第XIA編 実演家の保護
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第1節 序
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第248A条 解釈
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(1) |
本編において、
訴訟 とは、 当事者間の民事的性質を有する手続を意味し、 反訴を含む。
許可を得た とは、 実演の収録物に関しては、 実演家の許可を得て作成されたことを意味する。
映画フィルム には、 視覚的映像を収録し、 これらを動画として見せるために使用できる物品および当該視覚的映像に伴うサウンドトラックを含む。
直接 とは、 実演の録音物または映画フィルムに関しては、 生実演から直接作成されたことを意味する。
除外収録物 とは、 以下を意味する。
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(a) |
実演の間接録音物または間接映画フィルムであって、 作成者の私的および家庭内使用の目的のためにのみ作成されたもの。
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(b) |
実演の間接録音物または間接映画フィルムであって、 科学研究の目的のためにのみ作成されたもの。
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(c) |
実演の間接録音物または間接映画フィルムであって、 教育機関を運営する組織によりまたはこれに代わり当該教育機関または別の教育機関における教育目的のためにのみ作成されたもの。
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(d) |
実演の間接録音物または間接映画フィルムであって、 視覚障害者支援機関を運営する組織によりまたはこれに代わり当該機関またはその他の者による視覚障害者の支援目的のためにのみ作成されたもの。
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(e) |
実演の間接録音物または間接映画フィルムであって、 知的障害者支援機関を運営する組織によりまたはこれに代わり当該機関またはその他の者による知的障害者の支援目的のためにのみ作成されたもの。
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(f) |
実演の直接または間接の録音物または映画フィルムであって、 以下の目的のために作成されたもの。
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(i) |
ニュースもしくは時事の報道の目的のために、 またはこれらに関連して、 または
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(ii) |
批評または評論目的のために。
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(g) |
実演の直接または間接の録音物または映画フィルムであって、 司法手続または弁護士による専門的助言の目的のためにのみ作成されたもの。
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(h) |
実演を放送するための実演家の許可を得た放送事業者が作成した当該実演の直接録音物または映画フィルムであって、 当該放送を行う目的のためにのみ作成されたもの。
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(j) |
実演の直接または間接の録音物または映画フィルムであって、 作成者が、 当該者に対する詐欺的または善意の虚偽表示により、 実演家が当該者による当該録音物またはフィルムの作成を許可したと合理的に信じるもの。
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(k) |
第(a)号、 第(b)号、 第(c)号、 第(d)号、 第(e)号、 第(f)号または第(g)号にいう録音物または映画フィルムのコピーであって、 同各号にいう目的のためにのみ作成されたもの。
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(m) |
第(h)号にいう録音物または映画フィルムのコピーであって、 同号にいう目的のためにのみ作成されたもの。
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(n) |
第(j)号にいう録音物または映画フィルムのコピーであって、
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(i) |
作成者が、 当該者に対する詐欺的または善意の虚偽表示により、 実演家が当該者による当該録音物またはフィルムの作成を許可したと合理的に信じ、 かつ
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(ii) |
第(a)号、 第(b)号、 第(c)号、 第(d)号、 第(e)号、 第(f)号または第(g)号にいう目的のためにのみ作成されたもの。
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(p) |
実演の許可録音物のコピーであって、 サウンドトラックにおける使用のために作成されたがサウンドトラックにおける使用のための作成を許可されていない許可録音物のコピー以外のもの。
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間接 とは、 実演の録音物または映画フィルムに関しては、 実演の放送もしくは再放送または普及サービスの加入者への実演の送信から作成されたことをいう。
実演 とは、
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(a) |
演劇著作物もしくはその一部の実演 (即興を含む) であって、 人形を使用した実演を含むもの、
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(b) |
音楽著作物もしくはその一部の実演 (即興を含む)、
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(c) |
言語著作物もしくはその一部の朗読、 暗誦もしくは陳述または即興の言語著作物の暗誦もしくは陳述、
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(d) |
舞踊の実演、 または
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(e) |
サーカス、 バラエティまたは同様の実技もしくはショーの実演
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であって、 観衆の前で行われたか否かを問わず、 オーストラリアにおいて有資格者が行った生実演をいう。
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保護期間 とは、 実演に関しては、 第248CA条に定める意味を有する。
有資格者 とは、 オーストラリア市民、 オーストラリア被保護民またはオーストラリアに居住する者をいう。
収録物 とは、 除外収録物を除く録音物または映画フィルムをいう。
録音物 とは、 音声が収録された物品を含む。
無許諾 とは、 実演の収録物に関しては、 実演家の許可なく作成されたことをいう。
無許諾使用 とは、 第248G条に定める意味を有する。
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(2) |
以下は、 本編において実演とみなされない。
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(a) |
第 28 条(1)にいう実演
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(b) |
ニュースおよび情報の朗読、 暗誦または陳述
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(c) |
スポーツ活動の実演
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(d) |
観衆の一員としての実演への参加
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(3) |
本編において、
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(a) |
実演に関する行為を行うことには、 当該実演の相当部分に関して当該行為を行うことを含むものとする。
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(b) |
実演または実演の収録物に関する行為を実演家の許可を得て行うこととは、 複数の実演の場合には、 当該行為を行うことを各実演家が許可した場合において当該行為を行うことを指すものとする。
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(c) |
実演または実演の収録物に関する行為を実演家の許可なくに行うこととは、 複数の実演の場合には、 当該行為を行うことを実演家のうちの少なくとも一人が許可していない場合において当該行為を行うことを指すものとする。
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(d) |
サウンドトラックとは、 映画フィルムの一部をなす視覚的映像に伴うサウンドトラックを指すものとする。
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第248B条 教育目的
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第248A条(1)の除外収録物 の定義第(c)号における教育目的 の意味を制限することなく、 実演の録音物または映画フィルムは、 以下のために作成された場合には、 教育機関の教育目的のために作成されたものとみなす。
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(a) |
当該機関が行う指導の特定の課程に関する使用のため、 または
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(b) |
当該機関の図書館の所蔵物に追加するため。
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第248C条 除外収録物は一定の場合には除外収録物でなくなる
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(1) |
第248A条(1)の除外収録物 の定義第(h)号に基づき除外収録物とされる実演の録音物または映画フィルムのコピーが、 当該コピーが当該実演の放送に最初に使用された日に始まる12ヶ月が終了する前に破棄されない場合には、 当該録音物またはフィルムは、 当該機関の終了時に、 除外収録物でなくなる。
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(2) |
第248A条(1)の除外収録物 の定義の第(a)号、 第(b)号、 第(c)号、 第(d)号、 第(e)号、 第(f)号または第(g)号にいう目的のために作成されたために除外録音物とされる録音物もしくは映画フィルムまたはそのコピーは、 実演家の許可なく他の目的のために使用された場合には、 除外録音物でなくなる。
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第248CA条 保護期間
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(1) |
第(2)項および第(3)項に従い、 実演の保護期間は、 当該実演が行われた日に始まり、 当該実演が行われた暦年から20暦年間が経過した時に終了する。
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(2) |
第248QA条において、 実演の保護期間は、 当該実演が行われた日に始まり、 当該実演が行われた暦年から50暦年間が経過した時に終了する。
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(3) |
実演の録音物に関する第(4)項に掲げる規定の運用において、 実演の保護期間は、 当該実演が行われた日に始まり、 当該実演が行われた暦年から50暦年間が経過した時に終了する。
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(4) |
第(3)項は、 本編の以下の規定に適用する。
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(a) |
第248G条(1)(a)、 (2)(a)、 (2)(b)、 および(2)(d)ないし(g)
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(b) |
第248P条(1)
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(c) |
第248P条(2)
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(d) |
第248P条(6)
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(e) |
第248Q条(1)
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(f) |
第248Q条(2)
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(g) |
第248Q条(4)
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(h) |
第248Q条(6)
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第248D条 私的および家庭内使用
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本編において、 録音物または映画フィルムは、 以下の目的のために作成された場合には、 作成者の私的および家庭内使用のために作成されたものではないとみなす。
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(a) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に提示すること
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(b) |
営業目的であるか否かを問わず頒布すること
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(c) |
業として公に展示すること
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(d) |
当該フィルムまたは録音物を放送すること
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(e) |
当該フィルムまたは録音物を公に視聴させること
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第248F条 適用
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(1) |
第248QA条を除き、 本編は、 本編の施行以後に行われた実演に関して本編の施行以後に行われた行為に適用する。
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(2) |
本編のいかなる規定も、 実演された著作物または実演の録音物、 映画フィルムもしくは放送に対する著作権、 または本編によらず発生するその他の権利もしくは義務に影響しない。
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(3) |
本編を反訴に適用するにあたっては、 第248J条における被告とは、 反訴原告を指すものとする。
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第2節 実演家による訴訟
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第248G条 無許諾使用にあたる行為
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(1) |
実演の保護期間中に実演家の許可なく以下の行為を行う者は、 当該実演の無許諾使用を行ったものとする。
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(a) |
当該実演の直接または間接の収録物を作成すること。
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(b) |
生実演から直接にまたはその無許諾収録物から、 当該実演を放送しまたは再放送すること。
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(2) |
実演の保護期間中に実演家の許可なく以下のいずれかの行為を行う者は、 当該実演の無許諾使用を行ったものとする。
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(a) |
無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた実演の収録物のコピーを作成すること。
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(b) |
それ自体が除外収録物でないと知りまたは合理的に知りえた実演の除外収録物のコピーを作成すること。
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(c) |
サウンドトラックで使用するために、 当該実演の許可録音物のコピーを作成し、 当該または他のサウンドトラックにおける使用のためにコピーを作成することが許可されていないことを知りまたは合理的に知りえたこと。
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(d) |
無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた実演の収録物を、
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(i) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、 または
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(ii) |
営業目的もしくは当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること
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を目的として占有すること。
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(e) |
無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた実演の収録物を、 販売し、 賃貸し、 または業として公に展示しまたは販売もしくは賃貸に供すること。
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(f) |
無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた実演の収録物を、 営業目的または当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること。
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(g) |
無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた実演の収録物を、
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(i) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、 または
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(ii) |
営業目的もしくは当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること
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を目的として、 オーストラリアに輸入すること。
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(h) |
無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた実演の収録物を、 公に視聴させること。
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(3) |
実演の許可収録物を実演家の許諾なく放送しまたは再放送する者は、 これによって、 当該実演の無許諾使用を行ったものとならない。
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(4) |
本条は、 オーストラリア国内で行われた行為にのみ適用する。
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第248H条 放送のための録音物の複製
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(1) |
第248G条(2)(c)にかかわらず、 サウンドトラックにおける使用のために実演の録音物のコピーを作成することが、 本項がなければ、 同号に基づき当該実演の無許諾使用にあたる場合には、 当該コピーを作成者による放送のためにのみ作成することは、 当該実演の無許諾使用とならない。
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(2) |
第(1)項は、 コピーが以下の目的以外のために使用される場合には、 当該コピーに適用しない。
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(a) |
当該コピーを作成した者による放送、 または
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(b) |
当該者による放送のために、 当該者がさらなるコピーを作成すること。
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(3) |
第(1)項は、 同項に従って作成された全てのコピーが、 同項に従って放送のためにに最初に使用された日から12ヶ月間が終わる前、 またはコピーの作成者と著作権者との間で合意したより長い期間が終わる前に、 同項に従って作成された全てのコピーが
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(a) |
破棄され、 または
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(b) |
オーストラリア公文書館長の承諾を得てオーストラリア公文書館に納付されない限りは、
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当該コピーには適用しない。
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(4) |
オーストラリア公文書館長は、 録音物が特別な資料的性質を有すると証しない限りは、 録音物のコピーをオーストラリア公文書館に納付することを承諾してはならない。
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第248J条 無許諾使用に関する訴訟
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(1) |
実演家は、 その実演の無許諾使用に関する訴訟を提起することができる。
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(2) |
実演の無許諾使用に関する訴訟において裁判所が認めることのできる救済には、 差止命令 (裁判所が適切と考える条件があれば、 それに従う) および損害賠償を含む。
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(3) |
実演の無許諾使用に関する訴訟において、
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(a) |
無許諾使用が立証され、 かつ
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(b) |
裁判所が、 以下の各事項を考慮して適切と考える場合には、
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(i) |
当該使用の凶悪性
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(ii) |
当該使用によって被告が得たと立証される利益
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(iii) |
その他の関連する事情
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裁判所は、 損害賠償額を算定するにあたり、 当該状況において適切と考える追加の損害賠償を命じることができる。
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第248K条 管轄権の行使
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第248J条に基づく訴訟に対する州または特別地域の最高裁判所の裁判権は、 当該裁判所の裁判官1名により行使される。
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第248L条 控訴
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(1) |
第(2)項に従い、 第248J条に基づく訴訟における州または特別地域の裁判所 (構成を問わない) の決定は、 最終的かつ拘束力あるものとする。
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(2) |
第248J条に基づく訴訟における州または特別地域の裁判所の決定については、 以下の裁判所に控訴することができる。
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(a) |
オーストラリア連邦裁判所、 または
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(b) |
高等裁判所の特別許可を得た場合には、 高等裁判所。
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第248M条 オーストラリア連邦裁判所の裁判管轄
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第248J条に基づく訴訟に関しては、 オーストラリア連邦裁判所が裁判管轄を有する。
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第248MA条 連邦予審裁判所の裁判管轄
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第248J条に基づく訴訟に関しては、 連邦予審裁判所が裁判管轄を有する。
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第248N条 訴訟を提起する権利の移転不能性
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実演家が第248J条に基づき訴訟を提起する権利は、 移転することができない。
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第3節 犯罪
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第248P条 実演の無許諾収録・放送等にかかる犯罪
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(1) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演家の許可なく当該実演の直接収録物を作成してはならない。
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(2) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演家の許可なく当該実演の間接収録物を作成してはならない。
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(3) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演家の許可なく、 生実演から直接にまたはその無許諾収録物から、 当該実演を放送しまたは再放送してはならない。
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(5) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演の収録物が無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 これを公に視聴させてはならない。
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(6) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演の無許諾収録物またはそのコピーの作成に使用されることを知りまたは合理的に知りえた版または収録機器を占有してはならない。
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(7) |
本条は、 オーストラリア国内で行われた行為にのみ適用する。
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(7A) |
第(1)項、 第(2)項、 第(3)項、 第(5)項または第(6)項に違反した者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 550罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。
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注: |
法人は、 最高額の5倍以下の罰金に処する。1914年犯罪法 第4B条(3)を参照。
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(8) |
実演家の許可なく実演の許可収録物を放送しまたは再放送する者は、 これによって第(3)項に違反したものとならない。
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第248Q条 実演に関するその他の犯罪
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(1) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演の収録物が無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 当該収録物のコピーを作成してはならない。
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(2) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 それ自体が除外収録物でないと知りまたは合理的に知りえた場合には、 実演家の許可なく実演の除外収録物のコピーを作成してはならない。
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(3) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 以下の場合において実演家の許可なく実演の許可録音物のコピーを作成してはならない。
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(a) |
当該コピーが、 サウンドトラックで使用するために作成され、 当該または他のサウンドトラックにおける使用のためにコピーを作成することが許可されていないことを知りまたは合理的に知りえた場合であって、
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(b) |
当該コピーの作成が、 第248G条(2)に基づき当該実演の無許諾使用にあたる場合。
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(4) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、
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(a) |
実演の収録物を、 販売し、 賃貸し、 または業として公に展示しまたは販売もしくは賃貸に供すること、
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(b) |
実演の収録物を、 営業目的または当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること、
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(c) |
実演の収録物を
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(i) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、 または
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(ii) |
営業目的もしくは当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること
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を目的として占有すること、 または
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(d) |
実演の収録物を
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(i) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、 または
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(ii) |
営業目的もしくは当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること
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を目的としてオーストラリアに輸入することを、
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当該収録物が無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 行ってはならない。
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(6) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、
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(a) |
実演の収録物を、 業として公に展示し、 または
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(b) |
実演の収録物を、 業として公に展示する目的でオーストラリアに輸入することを、
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当該収録物が無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 行ってはならない。
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(7) |
本条は、 オーストラリア国内で行われた行為にのみ適用する。
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(8) |
第(1)項、 第(2)項、 第(3)項、 第(4)項または第(6)項に違反した者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 550罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。
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注: |
法人は、 最高額の5倍以下の罰金に処する。1914年犯罪法 第4B条(3)を参照。
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第248QA条 一定の実演の録音物に関する追加的犯罪
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(1) |
本条は、 1994年著作権 (世界貿易機関修正) 法 第 4編の施行日前に行われた実演に関して、 同日以後にオーストラリア国内で行われた行為に適用する。
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(2) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 実演の無許諾録音物を収録するために使用されることを知りまたは合理的に知りえた版または録音機器を占有してはならない。
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(3) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、 無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 実演の録音物のコピーを作成してはならない。
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(4) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、
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(a) |
実演の録音物を、 販売し、 賃貸し、 または業として公に展示しまたは販売もしくは賃貸に供すること、
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(b) |
実演の録音物を、 営業目的または当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること、
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(c) |
実演の録音物を
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(i) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、 または
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(ii) |
営業目的もしくは当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること
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を目的として占有すること、 または
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(d) |
実演の録音物を
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(i) |
販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、 または
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(ii) |
営業目的もしくは当該実演の実演家の金銭的利益を害するその他の目的のために頒布すること
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を目的としてオーストラリアに輸入することを、
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当該録音物が無許諾録音物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 行ってはならない。
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(5) |
何人も、 実演の保護期間中いかなる時であっても、
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(a) |
実演の録音物を、 業として公に展示し、 または
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(b) |
実演の録音物を、 業として公に展示する目的でオーストラリアに輸入することを、
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当該録音物が無許諾収録物であると知りまたは合理的に知りえた場合には、 行ってはならない。
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(8) |
第(2)項、 第(3)項、 第(4)項または第(5)項に違反した者は、 略式起訴により有罪とされた場合には、 550罰点以下の罰金および/または5年以下の禁固に処する。
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注: |
法人は、 最高額の5倍以下の罰金に処する。1914年犯罪法 第4B条(3)を参照。
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第248QB条 同一の行為に対する複数の起訴からの保障
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実演に関する単一の行為が、 第 248P 条または第 248Q 条の違反および第248QA条の違反にあたる場合には、 いずれかの違反についてのみ起訴することができる。
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第248S条 犯罪の起訴
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(1) |
本編に反する犯罪の訴追は、 オーストラリア連邦裁判所または管轄あるその他の裁判所に対して行うことができる。
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(2) |
オーストラリア連邦裁判所は、 本編に反する犯罪の訴追を審理し決定する裁判管轄を有する。
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第248T条 無許諾収録物の廃棄または没収
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本編の違反の罪に問われた者について審理する裁判所は、 当該者が当該違反につき有罪とされるか否かを問わず、 当該者が占有する物品であって
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(a) |
実演の無許諾収録物もしくはそのコピー、 または
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(b) |
実演の無許諾収録物もしくはそのコピーの作成に使用されもしくは使用を意図された版もしくは収録機器
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であると裁判所が判断するものを、 破棄し、 実演家に引渡し、 または裁判所が適切と考えるその他の方法にて処分することができる。
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第4節 外国への保護の拡張
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第248U条 外国への本法の適用
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(1) |
本条に従い、 規則においては、 当該規則に定める本編の規定のいずれかを、 当該規則に定める国に以下のいずれかの方法で適用する規定を設けることができる。
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(a) |
当該国において行われた実演に関して、 オーストラリア国内で行われた実演に関して適用すると同様に適用すること。
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(b) |
当該国の市民または国民である者に関して、 オーストラリア市民である者に関して適用すると同様に適用すること。
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(c) |
当該国の居住者である者に関して、 オーストラリアの居住者である者に関して適用すると同様に適用すること。
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(2) |
外国に関して本編の規定を適用する規則は、
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(a) |
当該規定を、 例外もしくは修正なく適用し、 または当該規則に定める例外もしく規則に従って適用することができる。
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(b) |
当該規定を、 一般的に適用し、 または当該規則に定める著作物もしくはその他の権利対象物の種類またはその他の事案の種類に関して適用することができる。
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(3) |
オーストラリアが加盟する実演家の保護に関する条約の当事者でない国に関して本編の規定を適用する規則は、 当該規則にかかる実演に関して、 当該国の法律に基づき本編に基づき保護される実演の実演家に対して適切な保護を与えるための規則が制定されておりまたは制定されると司法長官が判断する場合を除いては、 設けてはならない。
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第248V条 オーストラリアの実演に適切な保護を与えない国の国民への保護の拒絶
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(1) |
ある国の法が、 オーストラリアの実演に対して適切な保護を与えない (保護の不足が実演の性質、 実演家の国籍、 市民権もしくは居住国、 またはこれら全ての事由によるかを問わない) と司法長官が判断する場合には、 司法長官は、 保護の不足の性質および程度を考慮のうえ、 次項に従って当該国に関する規定を設けることができる。
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(2) |
本条において定められる規則においては、 一般的にまたは当該規則に定める種類の事案に関して、 当該規則に定める日 (当該規則の施行日前または本法の施行日前の日とすることができる) の後に行われた実演に対して、 当該実演が行われた時に、 実演家が規則に定める国の市民または国民であってオーストラリアに居住しない者であった場合には本編を適用しないことを定めることができる。
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