

     (1) 公共の道路、街路又は広場に恒常的に設置されている著作物を、絵画若しくはグラフィック・アートの方法により、写真により、又は映画により複製し、頒布し、又は公衆に再生することは、許される。建築の著作物の場合においては、その外観にのみ、この権限が及ぶものとする。

     (2) この複製は、建築の著作物として行うことはできない。

    第60条 肖像

     (1) 肖像を複製し、又は無料でかつ業を目的とせずに頒布することは、その行為が、肖像の注文者若しくはその者の権利承継者、注文を受けて作成された肖像の場合にあっては肖像本人若しくはその死後はその近親者、又はこれらの者のいずれかの委任を受ける第三者によって行われるときは、許される。肖像が造形美術の著作物である場合には、写真によってのみ、その利用が、許される。

     (2) 前項第1文の意味における近親者とは、配偶者又はパートナー及び子をいうものとし、配偶者、パートナー又は子がいずれも存しない場合には、父母をいうものとする。

    第61条 (廃止)

    第62条 変更禁止

     (1) この節の規定に基づき著作物を使用することが許されるものと認められるときは、その著作物に変更を加えてはならない。第39条は、ここに準用する。

     (2) 使用の目的に照らし必要と認められるときは、著作物を翻訳し、又は抄録若しくは異なる音調若しくは声域への変調にすぎない変更を行うことは、許される。

     (3) 造形美術の著作物及び写真の著作物の場合には、著作物を異なる寸法に再製し、又はその複製に用いる方法に付随して生ずる変更を行うことは、許される。

     (4) 教会、学校又は授業の用に供するための編集物(第46条)の場合には、前三項に基づき適法とされる変更のほか、言語の著作物の変更で、教会、学校又は授業の用に供するために必要なものが、許される。ただし、この変更には、著作者の同意を要するものとし、著作者の死後にあっては、権利承継者が著作者の近親者(第60条第2項)であり又は著作権を著作者の終意処分に基づき取得しているときは、その権利承継者の同意を要するものとする。著作者又は権利承継者が、意図された変更について通知を受けた後1ヶ月以内に異議を申し立てず、かつ、変更の通知に際してこの法的効果について告知されていた場合には、同意は与えられたものとみなす。

    第63条 出典表示

     (1) 著作物又は著作物の一部が、第45条第1項、第45a条から第48条まで、第50条、第51条、第53条第2項第1文第1号及び第3項第1号、第58条並びに第59条の場合において複製されるときは、常にその出典を明示するものとする。言語の著作物の全部又は音楽の著作物の全部について複製が行われる場合には、その著作者とともに、その著作物の発行元である出版者も明示するものとし、加えて、その著作物に省略その他の変更が加えられたか否かについて、明らかにするものとする。この出典表示の義務は、出典が、使用された著作物現品又は著作物再生において示されず、かつ、その複製につき権限を有する者において別途の手段によっても明らかとならない場合には、消滅する。

     (2) この節の規定に基づき著作物を公衆に再生することが許されるものと認められるときは、取引の慣行が求めるところに従い、その出典を明示するものとする。第46条、第48条、第51条及び第52a条に基づく公衆への再生の場合には、常にその出典を著作者の氏名と併せて表示するものとする。ただし、それが不可能な場合は、このかぎりでない。

     (3) 第49条第1項に基づき、新聞その他の情報誌の記事が、他の新聞又は他の情報誌に再録され、又は放送によって送信される場合には、常に、その使用した原典に表示されている著作者に加えて、当該記事が取り出された新聞又は情報誌も表示するものとする。その場合に、他の新聞又は他の情報誌が原典として引用されているときは、この新聞又はこの情報誌を表示するものとする。第49条第1項に基づき、放送解説が、新聞その他の情報誌に再録され、又は放送によって送信される場合には、常に、その著作者に加えて、当該解説を放送した放送事業者も表示するものとする。

    第63a条 法定の報酬請求権

     著作者は、この節に基づく法定の報酬請求権をあらかじめ放棄することができない。法定の報酬請求権は、あらかじめ集中管理団体に、又は、出版者が当該請求権を出版者及び著作者の権利を共に管理する集中管理団体に管理させるときは、出版権の許与と合わせてその出版者にのみ、移転することができる。


    第7節 著作権の存続期間

    第64条 通則

     著作権は、著作者の死後70年をもって消滅する。

    第65条 共同著作者・映画の著作物

     (1) 著作権が二以上の共同著作者(第8条)に帰属するときは、著作権は、最長命の共同著作者の死後70年をもって消滅する。

     (2) 映画の著作物及び映画の著作物と類似の方法により製作される著作物の場合には、著作権は、次に掲げる者のうちの最長命であるものの死後70年をもって消滅する。
     主監督、脚本の著作者、対話部分の著作者、当該映画の著作物のために作曲された音楽の作曲者

    第66条 無名及び変名の著作物

     (1) 無名及び変名の著作物の場合には、著作権は、その公表後70年をもって消滅する。ただし、著作物がこの期間内に公表されなかったときは、著作物の作成後70年をもって消滅する。

     (2) 著作者がその身元を前項第1文に定める期間内に明らかにし、又は著作者の名乗る変名によりその身元に関して疑いの余地がない場合には、著作権の存続期間は、第64条及び第65条に基づいて計算するものとする。前項第1文に定める期間内に、著作者の実名が、無名及び変名の著作物の登録簿(第138条)への登録のために申請された場合も、同様とする。

     (3) 前項に基づく行為については、著作者が、その死後にあってはその権利承継者(第30条)又は遺言執行者(第28条第2項)が権限を有するものとする。

    第67条 分冊の著作物

     内容的に完結しない部分(分冊)によって公表される著作物に関しては、第66条第1項第1号の場合には、各分冊の保護期間は、各々の公表の時点から個別に計算するものとする。

    第68条 (廃止)

    第69条 期間の計算

     この節の期間は、期間の起算について基準となる事柄の発生した暦年の経過とともに始まる。


    第8節 コンピュータ・プログラムに関する特則

    第69a条 保護の対象

     (1) この法律の意味におけるコンピュータ・プログラムとは、仕様書資料を含め、あらゆる形態のプログラムをいう。

     (2) 付与される保護は、コンピュータ・プログラムに係るすべての表現形式に及ぶものとする。コンピュータ・プログラムの要素の基礎にある思想及び原則は、インターフェースの基礎にある思想及び原則を含め、保護を受けることがない。

     (3) コンピュータ・プログラムは、それが著作者の独自かつ精神的な創作の成果であるとの意味において個性的な著作物にあたるとき、保護を受ける。その保護能力を定めるために、他の基準、とりわけ質的又は美的な基準は、適用しないものとする。

     (4) コンピュータ・プログラムには、この節に別段の定めがないかぎり、言語の著作物に適用される規定が適用される。

     (5) 第95a条から第95d条までの規定は、コンピュータ・プログラムに適用されない。

    第69b条 雇用関係又は職務関係における著作者

     (1) コンピュータ・プログラムが、従業者により、その職務の処理の過程で又はその使用者の指図に基づき作成される場合において、別段の合意がないものと認められるときは、専らその使用者が、そのコンピュータ・プログラムに関する財産権のすべての権能の行使について、権限を有するものとする。

     (2) 前項は、職務関係に準用するものとする。

    第69c条 同意を要する行為

     権利保有者は、次の各号に掲げる行為を行い又は許諾することについて、排他的権利を有する。
    1. コンピュータ・プログラムの全部又は一部を、手段及び形式を問わず、持続的又は一時的に複製すること。コンピュータ・プログラムのロード、表示、実行、転送又は蓄積が、複製を必要とするものと認められるときは、これらの行為は権利保有者の同意を必要とする。
    2. コンピュータ・プログラムを、翻訳し、翻案し、調整その他変作し、その個個の成果物を複製すること。プログラムを翻案する者の権利は、これによって妨げられない。
    3. コンピュータ・プログラムの原作品又は複製物を、賃貸を含め、形式を問わず頒布すること。コンピュータ・プログラムの複製物が、その権利保有者の同意を得て、欧州連合の域内又は欧州経済領域に関する条約の他のいずれかの締約国の領域内で、譲渡の方法によって取引に供されている場合には、その複製物に関する頒布権は、賃貸権を除き、消尽するものとする。
    4. コンピュータ・プログラムを、公衆の構成員がその選択に係る場所及び時においてそれを使用できる方法で公衆に提供することを含め、有線又は無線により、公衆に再生すること。

    第69d条 同意を要する行為の例外

     (1) 契約上の特則が存しないかぎり、前条第1号及び第2号にいう行為は、それらの行為が、プログラムの複製物の使用につき権限を有する者による欠陥修正を含め、コンピュータ・プログラムの所定の使用のために不可欠であるときは、権利保有者の同意を要しないものとする。

     (2) プログラムの使用につき権限を有する者による保存用コピーの作成は、それが将来の使用を確かなものとするために必要である場合には、契約によって妨げてはならない。

     (3) プログラムの複製物の使用につき権限を有する者は、プログラムの要素の基礎に存する思想及び原則を解析することを目的とする場合には、権利保有者の同意なく、プログラムの作用を、プログラムについてその者が権限を有するロード、表示、実行、転送又は蓄積の行為によって、観察し、調査し又は試行することができる。

    第69e条 逆コンパイル

     (1) 第69c条第1号及び第2号の意味においてコードを複製し又はコード形式を翻訳することが、独立して作成されたコンピュータ・プログラムと他のプログラムとの互換性の確立に必要な情報を取得するうえで不可欠である場合には、次の各号に掲げる条件が充たされるものと認められるときは、権利保有者の同意は要しない。
    1. その行為が、ライセンスの取得者その他プログラムの複製物の使用につき権限を有する者、又はそれらの者の名においてこれにつき権限を与えられた者によって行われること。
    2. 互換性の確立に不可欠な情報が、前号にいう者にとって未だ容易に使用可能なものとなっていないこと。
    3. その行為が、元のプログラムの部分で互換性の確立に不可欠なものに限定されていること。

     (2) 前項に基づく行為によって得られた情報は、次の各号に掲げる行為の対象としてはならない。
    1. 独立して作成されたプログラムの互換性を確立することとは異なる目的のために使用すること。
    2. 第三者に提供すること。ただし、そのことが独立して作成されたプログラムの互換性にとって不可欠である場合は、このかぎりではない。
    3. 実質的に類似の表現形式からなるプログラムを開発し、製作し、若しくは商品化するために、又はその他何らかの著作権を侵害する行為のために使用すること。

     (3) 前二項は、その適用が著作物の通常の利用を妨げずかつ権利保有者の正当な利益を不当に害しないよう、解釈するものとする。

    第69f条 権利の侵害

     (1) 権利保有者は、所有者又は占有者に対して、違法に製作され若しくは頒布され又は違法な頒布のために特定された複製物のすべてを廃棄するよう求めることができる。第98条第3項及び第4項は、ここに準用するものとする。

     (2) 前項は、技術的なプログラム保護機構の不法な除去又回避を容易にすることに専ら特定された手段について、準用するものとする。

    第69g条 その他の法規定の適用・契約法

     (1) この節の規定は、その他の法規で、とりわけ、発明、半導体製品のトポグラフィー及び商標の保護、並びに営業秘密及び企業秘密の保護を含む不正競争に対する保護に関するものをコンピュータ・プログラムに適用すること、及び債権的な合意をなすことを妨げない。

     (2) 契約上の規定で、第69d条第2項及び第3項並びに第69e条に抵触するものは、無効とする。




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