第3章 著作権のある著作物に関して許される行為
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導入規定
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(導入規定)
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第28条 |
(1) |
この章の規定は、著作権の存続にかかわらず、著作権のある著作物に関して行うことができる行為を明示する。それらの規定は、著作権侵害の問題のみに関係し、かつ、明示された行為のいずれかを行うことを制限する他のいずれの権利又は義務にも影響しない。 |
(2) |
ある行為が著作権を侵害せず、又は著作権を侵害することなくその行為を行うことができる旨がこの章によって規定され、かつ、著作権のある特定の種類の著作物が定められていない場合には、当該行為は、いずれの種類の著作物の著作権をも侵害しない。 |
(3) |
いずれかの種類の著作物の著作権により制限される行為の範囲について、この章に基づいて著作権を侵害することなく行うことができるいずれの行為の記述からも、いかなる推論も引き出されない。 |
(4) |
この章の規定は、相互に独立して解釈される。したがって、ある行為が一規定に該当しないという事実は、その行為が他の規定の対象とならないことを意味しない。 |
一般規定
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(一時的複製物の作成)
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第28条のA
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文芸の著作物(コンピュータ・プログラム又はデータベース以外の)又は演劇、音楽若しくは美術の著作物、発行された版の印刷配列、録音物又は映画の著作権は、過渡的若しくは付随的であって、科学技術のプロセス(工程)の必要不可欠の部分であり、次に揚げるいずれかを可能とすることを唯一の目的とし、かつ、独立した経済的意義を有しない一時的複製物を作成することにより侵害されない。 |
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(a) |
仲介者による第三者間のネットワークにおける著作物の送信 |
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(b) |
著作物の適法使用 |
(私的使用のための個人的複製)
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第28条のB
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(1) |
(コンピュータプログラム以外の)著作物の複製物の作成であって、個人により行われるものは、その著作物の著作権を侵害しない。ただし、その複製は以下のことを条件とする。 |
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(a) |
複製物は、 |
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(i) |
当該個人が保有する著作物の複製物であること、または |
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(ii) |
当該個人により作成された著作物の個人的な複製物であること、 |
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(b) |
個人による私的な使用のために作成されたものであること、および |
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(c) |
直接的または間接的にも商業的な目的のために作成されたものではないこと。 |
(2) |
この条において、「個人により保有される複製物」とは、以下の複製物のことをいう。 |
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(a) |
当該個人により恒久的に適法に獲得されているものであり、
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(b) |
侵害複製物ではなく、かつ、
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(c) |
著作権を侵害せずに複製物を作成することを許容するこの章のいずれの条項に基づいて作成されたものではないこと。 |
(3) |
この条において、「個人により保有される複製物」とは、以下の複製物のことをいう。 |
(4) |
第2項第(a)号の目的において、「恒久的に適法に獲得された」とは、
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(a) |
購入され、贈与として取得され、又は購入又は贈与に起因する(b号に言及される種類のダウンロード以外の)ダウンロードの手段により獲得されている複製物を含む。および |
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(b) |
無償で借りられ、有償で貸され、放送又はストリーミングがなされた複製物、または、当該複製物に対する一時的なアクセスにより可能になっただけのダウンロードにより取得されている複製物を含まない。 |
(5) |
第1項第(b)号における「私的使用」とは、以下の目的のためになされる複製物の作成により促進される私的使用を含む。 |
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(a) |
バックアップコピーとしてなされるもの、 |
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(b) |
フォーマット・シフティングを目的とするもの、または |
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(c) |
ストレージを目的とするもので、個人(および当該ストレージ領域に関して責任を有する者)によってのみアクセスが可能である、インターネットまたは類似の手段によりによりアクセスが可能な電子的なストレージにおけるものを含む。 |
(6) |
個人が(私的かつ一時的に行う場合を除いて)他人に対して著作物の個人的な複製物を移転した場合、当該移転が著作権者により許諾されている場合を除いて、著作物の著作権は侵害される。 |
(7) |
第6項に示されるかたちで著作権侵害がなされる場合、それにより移転された個人的な複製物は、以降のすべての目的において侵害複製物として取り扱われる。 |
(8) |
著作物の個人的な複製物を作成した個人が、(私的かつ一時的に行う場合を除いて)他人に対して個人的に所有するその著作物の複製物を移転したが、その移転後において、かつ、著作権者の許諾のない状態で、いずれの個人的な複製物を保持する場合、著作物の著作権は侵害される。 |
(9) |
第8項に示されるかたちで著作権が侵害される場合、保持されるいずれの個人的な複製物も、以降のすべての目的において、侵害複製物として取り扱われる。 |
(10) |
契約の条件がこの条によって著作権の侵害とならない複製物の作成を禁止または制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
(研究及び私的学習)
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第29条 |
(1) |
非商業目的のための研究を目的とする著作物の公正利用は、その著作物のいずれの著作権をも侵害しない。ただし、十分な出所明示を伴うことを条件とする。 |
(1A) |
削除 |
(1B) |
第1項に定める目的のための公正利用に関連して、実際上その他の理由のために出所明示が不可能である場合には、いずれの出所明示も、要求されない。 |
(1C) |
私的学習を目的とする著作物の公正利用は、その著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(2) |
削除 |
(3) |
研究者又は学習者自身以外の者による複製は、次に掲げるいずれかに該当するときは、公正利用ではない。 |
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(a) |
司書又は司書のために行動する者の場合には、第42A条(司書による複製:発行された著作物の単一の複製物)又は第40条に基づく規則が第38条又は第39条(記事又は発行された著作物の部分――同一資料の多数の複製物に対する制限)に基づいて行われることを許さないいずれかの行為をその者が行うとき。 |
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(b) |
他のいずれの場合にも、複製を行う者が、その複製が実質的に同一の時に、かつ、実質的に同一の目的のために2人以上の者に提供される実質的に同一の資料の複製物となることを知り、又はそう信じる理由を有するとき。 |
(4) |
次に掲げる行為は、公正利用ではない。 |
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(a) |
低いレベルの言語で表現されたコンピュータ・プログラムをより高いレベルの言語で表現されたバージョンに変換すること。 |
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(b) |
そのプログラムをそのように変換する過程において付随的に、そのプログラムを複製すること。(これらの行為は、第50条のB(逆コンパイル)に従って行われる場合には、許される行為である。) |
(4A) |
コンピュータ・プログラムのいずれかの要素の基礎となるアイディア(着想)及び原理を決定するためにそのプログラムの機能を観察し、研究し、又は検査することは、公正利用ではない。(これらの行為は、第50条のBA(観察、研究及び検査)に従って行われる場合には、許される。) |
(4B) |
契約の条件がこの条によって著作権の侵害とならない複製物の作成を禁止または制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
(5) |
削除 |
(非商業的調査のためのテキストおよびデータの解析のための複製)
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第29条のA |
(1) |
著作物に適法にアクセスする者による著作物の複製物の作成は、以下を条件として、その著作物の著作権を侵害しない。 |
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(a) |
その著作物に適法にアクセスする者が、非商業的な目的による調査を唯一の目的として行う、著作物に記録されたいずれかのものについてのコンピュータによる解析を実施する場合のために生じる複製物であり、かつ、
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(b) |
当該複製物が、十分な出所明示を伴う場合(このことが実際的な理由その他の理由から困難である場合を除く)。 |
(2) |
著作物の複製物が、この条に基づいて作成されている場合、その著作物の著作物は以下の場合に侵害される。 |
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(a) |
その複製物が他人に移転する場合(その移転が著作権者により許諾される場合は除く)、又は |
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(b) |
その複製物が第(1)(a)項で言及される以外のいずれかの目的のために使用される場合(その使用が著作権者により許諾される場合は除く)。 |
(3) |
この条に基づいて作成された複製物がその後に利用される場合には、 |
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(a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
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(b) |
その利用が著作権を侵害する場合には、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
(4) |
第3項において、「利用」とは、販売され、若しく賃貸され、又は販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されることをいう。 |
(5) |
契約の条件がこの条によって著作権の侵害とならない複製物の作成を禁止または制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
(批評、評論、引用及び時事の報道)
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第30条 |
(1) |
当該著作物若しくは他の著作物又は著作物の実演の批評又は評論を目的とする著作物の公正利用は、(実際上その他の理由のために不可能である場合を除いて)十分な出所明示を伴うこと及びその著作物が公衆に提供されていることを条件として、その著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(1ZA) |
著作物の著作権は、以下のことを条件として、(批評、論評その他の理由にかかわらず)その著作物からの引用による使用によって、侵害されない。 |
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(a) |
その著作物が公衆に対して利用可能なものとされていること |
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(b) |
当該引用による使用が、その著作物について公正利用であること |
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(c) |
当該引用の範囲が、それが使用される特定の目的によって要求される以上のものではないこと、および |
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(d) |
当該引用が、(実際上その他の理由のために不可能である場合を除いて)十分な出所明示を伴うこと。 |
(1A) |
第1項及び第1ZA項の目的上、ある著作物が次に掲げるものを含むいずれかの手段により提供されている場合には、その著作物は、公衆に提供されている。 |
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(a) |
複製物の公衆への配布 |
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(b) |
電子的検索システムを用いて著作物を提供すること。 |
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(c) |
著作物の複製物の公衆へのレンタル又は貸与 |
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(d) |
著作物の公の実演、展示、演奏又は上映 |
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(e) |
著作物の公衆への伝達 |
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ただし、著作物が公衆に提供されているかどうかをこれらの項の目的上一般的に決定する際には、いずれの無許諾の行為も、なんら考慮されない。 |
(2) |
時事の報道を目的とする著作物(写真を除く。)の公正利用は、(第3項に従って)十分な出所明示を伴うことを条件として、その著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(3) |
録音物、映画又は放送を用いて時事の事件を報道することに関連しては、いずれの出所明示も要求されない。 |
(4) |
契約の条件がこの1ZA項によって著作権の侵害とならないいずれの行為を禁止又は制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
(カリカチュア、パロディ又はパスティーシュ)
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第30条のA |
(1) |
カリカチュア、パロディ又はパスティーシュを目的とする著作物の公正利用は、その著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(2) |
契約の条件がこの条によって著作権の侵害とならないいずれの行為を禁止又は制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
(著作権資料の付随的挿入)
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第31条 |
(1) |
著作物の著作権は、美術の著作物、録音物、映画又は放送へのその著作物の付随的挿入により侵害されない。 |
(2) |
その作成が第1項に基づいて著作権侵害ではなかったいずれかのものの複製物を公衆に配布し、又はそれを演奏し、上映し、若しくは公衆に伝達することにより、著作権は侵害されない。 |
(3) |
音楽の著作物、音楽とともに話され、若しくは歌われる歌詞又は音楽の著作物若しくはそのような歌詞を挿入している録音物又は放送の多くは、それが故意に挿入されるときは、他の著作物に付随的に挿入されたものとはみなされない。 |
障害者
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(障害者:個人的使用のための複製物の作成)
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第31条のA |
(1) |
この条は、以下の場合に適用される。 |
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(a) |
障害者が、著作物の全体若しくは部分の複製物を適法に占有し、又は適法に使用する場合、及び |
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(b) |
その者の障害が、その障害を持たない者と同程度にその著作物を享受することから、その者を妨げている場合。 |
(2) |
(1)(a)項に言及される著作物の複製物の利用可能複製物の作成は、以下の場合には、著作権の侵害とならない。 |
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(a) |
その複製物が障害者又は障害者に代わって行為を行う者により作成される場合、
|
|
(b) |
その複製物が、障害のある者の個人的な使用のために作成される場合、及び |
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(c) |
その著作物の利用可能な同種の複製物が、著作権者により又はその許諾を受けて、合理的な条件で、商業的に利用可能でない場合 |
(3) |
ある者が、障害者の代わりにこの条に基づいて利用可能複製物を作成し、かつ、それについて障害者から料金を徴収する場合、その徴収される総額は、複製物を作成し、かつ供給する費用を超過してはならない。 |
(4) |
著作権は、この条に基づいて作成された著作物の利用可能複製物を、以下の者を除くいずれかの者に対して移転することにより、侵害される。ただし、その移転が著作権者により許諾される場合は除く。 |
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(a) |
この条に基づいて、その者により、又はその者のために、著作物の利用可能複製物が作成される場合のその者 |
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(b) |
(a)号の範囲に含まれる者のためにその複製物を移転することを意図する者 |
(5) |
この条に基づいて作成された著作物の利用可能複製物は、ある者がそれを保持する場合に、その者が第4項(a)又は(b)の範囲に含まれないとき、すべての目的において、侵害複製物として取り扱われる。 |
(6) |
この条に基づいて作成された利用可能複製物が、その後に利用される場合には、 |
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(a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われ、かつ、
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|
(b) |
その利用が著作権を侵害する場合には、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
(7) |
この条において、「利用」とは、販売され、若しく賃貸され、又は販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されることをいう。 |
(権限のある団体による利用可能複製物の作成と提供)
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第31条のB |
(1) |
権限のある団体が、発行された著作物の全体若しくは部分の複製物を適法に占有する場合、当該団体は、著作権を侵害せずに、障害者の個人的使用のためにその著作物の利用可能複製物を作成及び供給することができる。 |
(2) |
ただし、第1項は、その著作物の利用可能な同種の複製物が、著作権者により又はその許諾を受けて、合理的な条件で、商業的に利用可能である場合には、適用されない。 |
(3) |
権限のある団体が、放送又は放送の複製物の全体若しくは部分の複製物に対して適法にアクセスすることができる場合、又はそれらを適法に所有する場合、当該団体は、著作権を侵害せずに、以下のことをすることができる。障害者の個人的な使用のために、
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(a) |
放送の場合、放送の録音・録画物を作成し、録音録画物又は放送に含まれるいずれの著作物の利用可能複製物を作成かつ供給すること、及び |
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(b) |
放送の複製物の場合、その複製物又は放送に含まれるいずれの著作物について、利用可能複製物を作成かつ供給すること。 |
(4) |
ただし、第3項は、その放送、又はそれに含まれるいずれの著作物の利用可能な同種の複製物が、著作権者により又はその許諾を受けて、合理的な条件で、商業的に利用可能である場合には、適用されない。 |
(5) |
第1項及び第3項の目的において、「障害者の個人的な使用のため」に供給することには、障害者に代わって行為をする者に対する供給を含む。 |
(6) |
営利のために活動する教育機関である権限のある団体は、この条に基づいて作成されるいずれの利用可能複製物も、その教育目的にのみ使用されるものであることを確保しなければならない。 |
(7) |
この条に基づいて作成された利用可能複製物は、以下のことを伴わなければならない。 |
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(a) |
その複製物がこの条に基づいて作成されている旨の記述、及び |
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(b) |
十分な出所明示(このことが実際的な理由その他の理由から困難である場合を除く)。 |
(8) |
利用可能複製物がこの条に基づいて、コピー防止の電子形式に含まれる著作物から作成される場合、その利用可能複製物は、合理的に実行可能である限りは、同一の又は等しく有効なコピー防止装置を(著作権者が別段の合意をしない限り)組み込まなければならない。 |
(9) |
この条に基づいてその著作物の利用可能複製物を作成している権限のある団体は、この条に基づいてその著作物の利用可能複製物を作成する資格を与えられているその他の団体に対して、当該その他の団体が、その著作物の利用可能複製物を作成することができるようにする目的のために、それを供給することができる。 |
(10) |
権限のある団体がこの条に基づいて作成された利用可能複製物を、ある者又は権限のある団体に対して、この条により許されているものとして、供給し、そのためにその者又は団体から料金を徴収する場合、徴収するその総額は、その複製物の作成及び供給の費用を超えてはならない。 |
(11) |
この条に基づいて作成された利用可能複製物は、その後に利用される場合には、 |
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(a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われ、かつ、
|
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(b) |
その利用が著作権を侵害する場合には、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
(12) |
この条において、「取り扱われる」とは、販売され、若しく賃貸され、又は販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されることをいう。 |
(権限のある団体による中間複製物の作成と供給)
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第31条のBA |
(1) |
第31条のBに基づいて、著作物の利用可能複製物を作成する資格を有する権限のある団体は、著作権を侵害せずに、利用可能複製物を作成するために必要である場合には、その著作物の複製物(「中間複製物」)を作成することができる。 |
(2) |
この条に基づいてその著作物の利用可能な中間複製物を作成する資格を与えられているその他の団体に対して、第31条のBに基づいて当該その他の権限のある団体が、その著作物の利用可能複製物を作成することができる目的のために、それを供給することができる。 |
(3) |
著作権は、 この条に基づいて作成された中間複製物を、第2項により許されたものとして、その他の権限のある団体以外の者に対して、移転することによって、侵害される。ただし、その移転が著作権者により許諾される場合は除く。 |
(4) |
権限のある団体が、第2項に基づいて、権限のある団体に対して中間複製物を供給し、かつ、それについて当該団体から料金を徴収する場合、その徴収される総額は、複製物を作成し、かつ供給する費用を超過してはならない。 |
(利用可能複製物、中間複製物:記録と通知)
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第31条のBB |
(1) |
権限のある団体は、以下について記録を保存しなければならない。 |
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(a) |
第31条のBに基づいて作成される利用可能複製物、
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(b) |
31条のBAに基づいて作成される中間複製物、及び |
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(c) |
それらの提供を受ける者 |
(2) |
権限のある団体は、著作権者又はその者を代理する者に対して、合理的な予告をして、いずれかの合理的な時に、以下の記録を閲覧することを許可しなければならない。 |
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(a) |
第1項に基づいて保存される記録、及び |
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(b) |
31条のB及び31条のCに基づいて、これらの規則が施行される前に効力を有していたものとして、作成される複製物の記録 |
(3) |
第31条のBに基づく利用可能複製物の作成から合理的な時間内に、権限のある団体は、次に掲げるいずれかに通知しなければならない。 |
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(a) |
関係する各代表団体であり、
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(i) |
特定の著作権者又は関係する種類の著作権のある著作物の著作権の所有者を代表する団体であること。 |
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(ii) |
その団体により代表される著作権者又は著作権者のグループについて所管大臣に通告している団体であること。または、
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(b) |
そのような団体がない場合には、著作権者(権限のある団体が著作権者の氏名及び住所を確認することが合理的に可能でない場合を除く)。 |
(8) |
関係する代表団体は、次に掲げる2つの条件を満たす団体である。 |
(9) |
第7項⒝号に基づいて著作権者に通知する要件は、権限のある団体が著作権者の氏名及び住所を確認することが合理的に可能でない場合には、適用されない。 |
(第31条のAから第31条のBBまでについての定義その他の補足規定)
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第31条のF |
(1) |
この条は、第31条のAから第31条のBBまでの規定を補足し、かつ定義を含む。 |
(2) |
「障害者」とは、その者が、その障害を有しない者と同じ程度に著作権のある著作物を享受することを妨げる、身体的又は精神的に障害を有する者を意味し、「障害」とはそれに従って解釈されるものとする。 |
(3) |
しかし、ある者は、矯正レンズの使用により、特別の水準又は種類の明かりなしで通常は読書を受け入れることができる水準まで改善することができる視覚機能の障害のみであることを理由としては、障害があるとみなされない。 |
(4) |
「利用可能複製物」とは、著作権のある著作物に関して、障害者に著作物のより十分な享受を可能とする著作物の版(バージョン)をいう。 |
(5) |
利用可能複製物者は、 |
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(a) |
著作権のある著作物のその版を案内するための設備を含むことができる。ただし、
|
|
(b) |
利用可能複製物が意図される者のために、障害者が受ける問題を克服するために必要でない著作物に対する変更を含んではならない。 |
(6) |
「認可団体」は、以下を意味する。 |
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(a) |
教育機関、又は
|
|
(b) |
収益のために運営されていない団体
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(7) |
複製物の「供給」とは、それが返却されること又は返却されうることを条件として、直接若しくは間接の経済的又は商業的利得のため以外に、使用のために提供することをいう。 |
(8) |
契約の条件が、第31条のA、第31条のB又は第31条のBAによって著作権の侵害とならない複製物の作成を禁止または制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
教 育
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(教育のための説明)
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第32条 |
(1) |
教育における説明をもっぱらの目的とする著作物の公正利用は、次に掲げる条件を満たす場合には、その著作物の著作権を侵害しない |
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(a) |
非商業的な目的であること |
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(b) |
授業を行い若しくは受ける者(又は、授業を行い若しくは受ける準備をする者)により行われること、 |
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(c) |
十分な出所明示を伴うこと(実際上その他の理由から不可能である場合を除く)。 |
(2) |
第1項の目的において、「授業を行い若しくは受ける」とは、試験問題の作成、生徒への問題の伝達及び問題の解答を含む。 |
(3) |
契約の条件がこの条によって著作権の侵害とならない複製物の作成を禁止または制限することを意図する場合にはその範囲において、当該条件は執行不能なものとする。 |
(教育上の使用のための詩文集)
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第33条 |
(1) |
発行された文芸又は演劇の著作物からの短い章句を次に掲げる収集物に挿入することは、その著作物自体が教育機関における使用を意図されず、かつ、挿入が十分な出所明示を伴うときは、その著作物の著作権を侵害しない。 |
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(a) |
教育機関における使用を意図され、かつ、その題号において、及び出版者により又は出版者のために配布されるいずれかの広告においても、その旨が記載されている収集物であって、かつ、 |
|
(b) |
著作権が存続しない資料から主として成るもの。 |
(2) |
第1項の規定は、同一の著作者が作成した著作権のある著作物からの3以上の抜粋を、5年のいずれかの期間にわたって同一の出版者が発行した収集物に挿入することを許可するものではない。 |
(3) |
いずれかの特定の章句に関して、第2項における同一の著作者が作成した著作物からの抜粋への言及は、 |
|
(a) |
その著作者が他の者と協力して作成した著作物からの抜粋を含むものとみなされ、かつ、 |
|
(b) |
当該章句がそのような著作物からの抜粋であるときは、いずれかの著作者が1人で又は他の者と協力して作成した著作物からの抜粋を含むものとみなされる。 |
(4) |
この条における教育機関における著作物の使用への言及は、そのような機関の教育目的のためのいずれもの使用への言及である。 |
(教育機関の活動の過程において著作物を実演し、演奏し、又は上映すること)
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第34条 |
(1) |
教育機関における教師及び生徒並びに教育機関の活動に直接関係する他の者から成る聴衆を前にして次に掲げる者が文芸、演劇又は音楽の著作物を実演することは、著作権侵害の目的上、公の実演ではない。 |
|
(a) |
教育機関の活動の過程において、教師若しくは生徒 |
|
(b) |
教育機関において、授業の目的上、いずれかの者 |
(2) |
教育機関におけるそのような聴衆を前にして録音物、映画又は放送を授業を目的として演奏し、又は上映することは、著作権侵害の目的上、著作物を公に演奏し、又は上映することではない。 |
(3) |
この目的上、いずれの者も、その者が教育機関における生徒の親であることのみを理由として、教育機関の活動に直接関係することとはならない。 |
(教育機関による放送の録音・録画)
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第35条 |
(1) |
放送の録音・録画物又はその種の録音・録画物の複製物は、以下の条件を満たす場合には、放送又はそれに含まれる著作物の著作権を侵害することなく、教育機関の教育目的のためにその機関が、又はその機関の代わりに、作成することができる。 |
| (a) |
教育目的が、非商業的であること、及び |
| (b) |
録音・録画物又はその複製物が十分な出所明示を伴うこと(実際上その他の理由から不可能である場合を除く)。 |
(2) |
第1項に基づいて作成された放送の録音・録画物又はその種の録音・録画物の複製物が、教育機関の非商業的目的のために、その機関により、又はその機関の代わりに、当該機関の生徒又は教職員に対して伝達された場合、著作権は侵害されない。 |
(3) |
第2項の規定は、伝達が当該機関の生徒及び教職員のみが利用可能な保護された電子的ネットワークを用いて機関の構外で受信される伝達のみに適用される。
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(4) |
この条で許諾される行為であっても、当該行為について許諾を得ることが可能であり、かつ、その行為に責任を有する教育機関がその事実を認識していたか、又は認識するべきであった場合には、その行為は許容されず、又はその範囲において許容されない。
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(5) |
この条に基づいて作成された複製物がその後に利用される場合には、
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| (a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
| (b) |
その利用が著作権を侵害する場合には、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
(6) |
この条において「利用される」とは、以下の行為を意味する。
|
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(a) |
販売され、若しく賃貸されること、 |
| (b) |
販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されること、又は |
| (c) |
第2項で許容される以外の方法で伝達されること。 |
(教育機関による著作物の抜粋の複製及び使用)
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第36条 |
(1) |
教育機関により、又は教育機関に代わり行われる、関連する著作物からの抜粋の複製は、次の条件が満たされる限り、当該著作物の著作権を侵害しない。 |
| (a) |
複製物が非商業目的の授業のために作成されること、及び |
| (b) |
十分な出所明示が伴うこと(実際上その他の理由から不可能である場合を除く)。 |
(2) |
第1項に基づいて作成された抜粋の複製物が、教育機関の非商業的目的の授業のために、その機関により、又はその機関に代わって、当該機関の生徒又は教職員に伝達された場合、著作権は侵害されない。 |
(3) |
第2項の規定は、伝達が当該機関の生徒及び教職員のみが利用可能な保護された電子的ネットワークを用いて機関の構外で受信される伝達のみに適用される。 |
(4) |
この条において、「関連する著作物」とは、次に掲げる著作物以外の著作物を意味する。 |
| (a) |
放送、又は |
| (b) |
他の著作物に組み入れられていない美術の著作物。 |
(5) |
この条の規定に基づいて、12カ月間にわたって、教育機関により、又は教育機関に代わり、著作物の5パーセントを超えない部分を複製することができる。この場合において、他の著作物に組み入れられた著作物は、単一の著作物として取り扱うものとする。
|
(6) |
この条で許諾される行為であっても、当該行為について許諾を得ることが可能であり、かつ、その行為に責任を有する教育機関がその事実を認識していたか、又は認識するべきであった場合には、その行為は許容されず、又はその範囲において許容されない。
|
(7) |
この条により許容される行為を教育機関に許諾する場合の許諾の条件は、(有償又は無償を問わず)この条に基づいて許されるよりも少ない割合でしか複製ができないように制限することを意図する限りにおいて、効力を有しない。
|
(8) |
この条に基づいて作成された複製物がその後に利用される場合には、
|
| (a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
| (b) |
その利用が著作権を侵害する場合には、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われることとなる。 |
(9) |
この条において「利用される」とは、以下の行為を意味する。 |
| (a) |
販売され、若しく賃貸されること、 |
| (b) |
販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されること、又は |
| (c) |
第2項で許容される以外の方法で伝達されること。 |
(教育機関による複製物の貸与)
|
第36条のA |
|
著作物の著作権は、教育機関による著作物の複製物の貸与により侵害されない。
|
図書館及び記録保存所
|
(司書又は記録保管人による複製物の貸与)
|
第40条のA |
(1) |
いずれの種類の著作物の著作権も、書籍が公貸権計画内にあるときは、公立図書館によるその書籍の貸与により侵害されない。
この目的上、 |
|
(a) |
「公貸権計画」とは、1979年の公貸権法第1条に基づいて実施されている計画をいう。 |
|
(b) |
書籍は、それが事実上適格であるか否かにかかわらず、同計画の適格性に関する規定の意味における書籍であるときは、公貸権計画内にある。 |
(2) |
著作物の著作権は、営利のために運営されていない図書館又は記録保存所(公立図書館以外の)によるその著作物の複製物の貸与により侵害されない。 |
(図書館及び教育機関など:著作物を専用端末装置により利用可能にすること)
|
第40条のB |
(1) |
作物の著作権は、第3項の条件を満たしている場合に、第2項に特定された機関が、その施設内の専用端末装置を用いて、公衆に対して著作物を伝達することにより、又は著作物を公衆が利用可能にすることにより、侵害されない。ただし、 |
(2) |
諸機関とは、以下のものをいう。 |
|
(a) |
図書館、 |
|
(b) |
記録保管所、 |
|
(c) |
博物館、および |
|
(d) |
教育機関. |
(3) |
著作物およびその複製物の条件は、以下の通りである。 |
|
(a) |
その機関により適法に取得されたものであること、
|
|
(a) |
調査又は私的学習の目的で公衆の個別の構成員に対して伝達又は利用可能とされていること、かつ |
|
(c) |
その著作物が対象となっているいずれの購入又は許諾にかかる条件に従って伝達され又は利用可能とされているものであること |
(司書による複製:他の図書館への単一の複製物の提供)
|
第41条 |
(1) |
司書は、第2項の条件が満たされる場合には、その著作物の著作権を侵害することなく、発行された著作物の全体若しくは部分の単一の複製物を作成し、及び他の図書館に提供することができる。 |
(2) |
条件とは、以下のことである。 |
|
(a) |
その複製物が、営利のために運営されていない図書館からの要求に応じて提供されること、及び |
|
(b) |
複製物が作成される時に、それを作成する司書が、著作物の複製物の作成を許諾する資格を有する者の名前及び住所を知らず、又は合理的に知りえなかった場合であること |
(3) |
第2項第(b)号の条件は、その要求が定期刊行物中の記事の複製物に対するものである場合には、適用しない。 |
(4) |
司書が、この条に基づいて複製物を供給するために料金を徴収する場合、徴収される合計額は、その複製物を作成する費用を参照して計算されなければならない。 |
(5) |
ある契約の規定が、本条によって、著作権侵害とされないいずれの行為を実施することを防止し、又は制限する範囲において、当該規定は強制できないものとされる。 |
(司書等による複製:著作物の複製物の交換)
|
第42条 |
|
図書館、記録保存所又は博物館の司書、記録保管人または学芸員は、著作権を侵害することなく、次に掲げることを行うために、その機関の常置の収集物中のいずれの項目からも複製物を作成することができる。ただし、第2項および第3項の条件を満たす場合に限られる。 |
|
(a) |
その常置の収集物中の項目を保存し、または交換すること。 |
|
(b) |
他の図書館、アーカイヴ又は博物館の常置の収集物中の項目が失われ、破棄され、又は毀損された場合において、当該その他の図書館、アーカイヴまたは博物館の当該収集物中の項目を交換すること |
(1) |
第一の条件とは、当該項目が次に掲げるものである場合とする。 |
|
(a) |
当該機関の施設において参照することを完全または主たる目的として、保存されている収集物に含まれていること、 |
|
(b) |
公衆がアクセスできない収集物の一部であること、または、 |
|
(c) |
他の図書館、記録保存所または博物館に対してのみ貸出が可能であること |
(2) |
第2の条件とは、第1項で言及されている目的のいずれかを達成するために、当該項目の複製物を購入することが、合理的に実行不可能である場合であること、である。 |
(3) |
第1項の第(b)号における図書館、記録保存所又は博物館は、営利のために活動をしない図書館、記録保存所又は博物館を意味する。 |
(4) |
ある機関が、第1項第(b)号に基づいてその他の図書館、アーカイヴ又は博物館に対して複製物を供給するために料金を徴収する場合、徴収される合計額は、その複製物を作成する費用を参照して計算されなければならない。 |
(5) |
本条における「項目」とは、著作物または著作物の複製物を意味する。 |
(6) |
ある契約の規定が、本条によって、著作権侵害とされないいずれの行為を実施することを防止し、又は制限する範囲において、当該規定は強制できないものとされる。 |
(司書による複製:発行された著作物の単一の複製)
|
第42条のA |
(1) |
営利のために運営されていない図書館の司書は、第2項の条件を満たす場合には、以下について、その著作物の著作権を侵害せずに、単一の複製物を作成し、及び提供することができる。 |
|
(a) |
定期刊行物のいずれかの1つの号における1つの記事 |
|
(b) |
その他のいずれかの発行された著作物における合理的な割合 |
(2) |
条件とは、以下のことをいう。 |
|
(a) |
司書に対して、第3項に示された情報を含む書面による宣言を提供している者からの要求に応じて、複製物が提供される場合、及び |
|
(b) |
司書が、その宣言が具体的な詳細に関して虚偽であることを知らない場合。 |
(3) |
宣言に含まなければならない情報は、以下のことである。 |
|
(a) |
複製物を要求する者及びその者が要求する資料の名称、
|
|
(b) |
その者が過去にいずれの図書館によって当該資料の複製物の提供を受けていないことの声明 |
|
(c) |
その者が非商業的な目的のための調査又は私的学習のための目的のために複製物を要求し、それらの目的のためにのみ使用し、その他の者にその複製物を提供しない予定であることの声明 |
|
(d) |
その者の最善の認識において、実質的に同じ目的のためにその者と同じ時点またはだいたい同じ時点において、実質的に同じ資料に対する要求を行っているか、又は行う意図のある、その者が共に働き又は学習するその他の者がいないことの声明 |
(4) |
図書館が、この条に基づいて複製物を供給するために料金を徴収する場合、徴収される合計額は、その複製物を作成する費用を参照して計算されなければならない。 |
(5) |
ある者(P)がこの条に基づいて、具体的な詳細に関して虚偽である宣言を行い、及びPにより作成されたのであれば侵害複製物となっていたであろう複製物の提供を受ける場合には、
|
|
(a) |
Pは、あたかもPがその複製物を作成したものとして、侵害の責任を負い、かつ、
|
|
(b) |
Pに対して提供されたその複製物は、すべての目的において、侵害複製物として取り扱われるものとする。 |
(6) |
ある契約の規定が、本条によって、著作権侵害とされないいずれの行為を実施することを防止し、又は制限する範囲において、当該規定は強制できないものとされる。 |
(司書又は記録保管人による複製:未発行の著作物の単一の複製物)
|
第43条 |
(1) |
司書又は記録保管人は、以下の場合には、その著作物の著作権を侵害することなく、発行された著作物の全体若しくは部分の単一の複製物を作成し、提供することができる。 |
|
(a) |
第2項に示された情報を含む書面による宣言を司書又は記録保管人に提供している者からの要求に応じて、複製物が提供される場合、及び |
|
(b) |
司書又は記録保管人が、その宣言が具体的な詳細に関して虚偽であることを知らない場合。 |
(2) |
宣言に含まなければならない情報は、以下のことである。 |
|
(a) |
複製物を要求する者及びその者が要求する資料の名称、
|
|
(b) |
その者が過去にいずれの図書館又は記録保管所によって当該資料の複製物の提供を受けていないことの声明 |
|
(c) |
その者が非商業的な目的のための調査又は私的学習のための目的のために複製物を要求し、それらの目的のためにのみ使用し、その他の者にその複製物を提供しない予定であることの声明 |
(3) |
しかし、著作権は以下の場合侵害される。 |
|
(a) |
その著作物が、図書館又は記録保管所に寄託された日より前に公表又は公衆に対して伝達されていた場合、又は |
|
(b) |
著作権者が、その著作物の複製を禁止している場合であり、
及び、その複製物を作成する時点において、司書又は記録保管人が、その事実を認識しているか、認識するべきである場合、
|
(4) |
図書館又は記録保管所が、この条に基づいて複製物を供給するために料金を徴収する場合、徴収される合計額は、その複製物を作成する費用を参照して計算されなければならない。 |
(5) |
ある者(P)がこの条に基づいて、具体的な詳細に関して虚偽である宣言を行い、及びPにより作成されたのであれば侵害複製物となっていたであろう複製物の提供を受ける場合には、
|
|
(a) |
Pは、あたかもPがその複製物を作成したものとして、侵害の責任を負い、かつ、
|
|
(b) |
Pに対して提供されたその複製物は、すべての目的において、侵害複製物として取り扱われるものとする。
|
(6) |
ある契約の規定が、本条によって、著作権侵害とされないいずれの行為を実施することを防止し、又は制限する範囲において、当該規定は強制できないものとされる。 |
(第40条のAから第43条:解釈)
|
第43条のA |
(1) |
以下の定義が、第40条のAから第43条の目的において、効力を有する。 |
(2) |
「図書館」とは、以下のことを意味する。 |
|
(a) |
公衆が利用可能な図書館、又は
|
|
(b) |
教育機関の図書館。
|
(3) |
「博物館」には美術館を含む。 |
(4) |
「営利のために運営される」とは、図書館、記録保管所又は博物館に関して、営利のために設立又は運営される種類の組織、又は、営利のために設立又は運営された団体の一部を構成し、又はそれにより管理される種類の組織を意味する。 |
(5) |
司書、記録保管人又は学芸員に対する言及は、司書、記録保管人又は学芸員を代理して行為する者を含む。 |
(輸出の条件として作成を必要とされる著作物の複製物)
|
第44条 |
|
文化的又は歴史的重要性又は利益を有する記事が、その複製物が適当な図書館又は記録保存所において作成され、かつ、寄託されない限り、連合王国から適法に輸出することができない場合には、その複製物を作成することは、著作権の侵害ではない。 |
(法定寄託図書館)
|
第44条のA |
(1) |
次に掲げる3つの条件が満たされる場合には、著作権は、寄託図書館又はその図書館に代わって行動する者が、インターネットから著作物を複製することにより侵害されない。 |
|
(a) |
その著作物が、2003年法第10条第5項に基づく規則により規定される種類のものであること。 |
|
(b) |
その著作物のインターネット上における発行又はその著作物をインターネット上で発行する者が、そのように規定される方法において連合王国と関係していること。 |
|
(c) |
その複製が、そのように規定されるいずれもの条件に従って行われること。 |
(2) |
著作権は、2003年法第7条に基づく規則に基づいて行うことが許される関連資料に関していずれかのことを行うことにより侵害されない。 |
(3) |
所管大臣は、関連資料に関して行われる所定の活動に関して、規則により、この章の規定のうちの所定の規定の適用を除外する規定を定めることができる。 |
(4) |
第3項に基づく規則は、特に、次に掲げる活動について規定する規定を定めることができる。 |
|
(a) |
所定の目的のために行われる活動 |
|
(b) |
所定の種類の読者により行われる活動 |
|
(c) |
所定の種類の関連資料に関して行われる活動 |
|
(d) |
所定の条件に従う以外に行われる活動 |
(5) |
この条に基づく規則は、異なる目的のために異なる規定を定めることができる。 |
(6) |
この条に基づく規則は、議会両院のいずれかの決議に従って廃止することができる制定文書により定められる。 |
(7) |
この条において、 |
|
(a) |
「2003年法」とは、2003年の法定寄託図書館法をいう。 |
|
(b) |
「寄託図書館」、「読者」及び「関連資料」は、2003年法第7条におけると同一の意味を有する。 |
|
(c) |
「所定の」とは、所管大臣が定める規則により規定されたことをいう。 |
(権利者不明著作物に関する許された使用)
|
第44条のB |
(1) |
権利者不明著作物の著作権は、(附則の第6項に従うことを条件として)附則ZA1第1項(1)に規定される状況の下で関連団体により侵害されない。 |
(2) |
「権利者不明著作物」及び「関連団体」の意味は、当該附則の定義による。 |
行 政
|
(議会手続及び裁判手続)
|
第45条 |
(1) |
著作権は、議会手続又は裁判手続を目的として行われるいずれの行為によっても侵害されない。 |
(2) |
著作権は、そのような手続を報道することを目的として行われるいずれの行為によっても侵害されない。ただし、このことは、それ自体がそれらの手続の発行された報告である著作物の複製を許すものとは解釈されない。 |
(王立委員会及び法定調査)
|
第46条 |
(1) |
著作権は、王立委員会の手続又は法定調査の手続を目的として行われるいずれの行為によっても侵害されない。 |
(2) |
著作権は、公に行われるそのようないずれかの手続を報道することを目的として行われるいずれの行為によっても、侵害されない。ただし、このことは、それ自体がそれらの手続の発行された報告である著作物の複製を許すものとは解釈されない。 |
(3) |
著作物の著作権は、著作物又はそれからの資料を含む王立委員会の報告又は法定調査の報告の複製物を公衆に配布することにより侵害されない。 |
(4) |
この条において、
「王立委員会」は、1973年の北部アイルランド国家組織法第7条第2項に基づいて所管大臣に委任される女王陛下の特権に従って、所管大臣により北部アイルランドのために任命される委員会を含む。
「法定調査」とは、法令により、又は法令に基づいて課される義務若しくは付与される権限に従って行われる調査又は捜査をいう。 |
(一般の閲覧に供せられる、又は公的登録簿に載っている資料)
|
第47条 |
(1) |
資料が、法定の要件に従って一般の閲覧に供せられる場合、又は法定の登録簿に載っている場合には、文芸の著作物としての資料のいずれの著作権も、いずれかの種類の事実上の情報を含む資料の多くを、適当な者により又はその許可を得て、複製物の公衆への配布を伴わない目的のために複製することにより侵害されない。 |
(2) |
資料が、法定の要件に従って一般の閲覧に供せられる場合には、著作権は、以下の場合について、第3A項が適用される行為により、侵害されない。 |
|
(a) |
適当な者により又はその許可を得て、その行為がなされる場合、 |
|
(b) |
行為の目的が、 |
|
|
(i) |
その資料をより適切な時若しくは場所において閲覧することを可能とすること、または |
|
|
(ii) |
又はその他そのために要件が課されるいずれかの権利の行使を容易にすることであり、かつ、 |
|
(c) |
第3A項(c)において特定される行為の場合、その資料が、著作権者により又はその許諾により、公衆に対して商業的に利用可能でない場合。 |
(3) |
法定の要件に従って一般の閲覧に供せられる資料又は法定の登録簿に載っている資料が、一般的な科学上、技術上、商業上又は経済上の関心事項についての情報を含んでいる場合には、著作権は、適当な者により又はその許可を得て、その情報を普及する目的のためにその資料を複製し、又はその複製物を公衆に配布することにより侵害されない。 |
|
(a) |
適当な者により又はその許可を得てなされた行為であること、 |
|
(b) |
その行為がその情報を普及することを目的としていること、および |
|
(c) |
第3A項(c)において特定される行為の場合、その資料が、著作権者により又はその許諾により、公衆に対して商業的に利用可能でない場合。 |
(3A) |
この条は、以下のいずれの行為に対して適用される。 |
|
(a) |
その資料を複製すること |
|
(b) |
公衆に対してその資料の複製物を発行すること、および |
|
(c) |
その資料(またはその複製物)について、公衆の構成員がその個々に選択する場所から、かつ個々に選択する時間にアクセスすることができる方法による電子的な転送によって公衆に対して利用可能とすること |
(4) |
所管大臣は、命令により、第1項、第2項又は第3項の規定が、命令に明示することができる場合に、そのように明示することができる方法により選定される複製物のみについて適用されることを規定することができる。 |
(5) |
所管大臣は、命令により、第1項から第3項までの規定が、法定の要件に従って一般の閲覧に供せられる資料又は法定の登録簿に関して適用されると同様に、命令に明示することができる限度まで、及びそのような修正を伴って、次に掲げるものに適用されることを規定することができる。 |
|
(a) |
次に掲げる機関又は次に掲げる者により一般の閲覧に供せられる資料 |
|
|
(i) |
命令に明示された国際機関 |
|
|
(ii) |
連合王国が締約国である国際協定に基づいて連合王国において職務を有するそのように明示された者 |
|
(b) |
命令に明示された国際機関により維持される登録簿 |
(6) |
この条において、
「適当な者」とは、資料を一般の閲覧に供することを要求される者又は場合により登録簿を維持する者をいう。
「法定の登録簿」とは、法定の要件に従って維持される登録簿をいう。
「法定の要件」とは、法令により、又は法令に基づいて定められる規定により課される要件をいう。 |
(7) |
この条に基づく命令は、議会の上院又は下院の決議に従って廃止することができる制定文書により定められる。 |
(公務の過程において国王に伝達される資料)
|
第48条 |
(1) |
この条の規定は、文芸、演劇、音楽又は美術の著作物が、公務の過程において、著作権者により又はその許諾を得ていずれかの目的のために国王に伝達され、かつ、著作物を記録し、若しくは収録する文書その他の資料が国王により所有され、又は国王の管理若しくは支配の下にある場合に、適用される。 |
(2) |
国王は、以下を条件として、第3項に規定される行為を著作物のいずれの著作権をも侵害することなく行うことができる。 |
|
(a) |
その行為が、著作物が国王に対して伝達された目的、または、著作権者が合理的に予想することができたいずれかの関係する目的でなされること、および |
|
(b) |
著作物が、以前、この条の規定に基づく以外に発行されていないこと。 |
(3) |
第2項に規定される行為は、 |
|
(a) |
著作物を複製すること、 |
|
(b) |
著作物の複製物の公衆へ配布すること |
|
(c) |
その資料(またはその複製物)について、公衆の構成員がその個々に選択する場所から、かつ個々に選択する時間にアクセスすることができる方法による電子的な転送によって公衆に対して利用可能とすること |
(4) |
第1項において、「公務」は、国王により遂行されるいずれの活動をも含む。 |
(5) |
この条の規定は、国王と著作権者との間のいずれの反対の協定にも従うことを条件として、効力を有する。 |
(6) |
この条において、「国王」は、1990年の国民保健業務及び地域社会介護法第60条第7項に定義する保健事業体、国民保健業務委託理事会、2006年の国民保健業務法第14条のDに基づいて設置された臨床委託グループ、2006年の国民保健業務法第25条及び2006年の国民保健業務(ウェールズ)法又は1978年の国民保健業務(スコットランド)法第18条に基づいて設置されたケアの質委員会、英国健康教育、健康調査局及び国民保健事業財団信託を含み、また、1991年の保健及び個人社会福祉業務(北部アイルランド)命令第7条第6項に定義する保健及び社会福祉事業体並びに同命令に基づいて設置された保健及び社会福祉業務信託を含む。また、前記第1項における公務への言及は、それに従って解釈される。 |
(公的記録)
|
第49条 |
|
1958年の公的記録法、1937年の公的記録(スコットランド)法若しくは1923年の公的記録法(北部アイルランド)法の意味における公的記録又はウェールズの公的記録(2006年のウェールズ政府法に定義された)に含まれる資料であって、これらの法律に従って一般の閲覧に供せられるものは、それらの法律に基づいて任命されるいずれかの職員により又はその許可を得て、著作権を侵害することなく複製することができ、及び複製物は、いずれの者にも提供することができる。 |
(法定の権限に基づいて行われる行為)
|
第50条 |
(1) |
特定の行為を行うことが、通過した議会の法律により特に許される場合には、その法律が別段の規定をしない限り、その行為を行うことは、著作権を侵害しない。 |
(2) |
第1項の規定は、議会の法律に関して適用されると同様に、北部アイルランドの法令に含まれる制定法に関しても適用される。 |
(3) |
この条のいずれの規定も、いずれかの制定法に基づいて別途利用することができる法定の権限のいずれの抗弁をも除外するものとは解釈されない。 |
コンピュータ・プログラム――適法な使用者
|
(予備の複製物)
|
第50条のA |
(1) |
コンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、その者の適法な使用の目的のために有することがその者にとって必要なそのいずれかの予備の複製物(バックアップ・コピー)を作成することは、著作権の侵害ではない。 |
(2) |
この条並びに第50条のB、第50条のBA及び第50条のCの規定の目的上、(コンピュータ・プログラムの著作権により制限されるいずれかの行為を行うことの許諾その他に基づいて)、ある者がコンピュータ・プログラムを使用する権利を有する場合には、その者は、そのプログラムの適法な使用者である。 |
(3) |
ある行為がこの条に基づいて許される場合には、その行為を禁止し、又は制限することを意味する協定にいずれかの条件(このような条件は、第296条のAに基づいて、無効である。)が存在するか否かは、重要ではない。 |
(逆コンパイル)
|
第50条のB |
(1) |
低い水準の言語で表現されたコンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、次に掲げる行為を行うことは、第2項の条件が満たされることを条件として、著作権の侵害ではない。 |
|
(a) |
それをより高い水準の言語で表現されたバージョンに変換すること。 |
|
(b) |
プログラムをそのように変換する過程において付随的に、それを複製する(すなわち、それを「逆コンパイルする」)こと。 |
(2) |
条件は、次のとおりである。 |
|
(a) |
逆コンパイルされたプログラム又は他のプログラムとともに作動することができる独立したプログラムを創作する上で必要な情報を得るためにプログラムを逆コンパイルすることが必要であること(「許される目的」)。 |
|
(b) |
そのように得られた情報が、許される目的以外のいずれの目的のためにも使用されないこと。 |
(3) |
特に、適法な使用者が次に掲げるいずれかに該当する場合には、条件は、満たされない。 |
|
(a) |
許される目的を達成するために必要な情報を容易に入手することができる場合 |
|
(b) |
許される目的を達成するために必要な行為のみに逆コンパイルすることを限定しない場合 |
|
(c) |
逆コンパイルすることにより得られる情報を、許される目的を達成するためにそれを提供する必要のないいずれの者にも提供する場合 |
|
(d) |
逆コンパイルされたプログラムにその表現が実質的に類似するプログラムを創作するため、又は著作権により制限されるいずれかの行為を行うために、その情報を使用する場合 |
(4) |
ある行為がこの条に基づいて許される場合には、その行為を禁止し、又は制限することを意図する協定にいずれかの条件(このような条件は、第296条のAに基づいて、無効である。)が存在するか否かは、重要ではない。 |
(コンピュータ・プログラムの観察、研究及び検査)
|
第50条のBA |
(1) |
コンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、そのプログラムのいずれかの要素の基礎を成すアイディア及び原則を決定するためにそのプログラムの機能を観察し、研究し、及び検査することは、その者がそうする資格を有するプログラムのロード、ディスプレー、作動、送信又は蓄積の行為のいずれかを実施する間にそのようなことを行う場合には、著作権の侵害ではない。 |
(2) |
ある行為がこの条に基づいて許される場合には、その行為を禁止し、又は制限することを意図する協定にいずれかの条件(このような条件は、第296条のAに基づいて無効である。)が存在するか否かは、重要ではない。 |
(適法な使用者に許される他の行為)
|
第50条のC |
(1) |
コンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、それを複製し、又は翻案することは、次に掲げる2つの条件を満たす場合には、著作権の侵害ではない。 |
|
(a) |
複製又は翻案が、その者の適法な使用のために必要であること。 |
|
(b) |
その者の使用が適法であるという状況を規制する協定のいずれの条件に基づいても、複製又は翻案が禁止されないこと。 |
(2) |
特に、その中の誤りを訂正する目的のためにそれを複製し、又は翻案することは、コンピュータ・プログラムの適法な使用のために必要であるかもしれない。 |
(3) |
この条の規定は、第50条のA、第50条のB又は第50条のBAに基づいて許されるいずれの複製又は翻案についても適用されない。 |
データベース――許される行為
|
(データベースに関して許される行為)
|
第50条のD |
(1) |
データベース又はデータベースのいずれかの部分を使用する権利を有する者が、(データベースの著作権により制限される行為のいずれかを行うことの許諾その他に基づいて)、その権利の行使において、そのデータベース又はデータベースのその部分の内容にアクセスし、及びそれらを使用する目的のために必要ないずれのことを行うことも、そのデータベースの著作権の侵害ではない。 |
(2) |
データベースの著作権を侵害することとなるような行為が、この条に基づいて許される場合には、その行為を禁止し、又は制限することを意味するいずれかの協定にいずれかの条件(このような条件は、第296条のBに基づいて、無効である。)が存在するか否かは、重要ではない。 |
意 匠
|
(意匠文書及びひな型)
|
第51条 |
(1) |
意匠に従って物品を作成し、又は意匠に従って作成した物品を複製することは、美術の著作物又はタイプフェイス以外のいずれかのもののための意匠を記録し、若しくは収録している意匠文書又はひな型のいずれの著作権の侵害でもない。 |
(2) |
その作成が第1項に基づいてその著作権の侵害ではなかったいずれかのものを公衆に配布し、又は映画に挿入し、又は公衆に伝達することも、著作権の侵害ではない。 |
(3) |
この条において、
「意匠」とは、物品の全体若しくは部分の形状又は輪郭(内部又は外部の)の意匠であって、表面の装飾以外のものをいう。
「意匠文書」とは、素描、記述、写真、コンピュータに蓄積されたデータその他の形式によるかどうかを問わず、意匠のいずれの記録をもいう。 |
|
第52条 削除 |
(意匠登録を信用して行われること)
|
第53条 |
(1) |
美術の著作物の著作権は、次に掲げるように行われるいずれのことによっても、侵害されない。 |
|
(a) |
登録された以下の者により行われる譲渡又はその者により付与される許諾 |
|
|
(i) |
1949年の登録意匠法に基づく相当意匠の所有者、及び |
|
|
(ii) |
共同体意匠規則に基づく相当登録共同体意匠の所有者 |
|
(b) |
1949年法に基づく登録の場合において、登録を信用して善意で、及び登録を取消し、若しくは無効にするため又は意匠登録簿中の関係する記載事項を修正するためのいずれの手続も知らされずに; |
|
また、このことは、所有者として登録された者が、1949年法の目的上意匠の所有者でなかったかどうか、又は、共同体意匠規則に基づく登録の場合において、権利者として登録された者が、当該規則の目的において、意匠の権利者ではなかったかどうか、にかかわりない。 |
(2) |
第1項において、美術の著作物に関して「相当意匠」とは、物品に応用されたならば、この部の規定の目的上美術の著作物の複製物として取り扱われるいずれかのものを生み出す1949年法の意味における意匠をいう。 |
(3) |
第1項において、美術の著作物に関して「相当登録共同体意匠」とは、物品に応用されたならば、この部の規定の目的上美術の著作物の複製物として取り扱われるものを作り出す共同体意匠規則の意味における意匠をいう。 |
(4) |
この条において、「共同体意匠規則」とは、共同体意匠に関する2001年12月12日の欧州委員会規則(EC)6/2002を意味する。 |
タイプフェイス
|
(印刷の通常の過程におけるタイプフェイスの使用)
|
第54条 |
(1) |
次に掲げることは、タイプフェイスの意匠から成る美術の著作物の著作権の侵害ではない。 |
|
(a) |
タイプ打ち、本文の活字組み、植字若しくは印刷の通常の過程においてタイプフェイスを使用すること。 |
|
(b) |
そのような使用を目的として物品を所持すること。 |
|
(c) |
そのような使用により作成される資料に関していずれかのことを行うこと。 |
|
また、このことは、著作物の侵害複製物である物品が使用されるかどうかにかかわりない。 |
(2) |
もっとも、この部の次に掲げる諸規定は、第1項に定める資料の作成がタイプフェイスの意匠から成る美術の著作物の著作権を侵害しなかったものとして、特定のタイプフェイスにより資料を作成することを特別に意図され、若しくはそのように適応されている物品を作成し、輸入し、若しくは利用し、又はそれらの利用を目的としてそのような物品を所持する者に関して、適用される。 |
|
|
第24条 |
(二次侵害――侵害複製物の作成のための物品の作成、輸入、所持又は利用) |
第99条及び第100条 |
(引渡し命令及び押収の権利) |
第107条第2項 |
(そのような物品の作成又は所持の罪) |
第108条 |
(刑事訴訟手続における引渡し命令) |
|
(3) |
第2項における物品の「利用」への言及は、販売、賃貸、販売若しくは賃貸のための陳列、公の展示又は頒布への言及である。 |
(特定のタイプフェイスにより資料を作成するための物品)
|
第55条 |
(1) |
この条の規定は、タイプフェイスにより資料を作成することを特別に意図し、又はそのことに適応されている物品が、著作権者により又はその許諾を得て発売されている場合に、タイプフェイスの意匠から成る美術の著作物の著作権について適用される。 |
(2) |
そのような最初の物品が発売される暦年の終わりから25年の期間の後は、著作物は、著作物の著作権を侵害することなく、そのような物品を更に作成し、又はそのような物品を作成する目的のためにいずれかのことを行うことにより複製することができ、また、そのように作成された物品に関していずれのことを行うこともできる。 |
(3) |
第1項において、「発売された」とは、連合王国その他において販売され、賃貸され、又は販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されたことをいう。 |
電子的形式による著作物
|
(電子的形式による著作物の複製物の移転)
|
第56条 |
(1) |
この条の規定は、電子的形式による著作物の複製物が、明示的若しくは黙示的に、又は法律のいずれかの規則に基づいて、購入者による著作物の使用に関連して、著作物を複製し、又は著作物を翻案し、若しくは翻案の複製物を作成することを購入者に許す条件で購入された場合に、適用される。 |
(2) |
次に掲げるいずれかの明示的な条件がないときは、購入者が行うことを許されたいずれのことも、著作権を侵害することなく、移転を受けた者が行うことができる。 |
|
(a) |
購入者による複製物の移転を禁止し、移転の後も続く義務を課し、いずれの許諾の譲渡をも禁止し、又は移転についてのいずれの許諾をも終結させる条件 |
|
(b) |
購入者が行うことを許されたことを、移転を受けた者が行うことができる条件を規定する条件 |
|
ただし、購入者が作成した移転されないいずれの複製物、翻案又は翻案の複製物も、移転の後のすべての目的上、侵害複製物として取り扱われる。 |
(3) |
当初購入した複製物がもはや使用することができなくなり、かつ、移転されるものがその代わりに使用される更に後の複製物である場合にも、同じことが適用される。 |
(4) |
前記の規定は、第2項における購入者への言及を以後の移転者への言及に代えて、以後の移転についても適用される。 |
雑則――文芸、演劇、音楽及び美術の著作物
|
(無名又は変名の著作物――著作権の消滅又は著作者の死亡についての推定に基づいて許される行為)
|
第57条 |
(1) |
文芸、演劇、音楽又は美術の著作物の著作権は、次に掲げる時に行われる行為により、又は次に掲げる時に行われる手筈に従って行われる行為により、侵害されない。 |
|
(a) |
合理的な調査により著作者の身元を確認することができない時 |
|
(b) |
次に掲げることを推定することが合理的である時 |
|
|
(i) |
著作権が消滅していること。 |
|
|
(ii) |
行為又は手筈が行われる暦年の初めから70年以上前に著作者が死亡していたこと。 |
(2) |
第1項(b)号(ii)の規定は、次に掲げる著作物に関しては適用されない。 |
|
(a) |
国王の著作権が存続する著作物 |
|
(b) |
著作権が第168条の規定に基づいて当初国際機関に帰属していた著作物であって、それについて同条に基づく命令が70年より長い著作権存続期間を明示しているもの。 |
(3) |
共同著作物に関しては、 |
|
(a) |
第1項における著作者の身元を確認することができることへの言及は、著作者のいずれかの身元を確認することができることへの言及と解釈される。 |
|
(b) |
第1項(b)号(ii)における死亡した著作者への言及は、死亡したすべての著作者への言及と解釈される。 |
(話された言葉の草稿又は記録物のある種の場合における使用)
|
第58条 |
(1) |
話された言葉の記録が、次に掲げるいずれかのことを目的として文書その他により作成される場合には、その目的のために記録若しくはそれからとった資料を使用すること(又は記録若しくはそのようないずれかの資料を複製し、及び複製物を使用すること)は、以下のすべての条件が満たされることを条件として、文芸の著作物としての言葉のいずれの著作権の侵害でもない。 |
|
(a) |
時事の事件を報道すること。 |
|
(b) |
著作物の全体若しくは部分を公衆に伝達すること。 |
(2) |
条件は、次のとおりである。 |
|
(a) |
記録が、話された言葉の直接の記録であって、以前の記録又は放送からとられたものでないこと。 |
|
(b) |
記録の作成が話し手により禁止されておらず、かつ、著作権がすでに著作物に存続する場合には、著作権を侵害していなかったこと。 |
|
(c) |
記録又はそれからとった資料の使用が、記録が作成される前に話し手若しくは著作権者により又はその者のために、禁止された種類のものでないこと。 |
|
(d) |
使用が、記録を適法に所有する者により又はその許諾を得て行われること。 |
(公の朗読又は朗踊)
|
第59条 |
(1) |
発行された文芸又は演劇の著作物からの合理的な抜粋の1人の者による公の朗読又は朗誦は、十分な出所明示を伴うときは、その著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(2) |
著作物の著作権は、第1項に基づいて著作物の著作権を侵害しない朗読若しくは朗誦の録音物を作成し、又はそれを公衆に伝達することにより侵害されない。ただし、録音物又は公衆への伝達が、同項の規定に頼る必要がない資料から主として成ることを条件とする。 |
(学術上又は技術上の論文の摘要)
|
第60条 |
(1) |
学術上又は技術上の主題についての論文が、その論文の内容を記述する摘要を伴って定期刊行物において発行される場合には、その摘要を複製し、又はその複製物を公衆に配布することは、その摘要又は論文の著作権の侵害ではない。 |
(2) |
この条の規定は、許諾の付与について規定する第143条に基づいてこの条の目的上証明される許諾要綱があるときは、又はその限度において、適用されない。 |
(民謡の録音物)
|
第61条 |
(1) |
歌の実演の録音物は、営利のために設置又は運営されていない団体が維持する記録保存所にそれを入れることを目的として、文芸の著作物としての歌詞又は伴奏音楽の著作物のいずれの著作権をも侵害することなく、作成することができる。ただし、第2項のすべての条件が満たされることを条件とする。 |
(2) |
条件は、次のとおりである。 |
|
(a) |
録音物が作成される時に歌詞が未発行であり、かつ、著作者が知られていないこと。 |
|
(b) |
録音物の作成が、他のいずれの著作権をも侵害しないこと。 |
|
(c) |
その作成が、いずれの実演家によっても禁止されないこと。 |
(3) |
第1項に基づいて作成され、かつ、同項において言及されている記録保管所に含まれている録音物の単一の複製物は、以下の条件に従う限りにおいて、録音物又はそれに含まれる著作物の著作権を侵害することなく、作成及び提供することができる。 |
|
(a) |
記録保管人に対して、第4項に示された情報を含む書面による宣言を提供している者からの要求に応じて、複製物が提供される場合であり、かつ |
|
(b) |
記録保管人が、その宣言が具体的な詳細に関して虚偽であることを知らない場合。 |
(4) |
宣言に含まなければならない情報は、以下のことである。 |
|
(a) |
複製物を要求する者及びその者が要求する録音物の名称、
|
|
(b) |
その者が過去にいずれの記録保管人によって当該録音物の複製物の提供を受けていないことの声明 |
|
(c) |
その者が非商業的な目的のための調査又は私的学習のための目的のために複製物を要求し、それらの目的のためにのみ使用し、その他の者にその複製物を提供しない予定であることの声明 |
(5) |
記録保管所が、この条に基づいて複製物を供給するために料金を徴収する場合、徴収される合計額は、その複製物を作成する費用を参照して計算されなければならない。 |
(6) |
ある者(P)がこの条に基づいて、具体的な詳細に関して虚偽である宣言を行い、及びPにより作成されたのであれば侵害複製物となっていたであろう複製物の提供を受ける場合には、
|
|
(a) |
Pは、あたかもPがその複製物を作成したものとして、侵害の責任を負い、かつ、
|
|
(b) |
Pに対して提供されたその複製物は、すべての目的において、侵害複製物として取り扱われるものとする。
|
(7) |
この条における記録保管人への言及は、記録保管人に代わって行為をする者を含む。 |
(公開されているある種の美術の著作物の表現)
|
第62条 |
(1) |
この条の規定は、次に掲げる著作物について適用される。 |
|
(a) |
建築物 |
|
(b) |
公開の場所又は公衆に開放されている構内に恒常的に設置されている彫刻、建築物のためのひな形及び美術工芸の著作物 |
(2) |
そのような著作物の著作権は、次に掲げる行為により侵害されない。 |
|
(a) |
その著作物を表現する図画の著作物を作成すること。 |
|
(b) |
その著作物の写真又は映画を作成すること。 |
|
(c) |
その著作物の視覚的影像の放送を行うこと。 |
(3) |
その作成がこの条に基づいて著作権の侵害でなかったいずれのものの複製物を公衆に配布し、それを公衆に伝達することによっても、著作権は侵害されない。 |
(美術の著作物の販売の広告)
|
第63条 |
(1) |
美術の著作物の販売を広告することを目的としてそれを複製し、又は複製物を公衆に配布することは、その著作物の著作権の侵害ではない。 |
(2) |
この条の規定によらなければ侵害複製物となる複製物が、この条の規定に従って作成されたが、その後他のいずれかの目的のために利用される場合には、その複製物は、その利用の目的上、及びその利用が著作権を侵害するときはその後のすべての目的上、侵害複製物として取り扱われる。
この目的上、「利用される」とは、販売され、賃貸され、販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列され、公に展示され、頒布され、又は公衆に伝達されることをいう。 |
(同一の美術家による以後の著作物の作成)
|
第64条 |
|
美術の著作物の著作者が著作権者でない場合には、その著作者は、その著作物を他の美術の著作物の作成において複製することにより著作権を侵害しない。ただし、その者が、以前の著作物の主たる意匠を繰り返さず、又は模倣しないことを条件とする。 |
(建築物の改築)
|
第65条 |
|
建築物を改築する目的のために行ういずれのことも、次に掲げる著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
|
(a) |
建築物 |
|
(b) |
建築物が著作権者により又はその許諾を得て、それに従って建設された元となったいずれかの素描又は図面 |
雑則――著作物の貸与及び録音物の演奏
|
(ある種の著作物の複製物の公衆への貸与)
|
第66条 |
(1) |
所管大臣は、命令により、命令に明示することができる場合に、文芸、演劇、音楽若しくは美術の著作物、録音物又は映画の複製物の公衆への貸与が、合意される、又は合意がないときに著作権審判所により決定される合理的な使用料その他の報酬の支払いのみを条件として、著作権者により許諾されたものとして取り扱われる旨を規定することができる。 |
(2) |
このようないずれの命令も、許諾の付与について規定する第143条に基づいてこの条の目的上証明される許諾要綱があるときは、又はその限度において、適用されない。 |
(3) |
命令は、異なる事案について異なる規定を定めることができ、また、著作物、貸与される複製物、貸与者又は貸与の状況に関するいずれの要素にも言及することにより各事案を明示することができる。 |
(4) |
命令は、制定文書により定められる。また、いずれの命令も、その草案が議会の両院に提出され、かつ、両院の決議により承認されない限り、定められない。 |
(5) |
この条のいずれの規定も、侵害複製物の貸与に関して、第23条(二次侵害――侵害複製物の所持又は利用)に基づくいずれの責任にも影響しない。 |
雑則――映画及び録音物
|
(映画――著作権の消滅等についての推定に基づいて許される行為)
|
第66条のA |
(1) |
映画の著作権は、次に掲げる時に行われる行為、又は次に掲げる時に行われる手筈に従って行われる行為により、侵害されない。 |
|
(a) |
第13条のB第2項(a)号から(d)号までに掲げる者(その者の生存への言及により著作権が確認される者)のうちのいずれかの者の身元を確認することが、合理的な調査によりできない時 |
|
(b) |
次に掲げることを推定することが合理的である時 |
|
|
(i) |
著作権が消滅していること。 |
|
|
(ii) |
行為又は手筈が行われる暦年の初めから70年以上前に、それらの者のうち最後に死亡した者が死亡していたこと。 |
(2) |
第1項(b)号(ii)の規定は、次に掲げる映画に関しては適用されない。 |
|
(a) |
国王の著作権が存続する映画 |
|
(b) |
第168条の規定に基づいて著作権が当初国際機関に帰属していた映画であって、それについて同条に基づく枢密院令が70年より長い著作権存続期間を定めているもの。 |
(クラブ、協会等を目的とする録音物の演奏)
|
第67条 削除 |
(放送を目的とする付随的録音・録画)
|
第68条 |
(1) |
この条の規定は、著作権の許諾又は譲渡に基づいて、ある者が次に掲げる著作物を放送することを許諾される場合に、適用される。 |
|
(a) |
文芸、演劇若しくは音楽の著作物又はそのような著作物の翻案 |
|
(b) |
美術の著作物 |
|
(c) |
録音物又は映画 |
(2) |
その者は、この条に基づいて、放送を目的として次に掲げるいずれかのことを行い、又は許諾することを著作物の著作権者により許諾されたものとして取り扱われる。 |
|
(a) |
文芸、演劇若しくは音楽の著作物又はそのような著作物の翻案の場合には、その著作物又は翻案の録音物又は映画を作成すること。 |
|
(b) |
美術の著作物の場合には、その著作物の写真を撮り、又はその映画を作成すること。 |
|
(c) |
録音物又は映画の場合には、その複製物を作成すること。 |
(3) |
その許諾は、次に掲げる条件に従う。 |
|
(a) |
当該録音物、映画、写真又は複製物が、他のいずれの目的のためにも使用されないこと。 |
|
(b) |
当該録音物、映画、写真又は複製物が、著作物を放送することに最初に使用されたときから28日以内に破棄されること。 |
(4) |
この条に従って作成される録音物、映画、写真又は複製物は、次に掲げる目的上、侵害複製物として取り扱われる。 |
|
(a) |
第3項(a)号に定める条件に違反したいずれかの使用の目的上 |
|
(b) |
その条件又は第3項(b)号に定める条件が破られた後のすべての目的上 |
(放送その他の業務の監視及び管理を目的とする録音・録画)
|
第69条 |
(1) |
著作権は、英国放送協会が放送し、またはそれにより提供されるオンデマンドプログラムサービスに含まれた番組に対する監視及び管理の維持を目的として、それらの番組の録音・録画物を英国放送協会が作成し、及び使用することにより侵害されない。 |
(2) |
著作権は、次に掲げるものに従って行われるいずれのことによっても侵害されない。 |
|
(a) |
1990年の放送法第167条第1項の規定、1996年の放送法第115条第4項若しくは第6項又は第117条の規定又は2003年の通信法附則第12条第20項の規定 |
|
(b) |
2003年の通信法第334条第1項の規定に基づいて、同法第1部若しくは第3部又は1996年の放送法第1部若しくは第2部に基づいて付与される許諾に含められる条件 |
|
(c) |
1990年の放送法第109条第2項(録音・録画物等の作成を要求するOFCOM(英国通信庁)の権限)に基づいて与えられる指示 |
|
(d) |
2003年の通信法第334条第3項、第368条のO第1項又は第3項の規定 |
(3) |
1990年の放送法、1996年の放送法又は2003年の通信法に基づくOFCOMの機能のいずれかの実施に関連して、OFCOMが次に掲げるいずれかを使用することにより著作権は侵害されない。 |
|
(a) |
それらの法律のいずれかの規定に基づいてOFCOMに提供されるいずれかの録音・録画物、台本又は転写 |
|
(b) |
2003年の通信法第30条に基づいて策定される計画によりOFCOMに移転されるいずれかの現存する資料 |
(4) |
第3項において、「現存する資料」とは、次に掲げるものをいう。 |
|
(a) |
1990年の放送法又は1996年の放送法のいずれかの規定に基づいて独立テレビジョン委員会又はラジオ放送当局に提供されたいずれかの録音・録画物、台本又は転写 |
|
(b) |
1996年の放送法第115条第4項若しくは第5項又は第116条第5項に基づいて放送基準委員会に提供されたいずれかの録音・録画物又は転写 |
(5) |
2003年の通信法第368B条に基づいて設立された関連規制当局の機能のいずれかの実施に関連して、同法のいずれかの規定に基づいて当該規制当局に提供されたいずれかの録音・録画物又は転写に関して使用することにより著作権は侵害されない。 |
(6) |
この条において「オンデマンドプログラムサービス」とは、2003年の通信法におけるのと同じ意味をもつ(同法368A条参照)。 |
(タイム・シフトを目的とする録音・録画)
|
第70条 |
(1) |
放送をより都合のよい時に見又は聞くことを可能とすることのみを目的として放送の録音・録画物を私的及び家庭内の使用のために家庭の構内で作成することは、その放送又はそれに挿入されているいずれの著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(2) |
この条によらなければ侵害複製物となる複製物が、この条に従って作成されるが、その後に利用される場合には、 |
|
(a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われる。 |
|
(b) |
その利用が著作権を侵害するときは、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われる。 |
(3) |
第2項において、「利用される」とは、販売され、若しくは賃貸され、販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列され、又は公衆に伝達されることをいう。 |
(放送の写真)
|
第71条 |
(1) |
放送の部分を構成するいずれかの影像の全体若しくはいずれかの部分の写真又はそのような写真の複製物を私的及び家庭内の使用のために家庭の構内で作成することは、その放送又はそれに挿入されているいずれの映画のいずれの著作権をも侵害しない。 |
(2) |
この条によらなければ侵害複製物となる複製物が、この条に従って作成されるが、その後に利用される場合には、 |
|
(a) |
その複製物は、その利用の目的上侵害複製物として取り扱われる。 |
|
(b) |
その利用が著作権を侵害するときは、その複製物は、その後のすべての目的上侵害複製物として取り扱われる。 |
(3) |
第2項において、「利用される」とは、販売され、若しくは賃貸され、販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列され、又は公衆に伝達されることをいう。 |
(放送の無料の公の上映又は演奏)
|
第72条 |
(1) |
放送が見られ、若しくは聞かれる場所への入場について料金を支払っていない聴衆に対して放送を公に上映し、若しくは演奏することは、次に掲げるもののいずれの著作権をも侵害しない。 |
|
(a) |
放送 |
|
(b) |
それに挿入されているいずれかの録音物(それが除外録音物である限りは除かれる。) |
|
(c) |
それに挿入されているいずれかの映画 |
(1A) |
この部の目的上、「除外録音物」は、次に掲げる2つの条件を満たす録音物である。 |
|
(a) |
その録音物の著作者が、その録音物が挿入されている放送の著作者でないこと。 |
|
(b) |
その録音物が、話され、若しくは歌われる歌詞を伴い、又は伴わない音楽の録音物であること。 |
(1B) |
第1項の規定に基づいて、公に上映され、又は演奏される放送の著作権が侵害されない場合には、その放送に挿入されているいずれの除外録音物の著作権も、侵害されない。ただし、その放送の公の演奏又は上映が、次に掲げる2つの条件を満たすことを条件とする。 |
|
(a) |
削除 |
|
(b) |
次に掲げるいずれかの目的のために必要であること。) |
|
|
(i) |
放送の受信のための設備の修理 |
|
|
(ii) |
そのような設備の修理が実施されたことの証明 |
|
|
(iii) |
そのような設備が販売され、賃貸され、又は販売若しくは賃貸のために提供され、若しくは陳列されていることの証明 |
(2) |
次に掲げる場合には、聴衆は、ある場所への入場について料金を支払っているものとして取り扱われる。 |
|
(a) |
その場所がその部分を構成する場所への入場について料金を支払っている場合 |
|
(b) |
商品又は役務が次に掲げる価格でその場所(又はその場所がその部分を構成する場所)において提供される場合 |
|
|
(i) |
放送を見又は聞くことのために供される設備に実質的に要する価格 |
|
|
(ii) |
そこで通常課される価格を超える価格であって、それらの設備に部分的に要するもの |
(3) |
次に掲げる者は、ある場所への入場について料金を支払っているものとはみなされない。 |
|
(a) |
その場所の居住者又は同居人として入場を許される者 |
|
(b) |
支払いがクラブ又は協会の会員資格のためのみであり、かつ、放送を見るため又は聞くための設備の提供がクラブ又は協会の主たる目的に付随するにすぎない場合に、そのクラブ又は協会の会員として入場を許される者 |
(4) |
放送を行うことが録音物又は映画の著作権の侵害であった場合には、それが放送の受信により公に聞かれ、若しくは見られたという事実は、その侵害に対する損害賠償の査定において考慮される。 |
(無線放送の有線による受信及び再送信)
|
第73条 |
(1) |
この条の規定は、連合王国内のある場所から行われる無線放送が、受信され、かつ即時に再送信される場合に、適用される。 |
(2) |
放送の著作権は、次に掲げる場合には侵害されない。 |
|
(a) |
有線による再送信が、関係する要件に従って行われる場合。 |
|
(b) |
放送が、有線により再送信される地域における受信のために行われ、かつ、資格あるサービスの部分を構成する場合、及びその限度において。 |
(3) |
放送に挿入されているいずれの著作物の著作権も、放送が、有線により再送信される地域における受信のために行われるとき、及びその限度において、侵害されない。ただし、放送を行うことが著作物の著作権の侵害であった場合には、放送が有線により再送信されたという事実は、その侵害に対する損害賠償の査定において考慮される。 |
(4) |
(a) |
有線による再送信が、関係する要件に従って行われるが、 |
|
(b) |
有線による再送信が行われる地域(「有線地域」)が、いずれの程度までであっても、放送が行われる受信のための地域(「放送地域」)の外側に出る場合には、 |
|
放送に挿入されているいずれの著作物の有線による再送信(それが放送地域の外側に出る有線地域の多くのために提供される程度まで)は、第5項に従うことを条件として、有線による放送の再送信について合意される、又は合意がないときに著作権審判所により決定される合理的な使用料その他の報酬を、放送を行う者が著作権者に支払うことのみを条件として、著作物の著作権者により許諾されたものとして取り扱われる。 |
(5) |
第4項の規定は、有線による著作物の再送信が(同項は別として)著作物の著作権者の許諾を得ているときは、又はその限度において、適用されない。 |
(6) |
この項において、「資格あるサービス」とは、第8項に従うことを条件として、次に掲げるいずれかのサービスをいう。 |
|
(a) |
チャンネル3の地域又は全国サービス |
|
(b) |
チャンネル4、チャンネル5及びS4C |
|
(c) |
公共テレテキスト・サービス |
|
(d) |
S4Cのデジタル・サービス |
|
(e) |
英国放送協会のテレビジョン放送サービス及びテレテキスト・サービス |
|
また、この項において使用されている表現は、2000年の通信法第3部におけると同一の意味を有する。 |
(7) |
この条において、「関係する要件」とは、2003年の通信法第64条(must-carry義務)に基づいてその設定が許可される一般条件(同法第2部第1章の意味における)により課される要件をいう。 |
(8) |
所管大臣は、命令により、「資格あるサービス」の定義にいずれかのサービスを追加し、又はそれからいずれかのサービスを除去するように第6項を改正することができる。 |
(9) |
所管大臣は、また、命令により、次に掲げることを定めることができる。 |
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(a) |
特定の場合に、第3項の規定は、同項に定めるところに従って行われない特定の種類の放送に関して適用される旨を規定すること。 |
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(b) |
同項に定めるところに従って行われる特定の種類の放送に関して同項の規定の適用を除外すること。 |
(10) |
いずれかの種類の放送に関して第9項(b)号により付与される権限を所管大臣が行使する場合には、命令は、また、命令に明示される修正に従うことを条件として、第4項の規定をその種類の放送に関して適用する旨を規定することができる。 |
(11) |
この条に基づく命令は、所管大臣が適当と認める経過規定を含むことができる。 |
(12) |
この条に基づく命令は、議会の上院又は下院の決議に従って廃止することができる制定文書により定められる。 |
(13) |
この条において、有線による再送信への言及は、地上固定地間のマイクロ波エネルギーの送信を含む。 |
(使用料その他の金額)
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第73条のA |
(1) |
第73条(無線放送の有線による受信及び再送信)第4項に従って支払われる使用料その他の金額を決定するための申請は、著作権者又は放送を行う者により著作権審判所に対して行うことができる。 |
(2) |
著作権審判所は、事項を検討し、かつ、状況において合理的であると決定することができる命令を定める。 |
(3) |
いずれの当事者も、その後、命令を変更することを著作権審判所に申請することができる。また、著作権審判所は、最初の命令を追認し、又は変更する命令であって、状況において合理的であると決定することができるものを定める。 |
(4) |
第3項に基づく申請は、著作権審判所の特別の許可がある場合を除き、最初の命令の日又は同項に基づく以前の申請による命令の日から12カ月以内には行われない。 |
(5) |
第3項に基づく命令は、それが定められる日又は著作権審判所が明示することができる後の日から効力を生じる。 |
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第74条 削除 |
(記録保管所に入れることを目的とした放送の録音・録画)
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第75条 |
(1) |
放送の録音・録画物又はそのような録音・録画物の複製物は、放送又はそれに挿入されているいずれの著作物のいずれの著作権をも侵害することなく、営利を目的として設立又は運営されていない団体が維持する記録保存所に入れることを目的として作成することができる。 |
(2) |
ある契約の規定が、本条によって、著作権侵害とされないいずれの行為を実施することを防止し、又は制限する範囲において、当該規定は強制できないものとされる。 |
翻 案
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(翻案)
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第76条 |
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この章に基づいて文芸、演劇又は音楽の著作物の著作権を侵害することなく行うことができる行為は、その著作物が翻案である場合には、その翻案が作成された元の著作物のいずれの著作権をも侵害しない。 |
第3章のA 権利者不明著作物の特定の許された使用 |
(権利者不明著作物の許された使用)
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第76条のA |
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附則ZA1において、権利者不明著作物の関連団体による使用についての規定を定める。 |