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    域内市場における情報社会サービス、特に電子商取引の特定の法的側面に関する
    2000年6月8日の欧州議会および欧州理事会指令2000/31/EC(電子商取引に関する指令)


    はしがき

    目 次

    ( 前文 )


    第Ⅰ章 一般規定
    第1条  目的と適用範囲
    第2条  定義
    第3条  域内市場


    第Ⅱ章 諸原則
    第1節 :   事業所設立および情報に関する要件
    第4条  事前許認可不要の原則
    第5条  提供される一般的情報
    第2節 :   商業通信
    第6条  提供される情報
    第7条  一方的な商業通信
    第8条  規制対象の専門職
    第3節 :   電子的手段により締結される契約
    第9条  契約の取扱い
    第10条  提供されるべき情報
    第11条  発注
    第4節 :   仲介サービスプロバイダの責任
    第12条  “単なる伝達”
    第13条  “キャッシング”
    第14条  ホスティング
    第15条  一般的監視義務の不存在


    第Ⅲ章 実施
    第16条  行為準則
    第17条  裁判外紛争解決
    第18条  裁判上の請求
    第19条  協力
    第20条  制裁


    第Ⅳ章 最終規定
    第21条  再検討
    第22条  国内法化
    第23条  発効
    第24条  名宛人

    別紙 

    第3条の適用除外


    はしがき

     この翻訳は、欧州指令のうち、「域内市場における情報社会サービス、特に電子商取引の特定の法的側面に関する2000年6月8日の欧州議会および欧州理事会指令」、いわゆる電子商取引指令を訳したものである。
     本指令は、リスボン条約が未発効であるため、欧州共同体設立条約に基づき定められたものである。また、本指令制定当時、欧州連合の加盟国は15カ国であった。
     欧州共同体設立条約は、リスボン条約によって、欧州共同体設立条約は欧州連合の機能に関する条約となったが、欧州共同体設立条約に定められていたサービスの自由移動は、欧州連合の運営方法に関する条約に引き継がれている。
     本指令は、加盟国における電子商取引に関する法制度の不一致が、欧州域内における情報社会サービスの発展を妨げるとの認識のもと、加盟国間における情報社会サービスの自由移動を保証することを目的とし、域内市場における電子商取引の特定の法的側面に関する共通の枠組みを定めるものである。
     本指令における特定の法的側面とは、域内市場、サービスプロバイダの事業所設立、商業通信、電子契約、仲介者の責任、行為準則、裁判外紛争解決、裁判上の請求および加盟国間の協力に関するものである。このうち、著作権の分野に特に関係するものは、仲介者の責任に関する規定である。本指令は、所定の要件のもとで、仲介者の責任制限が定められているが、デジタル単一市場における著作権および隣接権に関するならびに指令96/9/ECおよび2001/29/ECを修正する2019年4月17日の欧州議会および欧州理事会指令(EU)2019/790においては、所定の場合に、本指令の定める仲介者の責任制限が適用されないことなどが規定されている。
     なお、本指令の翻訳にあたっては、英語版および仏語版を参照し、一つの言語において意味が曖昧な箇所は、他の言語に基づいて補うように訳出した。


    2021年3月
    井奈波 朋子


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