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    第10章-デジタル音声録音装置および媒体


    第A部-定義

    第1001条 定義

    本章において、以下の用語は以下の意味を有する。

      (1) 「デジタル音声コピー録音」とは、デジタル音楽録音物をデジタル録音方式で複製することをいい、複製が他のデジタル音楽録音物から直接なされるか送信から間接的になされるかを問わない。

      (2) 「デジタル音声インターフェイス装置」とは、デジタル音声情報および関連するインターフェイス・データを、非業務用インターフェイスを通じて、デジタル音声録音装置に伝達するために特に設計された機械または装置をいう。

      (3) 「デジタル音声録音装置」とは、個人の使用のために、一般的に個人に頒布される類の機械または装置(他の機械または装置に含まれるか否か、あるいは、その一部であるか否かを問わない)で、そのデジタル録音機能が私的利用のためのデジタル音声コピー録音を行うことを主たる目的とし、かつ、これを行うことのできるものをいうが、以下を含まない。

        (A) 業務用モデル製品。

        (B) 口述用機械、応答用機械その他の録音機器で、非音楽的音声の固定からなる録音物の作成を主たる目的として設計されかつ販売されるもの。

      (4) (A) 「デジタル音声録音媒体」とは、個人の使用のために一般的に頒布される形式の有形物で、デジタル音声録音装置を使用してデジタル音声コピー録音物を作成する目的で主に販売されまたは消費者が一般に使用するものをいう。

        (B) 上記規定は、以下の有形物を含まない。

          (i) 輸入者または製造者が最初に頒布した時点で録音物を含むもの。

          (ii) 映画その他の視聴覚著作物のコピーを作成する目的または非音楽的言語著作物(コンピュータ・プログラムまたはデータベースを含む)のコピーを作成する目的で、主として販売されかつ消費者が一般に使用するもの。

      (5) (A) 「デジタル音楽録音物」とは、以下の有形物をいう。

          (i) 音声および固定された音声に付随する資料、記述または説明のみがデジタル録音形式にて固定されたもの。

          (ii) 音声および資料が、直接または機械もしくは装置を用いて、覚知され、複製されその他伝達されるもの。

        (B) 「デジタル音楽録音物」は、以下の有形物を含まない。

          (i) 固定された音声が、話し言葉の録音物のみを含むもの。

          (ii) 一以上のコンピュータ・プログラムが固定されたもの。ただし、デジタル音楽録音物は、固定された音声および付随的資料を構成する記述または指示、ならびに固定された音声および付随的資料の知覚、複製または伝達を行うために直接または間接的に使用される記述または説明を含むことができる。

        (C) 本号において-

          (i) 「話し言葉の録音物」とは、一連の話し言葉のみを固定した録音物をいうが、付随的な音楽その他の音声を伴うことができる。

          (ii) 「付随的」とは、音声に関連しかつ比較的重要でないことをいう。

      (6) 「頒布する」とは、合衆国内の消費者に対して製品を販売し、貸与しもしくは移転し、または合衆国内の消費者に究極的に移転するために製品を合衆国内で移転することを意味する。

      (7) 「著作権につき利害ある者」とは、以下の者をいう。

        (A) 本編に基づき合法的に作成されたデジタル音楽録音物またはアナログ音楽録音物で頒布されたものに収録される音楽著作物の録音物を、本編第106条(1)に基づいて、複製する排他的権利を有する者。

        (B) 本編に基づき合法的に作成されたデジタル音楽録音物またはアナログ音楽録音物で頒布されたものに収録される音楽著作物をデジタル音楽録音物またはアナログ音楽録音物に複製する権利を、法律上または受益的に保有しまたは支配する者。

        (C) 頒布された録音物において実演する主演実演家。

        (D) 協会その他の団体であって-

          (i) 第(A)号、第(B)号または第(C)号に定める者を代表するもの。

          (ii) 作詞者および出版者に代わり音楽使用者に対して音楽著作物に対する権利の許諾を付与することに従事するもの。

      (8) 「製造する」とは、合衆国内で製品を生産しまたは組み立てることをいう。「製造者」とは、製造を行う者を意味する。

      (9) 「音楽出版者」とは、特定の音楽著作物を録音物に複製することを使用許諾する権限を有する者をいう。

      (10) 「業務用モデル製品」とは、商務長官が規則により定める要件に従い、録音業務従事者がその合法的な業務の通常の過程において使用するために設計され、製造され、販売されかつ意図された音声録音装置をいう。

      (11) 「連続コピー」とは、デジタル音楽録音物のデジタル複製物から著作権のある音楽著作物または録音物をデジタル形式にて増製することを意味する。「デジタル音楽録音物のデジタル複製物」には、著作権者の許諾を得て消費者への最終的な販売のために頒布されるデジタル音楽録音物を含まない。

      (12) デジタル音声録音装置またはデジタル音声録音媒体の「移転価格」は-

        (A) 第(B)号を条件として、以下のものとする。

          (i) 輸入製品の場合、合衆国税関における実際の通関価格(輸送費、保険料および関税を除く)。

          (ii) 国内製品の場合、製造者の移転価格(FOB製造者価格とし、販売に関連して生じた直接売上税または消費税を除く)。

        (B) 譲渡人および譲受人が関連団体でありまたは単一団体に含まれる場合、1986年内国歳入法典第482条またはその後継 規定に従い適用される規則の原則に基づく相当な独立当事者取引価格を下回ってはならない。

      (13) 「作者」とは、特定の音楽著作物の作曲者または作詞者をいう。


    第B部-コピー制御装置

    第1002条 コピー制御装置の組み込み

    (a) 輸入、製造および頒布の禁止-何人も、以下に適合しないデジタル音声録音装置またはデジタル音声インターフェイス装置を輸入し、製造しまたは頒布してはならない。

      (1) 連続コピー制御システム。

      (2) 連続コピー制御システムと同一の機能的特徴を有し、かつ、当該方式の連続コピー制御を使用する装置と連続コピー制御システムを使用する装置との間で、著作権および世代の状況に関する情報を正確に送信し、受信しかつ作用することを要するもの。

      (3) その他、商務長官が無断の連続コピーを禁止されたシステムであると証明するもの。

    (b) 認証手続の設定-商務長官は、利害関係者の申立によりシステムが第(a)項(2)に定める基準に合致することを認証する手続を設定しなければならない。

    (c) システム回避の禁止-何人も、第(a)項に定めるシステムの全部または一部を実行するプログラムまたは回路を忌避し、迂回し、除去し、無効にしその他回避することを主たる目的または主たる効果とする装置を輸入し、製造しまたは頒布し、またはかかる目的または効果を有するサービスを提供しもしくはその提供申出を行ってはならない。

    (d) デジタル音楽録音物における情報の暗号化-

      (1) 不正確な情報の暗号化の禁止-何人も、録音物の原典の分類コード、著作権状況または世代状況に関連する不正確な情報を含む録音物のデジタル音楽録音物を暗号化してはならない。

      (2) 著作権状況の暗号化不要-本章のいかなる規定も、デジタル音楽録音物の輸入または製造に従事する者に対し、著作権状況についてデジタル音楽録音物を暗号化することを要求するものではない。

    (e) デジタル方式の送信に伴う情報-録音物をデジタル方式にて公に送信しその他伝達する者は、本章において録音物の著作権状況に関連する情報を送信しその他伝達することを要求されない。上記の者で上記著作権状況にかかる情報を送信しその他伝達する者は、上記の情報を正確に送信しまたは伝達しなければならない。


    第C部-使用料支払

    第1003条 使用料支払の義務

    (a) 輸入および製造の禁止-何人も、本条に定める表示を記録し、その後計算書および第1004条に定める装置または媒体に対する使用料を納付しなければ、デジタル音声録音装置またはデジタル音声録音媒体を輸入して頒布し、または製造して頒布してはならない。

    (b) 通知の提出-デジタル音声録音装置またはデジタル音声録音媒体の輸入者または製造者は、既に本項に基づき通知を提出していない製品区分に含まれまたはかかる技術を用いたものにつき、著作権局長が規則により定める様式および内容の通知を当該装置または媒体について著作権局長に提出しなければならない。

    (c) 四半期および年次計算書の提出

      (1) 総則-輸入しまたは製造したデジタル音声録音装置またはデジタル音声録音媒体を頒布する輸入者または製造者は、著作権局長が規則で定める頒布につき、著作権局長が規則で定める様式および内容の四半期および年次計算書を、著作権局長に提出しなければならない。

      (2) 証明、認証および秘密保持-第(1)節に定める計算書は、輸入者または製造者の権限ある役員または長がこれが正確なものであるとの証明を付さなければならない。著作権局長は、上記計算書の認証および監査について定め、かつ、上記計算書に含まれる情報の秘密を保持する規則を公布しなければならない。かかる規則は、著作権につき利害ある者に対する計算書を機密として開示することにつき定めるものとする。

      (3) 使用料の支払-第(1)節に定める計算書は、第1004条に定める使用料の支払を伴うものとする。


    第1004条 使用料の支払

    (a) デジタル音声録音装置

      (1) 支払金額-合衆国に輸入されかつ頒布され、または合衆国内で製造されかつ頒布された各デジタル音声録音装置につき、第1003条に基づき支払うべき使用料の額は、移転価格の2パーセントとする。当該装置を最初に製造頒布し、または輸入頒布した者のみが、当該装置につき使用料を払う義務を負う。

      (2) 他の装置と共に頒布された装置に関する計算-一以上の装置と共に、物理的に結合した構成単位または独立の部品として、最初に頒布されたデジタル音声録音装置については、使用料を以下のとおり算出する。

        (A) デジタル音声録音装置およびその他の装置が物理的に結合した構成単位の部分である場合、使用料は、構成単位の移転価格に基づくが、当該構成単位と共に最初に頒布されなかった構成単位に含まれるデジタル音声録音装置にかかる使用料額を差し引いた金額とする。

        (B) デジタル音声録音装置が物理的に結合した構成単位の部分ではなく、かつ、直前の4暦四半期にほぼ類似の装置が別途頒布されていた場合、使用料率は当該四半期中のかかる装置の平均移転価格に基づくものとする。

        (C) デジタル音声録音装置が物理的に結合した構成単位の部分ではなく、かつ、直前の4暦四半期にほぼ類似の装置が別途頒布されていなかった場合、使用料は、当該装置が結合物に対する比に応じた額を反映したみなし価格に基づくものとする。

      (3) 使用料の制限-第(1)節または第(2)節にかかわらず、各デジタル音声録音装置にかかる使用料の額は、1ドル未満または最大使用料以上であってはならない。最大使用料は各装置につき8ドルとするが、複数のデジタル音声録音装置を含む物理的に結合した構成単位の場合には、各構成単位につき12ドルとする。本章の発効日*21後6年目およびその後年 1回以内、著作権につき利害ある者は、著作権使用料審判官に対して最大使用料を増額する申し立てを行うことができ、 20パーセントを超える使用料が当該最大使用料である場合には、著作権使用料審判官は、使用料の10パーセント未満が新たな最大使用料となることを目的として最大使用料を将来に向かって増額することができる。ただし、使用料のパーセンテージに基づく増額は、審査が行われる期間の消費者物価指数における増加を超えてはならない。


    *21 1992年10月28日


    (b) デジタル音声録音媒体-合衆国に輸入されかつ頒布され、または製造されかつ合衆国内で頒布された各デジタル音声録音媒体につき、第1003条に基づき支払うべき使用料の額は、移転価格の3パーセントとする。当該媒体を最初に製造頒布し、または輸入頒布した者のみが、当該媒体につき使用料を払う義務を負う。


    第1005条 使用料の納付および費用の控除

    著作権局長は、本章に基づき納付されたすべての使用料を受領し、本章に基づき著作権局が負担した相当な費用を差し引いた後に、残額を財務長官が指示する方法で相殺後の収入として合衆国財務省に預金しなければならない。財務長官が保管する資金は、第1007条に基づき後日利息と共に分配するため、利息を生じる合衆国債券に投資しなければならない。著作権局長は、その裁量において、暦年終了から4年後に、当該暦年の使用料口座を閉鎖し、当該口座に残存する資金および当該暦年に発生したその後の預金を、翌暦年に発生する使用料として扱うことができる。


    第1006条 使用料支払を受ける資格

    (a) 著作権につき利害ある者-第1005条に従い納付された使用料は、第1007条に定める手続に従い、著作権につき利害ある者で以下の条件をすべて満たす者に配分される。

      (1) その音楽著作物または録音物が-

        (A) 本編に基づき合法的に作成されたデジタル音楽録音物またはアナログ音楽録音物で頒布されたものに収録されること。

        (B) 当該支払に関連する期間中、デジタル音楽録音物またはアナログ音楽録音物の形式で頒布され、または送信において公に公表されたこと。

      (2) 第1007条に基づき請求を提出したこと。

    (b) 団体に対する使用料の配分-使用料は、以下のとおり二つの基金に分割される。

      (1) 録音物基金-使用料の66 2/3パーセントは、録音物基金に配分されるものとする。録音物基金に配分された使用料の 2 5/8パーセントは、合衆国内で頒布される録音物において実演した非主演演奏家(アメリカ演奏家連盟(AF of M)またはその後継団体の構成員であるか否かを問わない)に配分するため、第1001条(7)(A)に定める著作権につき利害ある者およびアメリカ演奏家連盟(またはその後継団体)が共同で任命する独立の管理人が管理する預託口座に入金されるものとする。録音物基金に配分された使用料の1 3/8パーセントは、合衆国内で頒布される録音物において実演した非主演歌手(アメリカ・テレビ・ラジオ・アーティスト連盟またはその後継団体の構成員であるか否かを問わない)に配分するため、第1001条(7)(A)に定める著作権につき利害ある者およびアメリカ・テレビ・ラジオ・アーティスト連盟(またはその後継団体)が共同で任命する独立の管理人が管理する預託口座に入金されるものとする。録音物基金に配分された使用料の残額のうち、40パーセントは、第1001条(7)(C)に定める著作権につき利害ある者に配分され、60パーセントは、第1001条(7)(A)に定める著作権につき利害ある者に配分される。

      (2) 音楽著作物基金-

        (A) 使用料の33 1/3パーセントは、第1001条(7)(B)に定める著作権につき利害ある者への配分のために、音楽著作物基金に配分されるものとする。

        (B) (i) 音楽出版者は、音楽著作物基金に配分された使用料の50パーセントを受けることができる。

          (ii) 作者は、音楽著作物基金に配分された使用料の50パーセントを受けることができる。

    (c) 団体内での使用料の分配-第(b)項に定める団体内部で著作権につき利害ある者が、各団体内での使用料にかかる任意的配分案につき合意しない場合、著作権使用料審判官は、第1007条(c)に基づき定める手続に従い、当該期間中の以下の事情に基づいて、本条に基づき使用料を分配するものとする。

      (1) 録音物基金については、各録音物がデジタル音楽録音物またはアナログ音楽録音物の形態で頒布された程度。

      (2) 音楽著作物基金については、各音楽著作物がデジタル音楽録音物またアナログ音楽録音物の形態で頒布されまたは送信により公に公表された程度。


    第1007条 使用料分配の手続

    (a) 請求の提出および交渉

      (1) 請求の提出-各暦年の最初の2ヶ月に、著作権につき利害あるすべての者で第1006条に基づき受けることのできる使用料を受領しようとする者は、著作権使用料審判官に対し、著作権使用料審判官が規則により定める様式および方法で、前年に徴収された使用料にかかる請求を提出しなければならない。

      (2) 交渉-本条においては、反トラスト法の規定にかかわらず、第1006条(b)に定める各団体内の著作権につき利害ある者は、使用料の比例配分について合意し、請求を併合して単一の請求としてまたは共同で提出し、または支払について交渉しまたは支払を受けるための共通の代理人(第1001条(7)(D)に定める団体を含む)を指名することができる。

    ただし、本項に基づくいかなる合意も、第1006条(b)に定める使用料の支払を修正してはならない。

    (b) 争いがない場合の使用料の分配-第(a)項に基づき請求提出のための期間の後、毎年、著作権使用料審判官は、第1006 条(c)に基づく使用料の分配につき争いがあるか否かを判断しなければならない。争いがないと判断した場合、著作権使用料審判官は、かかる判断から30日以内に、第(a)項に従って使用料の配分につきなされた合意に定めるとおりの使用料分配を許可しなければならない。連邦議会図書館長は、使用料の分配を許可する前に、本条に基づき発生する経費を差し引くものとする。

    (c) 紛争の解決-著作権使用料審判官は、争いがあると認定した場合、使用料の分配を決定するために本編第8章に基づいて手続を行わなければならない。著作権使用料審判官は、かかる手続の係属中、争いの対象となるすべての請求を満たすに十分な金額を分配額から留保しなければならないが、紛争の対象とならない金額の分配については、実際的な限りにおいてこれを許可しなければならない。連邦議会図書館長は、使用料の配分を許可する前に、本条に基づき発生する相当の経費を差し引くものとする。


    第D部-特定の侵害訴訟の禁止、救済および仲裁

    第1008条 特定の侵害訴訟の禁止

    本編において、デジタル音声録音装置、デジタル音声録音媒体、アナログ録音装置もしくはアナログ録音媒体の製造、輸入もしくは頒布に基づく著作権の侵害、またはデジタル音楽録音物もしくはアナログ音楽録音物を作成するためのかかる装置もしくは媒体の消費者による非商業的利用に基づく著作権の侵害を主張する訴訟は、これを提起することができない。


    第1009条 民事上の救済

    (a) 民事訴訟-著作権につき利害ある者で第1002条または第1003条の違反により損害を受けた者は、かかる違反につき、しかるべき連邦地方裁判所に民事訴訟を提起することができる。

    (b) その他の民事訴訟-本章の違反により損害を受けた者は、かかる違反の結果生じた現実損害につき、しかるべき連邦地方裁判所に民事訴訟を提起することができる。

    (c) 裁判所の権限-第(a)項に基づき提起された訴訟において、裁判所は-

      (1) 当該違反を差止めまたは防止するために適切と考える条件において、一時的差止命令および終局的差止命令を発行することができる。

      (2) 第1002条の違反の場合、または第1003条に定める使用料支払の懈怠の結果生じた損害の場合、本条第(d)項に定める損害賠償を認めることができる。

      (3) その裁量において、合衆国またはその公務員以外の当事者によるまたはかかる者に対し、費用の回復を認めることができる。

      (4) その裁量において、勝訴当事者に相当な弁護士報酬の回復を認めることができる。

    (d) 損害賠償

      (1) 第1002条または第1003条の違反にかかる損害賠償-

        (A) 現実損害賠償-

          (i) 第(a)項に基づき提起された訴訟において、第1002条または第1003条の違反が行われたと判断する場合、裁判所は、申立当事者が終局的判決が言い渡される前に現実損害賠償を選択した場合には、申立当事者に対して現実損害の回復を認めなければならない。

          (ii) 第1003条にかかる訴訟の場合、現実損害の額は、第1004条に基づき支払われるべきでありかつ第1005条に基づき納付されるべき使用料の額を構成するものとする。かかる場合においては、裁判所は、その裁量において、現実損害賠償額の50パーセントを超えない付加額の回復を認めることができる。

        (B) 第1002条の違反にかかる法定損害賠償-

          (i) 装置-申立当事者は、第1002条(a)または(c)の違反につき、裁判所が正当と考えるところにより、違反に関連する各装置または第1002条が禁止する業務の提供に用いられた各装置につき2,500ドルを超えない法定損害賠償額を回復することができる。

          (ii) デジタル音楽録音物-申立当事者は、第1002条(d)の違反につき、裁判所が正当と考えるところにより、違反に関連する各デジタル音楽録音物につき25ドルを超えない法定損害賠償額を回復することができる。

          (iii) 送信-申立当事者は、第1002条(e)に違反する各送信または伝達につき、裁判所が正当と考えるところにより、 10,000ドルを超えない法定損害賠償額を回復することができる。

      (2) 反復する違反-第1002条または第1003条の違反を認める終局的判決が言い渡されてから3年以内に、当該者が第1002 条または第1003条に違反したと裁判所が認定する場合、裁判所は、その正当と考えるところにより、第(1)節に基づき言い渡される損害賠償の額を、2倍を限度として増額することができる。

      (3) 第1002条の善意の違反-第1002条に違反した者がその行為が1002条の違反にあたると知らずかつそう信じる理由がないと裁判所が判断する場合、裁判所は、その裁量において、違反者に課せられる損害賠償の総額を250ドルを限度として減額することができる。

    (e) 損害賠償額の支払-第(d)項に基づく損害賠償額は、第1003条に従い支払われる使用料と同様に、第1005条に従って著作権につき利害ある者に分配されるために著作権局長に納付される。

    (f) 物品の差押-第(a)項に基づく訴訟の係属中いつでも、裁判所は、その相当と考える条件において、デジタル音声録音装置、デジタル音楽録音物または第1002条(c)に定める装置であって、違反者とされる者の占有または支配にあり、かつ、裁判所が第1002条に従わずまたは違反に関連すると信じる相当な理由があるものの差押を命ずることができる。

    (g) 物品の救済的修正および廃棄-第(a)項に基づき提起された訴訟において、裁判所は、第1002条の違反を認定する終局的判決または決定の一部として、デジタル音声録音装置、デジタル音楽録音物または第1002条(c)に定める装置で、以下の条件を満たすものの救済的修正または廃棄を命ずることができる。

      (1) 第1002条に従わず、または第1002条の違反に関連するもの。

      (2) 違反者の占有下または支配下にあり、または第(f)項に基づき差し押さえられたもの。


    第1010条 特定の紛争の決定

    (a) 決定の範囲-デジタル音声録音装置またはデジタル音声インターフェイス装置が合衆国内で最初に頒布される日より前に、かかる装置を製造し、輸入または頒布する者および著作権につき利害ある者は、当該装置が第1002条の対象となるか否か、または第1003条に基づく当該装置に関する使用料の支払の根拠を決定することを求めて、著作権使用料審判官に申し立てることを、相互に合意することができる。

    (b) 手続の開始-第(a)項に定める手続に合意する当事者は、著作権使用料審判官に対し、手続の開始を求める申立書を提出しなければならない。著作権使用料審判長は、かかる申立書の受領後2週間以内に、手続開始の通知を連邦官報に掲載させなければならない。

    (c) 司法手続の停止-本条に基づく手続の当事者に対して第1009条に基づき提起された民事訴訟は、手続の当事者の一の申立により、手続終了まで停止しなければならない。

    (d) 手続-著作権使用料審判官は、その採用する手続に従って、関係事項に関する手続を行わなければならない。著作権使用料審判官は、完全に書面化された記録に基づき行動しなければならない。手続の当事者は、関連する情報および提案を著作権使用料審判官に提出することができる。手続の当事者は、それぞれ自己の費用を負担しなければならない。

    (e) 司法審査-第(d)項に基づく著作権使用料審判官の決定に対しては、当該手続の当事者は、本編第803条(d)に従って上訴することができる。本項に基づく上訴の係属は、著作権使用料審判官の決定を停止させなるものではない。裁判所が著作権使用料審判官の決定を変更する場合、裁判所は、その終局的判決に従って、その独自の判断を行う権限を有するものとする。さらに、裁判所は著作権使用料審判官の決定を破棄して本条に定める手続のために事件を差し戻すことができるものとする。




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