第1款 総則
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第1303条 基本条項
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1 |
実演行為(実演)、レコード、放送又は有線放送によるラジオ及びテレビ番組(放送及び有線放送事業者のサービス)の成果、データベースの内容並びに公有に属してから最初に公表された学術的、文学的及び美術的著作物に対する権利は、著作権に隣接する権利(著作隣接権)とする。
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2 |
著作隣接権は、独占的権利及び本法に定めのある場合には非財産的人格権を含むものとする。
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第1304条 著作隣接権の客体
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1 |
著作隣接権の客体は、以下のとおりである。 |
1) |
その実演が技術的手段による複製及び頒布を許可する形式で表現されている実演家、指揮者、演出制作者(実演家) |
2) |
レコード、すなわち実演、その他の音又はそれらの映像の音だけを録音したもの |
3) |
放送事業者又は有線放送事業者による番組(放送事業者又は有線放送事業者自身によって、又はその注文に応じて他の事業者の資金負担で制作された番組を含む)の伝達 |
4) |
無許可の検索及び資料の継続利用に対する保護が表示されているデータベース |
5) |
公有に属してから公表された学術的、文学的及び美術的著作物(当該著作物の出版者の権利に関する限りにおいて)
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2 |
著作隣接権の権利の発生、行使及び保護のためには、その客体の登録も、その他のいかなる方式の履行をも要しない。
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3 |
ロシア連邦の国際条約によるロシア連邦領土内での著作隣接権の保護は、実演、レコード、放送事業者又は有線放送事業者の番組の伝達で、祖国においてそれらが各々に対する独占的権利の保護期間の満了により公有に属しておらず、またロシア連邦内においても本法の定める独占的権利の保護期間の満了により公有に属してもいないものにつき、与えられる。
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第1305条 著作隣接権の法的保護の表示
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レコード製作者及び実演家並びにその他のレコード及び実演に対する独占的権利の権利者は、著作隣接権保護の表示を用いる権利を有する。この表示は、レコードの各複製物及び/又はその包装容器に表示され、以下の3つの要素から構成される。
ラテン文字の「P」を丸で囲んだもの
独占的権利の権利者の氏名又は名称
レコードの最初の発行の年
この場合、レコードの複製物とは、レコードの有形媒体への複製物で、直接若しくは間接にレコードから製作され、当該レコードに固定された音の全て又は部分又は音の代替物を含むものとする。音の代替物とは、デジタル方式で記録され、聴取するために対応する技術的手段を必要とする音をいう。
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第1306条 権利者の許諾を得ない無償での著作隣接権の客体の利用
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権利者の許諾を得ない無償での著作隣接権の客体の利用は、著作物の自由利用の場合(第1273条、第1274条、第1277条、第1278条及び第1279条)、その他本節の定める場合に認められる。
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第1307条 著作隣接権の客体に対する独占的権利の譲渡契約権
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著作隣接権の客体に対する独占的権利の譲渡契約に基づき、実演家、レコード製作者、放送又は有線放送事業者、データベース製作者、学術的、文学的及び美術的著作物の出版者その他の権利者である一方当事者は、該当する著作隣接権の客体に対する自己の独占的権利の全てを独占的権利の譲受人である他方当事者に譲渡し、又は譲渡することを約する。
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第1308条 著作隣接権の客体の利用権を付与するライセンス契約
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著作隣接権の客体に対するライセンス契約に基づき、実演家、レコード製作者、放送又は有線放送事業者、データベース製作者、学術的、文学的及び美術的著作物の出版者その他の権利者である一方当事者(ライセンサー)は、該当する著作隣接権の客体を契約の定める範囲内で利用する権利を他方当事者(ライセンシー)に付与し、又は付与することを約する。
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第1309条 著作隣接権の保護のための技術的手段
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著作隣接権の客体に対するアクセスを規制し、客体に関する権利者が許諾してない行為への関与を回避又は制限する、科学技術、技術的装置又はその構成要素(著作隣接権の保護のための技術的手段)には、本法第1299条及び第1311条の規定を適用する。
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第1310条 著作隣接権情報
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著作隣接権の客体及び権利者を識別する情報、又は客体の利用条件に関する情報で、対応する媒体物上に表示され、又は客体の放送若しくは有線放送に際して一般公衆に通知されているもの、並びにこれらの情報を構成する要素と記号(著作隣接権に関する情報)には、本法第1300条及び第1311条の規定を適用する。
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第1311条 著作隣接権の客体に対する独占的権利の侵害の責任
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著作隣接権の客体に対する独占的権利が侵害された場合、著作隣接権の権利者は、自己の選択により、侵害者に対し、適用される本法(第1250条、第1252条及び第1253条)の定める救済手段及び責任追及方法の行使とは別の損害賠償請求に代えて、本法第1252条第3項に従い、侵害者に対し、損害回復に代わる補償金を請求することができる。その額は10,000~5,000,000ルーブルの範囲内で裁判所が決定する額、レコードの複製物の2倍の価額若しくはレコードの適法な利用に関し同様の状況において通常請求される金額を基本として決定されるレコードの使用料の2倍の価額とする。
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第1312条 著作隣接権の侵害の場合の証拠保全
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著作隣接権の侵害事件の証拠保全のために、被告又は著作隣接権を侵害したと認めるに足る十分な根拠がある者、及び侵害物と認められる著作隣接権の客体については、それぞれ本法第1302条に定める手続を適用する。
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第2款 実演家の権利
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第1313条 実演家
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実演家(実演の作者)は、その者の創作的行為により実演が創作された者をいう。すなわち、実演の演技者(俳優、歌手、音楽家、舞踊家その他、文芸、芸術又は古典芸能作品(軽演劇、サーカス又は人形劇を含む)を演じ、朗読し、朗詠し、歌い、演奏し、その他の実演に参加する者、並びに実演を演出し、指揮する者をいう。
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第1314条 共同実演の著作隣接権
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1 |
共同実演に対する著作隣接権は、当該実演が完成された単一の作品であるか、それぞれが独立した意味を有する要素から構成されるかを問わず、その創作に参加した実演家集団の構成員(出演した俳優、オーケストラのメンバー及びその他の実演家集団)の共有に属する。
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2 |
共同実演に対する実演家の権利は、実演家集団の主宰者が、またかかる主宰者が不在の場合には、実演家集団のメンバーが共同でこれを行使する。但し、実演家集団のメンバー間の合意で別段の定めがある場合はこの限りでない。実演が単一の総体である場合、実演家集団のメンバーは、正当な理由がない限り単独でこれを利用することはできない。他の要素から独立して利用することができる共同実演の要素、すなわち独立した意義を有する部分は、当該部分を創作した実演家が、その裁量によりこれを利用することができる。但し、実演家集団のメンバー間の契約に別段の定めがある場合はこの限りでない。
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3 |
共同実演による収入を分配と共に行わなければならない実演家集団のメンバーの関係には、それぞれ本法第1229条第3項の規定を適用する。
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4 |
実演集団の個々のメンバーは、共同実演が単一の総体である場合を含め、共同実演に対する自己の著作隣接権を保護するため、自分自身の手段を講じる権利を有する。
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第1315条 実演家の権利
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1 |
実演家は、以下の権利を有する。 |
1) |
実演に対する独占的権利 |
2) |
実演家であることを主張する権利、すなわち実演の創作者として認められる権利 |
3) |
氏名表示権、すなわち自己の氏名又は変名をレコードの複製物に表示する権利、また実演が利用されるその他の場合で、本法第1314条第1項に定める場合においては、実演家集団の名称を表示する権利。但し、著作物の利用の性質上実演家又は実演家集団の名称を表示することが不可能な場合はこの限りでない。 |
4) |
実演の同一性保持権、すなわち、実演をあらゆる改変、すなわち実演の意味の歪曲や実演の全体としての再現性の破壊につながるレコード、放送又は有線放送に対する修正から保護する権利
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2 |
実演家は、自己の権利を行使する際には、実演する著作物の著作者の権利を遵守しなければならない。
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3 |
実演家の権利は実演する著作物に対する著作権の存否及び効力とは無関係に効力を有するものとする。
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第1316条 実演家の死後における実演家であることを主張する権利、実演家の氏名表示権及び実演の同一性保持権の保護
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1 |
実演家であることを主張する権利、実演家の氏名表示権及び同一性保持権は無期限に保護する。
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2 |
実演家は、遺言執行者の選任の手続(第1134条)により、自己の死後、氏名表示権及び同一性保持権(第1266条第1項第2段落)の保護の任に当たる者を指定することができる。この者は、自己の責務を生涯にわたり行う。この指定がない場合又は実演家から指定された者がかかる権利行使を拒否した場合、またその者が死亡した後も同様に、氏名表示権及び同一性保持権の保護は、実演家の相続人、承継人及び関係者がこれを行う。
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第1317条 実演に対する独占的権利
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1 |
実演家は、本法第1229条に従い、法に反しない限りあらゆる形式及びあらゆる方法で実演を利用する独占的権利(実演に対する独占的権利)を有する。これには、本条第2項に掲げる方法が含まれる。実演家は実演に対する独占的権利を譲渡することができる。
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2 |
実演の利用は以下を意味する。 |
1) |
放送、すなわち、有線放送を除く、ラジオ又はテレビの放送により公に認知させる実演の通信(再通信を含む)をいう。この場合、通信とは著作物を聴覚及び/視覚での知覚に供するあらゆる手段をいい、公衆によって実際に知覚されるかどうかを問わない。実演を衛星放送する場合は、放送は地上局からの信号が衛星に受信され、衛星からの信号が伝達されることをいい、当該信号が実際に公衆によって受信されたか否かを問わない。暗号化された信号の伝達は、放送局により又はその許諾を得て解読機器が不特定の者に提供されている場合には、放送とみなす。 |
2) |
有線放送、すなわち公報目的の有線、電信、光ファイバーその他の類似の方法を用いたラジオ又はテレビによる実演の通信(再通信を含む)をいう。 |
3) |
実演の録音、すなわち音及び/又は映像又はその代替物を、複数回の知覚、複製/再生又は通信を可能ならしめる技術的手段を用いて媒体物に固定すること。 |
4) |
実演の複製、すなわちレコード又はその一部について一又はそれ以上の複製物を作成すること。この場合、コンピュータの記憶媒体への保存を含む電子的手段による実演の記録は複製とみなす。但し、当該保存が一時的なもので、記録物を合法的に使用する、又は実演を合法的に公表する技術的過程において必要不可欠なものである場合は、この限りでない。 |
5) |
実演をあらゆる媒体物の原作品又はレコードの複製物の譲渡その他の方法により頒布すること。 |
6) |
本項第1号及び第2号に規定する、実演のレコードに関して行われる行為 |
7) |
実演を、誰でも、その者が選ぶどの場所からでも、またいつでも著作物へのアクセスができるよう、公に認知させること(公衆への認知)。 |
8) |
レコードの公の再生、すなわち、公開の場又は通常の家族の範囲に属さない相当数の人物が出席する場所における、技術的手段を用いたレコードの伝達をいい、それが実演が行われている場所で知覚されるか、
著作物の実演と同時に他の場所で知覚されるかを問わない。 |
9) |
実演のレコード又はその複製物の貸与
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3 |
実演家の独占的権利は、レコードが実演の許諾を得て作成された場合の実演のレコードの複製、放送又は有線放送、及び公の再生、また実演が収録された際に実演家が与えた許諾と同一の目的のために行われた複製、放送若しくは有線放送又は公の再生には及ばない。
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4 |
実演家との間で視聴覚著作物の創作について契約が締結された場合、当該視聴覚著作物の範囲内での実演の利用の許諾がなされたものとみなす。視聴覚著作物に固定された音又は映像を切り離しての利用に対する許諾は、契約上明示的になされることを要する。
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5 |
実演家以外の者が実演を利用した場合、本法第1315条第2項の規定をそれぞれ適用する。
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第1318条 実演に対する独占的権利の保護期間、権利の承継及び権利の公有化
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1 |
実演に対する独占的権利は、実演家の存命中、但し、最短でも実演が行われた、若しくは実演のレコードが収録された日、又は放送又は有線放送による実演の伝達が行われた日の属する年の翌年の1月1日から50年は効力を有するものとする。
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2 |
実演家が弾圧を受け、死後に名誉回復がなされた場合には、本条所定の権利の保護期間は、名誉回復のなされた日の属する年の翌年の1月1日から起算される。
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3 |
実演家が大祖国戦争の時期に働いていたか、又は従軍した場合には、本条所定の権利の保護期間は、4年加算される。
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4 |
実演に対する独占的権利の相続による移転については、本法第1283条の規定を適用する。
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5 |
実演に対する独占的権利の保護期間が満了した場合、当該権利は公有となる。公有となった実演については、本法第1282条の規定を適用する。
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第1319条 実演に対する独占的権利及びライセンス契約に基づく実演の利用権に対する強制執行
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1 |
実演家の保有する独占的権利に対する強制執行は許されない。但し、実演に対する独占的権利の譲渡契約及びライセンス契約を締結した第三者に関し係争中の実演家の所有物、及び実演の利用から取得する利益は差押えの対象となる。
実演家以外の者が保有する著作権及びライセンシーが保有する著作物の利用権は差押えの対象となる。
本項第1段落の規定は、独占的権利の保護期間中は実演家の相続人、その相続人以下にも適用する。
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2 |
ライセンシーの有する実演の利用権が実演家の権利に対する差押えのために公売に付された場合、実演家はこれを落札する優先権を有する。
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第1320条 注文による実演
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注文を受けて実演家が行った実演に対する権利(注文を受けて行われた共同実演に対する権利を含む)には、本法第1295条の規定をそれぞれ適用する。
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第1321条 ロシア連邦領土内での実演に対する独占的権利の効力
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ロシア連邦領土内の実演に対する独占的権利は、実演家がロシア国民である場合、実演がロシア連邦領土内で行われた場合、実演が本法第1328条の規定に従い保護されるレコードに収録された場合、レコードに固定された実演が本法第1332条の規定により保護を受ける放送又は有線放送に収録された場合、その他ロシア連邦の国際条約に定めがある場合に効力を有する。
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第3款 レコードに対する権利
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第1322条 レコード製作者
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レコード製作者は、実演の音、その他の音、又はその代替物の最初の録音の発意と責任を負う者をいう。反証がなされない限り、レコード製作者はレコードの複製物又はその包装に通常の方法でその氏名が表示されている者とする。
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第1323条 レコード製作者の権利
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1 |
レコード製作者は、以下の権利を有する。 |
1) |
レコードに対する独占的権利 |
2) |
レコードの複製物又はその包装に自己の氏名/名称を表示する権利 |
3) |
レコードを使用に際しての改変から保護する権利 |
4) |
レコードを公表する権利、すなわちレコードを発行、公の展示、公の上演、放送又は有線放送その他の方法により最初に公開する権利 |
この場合、発行(発表)は、レコード製作者の許諾に基づき公衆の合理的需要を満たすことができる相当程度の数量の複製物を流通に置くことをいう。
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2 |
レコード製作者は、自己の権利を行使する際には、著作物の著作者の権利及び実演家の権利を遵守しなければならない。
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3 |
レコード製作者の権利は著作権及び実演家の権利の存否及び効力とは無関係に効力を有するものとする。
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4 |
レコードの複製物及び/又はその包装に自己の氏名を表示する権利、及びレコードを改変から保護する権利は、権利者の存命中及びレコードを製作した法主体の解散まで効力を有し、保護されるものとする。
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第1324条 レコードに対する独占的権利
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1 |
レコード製作者は、本法第1229条に従い、法に反しない限りあらゆる形式及びあらゆる方法でレコードを利用する独占的権利(レコードに対する独占的権利)を有する。これには、本条第2項に掲げる方法が含まれる。レコード製作者はレコードに対する独占的権利を譲渡することができる。
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2 |
レコードの利用は以下を意味する。 |
1) |
公の上演、すなわち、公開の場又は通常の家族の範囲に属さない相当数の人物が出席する場所における、技術的手段を用いたあらゆるレコードの伝達をいい、それが上演されている場所で知覚されるか、実演の上演と同時に他の場所で知覚されるかを問わない。 |
2) |
放送、すなわち、有線放送を除く、ラジオ又はテレビの放送により公に認知させる実演の通信(再通信を含む)をいう。この場合、通信とはレコードを聴覚での知覚に供するあらゆる手段をいい、公衆によって実際に知覚されるかどうかを問わない。レコードを衛星放送する場合は、放送は地上局からの信号が衛星に受信され、衛星からの信号が伝達されることをいい、当該信号が実際に公衆によって受信されたか否かを問わない。 |
3) |
有線放送、すなわち公報目的の有線、電信、光ファイバーその他の類似の方法を用いたラジオ又はテレビによるレコードの通信(再通信を含む)をいう。 |
4) |
レコードを、誰でも、その者が選ぶどの場所からでも、またいつでも著作物へのアクセスができるよう、公に認知させること(公衆への認知)。 |
5) |
レコードの複製、すなわちレコード又はその一部について一又はそれ以上の複製物を作成すること。この場合、コンピュータの記憶媒体への保存を含む電子的手段によるレコードの記録は複製とみなす。但し、当該保存が一時的なもので、記録物を合法的に使用する、又はレコードを合法的に公表する技術的過程において必要不可欠なものである場合は、この限りでない。 |
6) |
レコードをあらゆる媒体物のレコードの原作品又は複製物の譲渡その他の方法により頒布すること。 |
7) |
頒布目的でのレコードの原作品又は複製物(権利者の許諾を得て製作された複製物を含む)の輸入 |
8) |
レコードの原作品又は複製物の貸与 |
9) |
レコードの製作
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3 |
レコードを適法に製作した者は所持するレコードのレコード製作者であることを主張する権利を有する。
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4 |
レコードがレコード製作者以外の者により利用された場合、本法第1323条第2項の規定を適用する。
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第1325条 発行されたレコードの原作品又は複製物の頒布
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適法に発行されたレコードの原作品又は複製物が、ロシア連邦領土内において譲渡その他移転したものとして私法上の取引に供された場合、レコードの原作品又は複製物のその後の譲渡はレコードに対する独占的権利の権利者の許諾を得ず、また当該権利者に対する支払をせずに行うことができる。但し、本法第1293条に規定する場合はこの限りでない。
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第1326条 営利目的で発行されたレコードの利用
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1 |
営利目的で発行され、また放送又は有線放送されたレコードの公の上演は、レコードに対する独占的権利の権利者及びレコードに固定された実演に対する独占的権利者の許諾を得ることなく行うことができるが、これらの者に対し使用料を支払うものとする。
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2 |
本条第1項に規定する使用料の利用者からの徴収及び当該使用料の分配は、当該活動領域について連邦政府の認可(第1244条)を得た権利集中管理団体がこれを行うものとする。
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3 |
本条第1項に規定する使用料は、以下の割合で権利者間に分配される。50%が実演家、50%がレコード製作者。特定の実演家及びレコード製作者間の使用料の分配は、個々の録音物又は視聴覚作品が実際に使用された割合に応じて行われる。使用料の分配と支払の手続はロシア連邦政府が定める。
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4 |
レコードの利用者は、権利集中管理団体に、レコードの利用に関する報告書を、徴収及び分配のために必要なその他の情報及び書類と共に提出するものとする。
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第1327条 レコードに対する独占的権利の保護期間、権利の承継及び権利の公有化
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1 |
レコードに対する独占的権利は、収録が行われた日の属する年の翌年の1月1日から50年間は効力を有するものとする。レコードが公表された場合、独占的権利は公表された日の属する年の翌年の1月1日から50年間効力を有するものとする。但し、レコードが収録された日から50年以内に公表されなかった場合はこの限りでない。
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2 |
レコード製作者の相続人その他の承継人は、本条第1項に定める制限を除いた部分の範囲内でレコードに対する独占的権利を取得する。
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3 |
レコードに対する独占的権利の保護期間の満了により、レコードは公有に属する。公有となったレコードについては、本法第1282条の規定を適用する。
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第1328条 ロシア連邦領土内でのレコードに対する独占的権利の効力
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ロシア連邦領土内のレコードに対する独占的権利は、レコード製作者がロシア国民又はロシアの法主体である場合、ロシア連邦領土内でレコードが公表され、又はその複製物が最初に公に頒布された場合、その他ロシア連邦の国際条約に定めがある場合に効力を有する。
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第4款 放送及び有線放送事業者の権利
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第1329条 放送又は有線放送事業者
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放送又は有線放送事業者は、放送又は有線放送によりラジオ又はテレビ番組を伝達する法主体をいう。
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第1330条 ラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利
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1 |
放送又は有線放送事業者は、本法第1229条に従い、法に反しない限りあらゆる形式及びあらゆる方法でレコードを利用する独占的権利(ラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利)を有する。これには、本条第2項に掲げる方法が含まれる。放送又は有線放送事業者はラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利を譲渡することができる。
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2 |
ラジオ又はテレビ番組の伝達は、以下を意味する。 |
1) |
ラジオ又はテレビ番組の伝達の複製、すなわち技術的手段を用いて音及び/又は映像又はその代替物を、複数回の知覚、複製/再生又は通信を可能ならしめる技術的手段を用いて媒体物に固定すること。 |
2) |
ラジオ又はテレビ番組の記録の増製、すなわち、ラジオ若しくはテレビ番組又はその一部について一又はそれ以上の複製物を作成すること。この場合、コンピュータの記憶媒体への保存を含む電子的手段によるラジオ又はテレビ番組の記録は複製とみなす。但し、当該保存が一時的なもので、記録物を合法的に使用する、又はラジオ若しくはテレビ番組を合法的に公表する技術的過程において必要不可欠なものである場合は、この限りでない。 |
3) |
ラジオ又はテレビ番組を、あらゆる媒体物のラジオ又はテレビ番組の伝達の記録の原作品又は複製物の譲渡その他の方法により頒布すること。 |
4) |
再伝達、すなわち、別の放送又は有線放送事業者の番組の伝達を受信するのと同時に行う放送(すなわち無線)又は有線によるラジオ又はテレビ番組の伝達 |
5) |
ラジオ又はテレビ番組を、誰でも、その者が選ぶどの場所からでも、またいつでも著作物へのアクセスができるよう、公に認知させること(公衆への認知)。 |
6) |
公の上演、すなわち、公開の場又は通常の家族の範囲に属さない相当数の人物が出席する場所における、技術的手段を用いたあらゆるラジオ又はテレビ番組の伝達をいい、それが上演されている場所で知覚されるか、実演の上演と同時に他の場所で知覚されるかを問わない。
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3 |
放送事業者によるラジオ又はテレビ番組の伝達の利用は、放送及び有線放送による再伝達をいう。有線放送事業者によるラジオ又はテレビ番組の伝達の利用は、有線放送又は放送による再伝達をいう。
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4 |
ラジオ又はテレビ番組の伝達を利用する権利については、本法第1317条第3項の規定を適用する。
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5 |
放送及び有線放送事業者は、自己の権利を行使する際には、著作物の著作者の権利、実演家の権利、関係する場合にはレコードに対する権利者の権利、及び他の放送及び有線放送事業者のラジオ及びテレビ番組の伝達に対する権利を遵守しなければならない。
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6 |
放送及び有線放送事業者の権利は、著作権、実演家の権利及びレコードに対する権利の存否及び効力とは無関係に効力を有するものとする。
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第1331条 ラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利の保護期間、権利の承継及び権利の公有化
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1 |
ラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利は、ラジオ又はテレビ番組の放送又は有線放送による伝達がなされた日の属する年の翌年の1月1日から50年は効力を有するものとする。
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2 |
ラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利は、放送又は有線放送事業者の承継人に、本条第1項に定める制限を除いた部分の範囲内で移転させることができる。
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3 |
ラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利の保護期間の満了により、ラジオ又はテレビ番組は公有に属する。公有となったラジオ又はテレビ番組の伝達については、本法第1282条の規定を適用する。
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第1332条 ロシア連邦領土内でのラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利の効力
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ロシア連邦領土内のラジオ又はテレビ番組の伝達に対する独占的権利は、放送又は有線放送事業者がロシア連邦領土内に所在している場合、送信による伝達をロシア連邦領土内で行いている場合、その他ロシア連邦の国際条約に定めがある場合に効力を有する。
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第5款 データベース製作者の権利
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第1333条 データベース製作者
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1 |
データベース製作者は、データベースの創作、及びデータベースを構成する素材を集め、配列し、調整する作業を構成した者である。反証がなされない限り、データベースの製作者は、データベースの複製物及び/又はその包装に通常の方法でその氏名が表示されている者とする。
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2 |
データベースの製作者は以下の権利を有する、データベースの製作に対する独占的権、自己の氏名/名称をデータベースの複製物及び/又はその包装に表示する権利。
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第1334条 データベースの製作に対する独占的権利
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1 |
データベースの製作者は、その製作行為(関係する素材の調整又は表示を含む)が重大な経済的、物理的、組織的又はその他の負担を必要とした場合、データベースから素材を切り離し、あらゆる方式及び方法で引き続き利用する独占的権利(データベースの製作者の独占的権利)を有する。データベースの製作者は、自己の独占的権利を譲渡することができる。反証がなされない限り、その製作に重大な費用を要するデータベースは少なくとも10,000の独立した情報要素(素材)から成り立っており、それがデータベースを構成しているデータベースとする(第1260条第2項第2項)。本法に定める場合を除き、何人もデータベースの製作者の許諾を得ることなくデータベースから素材を切り離したうえでこれを利用する権利は有しないものとする。この場合、素材の切り離しとはデータベースの全内容又は素材の大部分を、何らかの方法で技術的手段を用いて他の情報機関に移転することをいう。
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2 |
データベース製作者の独占的権利は、著作権及びその他のデータベース製作者及びその他の者のデータベースを構成する素材に対する独占的権利、並びに結合著作物としてのデータベース全体に対する独占的権利とは別に成立し、効力を有する。
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3 |
データベースを適法に利用する者は、権利者の許諾を得ることなく、素材をデータベースから切り離し、引き続きこれを個人的に、学術的に、教育的に、その他の非営利的目的のために、当該目的により正当化される範囲内で、かかる行為がデータベース製作者その他の者の著作権に抵触しない限りにおいて、利用することができる。データベースから切り離された素材を、不特定の人の集団がアクセスすると推認される態様で利用する際には、当該素材が切り離される元のデータベースへの言及を伴わなければならない。
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第1335条 データベース製作者の独占的権利の保護期間
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1 |
データベース製作者の独占的権利は、その完成の時点で成立し、創作された日の属する年の翌年の1月1日から15年間効力を有するものとする。当該期間内に公表されたデータベース製作者の独占的権利は、公表された日の属する年の翌年の1月1日から15年間効力を有するものとする。
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2 |
本条第1項に定める期間は、データベースが更新される度に算定し直されるものとする。
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第1336条 ロシア連邦領土内でのデータベース製作者の独占的権利の効力
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ロシア連邦領土内のデータベース製作者の独占的権利は、データベース製作者がロシア連邦国民又はロシアの法主体である場合、データベース製作者が外国人又は外国の法主体であるが、当該外国の法律がその領土内においてロシア連邦国民又はロシアの法主体の製作したデータベースの製作者の独占的権利を認めている場合、その他ロシア連邦の国際条約に定めがある場合に効力を有する。
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2 |
データベースの製作者が無国籍の場合、その住所がロシア連邦領土内か外国かに応じ、それぞれロシア連邦国民及び外国民に関する本条第1項の規定を適用する。
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第6款 学術的、文学的又は美術的著作物の出版者の権利
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第1337条 出版者
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出版者は、従前まで未公表であり、公有に属するに至った(第1282条)、又は著作権保護を受けないため公有に属した学術的、文学的又は美術的著作物を適法に公表し又は公表を構成した者をいう。
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2 |
出版者の権利は、創作された時期を問わず、本法第1259条の規定により著作権の目的とみなされる著作物にも及ぶ。
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3 |
本条の規定は、連邦政府及び記録保存所に保管されている著作物にも適用する。
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第1338条 出版者の権利
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1 |
出版者は、以下の権利を有する。 |
1) |
公表された著作物の出版者の独占的権利(第1339条第1項) |
2) |
自身が公表した著作物の複製物に、又はその他の著作物が利用される場合(譲渡される場合又は処理中の場合を含む)に自己の名称を表示する権利
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2 |
著作物が公表された場合、出版者は本法第1268条第3項に定める条件に従うものとする。
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3 |
著作物に対する出版者の独占的権利の保護期間中、出版者は本法第1266条第1項第2段落に定める権利を有する。著作物に対する出版者の独占的権利の譲渡を受けた者も同じ権利を保有する。
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第1339条 著作物に対する出版者の独占的権利
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1 |
出版者は、本法第1229条に従い、第1270条第2項第1号ないし第8号に定める方式により著作物を利用する独占的権利を有する(著作物に対する出版者の独占的権利)。著作物の出版者は、自己の独占的権利を譲渡することができる。
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著作物に対する出版者の独占的権利は、出版者が著作物を翻訳により又はその他の加工した形式で公表した場合にもまた成立する。著作物に対する出版者の独占的権利は、翻訳又はその他の著作物の加工物に対する出版者その他の者の著作権の存否及びその効力とは無関係に成立し、効力を有する。
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第1340条 著作物に対する出版者の独占的権利の保護期間
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著作物に対する出版者の独占的権利は、著作物が公表された時に成立し、公表された日の属する年の翌年の1月1日から25年間効力を有するものとする。
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第1341条 ロシア連邦領土内での著作物に対する出版者の独占的権利の効力
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1 |
著作物に対する出版者の独占的権利は、以下に及ぶ。 |
1) |
出版者の国籍とは無関係に、ロシア連邦領土内で公表された著作物 |
2) |
ロシア連邦国民によりロシア連邦領土外で公表された著作物 |
3) |
外国人又は無国籍の者によりロシア連邦領土外で公表されたが、著作物が公表された外国の法律が、その領土内に置いてロシア連邦国民の出版者に独占的権利に対する保護を認めている場合 |
4) |
その他ロシア連邦の国際条約に定めがある著作物
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2 |
本条第1項第3号に定める場合、著作物に対する出版者の独占的権利のロシア連邦領土内での保護期間は、当該国における著作物に対する出版者の権利の保護期間を超えないものとする。
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第1342条 著作物に対する出版者の独占的権利の期限前終了
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著作物の利用に際して権利者が、著作者であることを主張する権利、著作者の氏名表示権又は著作物の同一性保持権に関し本法の定める要求に違反した場合には、著作物に対する出版者の独占的権利は、利害関係人の請求により裁判手続を経て期間満了前に終了させることができる。
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第1343条 著作物の原作品の譲渡及び著作物に対する出版者の独占的権利
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著作物の原作品(原稿、絵画の原画、彫刻その他これに類する作品)が、これを所有する著作物に対する独占的権利を有する者により譲渡された場合、その独占的権利は原作品の譲受人に譲渡される。但し、契約上別段の定めがある場合はこの限りでない。
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2 |
著作物に対する出版者の独占的権利が著作物の原作品の譲受人に移転しなかった場合、譲受人は出版者の独占的権利の権利者の許諾を得ることなく、本法第1291条第1項第2段落に規定する方法により原作品を利用する権利を有する。
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第1344条 出版者の独占的権利により保護される著作物の原作品又は複製物の譲渡
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本節に従い公表された著作物の原作品又は複製物が、譲渡その他移転したものとして適法に私法上の取引に供された場合、著作物の原作品又は複製物のその後の譲渡は、出版者の許諾を得ず、また出版者に対する支払をせずに行うことができる。 |