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    1988年の著作権、意匠及び特許法

    第1部 著作権


    第1章 著作権の存続、帰属及び存続期間

    導入規定

    (著作権及び著作権のある著作物)
    第1条
    (1) 著作権は、この部の規定に従って次に掲げる種類の著作物に存続する財産権である。
    (a) 文芸、演劇、音楽又は美術の原著作物
    (b) 録音物、映画又は放送
    (c) 発行された版の印刷配列
    (2) この部において、「著作権のある著作物」とは、著作権が存続するいずれの種類の著作物をもいう。
    (3) 著作権保護のための資格付与についてのこの部の要件が満たされない限り(第153条及び同条において言及される規定参照)、著作物に著作権は存続しない。

    (著作権のある著作物に存続する権利)
    第2条
    (1) いずれの種類の著作物の著作権者も、その種類の著作物の著作権により制限される行為として第2章に明示する行為を行う排他的権利を有する。
    (2) 著作権のある著作物のある種類に関して、第4章(著作者人格権)により付与される次に掲げる権利は、著作権者である否とにかかわらず、著作物の著作者、監督又は委嘱者のために存続する。
    (a) 第77条(著作者又は監督として確認される権利)
    (b) 第80条(著作物を傷つける取扱いに反対する権利)
    (c) 第85条(ある種の写真及び映画のプライバシー権)

    著作物の種類及び関係規定

    (文芸、演劇及び音楽の著作物)
    第3条
    (1) この部において、
    「文芸の著作物」とは、演劇又は音楽の著作物以外、の書かれ、話され、又は歌われるいずれの著作物をもいい、したがって、次に掲げるものを含む。
    (a) データベース以外の表又は編集物
    (b) コンピュータ・プログラム
    (c) コンピュータ・プログラムのための準備設計資料
    (d) データベース
    「演劇の著作物」は、舞踏又は無言劇の著作物を含む。
    「音楽の著作物」とは、音楽とともに歌われ、話され、又は実演されることを意図されるいずれの言葉又は所作をも除く音楽から成る著作物をいう。
    (2) 文書その他に記録されない限り、かつ、それまでは、文芸、演劇又は音楽の著作物に著作権は存続しない。また、この部におけるそのような著作物が作成される時への言及は、著作物がそのように記録される時への言及である。
    (3) 第2項の目的上、著作物が著作者により又はその許諾を得て記録されるかどうかは、重要ではない。また、著作物が著作者により記録されない場合には、同項のいずれの規定も、記録された著作物と区別される記録物に著作権が存続するかどうかの問題に影響しない。

    (データベース)
    第3条のA
    (1) この部において、「データベース」とは、独立した著作物、データその他の資料であって、次に掲げる2つの条件を満たすものの収集物をいう。
    (a) 組織的又は秩序立った方法で配列されていること。
    (b) 電子的その他の手段によって個々にアクセスできること。
    (2) この部の目的上、データベースから成る文芸の著作物は、データベースの内容の選択又は配列を理由として、データベースが著作者自身の知的創作物を構成する場合に限り、独創的である。

    (美術の著作物)
    第4条
    (1) この部において、「美術の著作物」とは、次に掲げるものをいう。
    (a) 芸術的な質にかかわらず、図画の著作物、写真、彫刻又はコラージュ
    (b) 建築物又は建築物のためのひな形である建築の著作物
    (c) 美術工芸の著作物
    (2) この部において、
    「建築物」は、いずれの固定された構造物及び建築物又は固定された構造物の一部分をも含む。
    「図画の著作物」は、次に掲げるものを含む。
    (a) いずれの絵画、素描、図解、地図、図表又は図面
    (b) いずれの版画、銅版画、石版画、木版画又は類似の著作物
    「写真」とは、その上に影像が製作され、又はそれから影像をいずれかの手段により製作することができる媒体上の光線その他の放射線の記録物(映画の一部分でない)をいう。
    「彫刻」は、彫刻の目的のために作成される鋳型又はひな形を含む。

    (録音物)
    第5条のA
    (1) この部において、
    「録音物」とは、その上に録音物が作成される媒体又はそれにより音が再生され、若しくは製作される手段にかかわらず、次に掲げるものをいう。
    (a) それから音を再生することができる音の記録物
    (b) 文芸、演劇又は音楽の著作物の全体又はいずれかの部分の記録物であって、それから著作物又はその部分を再生する音が製作されることができるもの
    (2) 以前の録音物からとった複製物である録音物には、著作権は存続せず、又はその限りにおいてその録音物には著作権は存続しない。

    (映画)
    第5条のB
    (1) この部において、「映画」とは、それから動く影像をいずれかの方法により製作することができるいずれかの媒体上の記録物をいう。
    (2) 映画に伴う録音帯は、この部の目的上、映画の一部分として取り扱われる。
    (3) 第2項の一般原則を害することなく、同項が適用される場合には、
    (a) この部における映画の上映への言及は、その映画に伴ってその映画の録音帯を演奏することを含む。
    (b) この部における録音物の演奏への言及又は録音物の公衆への伝達への言及は、映画に伴ってその映画の録音帯を演奏すること又は伝達することを含まない。
    (c) この部における著作物の複製への言及は、それらが録音物について適用される限りは、映画に伴ってその映画の録音帯を複製することを含まない。
    (d) この部における著作物の複製物の配布、レンタル又は貸与への言及は、それらが録音物について適用される限りは、映画に伴ってその録音帯の複製物を配布すること、レンタルすること又は貸与することを含まない。
    (4) 以前の映画からとった複製物である映画には、著作権は存続せず、又はその限りにおいてその映画には著作権は存続しない。
    (5) この条のいずれの規定も、録音物としての映画の録音帯に存続するいずれの著作権にも影響しない。

    (放送)
    第6条
    (1) この部において、「放送」とは、次に掲げるいずれかに該当し、かつ、第1項のAにより除外されない視覚的影像、音その他の情報の電信的送信をいう。
    (a) 公衆の構成員による同時受信のために送信され、かつ、それらの者が適法に受信することができるもの
    (b) 公衆の構成員への提供のために送信を行う者のみが決定する時間に送信されるもの
    また、放送することへの言及は、それに従って解釈される。
    (1A)  いずれのインターネット送信も、次に掲げるいずれかの送信に該当しない限り、「放送」の定義から除外される。
    (a) インターネット上及び他の手段により同時に行われる送信
    (b) 生の出来事の同時送信
    (c) 送信を行うことについて責任を有する者が提供する番組サービスであって、その者が決定する予定された時間に番組が送信されるサービスの一部を構成する記録された動く影像又は音の送信
    (2) 暗号送信は、解読設備が、送信を行う者若しくは送信の内容を提供する者により又はその許可を得て公衆の構成員に提供されている場合に限り、公衆の構成員が適法に受信することができるものとみなされる。
    (3) 放送を行い、著作物を放送し、又は放送に著作物を挿入する者へのこの部における言及は、次に掲げる者への言及をいう。
    (a) 番組を送信する者であって、その内容についていずれかの限度まで責任を有するもの
    (b) 番組を提供するいずれかの者であって、それを送信する者とともにその送信に必要な手筈をととのえるもの
    また、放送に関連してこの部における番組への言及は、放送に挿入されるいずれの項目への言及をもいう。
    (4) この部の目的上、無線放送がそこから行われる場所は、放送を行う者の管理及び責任の下に、番組伝送信号が通信の中断のない連続(衛星送信の場合には衛星を通って地上に降りる〔通信の〕連続を含む。)の中に導入される場所である。
    (4A) 第3項及び第4項の規定は、第6条のA(ある種の衛星放送の場合における予防手段)に従うことを条件として、効力を有する。
    (5) この部における放送の受信への言及は、電気通信設備を用いて中継される放送の受信を含む。
    (6) 他の放送の著作権を侵害する放送には、著作権は存続せず、又はその限りにおいてその放送には著作権は存続しない。

    (ある種の衛星放送の場合における予防手段)
    第6条のA
    (1) この条の規定は、衛星送信による放送がそこから行われる場所が、EEA加盟国以外の国に所在し、かつ、その国の法律が少なくとも次に掲げる水準の保護を規定していない場合に、適用される。
    (a) 第20条(公衆への伝達による侵害)により文芸、演劇、音楽及び美術の著作物、映画並びに放送の著作者に付与される権利に相当する無線放送に関する排他的権利
    (b) 第182条第1項(b)号(実演の生の放送について要求される同意)により実演家に付与される権利に相当する生の無線放送に関する権利
    (c) 録音物の無線放送について単一の公正な報酬の分配を受ける録音物の著作者及び実演家の権利
    (2) 番組伝送信号がそこから衛星(「アップリンク局」)に送信される場所がEEA加盟国に所在する場合には、
    (a) その場所は、放送がそこから行われる場所として取り扱われる。
    (b) アップリンク局を運営する者は、放送を行う者として取り扱われる。
    (3) アップリンク局がEEA加盟国に所在しないが、EEA加盟国に定着している者が放送を行うことを委託している場合には、
    (a) その者は、放送を行う者として取り扱われる。
    (b) その者がEEAに主たる事業所を有する場所は、放送がそこから行われる場所として取り扱われる。
    第7条 削除

    (発行された版)
    第8条
    (1) この部において、発行された版の印刷配列の著作権に関して「発行された版」とは、1又は2以上の文芸、演劇又は音楽の著作物の全体又はいずれかの部分の発行された版をいう。
    (2) 発行された版の印刷配列が以前の版の印刷配列を複製している場合には、又はその限りにおいて、その印刷配列には著作権は存続しない。

    著作者及び著作権の帰属

    (著作物の著作者)
    第9条
    (1) この部において、著作物に関して、「著作者」とは、著作物を創作する者をいう。
    (2) その者は、次に掲げる者であるとみなされる。
    (aa) 録音物の場合には、製作者
    (ab) 映画の場合には、製作者及び主たる監督
    (b) 放送の場合には、放送を行う者(第6条第3項参照)、又は受信及び即時再送信により他の放送を中継する放送の場合には、その他の放送を行う者
    (c) 削除
    (d) 発行された版の印刷配列の場合には、発行者
    (3) コンピュータにより生成される文芸、演劇、音楽又は美術の著作物の場合には、著作者は、著作物の創作に必要な手筈を引き受ける者であるとみなされる。
    (4) この部の目的上、著作者の身元が知られていないとき、又は共同著作物の場合にはいずれの著作者の身元も知られていないときに、著作物は、「著作者が知られていない」ものである。
    (5) この部の目的上、ある者が合理的な調査により著作者の身元を確認することができないときは、著作者の身元は、知られていないとみなされる。ただし、著作者の身元がいったん知られるときは、その身元は、その後は知られていないとはみなされない。

    (共同著作物)
    第10条
    (1) この部において、「共同著作物」とは、2人又は2人以上の著作者の協力により製作される著作物であって、各著作者の寄与が他の著作者のそれと区分されないものをいう。
    (1A) 映画は、製作者及び主たる監督が同一の者でない限り、共同著作物として取り扱われる。
    (2) 2人以上の者が放送を行っている(第6条第3項参照)とみなされるいずれの場合にも、放送は、共同著作物として取り扱われる。
    (3) この部における著作物の著作者への言及は、別途規定される場合を除き、共同著作物に関して、著作物のすべての著作者への言及として解釈される。

    (合同著作物)
    第10条のA
    (1) この部において、「合同著作物」とは、音楽の著作物と文芸の著作物の著作者の協力により製作される著作物であって、当該2つの著作物が結合して使用される目的で創作されるものをいう。
    (2) この部における著作物又は著作物の著作者への言及は、別に規定される場合を除き、合同著作物に含まれる独立した音楽及び文芸の各著作物、及びそれらの著作物の各著作者への言及として解釈される。

    (著作権の最初の帰属)
    第11条
    (1) 著作物の著作者は、以下の規定に従うことを条件として、その著作物の著作権のいずれもの最初の所有者である。
    (2) 文芸、演劇、音楽若しくは美術の著作物又は映画が、被雇用者によりその雇用の過程において作成される場合には、反対のいずれの協定にも従うことを条件として、その雇用主が、著作物の著作権のいずれもの最初の所有者である。
    (3) この条の規定は、国王の著作権若しくは議会の著作権(第163条及び第165条参照)又は第168条に基づいて存続する著作権(ある種の国際機関の著作権)については適用されない。

    著作権の存続期間

    (文芸、演劇、音楽又は美術の著作物の著作権の存続期間)
    第12条
    (1) 以下の規定は、文芸、演劇、音楽又は美術の著作物の著作権の存続期間について効力を有する。
    (2) 著作権は、以下の規定に従うことを条件として、著作者が死亡する暦年の終わりから70年の期間の終わりに消滅する。
    (3) 著作者が知られていない著作物の場合には、著作権は、以下の規定に従うことを条件として、
    (a) 著作物が作成された暦年の終わりから70年の期間の終わりに消滅する。
    (b) その期間中に著作物が公衆に提供されるときは、著作物が最初にそのように提供される暦年の終わりから70年の期間の終わりに消滅する。
    (4) 第3項(a)号又は(b)号に明示される期間の終了前に著作者の身元が知られることとなるときは、第2項の規定が適用される。
    (5) 第3項の目的上、公衆への提供は、次に掲げる行為を含む。
    (a) 文芸、演劇又は音楽の著作物の場合には、
    (i) 公の実演
    (ii) 公衆への伝達
    (b) 美術の著作物の場合には、
    (i) 公の展示
    (ii) 著作物を挿入している映画が公に上映されること。
    (iii) 公衆への伝達
    ただし、著作物が公衆に提供されたかどうかをその項の目的上一般に決定する際には、いずれの無許諾の行為も、なんら考慮されない。
    (6) 著作物の本国がEEA加盟国でなく、かつ、著作物の著作者がEEA加盟国の国民でない場合には、著作権の存続期間は、本国において著作物に許与される期間となる。ただし、この期間は、第2項から第5項までの規定に基づいて適用されることとなる期間を超えない。
    (7) コンピュータにより生成される著作物の場合には、前記の規定は、適用されず、著作権は、著作物が生成された暦年の終わりから50年の期間の終わりに消滅する。
    (8) この条の規定は、共同著作物又は合同著作物に関しては、次のように変更される。
    (a) 第2項における著作者の死亡への言及は、次のように解釈される。
    (i) すべての著作者の身元が知られているときは、それらの者のうち最後に死亡した著作者の死亡への言及として。
    (ii) 1人又は2人以上の著作者の身元が知られており、かつ、他の1人又は2人以上の著作者の身元が知られていないときは、身元が知られている最後に死亡した著作者の死亡への言及として。
    (b) 第4項における知られることとなる著作者の身元への言及は、知られることとなるいずれもの著作者の身元への言及と解釈される。
    (c) 第6項におけるEEA加盟国の国民でない著作者への言及は、EEA加盟国の国民であるいずれの著作者への言及でもないとして解釈される。
    (9) この条の規定は、国王の著作権若しくは議会の著作権(第163条から第166条のDまで参照)又は第168条に基づいて存続する著作権(ある種の国際機関の著作権)については適用されない。

    (録音物の著作権の存続期間)
    第13条のA
    (1) 以下の規定は、録音物の著作権の存続期間について効力を有する。
    (2) 著作権は、 第4項,第5項及び第191条のHA第4項の規定に従うことを条件として、
    (a) 録音物が作成される暦年の終わりから50年の期間の終わりに消滅する。
    (b) その期間中に録音物が公表されるときは、それが最初に発行される暦年の終わりから70年で消滅する。
    (c) その期間中に録音物が発行されないが、公に演奏され、又は公衆に伝達されることにより公衆に提供されるときは、それがそのように最初に提供される暦年の終わりから70年で消滅する。
    ただし、録音物が発行されているか、公に演奏されているか、又は公に伝達されているかどうかを決定する際には、いずれの無許諾の行為も、なんら考慮されない。
    (3) 削除
    (4) 録音物の著作者がEEA加盟国の国民でない場合には、著作権の存続期間は、著作者が国民である国において録音物に許与される期間となる。ただし、この期間は、第2項に基づいて適用されることとなる期間を超えない。
    (5) 第4項の規定の適用が、1993年10月29日前に連合王国が負うこととなった国際的義務と矛盾することとなるときは、又はその限りにおいて、著作権の存続期間は、第2項に明示される期間となる。

    (映画の著作権の存続期間)
    第13条のB
    (1) 以下の規定は、映画の著作権の存続期間について効力を有する。
    (2) 著作権は、以下の規定に従うことを条件として、次に掲げる者のうち最後に死亡する者が死亡する暦年の終わりから70年の期間の終わりに消滅する。
    (a) 主たる監督
    (b) 映画台本の著作者
    (c) 対話の著作者
    (d) 映画のために特別に創作され、かつ、映画において使用される音楽の作曲者
    (3) 第2項(a)号から(d)号までにおいて言及されている1人又は2人以上の者の身元が知られており、かつ、1人又は2人以上の他の者の身元が知られていない場合には、同項におけるそれらの者のうち最後に死亡する者の死亡への言及は、身元が知られている最後に死亡する者への言及として解釈される。
    (4) 第2項(a)号から(d)号までにおいて言及されている者の身元が知られていない場合には、著作権は、
    (a) 映画が作成された暦年の終わりから70年の期間の終わりに消滅する。
    (b) その期間中に映画が公衆に提供されるときは、それが最初にそのように提供される暦年の終わりから70年の期間の終わりに消滅する。
    (5) 第4項(a)号又は(b)号に定める期間の終了前にそれらの者のいずれかの身元が知られることとなる場合には、第2項及び第3項の規定が、適用される。
    (6) 第4項の目的上、公衆への提供は、次に掲げる行為を含む。
    (a) 公の上映
    (b) 公衆への伝達
    ただし、映画が公衆に提供されたかどうかをその項の目的上一般に決定する際には、いずれかの無許諾の行為も、なんら配慮されない。
    (7) 本国がEEA加盟国でなく、かつ、映画の著作者がEEA加盟国の国民でない場合には、著作権の存続期間は、本国において著作物に許与される期間となる。ただし、この期間は、第2項から第6項までに基づいて適用されることとなる期間を超えない。
    (8) 共同著作者が存在する映画に関して、第7項におけるEEA加盟国の国民でない著作者への言及は、EEA加盟国の国民であるいずれの著作者への言及でもないと解釈される。
    (9) いずれの場合にも、第2項(a)号から(d)号までに該当する者が存在しないときは、前記の規定は、適用されず、著作権は、映画が作成された暦年の終わりから50年の期間の終わりに消滅する。
    (10) この条の目的上、第2項(a)号から(d)号までにおいて言及されているいずれの者の身元も、ある者がその者の身元を合理的な調査により確認することができないときは、知られていないとみなされる。ただし、そのような者の身元がいったん知られるときは、その身元は、その後は知られていないとはみなされない。

    (放送の著作権の存続期間)
    第14条
    (1) 以下の規定は、放送の著作権の存続期間について効力を有する。
    (2) 放送の著作権は、以下の規定に従うことを条件として、放送が行われた暦年の終わりから50年の期間の終わりに消滅する。
    (3) 放送の著作者がEEA加盟国の国民でない場合には、放送の著作権の存続期間は、著作者が国民である国において放送に許与される期間となる。ただし、この期間は、第2項に基づいて適用されることとなる期間を超えない。
    (4) 第3項の規定の適用が、1993年10月29日前に連合王国が負うこととなった国際的義務と矛盾することとなるときは、又はその限りにおいて、著作権の存続期間は、第2項に明示される期間となる。
    (5) 反復放送の著作権は、原放送の著作権と同時に消滅する。したがって、原放送の著作権の消滅の後に放送される反復放送については、著作権は生じない。
    (6) 反復放送とは、以前行われた放送の反復であるものをいう。

    (発行された版の印刷配列の著作権の存続期間)
    第15条
    発行された版の印刷配列の著作権は、版が最初に発行された暦年の終わりから25年の期間の終わりに消滅する。

    (本国の意味)
    第15条のA
    (1) 著作権の存続期間に関するこの部の規定の目的上、著作物の本国は、以下のように決定される。
    (2) 著作物がベルヌ条約国において最初に発行され、かつ、その他の国において同時に発行されないときは、本国は、そのベルヌ条約国となる。
    (3) 1国のみがベルヌ条約国である2又は2以上の国々において同時に著作物が発行される場合には、本国は、そのベルヌ条約国となる
    (4) 2又は2以上の国々がベルヌ条約国である2又は2以上の国々において同時に著作物が発行される場合において、
    (a) それらの国々のいずれかがEEA加盟国であるときは、本国は、そのEEA加盟国となる。
    (b) それらの国々のいずれもEEA加盟国でないときは、本国は、より短い又は最も短い著作権保護期間を許与するベルヌ条約国となる。
    (5) 著作物が発行されず、又はベルヌ条約国でない1国において最初に発行される(かつ、ベルヌ条約国において同時に発行されない)場合において、
    (a) 著作物が映画であり、かつ、映画の製作者がベルヌ条約国にその主たる事務所又は住所若しくは居所を有するときは、本国は、そのベルヌ条約国となる。
    (b) (i) 著作物がベルヌ条約国に建設される建築の著作物であるときは、本国は、そのベルヌ条約国となる。
    (ii) 著作物がベルヌ条約国に所在する建築物その他の建造物と一体となった美術の著作物であるときは、本国は、そのベルヌ条約国となる。
    (c) その他のいずれの場合にも、本国は、著作物の著作者がその国民である国となる。
    (6) この条において、
    (a) 「ベルヌ条約国」とは、1886年9月9日にベルヌで署名された文学的及び美術的著作物の保護に関する国際条約のいずれかの改正条約の当事国である国をいう。
    (b) 同時発行への言及は、最初の発行から30日以内の発行への言及である。



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