1 |
自らの知的財産権を保護するためには、知的財産権の主体は、以下の手法を採用する権利を有する。
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a) |
知的財産権侵害を防ぐための技術的手法を採用すること。
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b) |
知的財産権侵害行為を行う組織または個人に対して、当該侵害行為の停止、謝罪と訂正*57を公開の下に行い、損害賠償を請求すること。
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c) |
管轄機関に対して、本法典又は他の関係のある法律の規定に基づき、知的財産権侵害行為の取り扱いを求めること。
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d) |
自らの適法な権利を保護するために、裁判所において訴訟を提起し、または仲裁を申し立てること。
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2 |
知的財産権侵害行為によって損害を受けた組織、個人、消費者または社会に対する知的財産権侵害に対する侵害行為を発見した組織または個人は、管轄機関に対して、本法典または他の関係のある法律の規定に基づき、知的財産権侵害行為の取り扱いを請求する権利を有する。
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3 |
不正競争行為によって損害を受け、または損害を受ける可能性がある組織または個人は、管轄機関に対して、本法典第202条に規定された民事的救済方法および競争に関係する法律の規定に基づく行政的手法の適用を請求する権利を有する。
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*57 中国では、影響消除という概念の下、謝罪と自己批判が含まれる(ただし法律用語ではないようである)が、本項の訂正ないし「修正」は、自己批判のような反省を伴う内容を含まないようである。 |
1 |
知的財産権侵害の訴訟における訴えを提起した者、訴えを提起された者は、民事訴訟法典第79条および本条の規定に基づき、証明する権利義務を負う。
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2 |
訴えを提起する者は、以下の証拠によって、自らの知的財産権の権利主体性を証明する。
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a) |
著作者権利登録証明書、関連権登録証明書または保護証書の複写、著作者の権利および関連権の国家登録簿、または保護証書の国家登録簿の複本、保護される種苗の国家登録簿の複本。
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b) |
著作者の権利登録証明書または関連権の権利登録証明書がない場合には、著作者の権利関連権の発生根拠を証明するために必要な証拠、また営業秘密、著名な商標に対する権利を証明するために必要な証拠になる。
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c) |
契約に基づく利用権が譲渡されたときには、知的財産権の対象の利用契約の複写
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3 |
訴えを提起した者は、知的財産権侵害行為または不正競争についての証拠を提出しなければならない。
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4 |
生産プロセスの発明に関する特許権に対する権利侵害訴訟においては、訴えを提起された者は、自らの製品が以下の場合に保護されたプロセスと違うことを証明しなければならない。
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a) |
保護される当該プロセスによって生産される製品が、新規である場合。
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b) |
保護される当該プロセスによって生産される製品が新規ではないが、特許権者は、訴えを提起される者が自ら保護されるプロセスによって生産される製品と判断し、適当な手法を使用したのに、訴えを提起される者が使用するプロセスを確定できないと主張する場合。
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5 |
自らの要求を証明するための適当な証拠は相手が支配しているので、接近できないと証明できる一方当事者が存する知的財産権侵害訴訟には、支配している相手がその証拠を裁判所に対して提出するように求める請求権を有する。
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6 |
損害賠償の請求がなされた場合、訴えを提起した者は、現実に生じた損害を証明しなければならず、本法典第205条の規定に基づき、その主張の根拠を特定しなければならない。 |
1 |
本法典第211条1項に定められた知的財産権侵害行為を行う組織または個人は、侵害行為停止を強制され、加えて、以下の主な処罰の対象となる。
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a) |
警告
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b) |
罰金
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2 |
侵害の性質、程度により知的財産権を侵害した組織または個人は、以下の補充的方法を認める可能性がある。
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a) |
知的財産権侵害物品または侵害物品の生産または取引において用いられる重要な原材料、機器等の押収。
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b) |
侵害を行った範囲内にかぎった*61、期間を定めた営業活動の停止。
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3 |
本条1項・2項に定められた処罰手法以外に、知的財産権侵害を行った組織または個人は、以下の一つまたは複数の救済の対象となる。
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a) |
知的財産権主体の権利の利用を害することなく、知的財産権の偽装物品、知的財産権の偽装物品を生産しまたは取引することに用いられる主要な原材料・機器等を廃棄し、又は営利目的なく配布しまたは使用させること。
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b) |
ベトナムを経由した知的財産権侵害物品に対して、ベトナム国外への搬出を強制すること、または、知的財産権の偽装物品、知的財産権の偽装物品を生産し取引に用いられるために、輸入された機器、原材料に対して、物品における侵害要素を取り除いた後に、再輸出させること。
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4 |
本条の1項bに定められた罰金は、少なくとも、発見された物品の価値と同一額か、多くとも、発見された物品の価値の5倍を超えない額とする。
政府は、侵害物品の価値の確定方法を具体的に規定する。
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*61 侵害行為企業の営業全体を停止するのではなく、侵害品のみという趣旨。 |