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    第IV編 著作物以外の権利対象物に対する著作権

    第1節 総則

    第84条 解釈

    本編において、 有資格者 とは、 以下を意味する。

      (a) オーストラリア市民、 オーストラリア被保護民もしくはオーストラリア居住者 (法人を除く)、 または

    (b) 連邦もしくは州の法に基づき設立された法人。


    第2節 著作物以外の権利対象物に対する著作権の性質

    第85条 録音物に対する著作権の性質

    (1) 本法において、 別段の意図がみられない限りは、 録音物に対する著作権は、 以下の全てまたはいずれかの行為を行う排他的権利をいう。

      (a) 録音物のコピーを作成すること。

    (b) 録音物を公に聴かせること。

    (c) 録音物を公に送信すること。

    (d) 録音物に関して商業的貸与契約を締結すること。

    (2) 第(1)項(d)は、 以下の場合には、 録音物に関して商業的貸与契約を締結することには及ばない。

      (a) 1994年著作権 (世界貿易機関修正 ) 法 第2編の施行前に、 ある者 (レコード保有者 ) が録音物のコピーを購入し、

    (b) 当該レコード保有者が行う事業の通常の過程において商業的貸与契約が締結され、 かつ

    (c) 当該レコード保有者が、 当該コピーを購入した時に、 同一の事業または録音物のコピーに関する商業的貸与契約の締結からなるまたはこれを含む他の事業を行っていた場合。

    第86条 映画フィルムに対する著作権の性質

    本法において、 別段の意図がみられない限りは、 映画フィルムに対する著作権は、 以下の全てまたはいずれかの行為を行う排他的権利をいう。

      (a) 当該フィルムのコピーを作成すること。

    (b) 当該フィルム中の視覚的映像を公に見せ、 または音声を公に聴かせること。

    (c) 当該フィルムを公に送信すること。

    第87条 テレビ放送および音声放送に対する著作権の性質

    本法において、 別段の意図がみられない限りは、 テレビ放送または音声放送に対する著作権は、 以下の行為を行う排他的権利をいう。

      (a) テレビ放送中の視覚的画像に関して――当該放送の映画フィルムまたはそのコピーを作成すること。

    (b) 音声放送またはテレビ放送中の音声に関して――当該放送の録音物またはそのコピーを作成すること。

    (c) テレビ放送または音声放送に関して――当該放送を再放送しまたは放送以外の方法によって公に送信すること。

    第88条 著作物の発行版に対する著作権の性質

    本法において、 別段の意図がみられない限りは、 言語、 演劇、 音楽もしくは美術著作物またはその二つ以上の発行版に対する著作権は、 当該版の複写コピーを作成する排他的権利をいう。


    第3節 著作権が存続する著作物以外の権利対象物

    第89条 著作権が存続する録音物

    (1) 本法に従い、 録音物が作成された時に作成者が有資格者である場合には、 当該録音物に対して著作権が存続する。

    (2) 前項の規定の効力を妨げることなく、 録音物がオーストラリアで作成された場合には、 本法に従い当該録音物に対して著作権が存在する。

    (3) 前二項の規定の効力を妨げることなく、 録音物がオーストラリアで最初に発行された場合には、 発行された録音物に対して本法に従い著作権が存続する。

    第90条 著作権が存続する映画フィルム

    (1) 本法に従い、 映画フィルムが作成された期間の全体または一部において作成者が有資格者であった場合には、 当該フィルムに対して著作権が存続する。

    (2) 前項の規定の効力を妨げることなく、 映画フィルムがオーストラリアで作成された場合には、 当該フィルムに対して本法に従い著作権が存在する。

    (3) 前二項の規定の効力を妨げることなく、 映画フィルムがオーストラリアで最初に発行された場合には、 発行されたフィルムに対して本法に従い著作権が存続する。

    第91条 著作権が存続するテレビ放送および音声放送

    本法に従い、 オーストラリア国内の場所から以下の場合に行われたテレビ放送または音声放送に対して著作権が存続する。

      (a) 1992年放送事業法 に基づく免許もしくは包括免許の権限に基づき行われた場合、 または

    (b) オーストラリア放送協会もしくは特別放送事業協会により行われた場合

    第92条 著作権が存続する発行版

    (1) 本法に従い、 言語、 演劇、 音楽もしくは美術著作物またはその二つ以上の発行版に対しては、 以下の場合に著作権が存続する。

      (a) 当該版がオーストラリアで最初に発行され、 または

    (b) 当該版の最初の発行の日に発行者が有資格者であった場合。

    (2) 前項は、 同一の著作物の以前の版を複製した版には適用しない。


    第4節 著作物以外の権利対象物に対する著作権の存続期間

    第93条 録音物に対する著作権の存続期間

    本編により録音物に対して存続する著作権は、 当該録音物が最初に発行された暦年の終了から 50 年間が満了するまで存続する。

    第94条 映画フィルムに対する著作権の存続期間

    (1) 第 90 条(1)または(2)により映画フィルムに対して存続する著作権は、 当該フィルムが発行されるまで、 かつ、 当該フィルムが発行された後は最初に発行された暦年の終了から 50 年間が満了するまで、 存続する。

    (2) 第 90 条(3)によってのみ映画フィルムに対して存続する著作権は、 当該フィルムが最初に発行された暦年の終了から 50 年間が満了するまで存続する。

    第95条 テレビ放送および音声放送に対する著作権の存続期間

    (1) 本編によりテレビ放送または音声放送に対して存続する著作権は、 当該放送が行われた暦年の終了から 50 年間が満了するまで存続する。

    (2) テレビ放送または音声放送が (最初の再放送または以後の再放送であるかを問わず) 第 91 条の適用ある以前のテレビ放送または音声放送の再放送であり、 かつ物品に収録された視覚的映像または音声の放送により行われる場合には、

      (a) 以前の放送が行われた暦年の終了から 50 年間が満了する前に行われる場合――当該放送に対して存続する著作権は、 当該期間の満了時に失効する。

    (b) 当該期間の満了後に行われる場合――著作権は本編により存続しない。

    第96条 著作物の発行版に対する著作権の存続期間

    本編により著作物の発行版に対して存続する著作権は、 当該版が最初に発行された暦年の終了から 25 年間が満了するまで存続する。


    第5節 著作物以外の権利対象物に対する著作権の帰属

    第97条 録音物に対する著作権の帰属

    (1) 本条は、 第VII編および第X編に従い効力を有する。

    (2) 次項に従い、 録音物の作成者は、 本編により当該録音物に対して存続する著作権を保有する。

    (3) もし、

      (a) ある者が、 他の者録音物を作成することについて当該他者と有償にて契約を締結し、 かつ

    (b) 録音物が当該契約に従って作成される場合には、 別段の合意がない限りは、 前者が本編により当該録音物に対して存続する著作権を保有する。

    第98条 映画フィルムに対する著作権の帰属

    (1) 本条は、 第 VII 編および第 X 編に従い効力を有する。

    (2) 次項に従い、 映画フィルムの作成者は、 本編により当該フィルムに対して存続する著作権を保有する。

    (3) もし、

      (a) ある者が、 他の者が映画フィルムを作成することについて当該他者と有償にて契約を締結し、 かつ

    (b) 当該フィルムが当該契約に従って作成される場合には、 別段の合意がない限りは、 前者が本編により当該フィルムに対して存続する著作権を保有する。

    第99条 テレビ放送および音声放送に対する著作権の帰属

    第VII編および第X編に従い、 テレビ放送または音声放送の作成者は、 当該放送に対して存続する著作権を保有する。

    第100条 著作物の発行版に対する著作権の帰属

    第VII編および第X編に従い、 著作物の版の発行者は、 本編により当該版に対して存続する著作権を保有する。


    第6節 著作物以外の権利対象物に対する著作権の侵害

    第100A条 解釈

    本節において、 視聴覚物品 とは、 録音物、 映画フィルム、 音声放送またはテレビ放送を意味する。

    第101条 著作権の及ぶ行為の実行による侵害

    (1) 本法に従い、 本編により存続する著作権は、 著作権者でない者が、 著作権者の許諾を得ずに、 著作権の及ぶ行為をオーストラリアにおいて行った場合または行うことを許諾した場合に、 侵害されたものとする。

    (1A) 第(1)項において、 当該者が著作権者の許諾なく本編により存続する著作権の及ぶ行為をオーストラリアにおいて行うことを許諾したか否かを判断するにあたって検討しなければならない事項には、 以下を含む。

      (a) 当該者が問題となる行為を防止する権限の範囲 (もしあれば)

    (b) 当該者と、 問題となる行為を行った者との間に存在する関係の性質

    (c) 当該者が当該行為を防止しまたは回避するために合理的な手段を採ったか (適用ある業界の行動基準を遵守したかを含む)

    (2) 次二条は、 前項の一般性に影響しない。

    (3) 録音物に関して行われた行為に関しては、 当該行為が当該録音物を収録したレコードを直接または間接に使用して行われたか否かを問わず、 第(1)項を適用する。

    (4) テレビ放送または音声放送に関して行われた行為に関しては、 当該行為が当該放送の受信によりまたは当該放送を構成する視覚的映像もしくは音声が収録された物品を使用してなされたか否かを問わず、 第(1)項を適用する。

    第102条 販売または賃貸のための輸入による侵害

    (1) 第112A条、 第112C条、 第112D条および第112DA条に従い、 著作権者の許諾なく

      (a) 当該物品を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供すること、

    (b) 当該物品を以下の目的のために頒布すること、

      (i) 営業目的、 もしくは

    (ii) 著作権者を害する程度のその他の目的、 または

    (c) 当該物品を業として公に展示すること

    を目的として物品をオーストラリアに輸入した者は、 当該物品の作成を輸入者がオーストラリアにおいて行ったとすれば著作権の侵害にあたることを、 輸入者が知りまたは合理的に知りえた場合には、 本編により存続する著作権を侵害したものとする。

    (2) 本編により著作権が存続する権利対象物のコピーでありまたはこれを含む物品の付属品であって、 当該コピーがその作成国において著作権者の許諾なく作成された場合には、 第(1)項は、 「ことを、 輸入者が知りまたは合理的に知りえた」 を除いて効力を有する。

    第103条 販売およびその他の取引による侵害

    (1) 第112A条、 第112C条、 第112D条および第112AD条に従い、 著作権者の許諾なく、 オーストラリアにおいて

      (a) 物品を販売し、 賃貸し、 または業として販売もしくは賃貸に供し、 または

    (b) 業として物品を公に展示した者は、

    当該物品の作成が著作権の侵害にあたること、 または輸入品の場合には当該物品の作成を輸入者がオーストラリアにおいて行ったとすれば著作権の侵害にあたることを、 当該者が知りまたは合理的に知りえた場合には、 本編により存続する著作権を侵害したものとする。

    (2) 前項において、 物品の頒布は、

      (a) 営業目的のためになされ、 または

    (b) 著作権者を害する程度の目的のためになされる場合には、

    当該物品の販売とみなす。

    第103A条 批評または評論のための公正利用

    視聴覚物品の公正利用は、 当該物品または他の物品もしくは著作物の批評または評論のために行われ、 かつ、 当該物品の十分な出所表示がされている場合には、 当該物品または当該物品に含まれる著作物もしくは他の視聴覚物品に対する著作権の侵害にあたらない。

    第103B条 時事の報道のための公正利用

    (1) 視聴覚物品の公正利用は、 以下の場合には、 当該物品またはこれに含まれる著作物もしくは他の視聴覚物品に対する著作権の侵害にあたらない。

      (a) 新聞、 雑誌もしくは同様の定期刊行物における時事の報道のためにもしくはこれに関連して行われ、 かつ、 当該物品の十分な出所表示がされており、 または

    (b) 送信もしくは映画フィルムによる時事の報道のためにもしくはこれに関連して行われる場合。

    第103C条 調査または研究のための公正利用

    (1) 調査または研究を目的とする視聴覚物品の公正利用は、 当該視聴覚物品に収録された著作物またはその他の視聴覚物品に対する著作権の侵害にあたらない。

    (2) 本法において、 視聴覚物品の利用が調査または研究のための公正利用にあたるか否かを判断するにあたって検討すべき事項には、 以下を含む。

      (a) 利用の目的および特徴

    (b) 視聴覚物品の性質

    (c) 当該視聴覚物品を通常の商業的価格で合理的な期間内に取得できる可能性

    (d) 当該利用が当該視聴覚物品の潜在的市場または価値に及ぼす影響、 ならびに

    (e) 当該視聴覚物品の一部のみが複製される場合――当該視聴覚物品全体に対する複製された部分の量および重要性

    第104条 司法手続のための行為

    本節により存続する著作権は、 以下のいずれかのためのいかなる行為によっても一切侵害されない。

      (a) 司法手続またはその報告を行う目的

    (b) 以下のいずれかによる専門的助言を求める目的

      (i) 弁護士

    (ii) 1990年特許法 に基づき特許弁護士として登録された者

    (iii) 1995年商標法 に基づき商標弁護士として登録された者

    (c) 以下のいずれかによる専門的助言を行う目的、 またはその過程において

      (i) 弁護士

    (ii) 1990年特許法 に基づき特許弁護士として登録された者

    (iii) 1995年商標法 に基づき商標弁護士として登録された者

    第104A条 議会図書館により議員のために行われる行為

    本節により存続する著作権は、 議会の議員である者の職務遂行を支援する目的のためにのみ、 当該議会の議員のために図書館サービスを提供することを主たる目的とする図書館においてその権限ある職員により行われるいかなる行為によっても侵害されない。

    第104B条 図書館および公文書館に設置された機械にて作成される侵害コピー

    もし、

      (a) ある者が、 視聴覚物品もしくは著作物の発行版またはそれらの一部の侵害コピーを、 図書館または公文書館を運営する団体によりまたはその承諾を得て当該図書館もしくは公文書館内にまたは当該図書館もしくは公文書館の利用者の便宜のために当該施設外に設置された機械 (コンピュータを含む) にて作成し、 かつ

    (b) 当該機械上またはその近辺の利用者が容易に見ることのできる位置に、 所定の大きさの所定の書式に従った通知が記載されている場合には、

    当該図書館または公文書館を運営する団体または当該図書館もしくは公文書館の責任者のいずれも、 当該コピーが当該機械で作成されたことのみを理由として、 侵害コピーの作成を許可したものとみなされない。

    第105条 一定の録音物を公に聴かせまたは放送することによる著作権の不侵害

    第89条(3)のみを理由として録音物に対して存続する著作権は、 当該録音物を公に聴かせまたは放送することによっては侵害されない。

    第106条 宿泊施設またはクラブにおいて録音物を聴かせること

    (1) 録音物を公に聴かせる行為が、

      (a) 個人が居住または就寝する施設において、 当該施設の居住者もしくは被収容者または居住者、 被収容者およびその招待客のためにのみ提供されたサービスの一部として行われる場合、 または

    (b) 営利を目的として設立または運営されたものでなく、 かつ、 主たる目的が慈善またはその他の宗教、 教育、 社会福祉の進展にあるクラブ、 会またはその他の団体において、 その活動の一環またはその利益のために行われる場合には、 当該行為は、 当該録音物に対する著作権の侵害にあたらない。

    (2) 前項は、 以下の場合には適用しない。

      (a) 前項第(a)号にいう種の施設に関して、 録音物を聴かせる施設部分への入場に際して特定の料金を徴収する場合、 または

    (b) 前項第(b)号にいう種の団体に関して、 録音物を聴かせる場所への入場に際して料金を徴収し、 かつ、 当該料金からの収入が、 当該団体の目的以外に利用される場合。

    (3) 前項において、 入場に際して徴収される特定の料金または料金には、 一部は入場のために、 残りは他の目的のために徴収される特定の料金または料金を含む。

    第107条 放送のための録音物の複製

    (1) 録音物の放送が、 (権利譲渡もしくは使用許諾または本法の規定の適用により) 当該録音物に対する著作権の侵害にはあたらないが、 当該録音物の複製が本条がなければ侵害にあたる場合には、 当該録音物の放送のためにのみ他の素材と共に当該録音物のコピーを作成することは、 当該録音物に対する著作権の侵害にあたらない。

    (2) 前項は、 録音物のコピーが以下の目的以外に使用される場合には、 当該コピーには適用しない。

      (a) (権利譲渡もしくは使用許諾または本法の規定により)当該録音物に対する著作権の侵害にあたらない状況において、 当該録音物を放送すること

    (b) かかる状況において当該録音物を放送するために、 当該録音物の追加のコピーを作成すること

    (3) 第(1)項は、 録音物のコピーが、 当該コピーの作成者以外の者によって当該録音物の放送のために使用される場合には、 当該コピーには適用しない。 ただし、 作成者が当該録音物の著作権者に対して合意した額を支払い、 または合意がない場合には著作権審判所がコピーの作成のための公正な補償金として定める額を支払うことを書面により約定した場合を除く。

    (4) 前項に定める約定を行った者は、 著作権審判所が約定にかかる額を定めた場合には、 当該録音物に対する著作権者に対して当該額を支払う責任を負い、 著作権者は、 管轄ある裁判所において当該者から当該額を自己に対する債務として回収することができる。

    (5) 本条第(1)項は、 録音物のコピーのいずれかが同項に従って録音物の放送に最初に使用された日から 12 ヶ月間またはコピーの作成者と著作権者との間で合意したより長い期間が終了する前に、 同項に従って作成された全てのコピーが破棄されまたはオーストラリア公文書館長の承諾を得てオーストラリア公文書館に納付されない限りは、 コピーには適用しない。

    (6) オーストラリア公文書館長は、 録音物が例外的な記録的性質を有すると証明しない限りは、 第(5)項に従って録音物のコピーをオーストラリア公文書館に納付することを承諾してはならない。

    (7) 本条において、

    放送 には、 同時放送を含まない。

    第108条 公正な補償金が支払われる場合における、 公の実演による発行録音物に対する著作権の不侵害

    (1) 以下の場合には、 発行された録音物を公に聴かせる者は、 当該録音物に対する著作権を侵害しない。

      (a) 当該録音物の著作権者に対して合意した額を支払っており、 または合意がない場合にはいずれかの当事者の申立により著作権審判所が録音物を公に聴かせることの公正な補償金として定める額を支払うことを書面により約定しており、 かつ、

    (b) オーストラリア国外で最初に発行された録音物の場合――当該録音物がオーストラリアで発行されており、 または当該録音物の最初の発行から所定の期間が経過している場合。

    (2) 前項に定める約定を行った者は、 著作権審判所が約定にかかる額を定める場合には、 当該著作物に対する著作権者に対して当該額を支払う責任を負い、 著作権者は、 管轄ある裁判所において当該者から当該額を自己に対する債務として回収することができる。

    (3) 第(1)項(b)にいう期間を定める規則においては、 異なる種類の録音物に関して異なる期間を定めることができる。

    第109条 一定の状況における放送による、 発行録音物に対する著作権の不侵害

    (1) 本条に従い、 発行された録音物に対する著作権は、 以下の場合において当該録音物を放送すること (放送を行う者に料金を支払うことを条件として送信される放送を除く) によって侵害されない。

      (a) 当該放送が行われた期間に関して当該放送を行った者に適用される、 第 152 条に基づき効力を有する著作権審判所の命令がない場合――当該放送を行った者が、 当該録音物の著作権者に対して、 当該放送が行われる期間中、 当該著作権者が著作権を保有し当該録音物が含まれる発行された録音物の放送に関して、 当該者が行う放送に関して第 152 条に基づく著作権審判所の命令に定められもしくはこれに基づき決定される額を支払うことを、 書面にて約定した場合、 または

    (b) 当該放送が行われた期間に関して当該放送を行った者に適用される第 152 条に基づき効力を有する著作権審判所の命令がある場合、

      (i) 当該命令に定めるもしくはこれに基づき決定される金額の分配を受ける者の一人として当該命令に定められた者が当該録音物に対する著作権を保有しており、 かつ、 当該放送を行った者が当該者に対して当該命令に従って支払を行う場合、 または

    (ii) 当該命令に前号のとおり定められていない者が当該録音物に対する著作権を保有している場合。

    (2) 放送を行った者と録音物の著作権者との間の合意に従って放送が行われる場合には、 前項は、 当該録音物の放送に関して適用しない。

    (3) オーストラリアで最初に発行された録音物に関しては、 当該録音物の最初の発行から所定の期間が終了する前に放送が行われた場合には、 第(1)項を適用しない。

    (4) 前項にいう期間を定める規則においては、 異なる種類の録音物に関して異なる期間を定めることができる。

    (5) オーストラリアで発行されていない録音物の放送に関しては、 以下の場合には第(1)項を適用しない。

      (a) 録音物が、 著作権が存続する音楽著作物からなりまたはこれを含み、

    (b) 当該音楽録音物が、 演劇著作物に伴って実演されるものもしくは実演されたものであり、 または映画フィルムに含まれているものであり、 かつ

    (c) 当該音楽著作物のレコードが、 オーストラリアにおいて (販売またはその他の方法を問わず) 公衆に供給されていない場合。

    (6) 第(5)項(c)において、 音楽著作物のレコードが当該著作物の著作権者によりまたはその許諾を得て供給される場合を除いては、 供給が行われていないものとする。

    第110条 映画フィルムに関する規定

    (1) 映画フィルムの一部をなす視覚的映像の全部または一部が、最初に物品に収録された時点において時事を伝達する手段である映像からなる場合には、当該フィルムに対する著作権は、 当該フィルムに収録された主たる事件が発生した暦年の終了から 50 年間が満了した後に公に視聴させることによっては侵害されない。

    (2) 本編により映画フィルムに対して著作権が存続する場合には、 当該著作権が失効した後に当該フィルムを公に視聴させる者は、 言語、 演劇、 音楽または美術著作物に対して第III編により存続する著作権を侵害しない。

    (3) 映画フィルムの一部をなす視覚的映像に伴うサウンドトラックに収録された音声が、 当該サウンドトラックまたは直接もしくは間接に当該サウンドトラックから派生したレコード以外のレコードにも収録されている場合には、 当該映画フィルムに対する著作権は、 当該レコードの使用によって侵害されない。

    第110A条 図書館または公文書館における未発行録音物および映画フィルムの複製および送信

    (1) 録音物または映画フィルムが作成された時または期間の終了から 50 年間が満了した後に、 当該録音物または映画フィルムに対して著作権が存続するが、

      (a) 当該録音物または映画フィルムが発行されておらず、 かつ

    (b) 当該録音物を収録したレコードまたは当該映画フィルムのコピーが、 その存在する図書館または公文書館の所蔵物として、 当該所蔵物に関する規則に従って公衆の閲覧に供されるよう保存されている場合には、

    当該録音物または映画フィルムおよびこれらに含まれる著作物もしくはその他の権利対象物に対する著作権は、 以下のいずれによっても侵害されない。

    (c) 調査もしくは研究のためにまたは出版のために当該録音物または映画フィルムのコピーを作成しまたは送信すること。

    (d) 調査もしくは研究のためにまたは出版のために当該コピーを必要としており、 当該者が当該コピーを他の目的のために使用しないと、 図書館または公文書館の責任者が判断する場合に、 当該者に対してコピーを提供または送信する場合において、 図書館または公文書館の責任者によりまたはこれに代わり、 当該録音物または映画フィルムのコピーが作成または送信されること。

    第110B条 保存およびその他の目的のための録音物および映画フィルムの複製および送信

    (1) 第(3)項に従い、 図書館または公文書館の所蔵物の一部でありもしくは一部であった録音物またはこれに含まれる著作物もしくはその他の権利対象物に対する著作権は、

      (a) 当該録音物が、 最初のレコードの形で所蔵物に保管されている場合――当該レコードの紛失もしくは劣化を防止するため、 または当該図書館もしくは公文書館または他の図書館もしくは公文書館で行われているまたは将来行われる調査のために、

    (b) 当該録音物が、 発行された形式にて所蔵物に所蔵されているが損傷しまたは劣化している場合――当該録音物の交換のために、

    (c) 当該録音物が発行された形式にて所蔵物に所蔵されているが紛失しまたは窃取された場合――当該録音物の交換のために、

    当該図書館または公文書館の責任者によりまたはこれに代わり行われる当該録音物のコピーの作成または送信によって侵害されない。

    (2) 第(3)項に従い、 図書館または公文書館の所蔵物の一部でありまたは一部であった映画フィルムまたはこれに含まれる著作物もしくはその他の権利対象物に対する著作権は、

      (a) 当該映画フィルムが、 最初のコピーの形で所蔵物に保管されている場合――当該コピーの紛失もしくは劣化を防止するため、 または当該図書館もしくは公文書館または他の図書館もしくは公文書館で行われているまたは将来行われる調査のために、

    (b) 当該映画フィルムが、 発行された形式にて所蔵物に所蔵されているが損傷しまたは劣化している場合――当該映画フィルムの交換のために、

    (c) 当該映画フィルムが発行された形式にて所蔵物に所蔵されているが紛失しまたは窃取された場合――当該映画フィルムの交換のために、

    当該図書館または公文書館の責任者によりまたはこれに代わり行われる当該コピーの作成によって侵害されない。

    (2A) 図書館または公文書館の所蔵物に所蔵された録音物もしくは映画フィルムまたはこれらに含まれる著作物もしくは他の権利対象物に対する著作権は、 当該図書館または公文書館を運営する団体の許可を得て当該図書館または公文書館の施設内に設置されたコンピュータ端末を利用してアクセスできるよう、 当該図書館または公文書館の職員にオンラインで利用可能にすることにより、 当該図書館または公文書館の責任者によりまたはこれに代わり第(1)項または第(2)項に基づき作成されたコピーが送信されることによっては、 侵害されない。

    (2B) もし、

      (a) 録音物または映画フィルムのコピーが、 図書館または公文書館の権限ある職員により本条に基づき作成され、 かつ

    (b) 当該コピーが、 他の図書館または公文書館で行われているまたは行われる調査のために作成されたものである場合には、

    当該録音物もしくは映画フィルムまたはこれらに含まれる著作物もしくは他の権利対象物に対する著作権は、 当該図書館または公文書館を運営する団体の許可を得て当該図書館または公文書館の施設内に設置されたコンピュータ端末を利用してアクセスできるよう、 当該図書館または公文書館の職員にオンラインで利用可能にすることにより、 当該図書館または公文書館の責任者によりまたはこれに代わりコピーが送信されることによっては、 侵害されない。

    (3) 図書館または公文書館の所蔵物に発行された形式にて所蔵された録音物または映画フィルムに関しては、 当該図書館または公文書館の権限ある職員が、 合理的な調査の後に、 当該録音物または映画フィルムのコピー (中古のコピーを除く) を合理的な期間内に通常の商業的価格で入手できないと判断するとの宣誓を行う場合を除いては、 録音物に関しては第(1)項を、 映画フィルムに関しては第(2)項を適用しない。

    (4) 他の図書館または公文書館で行われているまたは行われる調査の目的のために、 図書館または公文書館の責任者によりまたはこれに代わり、 第(1)項または第(2)項に基づき未発行録音物または未発行映画フィルムのコピーが作成された場合には、 当該責任者によりまたはこれに代わり他の図書館または公文書館に当該コピーが提供または送信されることは、 本法において、 当該録音物もしくは映画フィルムまたはこれらに含まれる著作物もしくは他の権利対象物の発行にあたらない。

    第110C条 同時放送のための録音物または映画フィルムの複製

    (1) 録音物または映画フィルムの放送が、 何らかの理由により当該著作物に対する著作権の侵害にあたらないが、 これらの複製が本項がなければかかる侵害にあたる場合には、 当該録音物またはフィルムに対する著作権は、 以下の場合にはこれらの複製によって侵害されない。

      (a) 複製元となる録音物またはフィルムが、 アナログ形式で作成され、 かつ

    (b) 当該コピーが、 デジタル形式にて同時放送を行う目的にのみ作成される場合。

    (2) 第(1)項は、 録音物または映画フィルムのコピーが以下の目的以外に使用される場合には、 当該コピーに関しては適用しない。

      (a) 何らかの理由により当該録音物もしくはフィルムに対する著作権の侵害にあたらない状況において、 これらを同時放送すること、 または

    (b) かかる状況において録音物またはフィルムの同時放送を行うために、 当該録音物もしくはフィルムの追加のコピーを作成すること。

    (3) 第(1)項は、 同項に基づき作成された全てのコピーが規則に定める日以前に破棄されない限りは、 当該録音物またはフィルムに関しては適用しない。

    (4) 第(3)項においては、 異なる種類の録音物または映画フィルムに関して異なる日を規則に定めることができる。

    第111条 私的使用および家庭内使用のための放送の録画または収録

    (1) テレビ放送中の視覚的映像に対する著作権は、 放送の映画フィルムまたはそのコピーの作成が作成者の私的かつ家庭内での使用のために行われる場合には、 侵害されない。

    (2) 音声放送またはテレビ放送中の音声に対する著作権は、 当該放送の録音物またはそのコピーの作成が作成者の私的かつ家庭内での使用のために行われる場合には、 侵害されない。

    (3) 本条において、 映画フィルムもしくはそのコピー、 または録音物もしくはそのコピーは、 以下の目的で作成される場合には、 私的および家庭内での使用以外の目的のために作成されたものとみなす。

      (a) 当該フィルムまたは録音物のコピーを販売、 賃貸または業として販売もしくは賃貸に供すること。

    (b) 当該フィルムまたは録音物のコピーを、 営業目的であると否とを問わず頒布すること。

    (c) 当該フィルムまたは録音物のコピーを業として公に展示すること。

    (d) 当該フィルムまたは録音物を放送すること。

    (e) 当該フィルムまたは録音物を公に視聴させること。

    第111A条 送信の過程で作成される一時的コピー

    (1) 本節に基づき存続する著作権は、 送信を行いまたは受信する技術的過程の一部として視聴覚物品の一時的コピーを作成することによって侵害されない。

    (2) 第(1)項は、 送信を行う技術的過程の一部として行われる視聴覚物品の一時的コピーの作成に関しては、 送信を行うことが著作権の侵害にあたる場合には適用しない。

    第112条 著作物の版の複製物

    著作物の発行版の全部または一部の複製が、 以下を行う過程において行われる場合には、 当該著作物の発行版に対する著作権は侵害されない。

      (a) 当該版が単一の著作物のみを含む場合:

      (i) 第40条、 第41条、 第42条、 第43条もしくは第44条により著作権の侵害にあたらない、 当該著作物の利用、 または

    (ii) 第49条、 第50条、 第51A条、 第135ZG条、 第135ZJ条、 第135ZK条、 第135ZL条、 第135ZM条、 第135ZN条、 第135ZP条、 第135ZQ条、 第135ZR条、 第135ZS条、 第135ZT条もしくは第182A条により当該著作物に対する著作権の侵害にあたらない当該著作物の全部もしくは一部のコピー (視覚障害者もしくは知的障害者のためのコピーを含む) の作成

    (b) 当該版が複数の著作物を含む場合:

      (i) 第40条、 第41条、 第42条、 第43条もしくは第44条により著作権の侵害にあたらない、 当該著作物の一部もしくは全部の利用、 または

    (ii) 第49条、 第50条、 第51A条、 第135ZG条、 第135ZJ条、 第135ZK条、 第135ZL条、 第135ZM条、 第135ZN条、 第135ZP条、 第135ZQ条、 第135ZR条、 第135ZS条、 第135ZT 条もしくは第182A条により、 当該著作物に対する著作権の侵害にあたらない当該著作物の全部もしくは一部のコピー (視覚障害者もしくは知的障害者のためのコピーを含む) の作成。

    第112A条 書籍の輸入および販売等

    (1) 施行日以後に最初に発行された外国版に対する著作権は、 著作権者の許諾なく第 102 条(1)(a)、 (b)または(c)に定める目的のために非侵害書籍をオーストラリアに輸入する者によっては侵害されない。

    (2) 本条に従い、

      (a) 施行日前に最初に発行された外国版、 または

    (b) 施行日の前後にオーストラリアで最初に発行された著作物の発行版

    に対する著作権は、 以下の場合には、 著作権者の許諾なく第102条(1)(a)、 (b)または(c)に定める目的のために非侵害書籍のハードバック版またはペーパーバック版のコピー (本項において輸入コピー という) をオーストラリアに輸入する者によっては侵害されない。

    (c) 当該者が、 著作権者またはその被許諾者もしくは代理人に対して当該書籍のハードバック版またはペーパーバック版のコピー (中古のコピーまたは合理的な需要を充たすために必要な部数を超える部数のコピーでないもの) を書面をもって注文し、 かつ

    (d) 当該者が輸入コピーを注文した時に、 第(c)号にいう最初の注文が当該者によりまたはその承諾を得て取り消されておらず、 かつ

      (i) 当該者が最初の注文を行ってから 7 日以上が経過し、 著作権者、 被許諾者もしくは代理人が注文から 90 日以内に注文が処理されたことを書面にて通知していないこと、 または

    (ii) 当該者が注文を行ってから 90 日以上が経過しており、 著作権者、 被許諾者もしくは代理人が当該注文を処理していないこと。

    (3) 著作物の発行版に対する著作権 (最初の発行が施行日の前後であるかを問わない) は、 著作権者の許諾なく非侵害書籍のコピー 1 部をオーストラリアに輸入する者によっては、 輸入が当該者の顧客による書面による注文または確認可能な電話による注文を処理するために行われ、 かつ、 当該顧客が第 102 条(1)(a)、 (b)または(c)にいう目的のために書籍を使用することを意図していないことを以下の方法で表明している場合には、 侵害されない。

      (a) 書面による注文の場合には、 当該注文書に顧客が署名した文言が含まれていること。

    (b) 電話による注文の場合には、 顧客が確認可能な発言をしたこと。

    (4) 著作物の発行版に対する著作権 (最初の発行が施行日の前後であるかを問わない) は、 以下の場合には、 著作権者の許諾なく非侵害書籍の複数のコピーをオーストラリアに輸入する者によっては侵害されない。

      (a) 輸入が、 図書館 (個人または団体の直接または間接の利益のために運営されるものを除く) によりまたはこれに代わり行われた書面による注文または確認可能な電話による注文を処理するために行われ、

    (b) 書面による注文の場合――当該注文書に、 図書館が第 102 条(1)(a)、 (b)または(c)にいう目的のために書籍を使用することを意図していない旨の、 注文者が署名した文言が含まれており、

    (c) 電話による注文の場合――注文者が、 第(b)号にいう内容の確認可能な発言をし、 かつ

    (d) 輸入されたコピーの部数が、 注文された部数を超えない場合。

    (5) 第(3)項もしくは第(4)項に基づく電話による注文または電話による注文に関する第(3)項(b)もしくは第(4)項(c)にいう発言を確認する方法を制限することなく、 当該注文または発言は、 本条においては、 注文を受け付けた者または発言を受けた者が、 注文が行われまたは発言が行われた時またはその直後に、 当該注文または発言の詳細を書面に記した場合には、 確認可能とみなす。

    (6) もし、

      (a) 第102条(1)(a)、 (b)または(c)に定める目的のために書籍がオーストラリアに輸入され、 かつ

    (b) 本条に基づき当該輸入が著作物の発行版に対する著作権の侵害にあたらない場合には、

    かかる書籍を上記の目的に使用することは、 当該版に対する著作権の侵害にあたらず、 また、 第 103 条(1)は当該書籍に適用しない。

    (7) 第(2)項は、 著作権者またはその被許諾者もしくは代理人が、 合理的な注文を充たすに十分な数の書籍のペーパーバック版のコピーをオーストラリアに供給することができる場合には、 非侵害書籍のハードバック版のコピーをオーストラリアに輸入することには適用しない。

    (8) 第(2)項(d)において、 著作権者、 被許諾者または代理人は、 輸入者にコピーの全部を送付しない限りは、 書籍のコピーの注文を充たしたとみなされない。

    (9) 本条において、

      書籍 には、 以下を含まない。

    (a) 関連する言語、 演劇または美術著作物を伴うか否かを問わず、 主たる内容が音楽著作物である書籍

    (b) コンピュータ・ソフトウェアに関連して使用するために、 当該ソフトウェアと共に販売されるマニュアル

    (c) 定期刊行物

    施行日 とは、 1991年著作権修正法 の施行日をいう。

    外国版 とは、 著作物の発行版であって、 以下のものをいう。

    (a) オーストラリア以外の国で最初に発行され、 かつ

    (b) 当該外国での最初の発行から30日以内にオーストラリアで発行されていないもの。

    注: 本法において、 著作物の版は、 外国での発行から30日以内にオーストラリアで発行されれば、 オーストラリアで最初に発行された ものとする。 最初の発行 の意味については、 第29条、 特に第29条(5)を参照。

    第112B条 化学製品の容器用認可ラベル上の記載の複製

    化学製品の容器のラベル上に、 認可ラベルに記載された文言を複製することは、 当該文言に対して第92条に基づき存続する著作権の侵害にあたらない。

    第112C条 輸入物品の付属品等に存続する著作権

    (1) 著作権が

      (a) 物品の非侵害付属品の上に付されもしくは収録された複製物の元となる著作物の、発行版、

    (b) 物品の非侵害付属品であるコピーの元となる映画フィルム、または

    (c) 物品の非侵害付属品であるコピーの元となる録音物

    に対して存続する場合には、 当該著作権は、 当該付属品を当該物品と共に輸入することによっては侵害されない。

    注: 第10条(1)の付属品 の定義を参照。 また、 一定の輸入物品に関して拡張された付属品 の定義について第10AD条を参照。

    (2) 第103条は、

      (a) 物品の非侵害付属品の上に付されもしくは収録された、 著作物の発行版の複製物、

    (b) 物品の非侵害付属品である映画フィルムのコピー、 または

    (c) 物品の非侵害付属品である録音物のコピー

    に関して、 当該付属品の輸入が当該版、 フィルムまたは録音物に対する著作権の侵害にあたらない場合には、 適用しない。

    第112D条 録音物の非侵害コピーの輸入による当該録音物に対する著作権の不侵害

    (1) 録音物に対する著作権は、 以下を行う者によっては侵害されない。

      (a) 当該録音物の非侵害コピーをオーストラリアに輸入すること

    (b) 何者かがオーストラリアに輸入した当該録音物の非侵害コピーについて、 第 103 条に定める行為を行うこと

    注: 著作権侵害の民事訴訟において、 録音物のコピーは、 被告が非侵害コピーであることを証明しない限りは、 非侵害コピーではないとみなされる。 第 130A 条を参照。

    (2) 本条は、 録音物のコピーがオーストラリアに輸入された時に、 当該録音物が以下のいずれかにおいて発行されている場合にのみ適用する。

      (a) オーストラリア

    (b) 以下のいずれかの者によりまたはその承諾を得た場合には、 他の国 (発行国 )

      (i) 発行国における録音物に対する著作権または関連権の保有者

    (ii) 発行が行われた時に発行国の法が録音物に対して著作権または関連権を認めていない場合には、 録音物が作成された国 (原録音国 ) における録音物に対する著作権または関連権の保有者

    (iii) 発行が行われた時に発行国または原録音国 (異なるか否かを問わない) のいずれの法も録音物に対して著作権または関連権を認めていない場合には、 録音物の作成者

    注:一定の輸入物品に関して拡張された付属品の定義について、 第10AD条を参照。

    (3) 第(2)項において、

    録音物に対する著作権または関連権の保有者 とは、 録音物が発行された時にこれらの権利を保有する者を意味する。

    第112DA条 電子的言語または音楽製品のコピーの輸入および販売等

    著作物の発行版に関して、

      (a) 当該著作物が電子的言語または音楽製品でありまたはその一部であり、 かつ

    (b) 当該版がオーストラリアまたは有資格国で発行された場合には、

    当該発行版に対する著作権は、 以下を行う者によっては侵害されない。

      (c) 当該電子的言語もしくは音楽製品の非侵害コピーを収録した物品をオーストラリアに輸入すること、 または

    (d) 何者かがオーストラリアに輸入した当該電子的言語もしくは音楽製品の非侵害コピーを収録した物品について、 第 103 条に定める行為を行うこと。

    注:一定の輸入物品に関して拡張された付属品の定義について、 第10AD条を参照。

    第112E条 一定の設備の利用による送信

    送信を行うためのまたは送信を行うことを容易にするための設備を提供する者 (送信事業者または送信サービスプロバイダを含む) は、 提供された設備を他の者が著作権に含まれる権利の及ぶ行為を行うために使用したことのみを理由として、 視聴覚物品に対する著作権の侵害を許可したものとみなされない。


    第7節 その他

    第113条 独立して存続する著作権

    (1) 第110条(2)に従い、 本編により権利対象物に対して著作権が存続する場合には、 本編のいかなる規定も、 当該権利対象物の全部または一部の元となる言語、 演劇、 音楽または美術著作物に関する第III編の適用に影響するものとみなされず、 また、 本編により存続する著作権は、 第III編により存続する著作権に加えてこれと独立して存続するものである。

    (2) 本編の規定に基づく著作権の存続は、 著作権が存続しうる本編の他の規定の適用に影響しない。




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