第1章 総則
第1条 (目的)
この法律は、著作者の権利及びこれに隣接する権利を保護し、著作物の公正な利用を図り、もって文化及び関連産業の向上発展に寄与することを目的とする。〈改正2009・4・22〉
第2条 (定義)
この法律において使用する用語の意義は、当該各号に定めるところによる。〈改正2009・4・22〉 |
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一 |
「著作物」とは、人間の思想又は感情を表現した創作物をいう。 |
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二 |
「著作者」とは、著作物を創作した者をいう。 |
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三 |
「公演」とは、著作物又は実演・音盤・放送を上演し、演奏し、歌い、口演し、朗読し、上映し、再生し若しくはその他の方法によって公衆に公開することをいい、同一の者の占有に属する連結した場所内において行われる送信(伝送を除く。)を含む。 |
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四 |
「実演者」とは、著作物を演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗読し若しくはその他の芸能的方法によって表現し、又は著作物でないものをそれらに類する方法で表現する者をいい、実演を指揮し演出し、若しくは監督する者を含む。 |
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五 |
「音盤」とは、音(音声・音響をいう。以下、同じ。)が有形物に固定されたもの(音が映像とともに固定されたものを除く。)をいう。 |
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六 |
「音盤製作者」とは、音を音盤に固定するに際し、全体的に、企画をし責任を負う者をいう。 |
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七 |
「公衆送信」とは、著作物、実演、音盤、放送又はデータベース(以下、「著作物等」という。)を、公衆において受信し、若しくは公衆に接近させることを目的として、無線若しくは有線通信の方法によって送信し、又は利用に供することをいう。 |
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八 |
「放送」とは、公衆送信のうち、公衆によって同時に受信されることを目的として、音、映像又は音と映像等を送信することをいう。 |
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九 |
「放送事業者」とは、放送を業とする者をいう。 |
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一 |
〇 「伝送」とは、公衆送信のうち、公衆の構成員が個別的に選択した時間及び場所において接近することができるよう、著作物等を利用に供することをいい、それに伴って行われる送信を含む。 |
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一 |
一 「デジタル音声送信」とは、公衆送信のうち、公衆によって同時に受信されることを目的として、公衆の構成員の要請によって開始されるデジタル方式の音の送信をいい、伝送を除く。 |
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一 |
二 「デジタル音声送信事業者」とは、デジタル音声送信を業とする者をいう。 |
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一 |
三 「映像著作物」とは、連続的な映像(音を伴うものか否かを問わない。)が収録された創作物として、その映像を機械若しくは電子装置により再生して視、又は視聴することができるものをいう。 |
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一 |
四 「映像製作者」とは、映像著作物の製作に際し、その全体を企画し、責任を負う者をいう。 |
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一 |
五 「応用美術著作物」とは、物品に同一の形状で複製することのできる美術著作物として、その利用された物品と区別して独自性を認めることができるものをいい、デザイン等を含む。 |
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一 |
六 「コンピュータプログラム著作物」とは、特定の結果を得るため、コンピュータ等情報処理能力を有する装置(以下、「コンピュータ」という。)内において、直接又は間接に使用される一連の指示・命令によって表現された創作物をいう。 |
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一 |
七 「編集物」とは、著作物又は符号、文字、音、映像若しくはその他の形態の資料(以下、「素材」という。)の集合物をいい、データベースを含む。 |
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一 |
八 「編集著作物」とは、編集物として、その素材の選択、配列又は構成に創作性のあるものをいう。 |
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一 |
九 「データベース」とは、素材を体系的に配列し若しくは構成した編集物として、個別的にその素材に接近し、又はその素材を検索することができるようにしたものをいう。 |
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二 |
〇 「データベース製作者」とは、データベースの製作又はその素材の更新、検証若しくは補充(以下、「更新等」という。)に、人的又は物的に相当の投資をした者をいう。 |
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二 |
一 「共同著作物」とは、二人以上の者が共同で創作した著作物として、各自の貢献した部分を分離して利用することができないものをいう。 |
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二 |
二 「複製」とは、印刷、写真撮影、複写、録音、録画若しくはその他の方法により有形物に固定し、又は有形物に改めて製作することをいい、建築物にあっては、その建築のための模型又は設計図面に基づいてこれを施工することを含む。 |
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二 |
三 「配布」とは、著作物等の原作品若しくはその複製物を、公衆に対し、対価を得若しくは得ないで、譲渡し又は貸与することをいう。 |
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二 |
四 「発行」とは、著作物又は音盤を、公衆の需要を充足させるため、複製し配布することをいう。 |
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二 |
五 「公表」とは、著作物を公演、公衆送信又は展示その他の方法により公衆に公開すること、及び著作物を発行することをいう。 |
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二 |
六 「著作権信託管理業」とは、著作財産権者、出版権者、著作隣接権者又はデータベース製作者としての権利を有する者のため、その権利の信託を受け、これを持続的に管理する業をいい、著作物等の利用に関して包括的に代理する場合を含む。 |
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二 |
七 「著作権代理仲介業」とは、著作財産権者、出版権者、著作隣接権者若しくはデータベース製作者としての権利を有する者のため、その権利の利用に関する代理又は仲介行為を行う業をいう。 |
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二 |
八 「技術的保護措置」とは、著作権その他この法律により保護される権利に対する侵害行為を効果的に防止し |
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二 |
九 「権利管理情報」とは、次の各目のいずれかに該当する情報又はその情報を表す数字若しくは符号として、各情報が著作物等の原作品若しくはその複製物に付着され、又はその公演、実行若しくは公衆送信に伴うものをいう。 |
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ガ |
著作物等を識別するための情報 |
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ナ |
著作者、著作財産権者、出版権者、プログラム排他的発行権者、著作隣接権者又はデータベース製作者を識別するための情報 |
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ダ |
著作物等の利用方法及び条件に関する情報報 |
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三 |
〇 「オンラインサービス提供者」とは、他の者が情報通信網(「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第2条第1項第1号にいう情報通信網をいう。以下、同じ。)を通じて、著作物等を複製し又は伝送することができるようにするサービスを提供する者をいう。 |
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三 |
一 「業務上著作物」とは、法人、団体又はその他の使用者(以下、「法人等」という。)の企画の下、法人等の業務に従事する者が業務上作成する著作物をいう。 |
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三 |
二 「公衆」とは、不特定多数の者(特定多数の者を含む。)をいう。 |
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三 |
三 「認証」とは、著作物等の利用許諾等のため、正当な権利者であることを証明することをいう。 |
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三 |
四 「プログラムコード逆分析」とは、独立して創作されたコンピュータプログラム著作物と他のコンピュータプログラムとの互換に必要な情報を得るため、コンピュータプログラム著作物コードを複製し、又は変換することをいう。
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(2) |
前項各号のいずれかに該当する著作者の表示がない著作物については、発行者、公演者又は公表者として表示された者が著作権を有するものと推定する。〈改正2009・4・22〉
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第9条(業務上著作物の著作者)
法人等の名義で公表される業務上著作物の著作者は、契約又は就労規則等に別段の定めのないときは、その法人等とする。ただし、コンピュータープログラム著作物(以下、「プログラム」という。)については、公表されることを要しない。〈改正2009・4・22〉
第10条 (著作権) |
(1) |
著作者は、第11条ないし第13条の規定による権利(以下「著作人格権」という。)及び第16条ないし第22条の規定による権利(以下、「著作財産権」という。)を有する。 |
(2) |
著作権は、著作物を創作したときより発生し、いかなる手続又は形式の履行をも要しない。。
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第3節 著作人格権
第11条 (公表権)
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(1) |
著作者は、その著作物を公表し、又は公表しないことを決定する権利を有する。 |
(2) |
著作者が公表されていない著作物の著作財産権を第45条の規定による譲渡、第46条の規定による利用許諾、第57条の規定による出版権の設定又は第101条の6の規定によるプログラム排他的発行権の設定をする場合には、その相手方に対し、著作物の公表について同意したものと推定する。〈改正2009・4・22〉 |
(3) |
著作者が公表されていない美術著作物、建築著作物又は写真著作物(以下、「美術著作物等」という。)の原作品を譲渡した場合は、その相手方に対し、著作物の原作品の展示方式による公表について同意したものと推定する。 |
(4) |
原著作者の同意を得て作成された二次的著作物又は編集著作物が公表された場合は、その原著作物も公表されたものとみなす。
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第12条 (姓名表示権)
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(1) |
著作者は、著作物の原作品若しくはその複製物に、又は著作物の公表媒体に、その実名又は異名を表示する権利を有する。 |
(2) |
著作物を利用する者は、その著作者の特段の意思表示がないときは、著作者がその実名又は異名を表示したところに従い、これを表示しなければならない。ただし、著作物の性質又はその利用目的及び形態等に照らし、やむを得ないと認められる場合には、この限りでない。
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第13条 (同一性保持権)
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(1) |
著作者は、その著作物の内容、形式及び題号の同一性を保持する権利を有する。 |
(2) |
著作者は、次の各号のいずれかに該当する変更に対しては異議を提起することができない。ただし、本質的な内容の変更については、この限りでない。〈改正2009・4・22〉 |
第4節 著作財産権
第1款 著作財産権の種類
第16条 (複製権)
著作者は、その著作物を複製する権利を有する。
第17条 (公演権)
著作者は、その著作物を公演する権利を有する。
第18条 (公衆送信権)
著作者は、その著作物を公衆送信する権利を有する。
第19条 (展示権)
著作者は、美術著作物等の原作品又はその複製物を展示する権利を有する。
第20条 (配布権)
著作者は、著作物の原作品又はその複製物を配布する権利を有する。ただし、著作物の原作品又はその複製物が当該著作財産権者の許諾を得て販売等の方法により取引に供された場合には、この限りでない。〈改正2009・4・22〉
第21条 (貸与権)
前条ただし書の規定にかかわらず、著作者は、販売用音盤又は販売用プログラムを営利を目的として貸与する権利を有する。〈改正2009・4・22〉
第22条 (二次的著作物の作成権)
著作者は、その著作物を原著作物とする二次的著作物を作成して利用する権利を有する。
第2款 著作財産権の制限
第23条 (裁判手続等における複製)
裁判手続のために必要な場合、又は立法、行政の目的のための内部資料として必要な場合は、その限りにおいて著作物を複製することができる。ただし、その著作物の種類、複製の部数及び形態等に照らし、当該著作財産権者の利益を不当に侵害する場合には、この限りでない。
第24条 (政治的演説等の利用)
公開して行う政治的演説及び法廷、国会又は地方議会において公開して行う陳述は、方法の如何を問わず、これを利用することができる。ただし、同一の著作者の演説又は陳述を編集して利用する場合には、この限りでない。
第25条 (学校教育目的等への利用)
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(1) |
高等学校及びこれに準ずる学校以下の学校での教育目的上必要な教科用図書には、公表された著作物を掲載することができる。 |
(2) |
特別法により設立された学校若しくは「幼児教育法」、「初・中等教育法」若しくは「高等教育法」による学校、国若しくは地方自治団体が運営する教育機関及びこれらの教育機関の授業を支援するために国若しくは地方自治団体に所属する教育支援機関は、その授業又は支援の目的上必要と認められる場合は、公表された著作物の一部を複製し、配布し、公演し、放送し、又は伝送することができる。ただし、著作物の性質又はその利用目的及び形態等に照らし、著作物の全部を利用することがやむを得ないときは、その全部を利用することができる。〈改正2009・4・22〉
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(3) |
前項の規定による教育機関において教育を受ける者は、授業の目的上必要と認められるときは、前項の範囲内で公表された著作物を複製し又は伝送することができる。 |
(4) |
第1項及び第2項により著作物を利用しようとする者は、文化体育観光部長官が定めて告示した基準による補償金を当該著作財産権者に支払わなければならない。ただし、高等学校及びこれに準ずる学校以下の学校において第2項の規定による複製、配布、公演、放送又は伝送をする場合には、補償金を支払わない。〈改正2008・2・29、2009・4・22〉 |
(5) |
前項の規定による補償を受ける権利は、次の各号の要件を備えた団体として、文化体育観光部長官が指定する団体を通じて行使されなければならない。文化体育観光部長官がその団体を指定するときは、あらかじめ当該団体の同意を得なければならない。〈改正2008・2・29〉 |
(8) |
第5項の規定による団体は、補償金分配公告をした日から3年を経過した未分配補償金については、文化体育観光部長官の承認を得て、公益の目的のために使用することができる。〈改正2008・2・29〉 |
(9) |
第5項、第7項及び前項の規定による団体の指定、取消及び業務規程、補償金分配公告、未分配補償金の公益目的使用承認等に関して必要な事項は、大統領令で定める。 |
(10 |
) 第2項の規定により教育機関が伝送をするときは、著作権その他この法律により保護される権利の侵害を防止するため、複製防止措置等大統領令で定める必要な措置を講じなければならない。
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第26条 (時事報道のための引用)
放送、新聞その他の方法により時事報道をする場合において、その過程で見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道のための正当な範囲内において、複製し、配布し、公演し、又は公衆送信をすることができる。
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第27条 (時事的な記事及び論説の複製)
政治、経済、社会、文化、宗教に関し、「新聞等の振興に関する法律」第2条の規定による新聞及びインターネット新聞、若しくは「ニュース通信振興に関する法律」第2条の規定によるニュース通信に掲載された時事的な記事又は論説は、他の言論機関が複製し、配布し、又は放送することができる。ただし、利用を禁ずる表示がある場合には、この限りでない。〈改正2009・7・31〉
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第28条 (公表された著作物の引用)
公表された著作物は、報道、批評、教育又は研究等のために、正当な範囲内において、公正な慣行に合致する方法でこれを引用することができる。
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第29条 (営利を目的としない公演・放送)
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(1) |
営利を目的とせず、かつ聴衆、観衆又は第三者から名目の如何を問わず反対給付を得ない場合は、公表された著作物を公演し、又は放送することができる。ただし、実演者に通常の報酬を支払った場合は、この限りでない。 |
(2) |
聴衆又は観衆から当該公演に対する反対給付を得ない場合は、販売用音盤若しくは販売用映像著作物を再生して公衆に公演をすることができる。ただし、大統領令で定める場合は、この限りでない。
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第30条 (私的利用のための複製)
公表された著作物を、営利を目的としないで個人的に利用する場合、又は家庭及びこれに準ずる限られた範囲内において利用する場合は、その利用者はその複製をすることができる。ただし、公衆の使用に供するために設置された複写機器による複製については、この限りでない。
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第31条 (図書館等における複製等) |
(1) |
「図書館法」による図書館及び図書、文書、記録その他の資料(以下「図書等」という。)を公衆の利用に供する施設のうち、大統領令で定める施設(当該施設の長を含む。以下「図書館等」という。)は、次の各号のいずれかに該当する場合は、その図書館等に保管された図書等(第1号の場合は、第3項の規定により当該図書館等が複製し、又は伝送を受けた図書等を含む。)を使用して著作物を複製することができる。ただし、第1号及び第3号の場合には、デジタル形態で複製することができない。 |
(2) |
図書館等は、コンピュータを利用して利用者がその図書館等内において閲覧することができるように保管された図書等を複製し、又は伝送することができる。この場合において、同時に閲覧することのできる利用者の数は、その図書館等が保管する図書等の部数、又は著作権その他この法律により保護される権利を有する者から利用許諾を受けた図書等の部数を超えることができない。〈改正2009・4・22〉 |
(3) |
図書館等は、コンピュータを利用して利用者が他の図書館等内において閲覧することができるように保管されている図書等を複製し、又は伝送することができる。ただし、その全部又は一部が販売用として発行された図書等については、その発行日から5年を経過していない場合は、この限りでない。〈新設2009・4・22〉 |
(4) |
図書館等は、第1項第2号の規定による図書等の複製並びに第2項及び第3項の規定による図書等の複製の場合において、その図書等がデジタル形態で販売されている場合には、その図書等をデジタル形態で複製することができない。 |
(5) |
図書館等は、第1項第1号の規定によりデジタル形態の図書等を複製する場合、及び第3項の規定により図書等を他の図書館等内において閲覧することができるように複製し、又は伝送する場合は、文化体育観光部長官が定めて告示した基準による補償金を著作財産権者に支払わなければならない。ただし、国、地方自治団体又は「高等教育法」第2条の規定による学校を著作財産権者とする図書等(その全部又は一部が販売用として発行された図書等を除く。)の場合は、この限りでない。〈改正2008・2・29〉 |
(6) |
第25条第5項ないし第9項の規定は、補償金の支払等について準用する。
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(7) |
第1項ないし第3項の規定により図書等をデジタル形態で複製し、又は伝送する場合において、図書館等は、著作権その他この法律により保護される権利の侵害を防止するために複製防止装置等大統領令で定める必要な措置を講じなければならない。 |
(8) |
「図書館法」第20条の2の規定により国立中央図書館がオンライン資料の保存のために収集する場合には、当該資料を複製することができる。〈新設2009・3・25〉
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第32条 (試験問題としての複製)
学校の入学試験その他学識及び技能に関する試験、又は検定のために必要な場合は、その目的のため、正当な範囲内において公表された著作物を複製し、配布することができる。ただし、営利を目的とする場合は、この限りでない。〈改正2009・4・22〉
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第33条 (視覚障害者等のための複製) |
(1) |
公表された著作物は、視覚障害者等のために、点字により複製し、配布することができる。 |
(2) |
視覚障害者等の福利の増進を目的とする施設のうち、大統領令で定める施設(当該施設の長を含む。)は、営利を目的とせず、かつ視覚障害者等の利用に供するために公表された言語著作物を録音し、又は大統領令で定めた視覚障害者等のための専用の記録方式により複製し、配布し若しくは伝送することができる。〈改正2009・3・25〉 |
(3) |
前二項の規定による視覚障害者等の範囲については、大統領令で定める。
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第34条 (放送事業者の一時的な録音・録画) |
(1) |
著作物を放送する権限を有する放送事業者は、自己の放送のため、独自の手段により著作物を一時的に録音し、又は録画することができる。 |
(2) |
前項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音の日又は録画の日から1年を超えて保存することができない。ただし、録音物又は録画物が記録の資料として大統領令で定める場所に保存される場合には、この限りでない
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第35条 (美術著作物等の展示または複製) |
(1) |
美術著作物等の原作品の所有者又はその同意を得た者は、その著作物を原作品により展示することができる。ただし、街路、公園、建築物の外壁その他公衆に開放されている場所に常時展示する場合には、この限りでない。 |
(2) |
前項ただし書の規定により開放された場所に常時展示されている美術著作物等は、方法の如何を問わず、これを複製して利用することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 |
(3) |
第1項の規定により展示をする者又は美術著作物等の原作品を販売しようとする者は、その著作物の解説若しくは紹介を目的とする目録形態の冊子にこれを複製して配布することができる。 |
(4) |
委託による肖像画又はこれに類する写真著作物については、委託者の同意がなければ、これを利用することができない。
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第36条 (翻訳等による利用) |
(1) |
第25条、第29条又は第30条の規定により著作物を利用する場合には、その著作物を翻訳し、編曲し、又は翻案して利用することができる。 |
(2) |
第23条、第24条、第26条、第27条、第28条、第32条又は第33条の規定により著作物を利用する場合には、その著作物を翻訳して利用することができる。
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第37条 (出所の明示) |
(1) |
この款の規定により著作物を利用する者は、その出所を明示しなければならない。ただし、第26条、第29条ないし第32条及び第34条の場合には、この限りでない。 |
(2) |
出所の明示は、著作物の利用状況に応じて合理的と認められる方法でこれをしなければならず、著作者の実名又は異名が表示された著作物については、その実名又は異名を明示しなければならない。
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第37条の2 (適用除外)
プログラムについては、第23条、第25条、第30条及び第32条の規定を適用しない。[本条新設2009・4・22]
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第38条 (著作人格権との関係)
この款の規定は、著作人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。
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第3款 著作財産権の保護期間
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第39条 (保護期間の原則) |
(1) |
著作財産権は、この款に別段の定めがある場合を除き、著作者の生存する間及び死後50年を経過するまでの間、存続する。ただし、著作者の死後40年を経過し50年に達する前に公表された著作物の著作財産権は、公表された時から10年を経過するまでの間、存続する。 |
(2) |
共同著作物の著作財産権は、最後に死亡した著作者の死後50年を経過するまでの間、存続する。
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第40条 (無名又は異名著作物等の保護期間)
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(1) |
無名又は周知でない異名が表示された著作物の著作財産権は、公表された時から50年を経過するまでの間、存続する。ただし、この期間内に著作者の死後50年を経過したと認められる正当な事由が生じたときは、その著作財産権は、著作者の死後50年を経過したと認められる時に消滅したものとみなす。 |
(2) |
前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。 |
第41条 (業務上著作物の保護期間)
業務上著作物の著作財産権は、公表された時から50年を経過するまでの間、存続する。ただし、創作した時から50年以内に公表されなかった場合には、創作した時から50年を経過するまでの間、存続する。
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第42条 (映像著作物及びプログラムの保護期間〈改正2009・4・22〉)
映像著作物及びプログラムの著作財産権は、第39条及び第40条の規定にかかわらず、公表した時から50年を経過するまでの間、存続する。ただし、創作した時から50年以内に公表されなかった場合には、創作した時から50年を経過するまでの間、存続する。〈改正2009・4・22〉
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第43条 (継続的刊行物等の公表の時期)
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(1) |
第39条第1項ただし書、第40条第1項又は第41条の規定による公表の時期は、冊、号又は回等を追って公表する著作物については、毎冊、毎号又は毎回等の公表の時によるものとし、一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、最終部分の公表の時によるものとする。 |
(2) |
一部分ずつを逐次公表して全部を完成する著作物の継続すべき部分が直近の公表の時より3年を経過しても公表されない場合は、既に公表された部分の最後の部分を前項の規定による最終部分とみなす。
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第44条 (保護期間の起算)
この款に規定する著作財産権の保護期間を計算するときは、著作者が死亡した日、又は著作物を創作し、若しくは公表した日がそれぞれ属する年の翌年から起算する。
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第4款 著作財産権の譲渡・行使・消滅
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第45条 (著作財産権の譲渡) |
(1) |
著作財産権は、その全部又は一部を譲渡することができる。 |
(2) |
著作財産権の全部を譲渡する場合において、特約のないときは、第22条の規定による二次的著作物を作成して利用する権利を含まないものと推定する。ただし、プログラムについては、特約のない限り、二次的著作物作成権とともに譲渡したものと推定する。〈改正2009・4・22〉
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第46条 (著作物の利用許諾)
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(1) |
著作財産権者は、他の者に対し、その著作物の利用を許諾することができる。 |
(2) |
前項の規定により許諾を受けた者は、許諾された利用方法及び条件の範囲内においてその著作物を利用することができる。 |
(3) |
第1項の規定による許諾により著作物を利用することができる権利は、著作財産権者の同意がなければ第三者にこれを譲渡することができない。
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第47条 (著作財産権を目的とする質権の行使等〈改正2009・4・22〉) |
(1) |
著作財産権を目的とする質権は、その著作財産権の譲渡又はその著作物の利用により著作財産権者が受けるべき金銭その他の物(出版権及びプログラム排他的発行権設定の対価を含む。)に対しても行使することができる。ただし、これらの払渡し又は引渡しの前に、これらを受ける権利の差押えをしなければならない。〈改正2009・4・22〉 |
(2) |
質権の目的とされた著作財産権は、設定行為に特約のない限り、著作財産権者がこれを行使する。〈新設2009・4・22〉
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第48条 (共同著作物の著作財産権の行使)
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(1) |
共同著作物の著作財産権は、その著作財産権者全員の合意によらなければこれを行使することができず、他の著作財産権者の同意がなければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。これらの場合において、各著作財産権者は、信義に反して合意の成立を妨げ、又は同意を拒否することができない。 |
(2) |
共同著作物の利用による利益は、共同著作者間に特約のないときは、その著作物の創作に寄与した程度に応じて各自に配分される。この場合において、各自の寄与の程度が明らかでないときは、均等なものと推定する。 |
(3) |
共同著作物の著作財産権者は、その共同著作物に対する自己の持分を放棄することができ、自己の持分を放棄し又は相続人なしに死亡した場合は、その持分は、他の著作財産権者にその持分の比率に従って配分される。 |
(4) |
第15条第2項及び第3項の規定は、共同著作物の著作財産権の行使について準用する。
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第49条 (著作財産権の消滅) 著作財産権が次の各号のいずれかに該当する場合は、消滅する。 |
第5節 著作物利用の法定許諾
第50条 (著作財産権者が不明な著作物の利用)
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(1) |
何人も、大統領令で定める基準に該当する相当の努力を払っても、公表された著作物(外国人の著作物を除く。)の著作財産権者又はその居所が知ることができないためにその著作物の利用許諾を得ることができない場合には、大統領令で定めるところにより、文化体育観光部長官の承認を得た後、文化体育観光部長官の定める基準による補償金を供託し、これを利用することができる。〈改正2008・2・29〉 |
(2) |
前項の規定により著作物を利用する者は、その旨及び承認年月日を表示しなければならない。 |
(3) |
第1項の規定により法定許諾された著作物が改めて法定許諾の対象となるときは、第1項の規定による大統領令で定める基準に該当する相当の努力の手続を省くことができる。ただし、その著作物に対する法定許諾の承認の以前に、著作財産権者が大統領令で定める手続に従って異議を提起したときは、この限りでない。 |
(4) |
文化体育観光部長官は、大統領令で定めるところにより、法定許諾の内容を情報通信網に掲示しなければならない。〈改正2008・2・29〉
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第51条 (公表された著作物の放送)
公表された著作物を公益上の必要により放送しようとする放送事業者がその著作財産権者と協議をしても協議が成立しない場合は、大統領令で定めるところにより、文化体育観光部長官の承認を得た後、文化体育観光部長官の定める基準による補償金を当該著作財産権者に支払い、又は供託してこれを放送することができる。〈改正2008・2・29〉
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第52条 (販売用音盤の製作)
販売用音盤が我が国において最初に販売されてから3年を経過した場合において、その音盤に録音されている著作物を録音して他の販売用音盤を製作しようとする者がその著作財産権者と協議をしても協議が成立しない場合は、大統領令で定めるところにより、文化体育観光部長官の承認を得た後、文化体育観光部長官の定める基準による補償金を著作財産権者に支払い、又は供託して他の販売用音盤を製作することができる。〈改正2008・2・29〉
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第6節 登録及び認証
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第53条 (著作権の登録) |
(1) |
著作者は、次の各号に掲げる事項を登録することができる。 |
(3) |
文化体育観光部長官は、第1項の規定により著作権登録簿に記載した登録について登録公報を発行し又は情報通信網に掲示しなければならず、申請があった場合には、著作権登録簿を閲覧させ、又はその写本を交付しなければならない。〈改正2008・2・29〉 |
(4) |
前三項の規定による登録、登録申請の返戻、登録公報の発行又は掲示、著作権登録簿の閲覧及び写本の交付に関して必要な事項は、大統領令で定める。
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第55条の2 (秘密保持義務)
前三条の規定による登録業務を遂行する者及びその職にいた者は、職務上知り得た秘密を他人に漏洩してはならない。
[本条新設2009・4・22]
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第56条 (権利者等の認証)
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(1) |
文化体育観光部長官は、著作物等の取引の安全と信頼の保護のため、認証機関を指定することができる。〈改正2008・2・29〉 |
(2) |
前項の規定による認証機関の指定、指定の取消及び認証手続等に関して必要な事項は、大統領令で定める。〈改正2009・4・22〉 |
(3) |
第1項の規定による認証機関は、認証に関連する手数料を徴収することができ、その金額は、文化体育観光部長官が定める。〈改正2008・2・29〉
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第7節 出版権
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第57条 (出版権の設定)
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(1) |
著作物を複製し、配布する権利を有する者(以下、「複製権者」という。)は、その著作物を印刷その他これに類する方法により文書又は図画として発行しようとする者に対し、これを出版する権利(以下、「出版権」という。)を設定することができる。 |
(2) |
前項の規定により出版権の設定を受けた者(以下、「出版権者」という。)は、その設定行為で定めるところに従って、その出版権の目的である著作物を原作どおりに出版する権利を有する。 |
(3) |
複製権者は、その著作物の複製権を目的とする質権が設定されている場合は、その質権者の許諾を得たときに限り、出版権を設定することができる。
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第58条 (出版権者の義務)
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(1) |
出版権者は、その設定行為に特約のないときは、出版権の目的である著作物を複製するために必要な原稿又はこれに相当する物を受領した日から9月以内にこれを出版しなければならない。 |
(2) |
出版権者は、その設定行為に特約のないときは、慣行に従ってその著作物を継続して出版しなければならない。 |
(3) |
出版権者は、特約のないときは、各出版物に、大統領令で定めるところにより複製権者の表示をしなければならない。
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第59条 (著作物の修正増減) |
(1) |
出版権者が出版権の目的である著作物を改めて出版する場合において、著作者は、正当な範囲内において、その著作物の内容を修正し、又は増減を加えることができる。 |
(2) |
出版権者は、出版権の目的である著作物を改めて出版しようとする場合において、特約のないときは、そのつど、あらかじめ著作者にその事実を知らせなければならない。
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第60条 (出版権の存続期間等)
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(1) |
出版権は、その設定行為に特約のないときは、最初に出版した日から3年を経過するまでの間、存続する。 |
(2) |
複製権者は、出版権存続期間中にその出版権の目的である著作物の著作者が死亡したときは、前項の規定にかかわらず、著作者のために著作物を全集その他の編集物に収録し、又は全集その他の編集物の一部である著作物を分離して別に出版することができる。
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第61条 (出版権の消滅通知)
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(1) |
複製権者は、出版権者が第58条第1項又は第2項の規定に違反した場合には、6月以上の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときは、出版権の消滅の通知をすることができる。 |
(2) |
複製権者は、出版権者において出版が不可能なとき、又は出版する意思のないことが明らかであるときは、前項の規定にかかわらず、直ちに出版権の消滅の通知をすることができる。 |
(3) |
前二項の規定により出版権の消滅の通知をした場合は、出版権者がその通知を受領した時に出版権が消滅したものとみなす。 |
(4) |
前項の場合において、複製権者は、出版権者に対し、いつでも、原状回復の請求をし、又は出版を中止したことにより生じた損害の賠償を請求することができる。
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第62条 (出版権消滅後における出版物の配布)
出版権がその存続期間の満了その他の事由により消滅した場合は、その出版権を有していた者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その出版権の存続期間中に作成された出版物を配布することができない。
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