第6章 侵害救済
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著作権者の権利及び救済
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(著作権者が提訴することができる侵害)
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第96条 |
(1) |
著作権の侵害は、著作権者が提訴することができる。 |
(2) |
著作権侵害訴訟において、原告は、損害賠償、差止命令、計算その他による救済であって、他のいずれの財産権の侵害についても利用することができるすべてのものを、利用することができる。 |
(3) |
この条の規定は、この章の以下の規定に従うことを条件として、効力を有する。 |
(侵害訴訟における損害賠償についての規定)
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第97条 |
(1) |
著作権侵害訴訟において、侵害の時に、訴訟が関係する著作物に著作権が存続することを被告が知らず、かつ、そう信じる理由を有しなかったことが証明される場合には、原告は、被告に対する損害賠償(請求)について資格を有しない。ただし、他のいずれの救済をも害しない。 |
(2) |
裁判所は、著作権侵害訴訟において、すべての状況、特に次に掲げることを考慮して、事案の判事が要求することができる追加の損害賠償を裁定することができる。 |
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(a) |
侵害の悪質性 |
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(b) |
侵害を理由として被告に生じるいずれかの利益 |
(サービス提供者に対する差止命令)
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第97条のA |
(1) |
高等裁判所(スコットランドにおいては民事控訴院)は、サービス提供者が、そのサービスを著作権を侵害するために使用する他の者のことを現実に知っている場合には、そのサービス提供者に対して差止命令を与える権限を有する。 |
(2) |
サービス提供者がこの条の目的上現実に知っているかどうかを決定する際に、裁判所は、特定の状況において適切であると認めるすべての事項を考慮し、かつ、特に次に掲げることに配慮する。 |
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(a) |
2002年の電子取引(EC指令)規則(SI2002/2013)の規則第6第1項c号に従って提供される接触の手段を通じてサービス提供者が通知を受領しているかどうか。 |
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(b) |
いずれの通知にも含まれる次に掲げるものの範囲 |
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(i) |
通知の発送者の氏名(フルネーム)及び住所 |
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(ii) |
当該侵害の詳細 |
(3) |
この条において、「サービス提供者」は、2002年の電子取引(EC指令)規則の規則第2により与えられる意味を有する。 |
(侵害訴訟手続において権利の許諾を得る約束)
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第98条 |
(1) |
第144条(競争及び市場当局報告の結果として行使することができる権限)に基づく権利として許諾を利用することができる著作権侵害訴訟手続において、合意することができる条件で、又は合意がないときは同条に基づいて著作権審判所が決定することができる条件で、許諾を得ることを被告が約束するときは、 |
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(a) |
いずれの差止命令も、被告に対して与えられない。 |
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(b) |
いずれの引渡し命令も、第99条に基づいて定められない。 |
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(c) |
損害賠償として又は利得の計算により被告に対して取得することができる金額は、それらの条件によるそのような許諾が最も早い侵害の前に与えられていたならば、許諾を得た者としての被告により支払われたであろう金額の2倍を超えない。 |
(2) |
約束は、責任をなんら容認することなく、訴訟手続における最終命令の前いつでも与えることができる。 |
(3) |
この条のいずれの規定も、権利の許諾を利用することができる前に犯された侵害について利用することができる救済に影響しない。 |
(引渡し命令)
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第99条 |
(1) |
ある者が、次に掲げるいずれかに該当する場合には、著作物の著作権者は、侵害複製物又は侵害物品がその者その他裁判所が指示することができる者に引き渡される旨の命令を裁判所に申請することができる。 |
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(a) |
著作物の侵害複製物を、業務の過程において自己の所有、保管若しくは管理の下に有する場合 |
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(b) |
それが侵害複製物を作成するために使用され、若しくは使用されるべきことを知り、又はそう信じる理由を有しながら、著作権のある特定の著作物の複製物を作成することを特に意図され、又はそのように適応されている物品を、自己の所有、保管若しくは管理の下に有する場合 |
(2) |
申請は、第113条(以後は引渡しの救済を利用することができない期間)に明示する期間の終了後は、行われない。また、いずれの命令も、第114条(侵害複製物その他の物品の処分についての命令)に基づく命令を裁判所も定め、又はそのような命令を定める根拠があると裁判所が認めない限り、定められない。 |
(3) |
この条に基づく命令に従って侵害複製物その他の物品の引渡しを受ける者は、第114条に基づく命令が定められないときは、同条に基づく命令が定められるまで、又はそのような命令を定めない旨の決定があるまでの間は、それを保持する。 |
(4) |
この条のいずれの規定も、裁判所の他のいずれの権限にも影響しない。 |
(侵害複製物その他の物品を押収する権利)
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第100条 |
(1) |
陳列され、その他販売又は賃貸のために直接提供されていると認められる著作物の侵害複製物であって、それについて著作権者が第99条に基づく命令を申請する資格を有するものは、その者又はその者の許諾を得た者が押収し、及び保留することができる。
押収及び保留の権利は、以下の条件に従って行使することができ、かつ、第114条に基づく裁判所のいずれの決定にも従う。 |
(2) |
この条に基づいていずれかのものが押収される前に、提案される押収の時間及び場所の通告が、地域の警察署に行われなければならない。 |
(3) |
いずれの者も、この条により付与される権利を行使することを目的として、公衆が接近することができる構内に入ることができる。ただし、ある者の恒常的又は通常の事業所においてその者の所有、保管又は管理の下にあるいずれのものを押収することもできず、また、いずれの威力を行使することもできない。 |
(4) |
いずれかのものがこの条に基づいて押収される時に、それが押収される場所に、押収を行う者又は押収を許可する者についての所定の詳細及び押収が行われる根拠を記載した所定の形式による掲示が残される。 |
(5) |
この条において、
「構内」は、土地、建物、可動構造物、車両、船舶、航空機及びホーバークラフトを含む。
「所定の」とは、所管大臣の命令により定められていることをいう。
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(6) |
この条に基づく所管大臣の命令は、議会の上院又は下院の決議に従って廃止することができる制定文書により定められる。 |
排他的許諾を得た者の権利及び救済
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(排他的許諾を得た者の権利及び救済)
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第101条 |
(1) |
排他的許諾を得た者は、著作権者に対する場合を除き、許諾の付与の後に生じる事項について、許諾が譲渡であったものとして、同一の権利及び救済を有する。 |
(2) |
その者の権利及び救済は、著作権者の権利及び救済と併存する。また、この部の関係規定における著作権者への言及は、それに従って解釈される。 |
(3) |
排他的許諾を得た者がこの条に基づいて提起する訴訟において、被告は、訴訟が著作権者により提起されたならばその者に提供されたであろういずれの抗弁をも利用することができる。 |
(非排他的許諾により提訴できるある種の侵害)
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第101条のA |
(1) |
非排他的許諾を得た者は、次に掲げる場合には、著作権侵害について訴訟を提起することができる。 |
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(a) |
侵害行為が、許諾を得た者の以前許諾を得た行為に直接関連していた場合 |
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(b) |
許諾が、次に掲げる2つの条件を満たす場合 |
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(i) |
書面によるものであり、かつ、著作権者により又はその者のために署名されていること。 |
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(ii) |
この条に基づく訴権を非排他的許諾を得た者に明白に付与していること。 |
(2) |
この条に基づいて提起される訴訟において、非排他的許諾を得た者は、著作権者が訴訟を提起していたならば有したであろう権利及び救済を同一の、その者に提供される権利及び救済を有する。 |
(3) |
この条に基づいて付与される権利は、著作権者の権利と併存する。また、この部の関連規定における著作権者への言及は、それに従って解釈される。 |
(4) |
この条に基づいて非排他的許諾を得た者により提起される訴訟において、被告は、訴訟が著作権者により提起されていたならばその者に提供されたであろういずれの抗弁をも利用することができる。 |
(5) |
第102条第1項から第4項までの規定は、この条が排他的許諾を得た者について適用されると同様に、この条に基づいて訴権を有する非排他的許諾を得た者についても適用される。 |
(6) |
この条において、「非排他的許諾を得た者」とは、著作権者が行使しうる状態にある権利を行使する権限を許諾を得た者に与える許諾の保有者をいう。 |
(併存する権利の行使)
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第102条 |
(1) |
著作権者又は排他的許諾を得た者により提起される著作権侵害訴訟が、それらの者が併存する訴権を有する侵害に関係する(全体的又は部分的に)場合には、著作権者又は場合により排他的許諾を得た者は、他方の者が原告として参加し、又は被告として追加されない限り、裁判所の許可を得ることなく訴訟を続行することはできない。 |
(2) |
第1項に従って被告として追加される著作権者又は排他的許諾を得た者は、訴訟手続に参加しない限り、訴訟におけるいずれの費用についても責任を有しない。 |
(3) |
前記の規定は、著作権者又は排他的許諾を得た者のみによる申請に基づく中間的救済の付与に影響しない。 |
(4) |
著作権者及び排他的許諾を得た者が併存する訴権を有する、又は有した侵害に関する(全体的又は部分的に)著作権侵害訴訟が提起される場合には、 |
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(a) |
裁判所は、損害賠償の査定において次に掲げるものを考慮する。 |
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(i) |
許諾の条件 |
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(ii) |
侵害についてそれらの者のうちの一方の者にすでに裁定され、又は提供されたいずれかの金銭的救済 |
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(b) |
侵害についてそれらの者のうちの他方の者のために損害賠償の裁定が行われ、又は利得の計算が指示されているときは、いずれの利得の計算も指示されない。 |
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(c) |
裁判所は、利得の計算が指示されるときは、それらの者の間のいずれの合意にも従うことを条件として、裁判所が正当と認めるところに従って、それらの者の間で利得を配分する。 |
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また、それらの規定は、著作権者及び排他的許諾を得た者の両者が訴訟の当事者であると否とを問わず、適用される。 |
(5) |
著作権者は、第99条(引渡し命令)に基づく命令を申請する前又は第100条(押収の権利)により付与される権利を行使する前に、併存する権利を有するいずれの排他的許諾を得た者にも通知する。また、裁判所は、排他的許諾を得た者の申請を受けて、第99条に基づく命令又は場合により第100条により付与される権利の著作権者による行使を禁止し、若しくは許可する命令であって、許諾の条件を考慮して裁判所が適当と認めるものを、定めることができる。 |
著作者人格権侵害の救済
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(著作者人格権侵害の救済)
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第103条 |
(1) |
第4章(著作者人格権)により付与される権利の侵害は、その権利について資格を有する者に対して果たすべき法定の義務の違反として提訴することができる。 |
(2) |
第80条(著作物を傷つける取扱いに反対する権利)により付与される権利の侵害訴訟手続において、裁判所は、状況上それが適切な救済であると認めるときは、著作物の取扱いから著作者又は監督を分離する否認が、裁判所が承認することができる条件及び方法で行われない限り、いずれの行為を行うことも禁止する条件で差止命令を与えることができる。 |
推 定
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(文芸、演劇、音楽及び美術の著作物に関する推定)
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第104条 |
(1) |
以下に定める推定は、文芸、演劇、音楽又は美術の著作物についてこの章に基づいて提起される訴訟手続において、適用される。 |
(2) |
著作者の名前であると称する名前が、発行された著作物の複製物に、又は著作物が作成された時にその著作物に記載されていた場合には、その名前が記載されていた者は、反対のことが立証されるまでは、次のように推定される。 |
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(a) |
著作物の著作者であるとして。 |
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(b) |
第11条第2項、第163条、第165条又は第168条(雇用の過程において作成される著作物、国王の著作権、議会の著作権又はある種の国際機関の著作権)に該当しない状況においてその著作物を作成したものとして。 |
(3) |
共同著作物であると申し立てられる著作物の場合には、第2項の規定は、著作者の1人であると申し立てられる各人に関して適用される。 |
(4) |
著作者の名前であると称されるいずれの名前も、第2項に定めるように記載されていないが、次に掲げる2つの条件が満たされる場合には、その名前が記載されていた者は、反対のことが立証されるまでは、発行の時に著作権者であったものと推定される。 |
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(a) |
著作物が第155条(最初の発行の国への言及による資格付与)に基づいて著作権保護について資格を有すること。 |
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(b) |
発行者の名前であると称する名前が、最初に発行された著作物の複製物に記載されていたこと。 |
(5) |
著作物の著作者が死亡しており、又は著作者の身元を合理的な調査により確認することができないときは、反対の証拠がない限り、次に掲げることが推定される。 |
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(a) |
著作物が独創的著作物であること。 |
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(b) |
著作物の最初の発行がどんなものであったかについて及び最初の発行の国についての原告の申し立てが正しいこと。 |
(録音物及び映画に関する推定)
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第105条 |
(1) |
録音物についてこの章に基づいて提起される訴訟手続において、公衆に配布された録音物の複製物が、次に掲げるいずれかのことを記述したラベルその他の表示を付している場合には、そのラベル又は表示は、述べられた事実の証拠として容認され、かつ、反対のことが立証されるまでは正しいものと推定される。 |
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(a) |
名前を掲げられた者が複製物の配布の日に録音物の著作権者であったこと。 |
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(b) |
録音物が、明示された年に又は明示された国において最初に発行されたこと。 |
(2) |
映画についてこの章に基づいて提起される訴訟手続において、公衆に配布された映画の複製物が、次に掲げるいずれかの記述を付している場合には、その記述は、述べられた事実の証拠として容認され、かつ、反対のことが立証されるまでは正しいものと推定される。 |
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(a) |
名前を掲げられた者が映画の監督又は製作者であったこと。 |
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(aa) |
名前を掲げられた者が主たる監督、映画脚本の著作者、対話の著作者又は映画のために特に創作され、かつ、その映画に使用される音楽の作曲者であったこと。 |
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(b) |
名前を掲げられた者が複製物の配布の日に映画の著作権者であったこと。 |
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(c) |
映画が、明示された年に又は明示された国において最初に発行されたこと。 |
(3) |
コンピュータ・プログラムについてこの章に基づいて提起される訴訟手続において、プログラムの複製物が、次に掲げるいずれかの記述を付した電子的形式により公衆に配布される場合には、その記述は、述べられた事実の証拠として容認され、かつ、反対のことが立証されるまでは正しいものと推定される。 |
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(a) |
名前を掲げられた者が複製物の配布の日にプログラムの著作権者であったこと。 |
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(b) |
明示された国においてプログラムが最初に発行され、又は明示された年にその複製物が電子的形式により公衆に最初に配布されたこと。 |
(4) |
前記の推定は、複製物が公衆に配布された日前に発生したと申し立てられる侵害に関する訴訟手続においても適用される。 |
(5) |
映画についてこの章に基づいて提起される訴訟手続において、公に上映され、又は公衆に伝達された映画が、次に掲げるいずれかの記述を付している場合には、その記述は、述べられた事実の証拠として容認され、かつ、反対のことが立証されるまでは正しいものと推定される。 |
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(a) |
名前を掲げられた者が映画の監督又は製作者であったこと。 |
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(aa) |
名前を掲げられた者が主たる監督、映画脚本の著作者、対話の著作者又は映画のために特に創作され、かつ、その映画に使用される音楽の作曲者であったこと。 |
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(b) |
名前を掲げられた者が、映画が作成された直後に映画の著作権者であったこと。 |
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この推定は、映画が公に上映され、又は公衆に伝達された日前に発生したと申し立てられる侵害に関する訴訟手続においても適用される。
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(6) |
この条の目的上、ある者が映画の監督であったという記述は、反対の指摘が現れない限り、その者が映画の主たる監督であったことを意味するものとみなされる。 |
(国王の著作権に従う著作物に関する推定)
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第106条 |
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国王の著作権が存続する文芸、演劇及び音楽の著作物についてこの章に基づいて提起される訴訟手続において、著作物が最初に商業的に発行された年の記述が著作物の印刷された複製物に付されている場合には、その記述は、述べられた事実の証拠として容認され、かつ、反対の証拠がない限り正しいものと推定される。 |
罪
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(侵害物品等の作成又は利用についての刑事責任)
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第107条 |
(1) |
著作権のある著作物の侵害複製物である物品であり、かつ、侵害複製物であることをその者が知り、又はそう信じる理由を有するものについて、著作権者の許諾を得ずに次に掲げるいずれかの行為を行う者は、罪を犯す。 |
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(a) |
販売又は賃貸のために作成すること。 |
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(b) |
その者の私的及び家庭内の使用のため以外に連合王国に輸入すること。 |
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(c) |
著作権を侵害するいずれかの行為を犯す目的で業務の過程において所持すること。 |
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(d) |
業務の過程において、 |
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(i) |
販売し、又は賃貸させること。 |
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(ii) |
販売若しくは賃貸のために提供し、又は陳列すること。 |
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(iii) |
公に展示すること。 |
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(iv) |
頒布すること。 |
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(e) |
著作権者を害するような影響を与える程度にまで、業務の過程以外において頒布すること。 |
(2) |
販売若しくは賃貸又は業務の過程における使用のために侵害複製物を作成することに使用されることを知り、又はそう信じる理由を有しながら、次に掲げるいずれかの行為を行う者は、罪を犯す。 |
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(a) |
著作権のある特定の著作物の複製物を作成することを特に意図され、又はそのように適応されている物品を作成すること。 |
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(b) |
そのような物品を所持すること。 |
(2A) |
次に掲げるいずれかの公衆への伝達により著作物の著作権を侵害する者は、その者がそうすることによりその著作物の著作権を侵害していることを知り、又はそう信じる理由を有する場合には、罪を犯す。 |
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(a) |
業務の過程における著作物の公衆への伝達 |
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(b) |
業務の過程以外における著作物の公衆への伝達であって、著作権者を害するような影響を与える程度までのもの。 |
(3) |
著作権が、(公衆への伝達の受信以外に)次に掲げるいずれかの行為により侵害される場合には、著作物をそのように実演させ、演奏させ、又は上映させたいずれの者も、著作権が侵害されることを知り、又はそう信じる理由を有していたときは、罪について有罪とされる。 |
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(a) |
文芸、演劇又は音楽の著作物の公の実演 |
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(b) |
録音物の公の演奏又は映画の公の上映 |
(4) |
第1項(a)号、(b)号、(d)号(iv)又は(e)号に基づく罪について有罪とされる者は、次に掲げるいずれかの罰に処せられる。 |
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(a) |
即決の有罪判決により、6か月を超えない期間の禁固若しくは罰金又はこの両刑 |
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(b) |
起訴による有罪判決により、罰金若しくは10年を超えない期間の禁固又はこの両刑 |
(4A) |
第2項のAに基づく罪について有罪とされる者は、次に掲げるいずれかの刑に処せられる。 |
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(a) |
即決の有罪判決により、3か月を超えない期間の禁固若しくは罰金又はこの両刑 |
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(b) |
起訴による有罪判決により、罰金若しくは2年を超えない期間の禁固又はこの両刑映 |
(5) |
この条の規定に基づく他のいずれかの罪につき有罪とされる者は、即決の有罪判決により、3か月を超えない期間の禁固若しくは標準等級の段階5を超えない罰金又はこの両刑に処せられる。 |
(6) |
第104条から第106条まで(著作権に関連する各種の事項についての推定)の規定は、この条に基づく罪についての訴訟手続について適用されない。ただし、第108条に基づく命令についての訴訟手続におけるそれらの規定の適用を害しない。 |
(地方度量衡当局による執行)
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第107条のA |
(1) |
第107条の規定を区域内で執行することは、各地方度量衡当局の任務である。 |
(2) |
削除
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(3) |
前記第1項の規定は、北部アイルランドにおける第107条の執行に関しては、適用されない。ただし、北部アイルランドにおいて同条を執行することは、経済開発省の任務とする。 |
(3A) |
本条における任務に関して地方度量衡当局又は北アイルランドにおける企業貿易投資省において利用可能な調査権限については、2015年消費者権利法の附則5を参照。 |
(4) |
1968年の取引種目法の執行を容易にすることを目的として情報の開示を許可するいずれの法令も、第107条が同法に含まれているものとして、かつ、同条の執行に関するいずれの者の職務も同法に基づく職務であるとして、適用される。 |
(5) |
この条のいずれの規定も、スコットランドにおいて罪についての訴訟手続を提起する権限を地方度量衡当局に与えるものと解釈されない。 |
(刑事訴訟手続における引渡し命令)
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第108条 |
(1) |
第107条に基づく罪についてある者に対する訴訟手続の提起を受ける裁判所は、その者の逮捕又は告訴の時に、その者が次に掲げるいずれかに該当することを納得するときは、侵害複製物又は物品を著作権者又は裁判所が指示することができる他の者に引き渡すことを命令することができる。 |
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(a) |
著作権のある著作物の侵害複製物を業務の過程において所持し、保管し、又は管理していたこと。 |
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(b) |
侵害複製物を作成するために使用し、若しくは使用する筈であったことを知り、又はそう信じる理由を有しながら、著作権のある特定の著作物の複製物を作成することを特に意図され、又はそのように適応されている物品を所持し、保管し、又は管理していたこと。 |
(2) |
この目的上、いずれの者も、次に掲げる時に罪を告発されたものとして取り扱われる。 |
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(a) |
イングランド、ウェールズ及び北部アイルランドにおいては、口頭で告発され、又は召喚状若しくは起訴状を送達される時 |
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(b) |
スコットランドにおいては、警告され、告発され、又は告訴状若しくは起訴状を送達される時 |
(3) |
命令は、裁判所の自己の発意により又は検察官(又はスコットランドにおいては検事総長若しくは地方検察官)の申請を受けて裁判所が定めることができ、また、その者がその罪について有罪判決を受けると否とを問わず定めることができる。ただし、命令は、次に掲げるいずれかに該当する場合には定めることができない。 |
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(a) |
第113条(以後は引渡しの救済を利用することができない期間)に明示する期間の終了の後 |
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(b) |
いずれの命令も第114条(侵害複製物その他の物品の処分についての命令)に基づいて定められる見込みがないと裁判所が認めるとき。 |
(4) |
下級判事裁判所がこの条に基づいて定める命令に由来する上訴は、次に掲げる裁判所に係属する。 |
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(a) |
イングランド及びウェールズにおいては、刑事法院 |
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(b) |
北部アイルランドにおいては、州裁判所 |
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また、スコットランドにおいては、命令がこの条に基づいて定められる場合には、その者の所持、保管又は管理から侵害複製物又は物品の移転を受ける者は、いずれかの法律規則に基づく他のいずれの形式の上訴をも害することなく、刑の宣告に対してと同じ方法によりその命令に対して上訴することができる。 |
(5) |
この条に基づく命令に従って侵害複製物その他の物品の引渡しを受ける者は、第114条に基づく命令が定められるまでの間、又は命令を定めない旨の決定が行われるまでの間、それを保持する。 |
(6) |
この条のいずれの規定も、1973年の刑事裁判所権限法第43条、1995年の犯罪収益(スコットランド)法第2部又は1994年の刑事裁判所(北部アイルランド)令第11条(刑事訴訟手続における没収についての一般規定)に基づく裁判所の権限に影響しない。 |
(捜索令状)
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第109条 |
(1) |
治安判事(スコットランドにおいては執行官又は治安判事)が、警察官が与える宣誓に基づく情報(スコットランドにおいては宣誓に基づく証言)により、次に掲げることを信じる合理的な根拠があることを納得する場合には、同判事は、必要とされる合理的な威力を行使して、構内に入り、かつ、構内を捜索する権限を警察官に与える令状を発出することができる。 |
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(a) |
第107条第1項、第2項又は第2項のAに基づく罪が、いずれかの構内において犯され、又は犯されようとしていること。 |
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(b) |
そのような罪が犯され、又は犯されようとしている証拠が、それらの構内にあること。 |
(2) |
第1項により付与される権限は、イングランド及びウェールズにおいては、1984年の警察及び刑事証言法第9条第2項(ある種類の個人的又は機密の資料)に定める種類の資料についての捜索の権限を与えることには及ばない。 |
(3) |
この条に基づく令状は、 |
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(a) |
令状を執行するいずれかの警察官に同行する権限をいずれかの者に与えることができ、かつ、 |
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(b) |
その発出の日から3か月の間効力を有する。 |
(4) |
この条に基づいて発出される令状の執行に当たり、警察官は、ある物品が、第107条第1項、第2項又は第2項のAに基づくいずれかの罪が犯され、又は犯されようとしていることの証拠であると合理的に信じるときは、その物品を押収することができる。 |
(5) |
この条において、「構内」は、土地、建築物、固定した又は可動の構造物、車両、船舶、航空機及びホーバークラフトを含む。 |
(法人による罪――役員の責任)
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第110条 |
(1) |
法人が犯した第107条に基づく罪が、法人の取締役、支配人、書記その他類似の役員又はそのようないずれかの資格において行動すると称する者の同意又は黙認を得て犯されたことが立証される場合には、その者及び法人が、その罪について有罪とされ、訴えの提起を受け、かつ、それに従って処罰される。 |
(2) |
その構成員により事務を管理される法人に関して、「取締役」とは、法人の構成員をいう。 |
侵害複製物の輸入を阻止するための規定
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(侵害複製物は禁制品として取り扱うことができる)
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第111条 |
(1) |
発行された文芸、演劇又は音楽の著作物の著作権者は、次に掲げることを書面により関税局長官及び物品税局長官に通告することができる。 |
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(a) |
その者が著作物の著作権者であること。 |
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(b) |
その者が、通告に明示される期間について、侵害複製物である著作物の印刷複製物を禁制品として取り扱うことを両長官に要請すること。 |
(2) |
第1項に基づく通告に明示される期間は、5年を超えず、かつ、著作権が存続すべき期間の後までは及ばない。 |
(3) |
録音物又は映画の著作権者は、次に掲げることを書面により関税局長官及び物品税局長官に通告することができる。 |
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(a) |
その者が著作物の著作権者であること。 |
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(b) |
著作物の侵害複製物が、通告に明示される時及び場所において連合王国に到着することが予想されること。 |
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(c) |
その者が、その複製物を禁制品として取り扱うことを両長官に要請すること。 |
(3A) |
両長官は、次に掲げる場所から連合王国に到達する著作物の侵害複製物のみを禁制品として取り扱うことができる。 |
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(a) |
欧州経済区域外から。 |
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(b) |
同区域内から。ただし、自由流通のために通関されたものでないもの。 |
(3B) |
この条の規定は、ある種の知的所有権を侵害している疑いのある商品に対する税関の行動及びそのような権利を侵害していると認められる商品に対してとられる措置に関する評議会規則(EC)第1383/2003号第5条第1項に基づいて申請を行うことができる第1条第1項にいう状態の1つに置かれ、又は置かれると予想される商品については、適用されない。 |
(4) |
通告がこの条に基づいて有効であるときは、自己の私的及び家庭内の使用を目的とする者以外の者が、通告が関係する商品を輸入することは、第3項のA及び第3項のBの規定に従うことを条件として、禁止される。ただし、いずれの者も、禁止を理由として、商品の没収以外のいずれの罰にも処せられない。 |
(関税局長官及び物品税局長官の規則を定める権限)
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第112条 |
(1) |
関税局長官及び物品税局長官は、第111条に基づいて通告が行われるべき形式を規定し、かつ、通告を行う者に次に掲げることを要求する規則を定めることができる。 |
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(a) |
通告を行う時に、若しくは商品が輸入される時に、又はこの両方の時に、規則に明示することができる証拠を両長官に提出すること。 |
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(b) |
規則に明示することができる他の条件を履行すること。 |
(2) |
規則は、特に、そのような通告を行う者に次に掲げることを要求することができる。 |
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(a) |
規則に明示することができる料金を通告について支払うこと。 |
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(b) |
いずれかの物品の保留又は保留された物品に対して行ったいずれかのことを理由とする通告の結果として両長官が負うことがあるいずれの責任又は費用についても、そのように明示することができる保証を与えること。 |
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(c) |
保証が与えられたか否かを問わず、そのようないずれの責任又は費用に対しても両長官に補償すること。 |
(3) |
規則は、それらが適用される異なる種類の場合について異なる規定を設けることができ、また、両長官が適当と認める付随的及び補足的規定を含むことができる。 |
(4) |
この条に基づく規則は、議会の上院又は下院の決議に従って廃止することができる制定文書により定められる。 |
(5) |
削除 |
補 則
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(以後は引渡しの救済を利用することができなくなる期間)
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第113条 |
(1) |
第99条(民事訴訟手続における引渡し命令)に基づく命令の申請は、以下に定める規定に従うことを条件として、当該侵害複製物又は物品が作成された日から6年の期間の終了後は行うことができない。 |
(2) |
その期間の全体又はいずれかの部分の間に、著作権者が、次に掲げるいずれかに該当する場合には、申請は、その者が行為無能力の状態にあることをやめた日、又は場合により、合理的な努力によりそれらの事実を発見することができた日から6年の期間の終了前いつでも、行うことができる。 |
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(a) |
行為無能力の状態にあるとき。 |
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(b) |
命令を申請する資格をその者に与える事実を発見することを詐欺若しくは隠蔽により阻止されるとき。 |
(3) |
第2項において「行為無能力」は、 |
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(a) |
イングランド及びウェールズにおいては、1980年の出訴期限法におけると同一の意味を有する。 |
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(b) |
スコットランドにおいては、1973年の時効及び出訴期限(スコットランド)法の意味における法的行為無能力をいう。 |
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(c) |
北部アイルランドにおいては、1958年の出訴期限(北部アイルランド)法におけると同一の意味を有する。 |
(4) |
第108条(刑事訴訟手続における引渡し命令)に基づく命令は、いずれの場合にも、当該侵害複製物又は物品が作成された日から6年の期間の終了後は定められない。 |
(侵害複製物その他の物品の処分についての命令)
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第114条 |
(1) |
第99条若しくは第108条に基づく命令に従って引き渡され、又は第100条により付与される権利に従って押収され、かつ、保留される侵害複製物その他の物品が、次に掲げるいずれかの処分を受ける旨の命令のため、又はそのようないずれの命令も定められない旨の決定のために、裁判所に申請を行うことができる。 |
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(a) |
著作権者に没収されること。 |
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(b) |
裁判所が適当と認めるところに従って破棄され、その他処分されること。 |
(2) |
いかなる命令(もしあれば)を定めるべきかを検討する際に、裁判所は、著作権侵害訴訟において利用することができる他の救済が、著作権者に補償し、かつ、その利益を保護するために適切であるかどうかを検討する。 |
(3) |
複製物その他の物品に利害関係を有する者への通知の送達についての規定が、裁判所規則により定められる。また、そのようないずれの者も、次に掲げることを行う資格を有する。 |
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(a) |
その者が通知の送達を受けたか否かを問わず、この条に基づく命令のための訴訟手続において出頭すること。 |
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(b) |
その者が出頭したか否かを問わず、定められるいずれの命令に対しても上訴すること。 |
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また、命令は、上訴の通知を与えることができる期間の終了までは、又はその期間の終了前に上訴の通知が正式に与えられるときは、上訴についての訴訟手続の最終決定若しくは遺棄までは、効力を生じない。 |
(4) |
複製物その他の物品に利害関係を有する2人以上の者がいる場合には、裁判所は、適当と認める命令を定め、かつ、(特に)物品を売却し、その他処分すること、及び収益を配分することを指示することができる。 |
(5) |
この条に基づくいずれの命令も行わないことを裁判所が決定するときは、複製物その他の物品が引き渡され、又は押収される前にそれを所持し、保管し、又は管理していた者は、その返還について資格を有する。 |
(6) |
この条における複製物その他の物品に利害関係を有する者への言及は、その複製物その他の物品について、次に掲げるいずれかの規定に基づいて、その者のために命令を定めることができたいずれの者も含む。 |
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(a) |
この条はこの法律第204条若しくは第231条の規定 |
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(b) |
1949年の登録意匠法第24条のDの規定 |
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(c) |
1994年の商標法第19条(2006年の共同体商標規則(SI2006/1027)規則第4により適用される同条を含む。)の規定 |
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(d) |
2005年の共同体意匠規則(SI2005/2339)規則第1のCの規定 |
(侵害複製物等の没収:イングランド及びウェールズ又は北部アイルランド)
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第114条のA |
(1) |
イングランド及びウェールズ又は北部アイルランドにおいて、関係する罪の捜査又は起訴に関連していずれかの者が次に掲げるいずれかのものを占有することになった場合には、その者は、それらのものの没収のための命令を、この条に基づいて申請することができる。 |
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(a) |
著作権のある著作物の侵害複製物 |
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(b) |
著作権のある特定の著作物の複製物を作成することを特別に意図され、又はそのように適応されている物品 |
(2) |
この条の目的上、「関係する罪」とは、次に掲げるいずれかの罪をいう。 |
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(a) |
第107条第1項、第2項又は第2項のA(侵害物品等の作成又は利用についての刑事責任)に基づく罪 |
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(b) |
1968年の取引種目法(c.29)に基づく罪 |
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(c) |
不正又は詐欺を伴う罪 |
(3) |
この条に基づく申請は、次に掲げるいずれかの場合に行うことができる。 |
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(a) |
侵害複製物又は物品のいくつか又はすべてに関する関係する罪について、いずれかの裁判所に訴訟手続が提起されている場合には、その裁判所に対して。 |
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(b) |
侵害複製物又は物品の没収のための申請がa号に基づいて行われなかった場合には、治安判事裁判所に対する申立てとして。 |
(4) |
この条に基づく申請があったときは、裁判所は、いずれの侵害複製物又は物品に関しても関係する罪が犯されたことを納得する場合に限り、それらの侵害複製物又は物品の没収のための命令を定める。 |
(5) |
裁判所は、この条の目的上、当該侵害複製物又は物品を代表している(同一の意匠のものであること、又は同一の積送品若しくは一組ものの一部であること、その他を理由として)侵害複製物又は物品に関してそのような罪が犯されたと納得する場合には、いずれの侵害複製物又は物品に関してもそのような罪が犯されていると推論することができる。 |
(6) |
この条に基づいて治安判事裁判所が定める命令又は同裁判所がそのような命令を定めないという決定について不満であるいずれの者も、そのような命令又は決定に対して次に掲げるいずれかに上訴することができる。 |
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(a) |
イングランド及びウェールズにおいては、刑事法院に。 |
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(b) |
北部アイルランドにおいては、州裁判所に。 |
(7) |
この条に基づく命令は、いずれかの上訴(1980年の治安判事裁判所法(c.43)第111条又は1981年の治安判事裁判所(北部アイルランド)令(S.I.1981/1675(N.I.26)第146条(事件の記述)に基づくいずれの申請をも含む。)を行い、かつ、その決定までの間命令の発効を遅らせるために適当であると裁判所が認める規定を含むことができる。 |
(8) |
第9項に従うことを条件として、いずれかの侵害複製物又は物品がこの条に基づいて没収される場合には、それらは、裁判所が与えることができる指示に従って破棄される。 |
(9) |
この条に基づく命令を定めるに当たり、裁判所は、命令が関係する侵害複製物又は物品が(破棄される代わりに)当該著作権の所有者に没収され、又は裁判所が適当と認める他の方法により処分されることを指示することができる。 |
(侵害複製物等の没収:スコットランド)
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第114条のB |
(1) |
スコットランドにおいては、裁判所は、次に掲げるいずれかの没収のために、この条に基づいて命令を定めることができる。 |
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(a) |
著作権のある著作物の侵害複製物の没収 |
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(b) |
著作権のある特定の著作物の複製物を作成するために特に意図され、又は適応されている物品の没収 |
(2) |
この条に基づく命令は、次に掲げるいずれかの場合に定めることができる。 |
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(a) |
1995年の刑事訴訟(スコットランド)法(c.46)第134条に明示する方法で行われる地方検察官による申請を受けて。 |
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(b) |
ある者が、裁判所が課すことができる他の処罰に加えて、関係する罪について有罪判決を受ける場合 |
(3) |
第2項(a)号に基づく申請があったときは、裁判所は、いずれかの侵害複製物又は物品に関して関係する罪が犯されていることを納得する場合に限り、それらの侵害複製物又は物品の没収のための命令を定める。 |
(4) |
裁判所は、この条の目的上、当該侵害複製物又は物品を代表している(同一の意匠のものであること、又は同一の積送品若しくは一組ものの一部であること、その他を理由として)侵害複製物又は物品に関してそのような罪が犯されていると納得する場合には、いずれの侵害複製物又は物品に関してもそのような罪が犯されていると推論することができる。 |
(5) |
第2項(a)号に基づいて申請を行う地方検察官は、申請に関係する侵害複製物又は物品の所有者又はその他それらに利害関係を有すると認められるいずれの者に対しても、申請の写しとともに、侵害複製物又は物品が没収されるべきではないとの理由を示すために申請の審問に出頭する機会をその者に与える通知を送達する。 |
(6) |
第5項に基づく送達は、1995年の刑事訴訟(スコットランド)法に基づく即決裁判手続における被告発人の召喚のために明示される方法により、実行され、かつ、そのような送達は、証明することができる。 |
(7) |
第5項に基づく通知の送達を受けるいずれの者も、及びこの条に基づく申請が関係する侵害複製物又は物品の所有者又はその他それらに利害関係を有する者であると主張する他のいずれの者も、侵害複製物又は物品が没収されるべきではないとの理由を示すために申請の審問に出頭する資格を有する。 |
(8) |
裁判所は、次に掲げるいずれかの場合には、第2項(a)号に基づく申請を受けて命令を定めない。 |
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(a) |
第5項に基づく通知の送達を受けるいずれかの者が出頭しない場合には、その者への通知の送達が証明されない限り。 |
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(b) |
第5項に基づく通知が送達されなかった場合には、そのような通知を送達しないことが状況上合理的であったと裁判所が納得しない限り。 |
(9) |
いずれかの侵害複製物又は物品の没収のための命令が、第2項(a)号に基づく申請を受けて定められる場合には、それらの侵害複製物又は物品が没収されるべきではないとの理由を示すために出頭した、又は出頭する資格を有したいずれの者も、命令の定めから21日以内に、保留訴状により高等裁判所に上訴することができる。 |
(10) |
1995年刑事訴訟(スコットランド)法(c.46)第182条第5項(a)号から(e)号までの規定は、同法第2部に基づく記述された場合について適用されると同様に、第9項に基づく上訴についても適用される。 |
(11) |
第2項(a)号に基づく申請に伴う命令は、次に掲げる時までは効力を生じない。 |
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(a) |
命令が定められる日の次の日に始まる21日の期間の終了まで。 |
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(b) |
その期間内に前記第9項に基づいて上訴が行われる場合には、上訴が決定され、又は破棄されるまで。 |
(12) |
第2項に基づく命令は、次に掲げる時までは効力を生じない。 |
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(a) |
命令に対する上訴が、1995年の刑事訴訟(スコットランド)法に基づいて提起されることができた期間の終了まで。 |
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(b) |
その期間内に上訴が行われる場合には、上訴が決定され、又は破棄されるまで。 |
(13) |
第14項に従うことを条件として、この条に基づいて没収された侵害複製物又は物品は、裁判所が与えることができる指示に従って破棄される。 |
(14) |
この条に基づく命令を定めるに当たり、裁判所は、命令が関係する侵害複製物又は物品が(破棄される代わりに)当該著作権の所有者に没収され、又は裁判所が適当と認める他の方法により処分されることを指示することができる。 |
(15) |
この条の目的上、
「関係する罪」とは、第107条第1項、第2項若しくは第2項のA(侵害複製物等の作成又は利用についての刑事責任)又は1968年の取引種目法(c.29)に基づく罪又は不正若しくは詐欺を伴ういずれかの罪をいう。
「裁判所」とは、次に掲げるいずれかをいう。
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(a) |
第2項(a)号に基づく申請を受けて定められる命令に関しては、執行官 |
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(b) |
第2項(b)号に基づいて定められる命令に関しては、刑罰を課した裁判所 |
(州裁判所及び執行官裁判所の管轄権)
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第115条 |
(1) |
イングランドおよびウェールズにおける州裁判所及び北部アイルランドにおける州裁判所は、次に掲げるいずれかの条項に基づく訴訟手続を受理することができる。 |
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第99条 |
(侵害複製物その他の物品の引渡し命令) |
第102条第5項 |
(排他的許諾を得た者が併存する権利を有する場合における著作権者による権利行使についての命令) |
第114条 |
(侵害複製物その他の物品の処分についての命令) |
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ただし、北部アイルランドにおいては、州裁判所は、当該侵害複製物その他の物品の価値が州裁判所の不法行為限度を超えない場合に限り、そのような訴訟手続を受理することができる。 |
(2) |
スコットランドにおいては、これらの規定のいずれに基づく命令のための訴訟手続も、執行官裁判所に提起することができる。 |
(3) |
この条のいずれの規定も、高等裁判所の管轄権又はスコットランドにおいては民事控訴院の管轄権に影響するものとは解釈されない。 |