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    第2編 著作隣接権

     第1章 著作隣接権


     第1節 一般規則


    第211の1条 隣接権は、著作者の権利を害しない。したがって、この章のいずれの規定も、著作権者による著作権の行使を制限するように解釈してはならない。

    第211の2条 訴訟を提起するための利害関係を証明するいずれの者にも加えて、文化担当大臣は、認められる権利承継人がいない場合、又は相続人の不存在の場合には特に、司法当局に提訴することができる。

    第211の3条 この章において創設される権利の受益者は、次の各号に掲げることを禁止することができない。
    (1) もっぱら家族の集まりにおいて行われる私的かつ無償の上演・演奏
    (2) 複製を行う者の私的使用に厳密に当てられる複製であって、集団的使用を意図されないもの
    (3) 出所を確認する十分な要素があることを条件として、
    (a) 要約及び短い引用が挿入される著作物の批評、評論、教育、学術又は報道としての性質によって正当とされるそれらの要約及び短い引用
    (b) 新聞雑誌の論説紹介
    (c) 政治上、行政上、司法上又は学問上の集会並びに政治上の公開の会合及び公式の儀式において公衆を対象として行われた演説を、時事の報道として、全体までも伝達すること。
    (d) 隣接権の保護の対象物(教育目的のために制作される対象物を除く。)の抜粋の公衆への伝達又は複製であって、教育及び研究(遊び又は娯楽のいずれの活動も除く。)の範囲内においてもっぱら説明を目的とするもの。ただし、その伝達又は複製が供される公衆の大多数が、直接関係する生徒、学生、教員又は研究者で構成される場合、その伝達又は複製の使用がいずれの商業的利用ももたらさない場合、及び一括払い金を基礎として交渉される報酬によってその使用が補償される場合に限る。
    (4) もじり、模作及び風刺画。ただし、当該分野のきまりを考慮する。
    (5) 過渡的又は付随的な性格を有する一時的複製であって、技術的手段の必要かつ不可欠の一部分であるもの、及び隣接権の保護の対象物の適法な使用を可能とし、又は仲介の助けを借りるネットワークの回線による第三者間の送信を可能とすることを唯一の目的とするもの。ただし、この一時的複製は、固有の経済的価値を持ってはならない。
    (6) 第122の5条第7号の最初の二段に定める条件における実演、レコード、ビデオグラム又は番組の複製及び公衆への伝達
    (7) 公衆に開放される図書館により、博物館により、若しくは公文書館の業務によって、保存を目的として行われる実演、レコード、ビデオグラム又は番組の複製行為、又は現場での閲覧という条件(いずれの経済的又は商業的利益をも求めないことを条件とする。)を維持することを意図される実演、レコード、ビデオグラム又は番組の複製行為

     この条に掲げる例外は、実演、レコード、ビデオグラム又は番組の通常の利用を害することはできず、また、実演家、製作者又は視聴覚伝達企業の正当な利益を不当に害することはできない。

    第211の4条 この章の対象である財産権の存続期間は、次の各号に掲げる年に続く暦年の1月1日から起算して50年とする。
    (1) 実演家については、実演の年。ただし、実演の固定物が第1項に定める期間の間に有形複製物により公衆の利用への提供の対象となるか、又は公衆への伝達の対象となる場合には、実演家の財産権は、これらの事実の最初のものに続く暦年の1月1日の後50年で初めて消滅する。
    (2) レコード製作者については、音の連続の最初の固定の年。ただし、レコードが第1項に定める期間の間に有形複製物により公衆の利用への提供の対象となる場合には、レコード製作者の財産権は、この事実に続く暦年の1月1日の後50年で初めて消滅する。公衆の利用への提供がない場合には、その権利は、最初の公衆への伝達に続く暦年の1月1日の後50年で消滅する。
    (3) ビデオグラム製作者については、音を伴う、又は伴わない映像の連続の最初の固定の年。ただし、ビデオグラムが第1項に定める期間の間に有形複製物により公衆の利用への提供の対象となるか、又は公衆への伝達の対象となる場合には、ビデオグラム製作者の財産権は、これらの事実の最初のものに続く暦年の1月1日の後50年で初めて消滅する。
    (4) 視聴覚伝達企業については、第216の1条にいう番組の最初の公衆への伝達の年

    第211の5条 フランスが加盟国である国際条約の規定に従うことを条件として、欧州共同体の加盟国の国民でない隣接権者は、その者が国民である国において規定する保護期間を享受する。ただし、この期間は、第211の4条に規定する期間を超えることはできない。

    第211の6条 隣接権の保護を受ける固定物の1又は2以上の有形複製物の販売が、欧州共同体の加盟国又は欧州経済圏協定の他の加盟国の領域において隣接権者又はその権利承継人によって許諾された時以後は、その固定物のそれらの複製物の販売は、欧州共同体のすべての加盟国及び欧州経済圏協定のすべての加盟国において禁止することができない。



     第2節 実演家の権利

    第212の1条 実演家とは、職業上の慣行によって補助的な実演家とみなされる者を除き、文学的若しくは美術的著作物又は寄席演芸、サーカス若しくは操り人形の出し物を上演・演奏し、歌唱し、口演し、朗誦し、演じ、又はその他のいずれかの方法によって実演する者をいう。

    第212の2条 実演家は、その名前、その資格及びその実演の尊重を要求する権利を有する。

     譲渡不能で、かつ、時効にかからないこの権利は、実演家の一身に専属する。

     この権利は、死亡した実演家の実演及び名声の保護のために、その実演家の相続人に移転することができる。

    第212の3条 実演家の実演の固定、その複製及びその公衆への伝達並びに音と映像が同時に固定されている実演のその音と映像のいずれの個別使用も、実演家の書面による許諾を必要とする。

     この許諾及びそれに基づく報酬は、この法典第212の6条の規定に従うことを条件として、労働法典第762の1条及び第762の2条の規定によって規律される。

    第212の4条 視聴覚著作物の製作のために実演家と製作者との間で締結される契約の署名は、その実演家の実演を固定し、複製し、及び公衆に伝達することの許諾を意味する。

     この契約は、その著作物の各利用方法ごとの異なる報酬を定める。

    第212の5条 契約及び団体協約が一又は二以上の利用方法についての報酬に言及していない場合には、その報酬の額は、職業分野を代表する被雇用者の団体と雇用主の団体との間で各活動分野ごとに締結される特別協定によって作成される早見表に準拠して決定される。

    第212の6条 労働法典第762の2条の規定は、契約の適用を受けて支払われる報酬のうち、団体協約又は特別協定によって決定される基準を越える部分についてのみ、適用される。

    第212の7条 1986年1月1日前に実演家と視聴覚著作物の製作者又はその譲受人との間で締結された契約は、その契約が除外している利用方法については、前諸規定に従う。対応する報酬は、俸給の性格を有しない。

    第212の8条 前諸条にいう取決め又は協定の約定は、担当大臣の命令によって、利害関係者全体について各活動分野の内部において義務とすることができる。

    第212の9条 1986年1月4日前に、又は前の協定の期間満了の日に、第212の4条から第212の7条までの規定に従って締結された協定がない場合には、実演家の報酬の形式及び基準は、破棄院院長が指名する司法官を委員長とし、その他国務院副院長が指名する国務院の委員1名、文化担当大臣が指名する資格ある者1名、並びに被雇用者の団体及び雇用主の団体の同数の代表で構成される委員会によって、各活動分野ごとに決定される。

     委員会は、出席した委員の多数決によって決定を行う。可否同数の場合には、委員長が、決定権を有する。委員会は、この条第1項に定める期間の満了後3か月以内に決定を行う。

     委員会の決定は、3年の期間前に利害関係者間の協定が成立しない限り、3年の期間について効力を有する。

    第212の10条 実演家は、その実演が著作物又は視聴覚資料の一連続場面の主題を構成する出来事に付随する場合には、その実演の複製及び公の伝達を禁止することができない。

    第212の11条 第212の3条及び第212の4条の適用を受けて利用許諾を意味する製作者と実演家との間の契約については、第131の9条の規定が適用される。



     第3節 レコード製作者の権利

    第213の1条 レコード製作者とは、音の連続の最初の固定について発意と責任をとる自然人又は法人をいう。

     第214の1条にいうレコードの使用以外の、レコードのいずれの複製、又は販売、交換若しくは貸与による公衆の利用への提供又は公衆への伝達についても、レコード製作者の事前の許諾が要求される。



     第4節 実演家とレコード製作者との共通規定

    第214の1条 レコードが商業目的で発行された場合には、実演家及び製作者は、次の各号に掲げることに反対することができない。
    (1) レコードが興行に使用されないことを条件として、公開の場所においてレコードを直接伝達すること。
    (2) レコードをラジオ放送すること、及びこのラジオ放送の全体を同時に有線によって送信すること、並びにこれらの目的に厳密に充てるためにレコードを複製すること(自己のアンテナで、及び公正な報酬を支払う視聴覚伝達企業のアンテナで伝達される自己の番組に音を入れるために、視聴覚伝達企業により又はその企業のために行われるもの)。

     その他のいずれの場合にも、前記の番組の製作者は、第212の3条及び第213の1条に規定する隣接権者の排他的権利に従う責任を負う。

     商業目的で発行されたレコードのこれらの使用は、それらのレコードの固定の場所のいかんを問わず、実演家及び製作者に報酬請求権を与える。

     この報酬は、商業目的で発行されたレコードをこの条第1項第1号及び第2号に定める条件において使用する者によって支払われる。

     この報酬は、利用の収益を基礎として定められ、又は収益がない場合には、第131の4条に規定する場合における一括払い金として算定される。

     この報酬は、実演家とレコード製作者とに半分ずつ分配される。

    第214の2条 国際条約に従うことを条件として、第214の1条の規定によって認められる報酬請求権は、欧州共同体の加盟国において最初に固定されたレコードの実演家と製作者との間で配分される。

    第214の3条 報酬の早見表及び報酬の払い込みの手続は、実演家を代表する団体、レコード製作者を代表する団体並びに第214の1条第1項第1号及び第2号に規定する条件においてレコードを使用する者を代表する団体の間における各活動分野ごとの特別協定によって決定される。

     これらの協定は、それらの同一の条件においてレコードを使用する者が、その行う使用の正確な番組及び使用料の分配に不可欠ないずれの資料をも使用料徴収分配協会に提供する義務を履行する手続を明定しなければならない。

     これらの協定の約定は、文化担当大臣の命令によって、利害関係者全体について義務とすることができる。

     これらの協定の期間は、1年から5年までとする。

    第214の4条 1986年6月30日前に締結された協定がない場合又は前の協定の期間満了の日にいずれの協定も締結されていない場合には、報酬の早見表及び報酬の払い込みの手続は、国の代表を委員長とし、報酬請求権の受益者を代表する団体及び関係する活動分野において第214の1条第1項第1号及び第2号に規定する条件においてレコードを使用する者を代表する団体がそれぞれ指名する同数の委員で構成される委員会によって決定される。

     委員会の委員を指名することを求められる団体及び各団体が指名することを求められる者の人数は、文化担当大臣の命令によって決定される。

     委員会は、出席した委員の多数決によって決定を行う。可否同数の場合には、委員長が、決定権を有する。

     委員会の議決は、1か月の猶予期間内に委員長が第2の議決を求めない限り、執行力を有する。

     委員会の決定は、フランス共和国官報に公示される。

    第214の5条 第214の1条に規定する報酬は、第3編第2章にいう一又は二以上の団体によって権利者のために徴収され、及びそれらの権利者の間に分配される。



     第5節 ビデオグラム製作者の権利

    第215の1条 ビデオグラム製作者とは、音を伴う、又は伴わない映像の連続の最初の固定について発意と責任をとる自然人又は法人をいう。

     ビデオグラムのいずれの複製、又は販売、交換若しくは貸与による公衆の利用への提供又は公衆への伝達についても、ビデオグラム製作者の事前の許諾が要求される。

     前項の規定に基づいてビデオグラム製作者に認められる権利並びにこのビデオグラムに固定された著作物について製作者が処分する著作権及び実演家の権利は、別個の譲渡の対象とすることができない。



     第6節 視聴覚伝達企業の権利

    第216の1条 視聴覚伝達企業の番組の複製、並びにそれらの番組の販売、貸与又は交換による公衆の利用への提供、それらの番組のテレビ放送及び入場料を支払って公衆が入場することができる場所におけるそれらの番組の公衆への伝達は、その視聴覚伝達企業の許諾を必要とする。

     伝達の自由に関する1986年9月30日の法律第86-1067号に規定する視聴覚伝達業務(この業務に適用される制度のいかんを問わない。)を経営する機関を、視聴覚伝達企業という。

    第216の2条 実演家の実演、レコード、ビデオグラム又は視聴覚伝達企業の番組を電波を用いてテレビ放送することの許諾は、そのテレビ放送を非商業的目的のために、所有者若しくは共有者又はその代理人によって建設された住宅又は集合住宅全体に向けて、内部回線で送信することの許諾を含む。ただし、これら同一の住宅又は集合住宅全体の各住居が、通常地域内で受信される電波を用いたテレビ放送の共同受信装置に接続することを可能とすることを唯一の目的とする場合に限る。



     第7節 衛星によるテレビ放送及び有線による再送信に適用される規定

    第217の1条 実演家の実演、レコード、ビデオグラム又は視聴覚伝達企業の番組の衛星によるテレビ放送に対応する著作隣接権は、このテレビ放送が第122の2の1条及び第212の2の2条に定める条件において行われる場合には、この法典の規定によって規律される。

     第122の2の2条に規定する場合には、これらの権利は、同条第1号又は第2号にいう者に対して行使することができる。

    第217の2条 I 欧州共同体の加盟国からテレビ放送される実演家の実演、レコード又はビデオグラムの国内領域における有線による、同時の、全体的及び変更のない再送信を許諾する権利は、その権利がこの法典によって規定される場合には、1997年3月27日の法律第97-283号の効力発生の日以後は、使用料徴収分配協会のみが、行使することができる。この協会が第3編第2章によって規律される場合には、この協会は、文化担当大臣からそのための認可を得なければならない。

     権利者がその権利の管理をこれらの協会の一に委託していない場合には、その者は、その権利の行使を委託する協会を指定する。その者は、この指定をその協会に書面で通知し、協会は、これを拒否することができない。

     実演家の実演、レコード又はビデオグラムの国内領域におけるテレビ放送を許諾する契約は、欧州共同体の加盟国におけるテレビ放送の有線による、同時の、全体的及び変更のない再送信を許諾する権利の行使を場合により委託される協会を記載する。

     第1項にいう認可は、第132の20の1条に列挙する基準を考慮して交付される。

     国務院令が、認可の交付及び取消しの条件を定める。同令は、また、第2項に規定する場合には、再送信権の管理を委託される協会の指定の手続を定める。

    II I の規定にかかわらず、権利者は、視聴覚伝達企業にその権利を譲渡することができる。

     I の規定は、視聴覚伝達企業が譲受人である権利については、適用されない。

    第217の3条 この章に定める諸権利の一によって保護される要素の有線による、同時の、全体的及び変更のない再送信の許諾の付与に関する訴訟の解決が要求される場合には、裁判官に提訴する両当事者の権利を害することなく、その解決を容易にするために、仲裁人が設けられる。

     合意がない場合には、仲裁人は、適当と思われる解決策を両当事者に提案することができる。両当事者が3か月の期間内に書面でその反対を表明しなかった場合には、両当事者は、その解決策を受諾したものとみなされる。

     国務院令は、この条の適用条件及び仲裁人の指名の手続を明定する。




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