第5回 入賞事例

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    ビデオ制作を通じた海外との著作権等許諾処理の実践

    担当教諭 野村 泰介

    受賞のことば

    山陽女子高等学校・写真

    このたびは、最優秀賞をいただき、大変驚くと共に本校の活動が認められ、光栄に感じます。さて、今回採りあげました世界史の課題設定学習には、「自分たちの学習した成果を学校外でも通用する形で発表しよう。」という大きなテーマがありました。「暗記の教科」と思われがちな歴史の学習に親しみをもってもらおうと企画しました。その際、あえて既存の教材がほとんど無い「カウラ事件」を選びました。しかし、学校外での発表となると、学校外でのルールにのっとらなければいけません。ビデオ作品を制作するということで、「著作権」は避けて通ることができません。教科学習の他にも「著作権」に関する指導かなりの時間をかけました。私自身、外国の方との交渉過程は未経験ということもあり、大変苦労しました。まさに生徒と共に歩んだ取り組みであったと実感しています。
    (教諭 野村 泰介)

    教育活動の概要 題名 ビデオ制作を通じた海外との著作権等許諾処理の実践
    対象学年 高校1・2年生
    (学年進行による継続履修)
    授業科目 世界史B
    授業時間数 35時間(「世界史B」週3時間のうち毎週1時間を充当)
    実施期間 平成20年9月~21年7月
    レポート・教材
    ねらい

    著作権は自国だけの権利ではない。海外の著作物等を使用する場合、どのような点に気をつけなければいけないのか?国を超えた著作権処理の手続きの実践をビデオ番組制作を通じて行うことにより、著作権は国際的な法規であることを理解させる。また、著作権と合わせてビデオ制作における肖像権に対する理解を深める。

    内容

    本校には英語を通じて国際人の育成を目指す「アクティブイングリッシュコース」が設置されている。このコースの「世界史B」において、生徒たちに歴史事象を取り上げて調べ、ビデオ番組にまとめて公に発表するという課題を設定した。生徒たちはビデオ番組制作にあたり、国を超えた著作権や肖像権の処理方法について実際の許諾作業を通じて学んだ。

    成果と課題

    番組中にオーストラリアで入手した楽曲(曲名・作詞作曲者・演奏者すべて不明)を紹介するにあたり、著作権者を探す作業や、使用許諾を得る過程で困難を極めた。また、オーストラリアでは日本以上に肖像権に対する意識が高く、インタビューのためにビデオカメラを向けることへの許諾が難しかった。これら障壁の高い作業を通じ、生徒の著作権に対する意識が飛躍的に高めることができた。完成した作品は日本国内での公表を想定しているが、今後はオーストラリアでの公表も考えており、その際の著作権処理手続きについても学習していき、必要な処理を行った上で実現させていきたいと考えている。

    児童・生徒の感想

    先生からはじめて「カウラ事件」のことを聞いたときは、「難しい話だなぁ」というのが正直な感想でした。しかし、ビデオを作ることになり、自分たちで色々な人にインタビューし、調べていくうちにどんどん興味を持つようになりました。ビデオを公開するための著作権処理もわからないことだらけでしたが、先生と相談してチャレンジしてみました。

    選考委員コメント

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