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    著作権及び関連権の集中管理ならびに域内市場でのオンライン使用のための音楽著作物に対する権利の多領域ライセンスに関する2014年2月26日の欧州議会及び理事会の指令2014/26 / EU
    (EEA関連のあるテキスト)


    まえがき

    目 次

    ( 前文 )


    第Ⅰ編 一般規定
    第1条  目的
    第2条  適用範囲
    第3条  定義


    第Ⅱ編 集中管理
    第1章  権利者の代理ならびに集中管理団体の会員および組織
    第4条  一般原則
    第5条  権利者の権利
    第6条  集中管理団体の会員規範
    第7条  集中管理団体の会員でない権利者の権利
    第8条  集中管理団体の会員総会
    第9条  監督機能
    第10条  保護期間集中管理団体の事業を管理する者の義務
    第2章  権利収入の管理
    第11条  権利収入の徴収と使用
    第12条  控除
    第13条  権利者に支払うべき金額の分配
    第3章  他の集中管理団体のための権利管理
    第14条  管理委託契約に基づく権利管理
    第15条  管理委託契約における控除と支払い
    第4章  利用者との関係
    第16条  ライセンス
    第17条  利用者の義務
    第5章  透明性および報告
    第18条  権利者の権利の管理について提供される情報
    第19条  管理委託契約に基づく権利管理に関して他の集中管理団体に提供される 情報
    第20条  権利者、他の集中管理団体および利用者の要請に応じて提供される情報
    第21条  公衆への情報開示
    第22条  年次透明性報告書


    第Ⅲ編 集中管理団体による音楽著作物に対するオンライン権の多領域ライセンス
    第23条  域内市場での多領域ライセンス
    第24条  多領域ライセンスを処理する能力
    第25条  多領域管理作品情報の透明性
    第26条  多領域管理作品情報の正確性
    第27条  正確かつ適時の報告および請求
    第28条  権利者への正確かつ適時の支払い
    第29条  多領域ライセンスに関する集中管理団体間の契約
    第30条  多領域ライセンスに関して他の集中管理団体を代理する義務
    第31条  多領域ライセンスへのアクセス
    第32条  ラジオおよびテレビ番組に必要なオンライン音楽権の除外


    第Ⅳ編 権利執行措置
    第33条  不服申立手続
    第34条  裁判外紛争解決手続
    第35条  紛争解決
    第36条  法令遵守
    第37条  所管官庁間の情報交換
    第38条  多領域ライセンスの開発のための協力


    第Ⅴ編 報告および最終規定
    第39条  集中管理団体の通知
    第40条  報告
    第41条  専門家グループ
    第42条  個人データの保護
    第43条  実施
    第44条  発行
    第45条  名宛当事者

    付属書 


    まえがき

     本指令は、大きく分けて二つのことを規定する。一つは、集中管理団体の管理制度を域内でハーモナイズすることにある。もう一つは、欧州市場を単一化するために、域内全域での音楽のオンライン配信を一つの集中管理団体がライセンスするための法規制を整備することにある。
     第1の集中管理団体の管理制度のハーモナイズについては、本指令は、加盟国が定める集中管理団体の法形式(財団にするか、社団にするか、組合にするかなど)および拡大集中管理制度の採用には中立を保つ。著作権者などの権利を管理する団体のうち、著作権者などが団体に持分権を持つ非営利団体(集中管理団体と定義される)について、著作権者などの利益保護を目的に集中管理団体の管理に規制を加える。
    そのために、本指令は、著作権者などが集中管理団体に権利を委託する許諾権を持つことおよび著作権者などが集中管理団体に対して持つ権利義務が団体規則ないし会員規約に明記されるべきことを規定する(第5条)。権利者である会員が集中管理団体の重要な意思決定過程に参画できる組織を義務づける(第8条)。本指令は、また集中管理団体の執行機関の透明性(第9条、第10条、第18条~第22条)、収入の使途および分配、他の集中管理団体からの管理受託における無差別等(第11条~第13条)、ならびに集中管理団体からライセンスを受ける利用者との関係を規制する(第16条、第17条)。
     第2の多領域ライセンスに対する法規制については、本指令は、まず、多領域ライセンスを付与する集中管理団体の要件として、備えるべき機能・能力を定める(第23条~第28条)。また、多領域ライセンスを付与する集中管理団体が他の集中管理団体から管理委託を受けた場合の契約の非独占性および契約応諾義務を定める(第29条、第30条)。著作権者などとの関係については、権利を委託する集中管理団体が多領域ライセンスを付与しない場合には、著作権者などは、委託範囲から多領域ライセンス権原を取り戻す権利を認める(第31条)。


    2021年3月
    山本 隆司


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